ネットワークエンジニアのキャリアパスを解説!キャリアパスの選び方3つもご紹介
ネットワークエンジニアのキャリアパスとは
キャリアパスとは、将来自分が目指す職種や職位に就くまでにどのような形で経験を積んでいくかという道筋やプランのことです。
従来、エンジニアの典型的なキャリアパスは、プログラマーからシステムエンジニア、プロジェクトリーダー、そしてプロジェクトマネージャーを目指すという流れでした。
しかし、現在キャリアパスの多様化が進んでおり、キャリアの幅は今まで以上に大きく広がり始めています。
【系統別】ネットワークエンジニアからのキャリアパスが可能な職種
ネットワークエンジニアからのキャリアパスは、大きく二つに分けられます。汎用性の高いゼネラリスト系と専門性の高いスペシャリスト系です。
どちらを目指すかによって、求められるスキルや働き方が大きく変わります。働き始めないと判断できない部分もあるでしょうが、事前にある程度理解をしておくことで今後のキャリアパスへも影響を及ぼすでしょう。
ゼネラリスト系の職種4つ
ネットワークエンジニアから進むゼネラリストは、Webサービスや情報ネットワークシステムに関する全般的な知識や経験をバランスよく備えている人物であることが理想です。
ゼネラリスト系の職種は、インフラエンジニア、クラウドエンジニア、プロジェクトマネージャー、フルスタックエンジニアなどがあります。
それぞれの職種について見ていきましょう。
ゼネラリスト系の職種1:インフラエンジニア
IT業界におけるインフラエンジニアは縁の下の力持ちとして必要不可欠な存在であり、ゼネラリスト系の礎となるのがインフラエンジニアです。
ネットワーク、サーバ、OS、セキュリティなどが連携しているITインフラ全般について対応できる必要があります。
ただし、インフラエンジニアは異業種からの転職例も多く、実績の少ないネットワークエンジニアでも選びやすい職種です。
ゼネラリスト系の職種2:クラウドエンジニア
クラウドエンジニアは、クラウドを使用したシステムインフラの構築やストレージ環境構築、クラウドの運用・保守などを行います。そのため、クラウドエンジニアには、サーバーやネットワークの設計構築の経験が求められます。
システムインフラのクラウド化によってクラウド活用の提案から導入・運用までできるエンジニアは不足しており、ネットワークエンジニアもクラウドエンジニアにステップアップしやすいでしょう。
ゼネラリスト系の職種3:プロジェクトマネージャー
ネットワークエンジニアがプロジェクトリーダーを経てプロジェクトマネージャーになるのは、ゼネラリスト系の主要なキャリアパスです。
プロジェクトマネージャーは管理者であり、プロジェクトで重要な費用や納期、品、リスクなどの管理が厳しく求められます。さらに、ITスキル以外にコミュニケーション能力や調整能力なども必要とされ、出世も早く昇給しやすい傾向にあります。
ゼネラリスト系の職種4:フルスタックエンジニア
アプリケーションの開発からインフラまで一人で対応できるフルスタックエンジニアは、企業では重宝されるため、昨今ではゼネラリスト系の中でも人気の職種です。
フルスタックエンジニアは、プログラミング言語の知識、OSやクラウドのスキルなどが必要です。ネットワークエンジニアからフルスタックエンジニアへキャリアアップし、さらには将来的にフリーランスとして独立・起業を目指す人も多く見られます。
スペシャリスト系の職種2つ
ネットワークエンジニアから進むスペシャリストは、Webネットワークに関する一部の分野における卓越した専門技術や知識を保持し、ゼネラリストが対応できない状況や案件を適切に処理し、状況を改善する必要があります。
スペシャリスト系の職種は、テクニカルサポートエンジニアやセキュリティエンジニアなどがあります。
それぞれの職種について見ていきましょう。
スペシャリスト系の職種1:テクニカルサポートエンジニア
テクニカルサポートエンジニアは、CiscoやJuniperなど特定製品のスペシャリストです。
テクニカルサポートエンジニアを目指すためには、基本設計に関する強みを持ちましょう。基本設計はすべてに大きく影響するため、豊富な経験とセンスが必要です。
また、商社系システムインテグレーターや機器ベンダーに所属して技術的な問い合わせ対応を行うため、コミュニケーション能力も求められます。
スペシャリスト系の職種2:セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、情報セキュリティに関する業務に特化したエンジニアで、企業のサイバー攻撃への対策を行うスペシャリストです。
セキュリティエンジニアは、ITインフラに関する基礎知識から、セキュリティマネジメント、ネットワークセキュリティ、システムセキュリティに関する知識が必要です。
