最終更新日:2026年8月6日
【重要】Amazon Pinpointはサービス終了が決定しています
AWSは2026年10月30日をもってAmazon Pinpointのサポートを終了すると発表しています。また、2025年5月20日以降は新規サインアップ自体が停止されており、既存ユーザーのみ終了日まで利用継続が可能な状態です。本記事はAmazon Pinpointの導入手順を解説していますが、これから新規にメール配信基盤を構築する場合はAmazon Pinpointではなく、後継として案内されているAmazon SES(Eメールチャネル)またはAmazon Connect Customer outbound campaigns(キャンペーン・セグメント・ジャーニー等のエンゲージメント機能)を直接検討することを強く推奨します。なお、SMS・音声・プッシュ通知・OTP等のチャネルAPIは「AWS End User Messaging」という名称に統合されており、この変更の影響を受けません。詳細はAWS公式サイトの移行ガイド(Amazon Pinpoint end of support)をご確認ください。
はじめに
AWSが提供するメールサービスには、主に「Amazon Simple Email Service (SES)」と「Amazon Pinpoint」という2つの選択肢があります。シンプルなトランザクションメール送信が目的であればSESを、マーケティングキャンペーンや高度な分析・セグメンテーションを要する場合はPinpointが適しているといわれてきました。ただし前述の通りAmazon Pinpointは2026年10月30日にサービス終了予定のため、本記事では既存Pinpointユーザー向けの情報として、SESとの違いや設定手順、実際の運用上の注意点を解説します。新規にメール基盤を構築する場合はAmazon SESを直接ご検討ください。
Amazon PinpointとSESの違い
まず、Amazon SESとAmazon Pinpointの役割を整理します。それぞれが提供する機能や利用シーンを理解することが、最適なメール配信環境を構築するうえで重要です。
Amazon SESの特徴
- シンプルなメール送信: トランザクションメール(パスワードリセット、領収書など)を大量かつ安価に送ることに特化。
- 低コスト: 1000通あたり約0.10USDなど、非常に低コストで運用可能。
- APIやSMTPの利用: sendEmail、sendRawEmail APIを利用するほか、SMTP経由での送信にも対応。
- 添付ファイル対応: 標準でファイルの添付送信が可能。
Amazon Pinpointの特徴
- 多チャネル対応: メールだけでなく、SMS、プッシュ通知、音声通話など幅広いチャネルを統合管理できる。
- 詳細な分析とセグメンテーション: 開封率、クリック率などのリアルタイム分析や、ユーザー属性・行動に基づいたセグメント分けが可能。
- キャンペーン管理・A/Bテスト: マーケティングキャンペーンやユーザージャーニーを可視化し、A/Bテストで最適化しながらメッセージを配信できる。
- コスト: SESよりもやや高価(基本料金+使用量)。複雑な料金体系になることもある。
このように、SESはシンプルなメール配信を安価に行いたいとき、Pinpointはマーケティング用途を中心に詳細な分析やマルチチャネルでの顧客アプローチを必要とするときに力を発揮する、という位置づけでした。なお前述の通りPinpointは終了予定のため、上記のエンゲージメント機能(セグメント・キャンペーン・ジャーニー・分析)は現在Amazon Connect Customer outbound campaignsへの移行が案内されています。
Amazon Pinpointでのメール送信は事前登録なしでも可能
Amazon Pinpointは、本番環境へ移行すれば登録していないメールアドレスにも送信が可能です。ただし、初期状態のAWSアカウントではサンドボックス環境となり、検証済みメールアドレスやドメインにのみ送信が制限されます。サンドボックスを脱して本番環境へ移行するには、AWSサポートにリクエストを提出して承認を得る必要があります。
なお、以下の点には注意が必要です。
- ドメイン検証: 送信元ドメインは必ずPinpoint側で検証が必要です。
- 送信クォータと送信レート: 一日に送信できるメール通数、秒間で送信できる最大通数などの制限がある。
- バウンス率・苦情率: バウンス率や苦情率が高い(5%や0.1%を超えるなど)場合、アカウントが制限される可能性がある。
Amazon PinpointとMailchimpの料金比較
Mailchimpの場合は登録メールアドレス数(コンタクト数)に基づいて課金されます。API経由でメールを送る場合でも、基本的にはコンタクト数と送信量が料金のベースとなる仕組みです。Mailchimpの無料プランはコンタクト数が少ない場合には魅力的ですが、一定を超えると月額料金が上がっていきます。一方PinpointはAWSの従量課金となりますが、マルチチャネルの統合や詳細なイベントトラッキングが強みでした。具体的な料金は変更される可能性があるため、各社公式サイトで最新情報をご確認ください。
Amazon Pinpointの導入ステップ
ここからは、既存のPinpointユーザー向けに導入時の手順を紹介します(前述の通り新規サインアップは既に停止されています)。リージョンは「ap-northeast-1(東京)」または「us-west-2(オレゴン)」などが使えます。必要に応じて検討してください。
- Pinpointプロジェクトの作成
- AWSマネジメントコンソールにログインし、Amazon Pinpointの画面へ移動。
- 「プロジェクトの作成」でプロジェクト名を指定し、Eメールチャネルを有効化。
- 送信元アドレス(またはドメイン)を検証し、ステータスを「検証済み」にする。
- サンドボックス解除(本番利用のリクエスト)をAWSサポートから申請。
- IAMポリシーとユーザーの設定
- Pinpointでメールを送信するために必要な権限(
