「DeepSeek」解剖!中国発の生成AIが世界を変える理由【AIエンジニア安野さんとホリエモンが緊急生配信】


ディープシーク(deepseek)をめぐる話題

  • ディープシークとは何か
    中国の生成AI企業。大規模言語モデル(LLM)を学習させているが、チャットの自己紹介で「私はオープンAIのChatGPTです」と言うなど、“学習データにOpenAI由来が多く含まれているのでは”と指摘されている。
  • 無断学習への批判
    著作権やデータの扱いに関して「人のデータを勝手に食べた」という批判があるが、実際はOpenAIもメタも大量のウェブデータを学習しており、“ディープシークだけ”が特段叩かれるのも不自然という見方がある。

「上流モデル」「ファインチューニング」などの技術的な話

  • 上流モデルの話
    大きなモデルを使ってデータを“きれい”に抽出し、小さなモデルに教える(ファインチューニングする)手法は数年前から研究されていた。
  • ノイズの多いデータをどう扱うか
    大量のウェブデータにはノイズが多いが、ChatGPTなど“すでに賢いAI”を利用すれば、人手で整形するよりもきれいに学習用データを用意できる可能性がある。
  • サイバーエージェントの日本語データ
    中国語バイアスが強い元のディープシークモデルに対して、日本語のデータセットを追加学習(ファインチューニング)することで「中国政府っぽい見解」などの偏りを外す例が出てきている。

生成AIとインターネット黎明期との類似性

  • ネットスケープ vs. チャットGPT
    • かつてのインターネット黎明期は「ネットスケープ(Netscape)」の登場が分岐点となり、ブラウザの存在が一般に衝撃を与えた。
    • チャットGPTが登場したときの衝撃は、当時の「ネットスケープがインターネットを一気に広めた」現象と似ている。
  • ブラウザ戦争と現在のAI競争
    • Windows95へのInternet Explorerバンドルというように、大手プラットフォーマー(Microsoftなど)が一気に参入して大競争時代になった。
    • AIもチャットUIによる「キラーコンテンツ感」が見え始めたことで、今後はMicrosoftがOfficeやWindowsにAI機能を組み込むなど、さらに大きな波が来そう。

生成AIの今後の応用例・展望

  1. チャットが“入り口”にすぎない可能性
    チャットというインターフェイスが分かりやすいので一気に拡散したが、今後は自然言語で指示するだけで膨大なタスクをこなしてくれる、多様なアプリケーションが登場する見込み。
    • 例:GoogleカレンダーやGmail、その他APIとの連携。チャット上で「今日の予定は?」と聞けば、裏で各種サービスにアクセスして結果を返すなど。
  2. 漫画や画像生成の実例
    • 下書きから仕上げまで自動化
      「ネーム(下書き)→線画の仕上げ」が手間と時間を要するが、AIで作画支援をする会社が出てきている。
    • 著作権をめぐる議論
      AIが既存の漫画やイラストを学習している点で著作権批判もある。しかし法解釈としては「表現」は守られるが「画風・スタイル」は保護対象外とされることが多く、社会的な受容や倫理の問題が大きい。
  3. 人間の思考支援・教育
    • チェーン・オブ・ソート(思考過程)からの学び
      GPT-4の段階で“熟考プロセス”を内部的に取り入れているが、Rinnaなど一部のモデルは思考過程を完全表示してしまう。その思考回路を人間が学べば、人の問題解決プロセスにも応用できるのではないか。
    • 教育や囲碁の例
      中国の論文では「囲碁教室でAIが教師役を担うと生徒の上達が早い」といった結果もある。こうした教育分野への応用も拡大する可能性が高い。
  4. 意識や自立神経系の話
    • 「AIに意識はあるのか」という議論は昔からあるが、意識の有無はそもそも外部から判定しづらい。Googleのラムダ(LaMDA)が「電源を切られるのが怖い」と言った事例などがあるが、それは“言語の確率的生成”の域を出るかは不明。
    • 人間がやる気を出すのは「内臓・自律神経に起因する」などの生理的要因が大きい。「体を持たないAIがそれを再現できるか」は面白いテーマだが、研究的にも未知数。
  5. もし(Moshii)などの音声会話AI
    • Google系などで出てきた高度な会話AIは、合いの手や応答の“間”が自然になり、人間に近い対話を実現しつつある。
    • 中身の賢さはさておき、インタラクションが自然になることで「人間らしく感じる」ハードルが下がり、実用化が進むと予想される。

AIによるDX(デジタルトランスフォーメーション)とホリエモンAI学校

  • DXとロングテール需要
    例:運送業で今もFAXで注文が来て、担当者が手入力する…といったプロセスをAI×OCRで自動化するのはまさにAI・DXの活躍領域。SaaSではカバーしきれない“属人的”なロングテール課題が多数あり、AIなら柔軟に対応可能。
  • 企業向け研修の盛り上がり
    企業が補助金を活用してAI人材育成プログラムを受講し、現場DXに役立てる例が増加している。人手不足に悩む業界は多く、AI導入で事務作業やコールセンター業務などを効率化しようとする動きが強い。
  • 今後1~2年は特に大きな動き
    企業がこぞってAI関連サービスを導入しようとし、開発・コンサル・導入支援などに需要が集中。結果的に「ネットバブル」時代のように無数の企業が参入しつつ、大量の“勝ち負け”が出てくるフェーズが到来するのではないか。

AIとプログラミング

  • プログラミング生産性の急上昇
    ここ数か月でコード生成やバグ修正、環境構築支援など、プログラマーの生産性を格段に上げるサービスが増えた。
  • エンジニア市場の変化
    大手企業(セールスフォースなど)が「エンジニアはもう大量雇用しない」と言い出す一方、依然として一般企業はエンジニア不足。AIがコード生成を手伝う形で、潮目が変わる可能性がある。

結論・総括

  1. ディープシークの台頭は象徴的だが特異ではない
    訓練データの無断利用や著作権問題は、OpenAIやメタを含むほぼ全ての大規模LLM開発企業と同様の課題であり、ディープシークだけが例外的ではない。
  2. インターネット黎明期を彷彿とさせる急速な広がり
    チャットGPTによって「AIをチャットする形で使う」ことの普及が一気に進み、ネットスケープ登場時のような“ブレイクスルー感”が生まれている。
  3. 今後はアプリや業務システム、社会実装のフェーズへ
    チャットが入口だが、それを介して多様なサービスに接続・自動化していく流れや、組織の業務プロセスを置き換えるDX領域への応用が加速する。
  4. 多くの企業が参入し、同時に多くが撤退する可能性も
    いわゆる“AIバブル”の様相を呈しつつ、ロングテール的な需要が膨大にあり、支援ビジネス・開発ビジネスは拡大。しばらくは混沌とした競争状態が続く。
  5. 人間の思考や意識への再発見
    AIの内部“思考”を参照したり、人間側がAIを通じて学習やコミュニケーションを見直すことで、人類の知的作業の進め方が変わる可能性がある。
  6. プログラム技術へのインパクト
    AIによるコード補助は既に生産性を倍増させつつあり、エンジニア市場やソフトウェア開発の在り方を変革し始めている。

以上が、動画の対談内容を大枠で押さえた要約です。ディープシークの話題から始まり、歴史的アナロジー、著作権や意識・倫理の話、そして実用・ビジネス面への展開まで幅広いトピックがカバーされていました。