求められるスキルは多く責任も大きいセキュリティエンジニアですが、需要は高く収入も高いエンジニアです。
ネットワークエンジニアがキャリアパスのためにする準備3つ
キャリアアップをするには、現在いる業界にとどまりスペシャリストやプロジェクトマネージャーを目指すルートと、異なる業界に飛び込み新たな職種を目指すルートがあります。
いずれを選択しても、求められるスキルは現在と異なるため、あらかじめ準備をしておけば、キャリアアップの成功につなげられます。
ここからは、ネットワークエンジニアがキャリアパスのために準備することを見ていきましょう。
キャリアパスのための準備1:ネットワーク構築の経験を積む
IT業界に入って日が浅い人や未経験者は、まず設計・構築を目指してスキルアップをしていきましょう。その中で自分が理想とするエンジニアの姿が形作られる可能性もあります。
ネットワークエンジニアとしての最初の1〜3年は、ネットワークの運用や監視、続いて設計・構築の経験を積みながら、スキルを磨きましょう。
この経験は今後のキャリアパスに大きく影響します。
キャリアパスのための準備2:ネットワーク系資格を取得する
最低限の知識と経験を身に着けた後は、ネットワーク系の資格取得を目指しましょう。ネットワークエンジニアの評価は、現場での実績と保有資格によって大きく左右します。
Cisco技術者認定、Microsoft認定資格プログラム、Linux技術者認定資格(LPIC)などがおすすめです。
あらかじめ方向性を定めて、次のステージにも役立つ資格取得を目指しても良いでしょう。
キャリアパスのための準備3:下流工程に就く
ネットワークエンジニアは、一般的に運用・保守などの下流工程から始めて、要件定義や設計、構築などの上流工程へとスキルアップしていきます。
未経験者や初心者のエンジニアは、まず下流工程に就き、実績を積みながら書籍や資格試験を活用して構築スキルを身につけましょう。
なお、資格試験は、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、ネットワークスペシャリスト試験と段階的に合格を目指すと良いでしょう。
ネットワークエンジニアのキャリアパスの選び方3つ
ITエンジニアは、プログラマーからシステムエンジニアやプロジェクトマネージャー、ITコンサルタントなどにキャリアアップしていくのが主要なキャリアパスですが、その過程においてそれぞれポジションごとに適性とやりがいがあります。
前述したとおり、ネットワークエンジニアにはさまざまなキャリアパスがあります。ここでは、その選び方を紹介します。
キャリアパスの選び方1:自分の適性を知る
ネットワークエンジニアに限らず、すべての職種に言えることですが、キャリアパスを選ぶ際に重要なのは自分の適性を知ることです。
業務適性を見極めるポイントは、自分なりの強みを見つけることです。自分がどんな能力に秀でていて、どんな業務にやりがいを感じるのかを分析しておくことで、キャリアパスを選択しやすくなります。
また、身近な先輩社員や上司の仕事に関心を持ち、話を聞いてみるのも良いでしょう。
キャリアパスの選び方2:どんな志向があるかを見極める
キャリアパスを選ぶうえで適性と同時に重要なのが自分の志向です。自分自身が求める姿と現実にアウトプットできる自分の乖離が大きいほど、業務に対する不満を抱きやすく、長続きしないでしょう。
ネットワークエンジニアがキャリアパスを選ぶうえで、例えばネットワークにおける汎用的な内容を網羅したいタイプなのか、それとも専門性を突きつめることが好きなタイプなのかなどを予め見極めておきましょう。
キャリアパスの選び方3:将来のビジョンを明確にする
自分の適性や志向など自分の本質を追究したあとは、将来的な自分の姿を思い描いてみましょう。すると、自然に自分なりのキャリアのゴールが見えてきます。
将来的にキャリアにおけるやりたいこと(DOING)とありたい姿(BEING)を明確にし、自分が大事にする価値観やこだわりなどを言語化してみましょう。将来的なビジョンを明確にすることで、自分自身が希望するキャリアパスも見えてくるでしょう。
ネットワークエンジニアのキャリアパスを考えよう
ネットワークエンジニアには多くのキャリアパスがあり、自分の適性や志向などを考慮して選択していきましょう。そのためには、日頃から周囲の意見を集めたり、資格を取得するなどの努力が必要です。
キャリアアップをするためには、ときに選択にリスクがあったり、多大な努力を必要とします。
しかし、あらかじめ将来的なゴールを意識しつつ真面目に努力を重ねていけば、自分が求めるキャリアパスをつかめるでしょう。