mobiletargeting:SendMessagesなど)を含むポリシーを作成。 - 新規IAMユーザーを作成し、プログラムによるアクセスを付与して先のポリシーをアタッチする。
- アクセスキーとシークレットアクセスキーを取得する。
- Pinpointでメールを送信するために必要な権限(
- 環境変数とアプリケーション設定
- AWS SDKを導入し、
AWS_REGIONやAWS_ACCESS_KEY_IDなどを.envやサーバー環境で設定する。 composer require aws/aws-sdk-phpでPHPからSDKを利用できるようにする。
- AWS SDKを導入し、
- 送信コードの実装
sendMessagesメソッドを使い、EmailMessageに件名や本文を設定して呼び出す。- レスポンスには宛先ごとに
MessageIdやStatusCodeが含まれるため、必要に応じてログに記録する。 - CCやBCCをPinpointで実装する場合は、それぞれ「個別の宛先」として扱われる点に注意が必要。
- イベントトラッキング・分析
- Pinpointでは
putEventsを呼び出すことで、email_sentなどの独自イベントを登録できる。 - 開封率・クリック率などはPinpointのダッシュボードで可視化される。
- Pinpointでは
添付ファイル送信におけるPinpointの注意点
Amazon SESとは異なり、Pinpointはメールへの直接添付をサポートしていません。添付を送りたい場合は、S3へのアップロード&署名付きURLを生成し、そのリンクをメール本文に記載するパターンが一般的です。大容量ファイルを多数送るようなケースの場合はSESを使うか、Pinpointとのハイブリッド運用を検討しましょう。
コードのサンプル移行時のポイント
SESからPinpointへ移行する際、特に以下の点に気を配るとスムーズです(前述の通りPinpointは終了予定のため、実際には逆方向、つまりPinpointからSESへの移行を検討するケースが今後増えると見込まれます)。
- 複数宛先の扱い: SESのTo/CC/BCC構造をPinpointで再現すると、Pinpointでは宛先ごとに個別のメールが送られる仕組みになるので注意。
- 添付ファイル: 直接添付は不可。S3の署名付きURLで代替可能。
- レスポンスの処理: Pinpointのレスポンスは配列形式で宛先ごとに
MessageId等を返す。全宛先分をログに記録したい場合はループ処理などが必要。 - イベント追跡:
putEventsを使うことで自由度の高いカスタムイベントを残せる。マーケティング分析に活用できる。
この記事のポイント
- Amazon Pinpointは2025年5月20日に新規サインアップを停止し、2026年10月30日にサービス終了予定。既存ユーザーは終了日まで利用可能だが、新規導入は非推奨
- メール送信の後継はAmazon SES、キャンペーン・セグメント等のエンゲージメント機能の後継はAmazon Connect Customer outbound campaigns
- SMS・音声・プッシュ通知・OTP等のチャネルAPIは「AWS End User Messaging」に統合済みで、この終了スケジュールの影響を受けない
- Pinpointはメールへの直接添付が非対応で、S3署名付きURLでの代替が一般的だった(この制約はSESでは存在しない)
よくある質問
- Q. 現在Amazon Pinpointを使っている場合、今すぐ移行が必要ですか?
- A. 2026年10月30日のサービス終了までは既存アカウントで利用を継続できますが、AWSは早めの移行を推奨しています。メール送信のみの用途であればAmazon SESへの移行は比較的シンプルです。
- Q. Amazon Pinpointの新規プロジェクト作成は今からでもできますか?
- A. 2025年5月20日以降にAWSアカウントを新規作成した場合はAmazon Pinpointを新規に利用することはできません。既存アカウントでPinpointを既に利用していたユーザーのみ、終了日まで継続利用が可能です。
- Q. PinpointのキャンペーンやジャーニーはSESに移行できますか?
- A. SES自体にはキャンペーン・セグメント・ジャーニーといったエンゲージメント機能はありません。これらの機能を使い続けたい場合はAmazon Connect Customer outbound campaignsへの移行が案内されています。
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まとめと活用のヒント
Amazon Pinpointは単なるメール配信にとどまらず、多チャネルでの顧客エンゲージメントを総合的に管理するためのプラットフォームとして提供されてきました。細かいメトリクスをトラッキングし、キャンペーンを最適化する仕組みが充実している一方、添付ファイルの直接送信ができない、SESよりもやや高額といった面もありました。そして何より2026年10月30日にサービス終了が決定しているため、これから新規にメール配信基盤やマーケティングオートメーションを構築する場合は、目的に応じてAmazon SES(シンプルな大量トランザクションメール)またはAmazon Connect Customer outbound campaigns(多チャネルのエンゲージメント管理)を直接選択することをおすすめします。
既存のPinpointユーザーは、終了日までにバウンス率や苦情率を抑えるためのリストクレンジングを行いつつ、早めに移行計画を立てて安定した配信を確保してください。
参考リンク
- AWS公式ドキュメント: Amazon Pinpoint end of support(移行ガイド)
- 公式ドキュメント: Amazon SES
- 公式ドキュメント: AWS End User Messaging
この文章は一部AIで生成しています。
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