基本情報技術者試験のメリット4つ|試験の基礎知識と勉強方法もご紹介!

基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験は国家試験であり、IT全般に関して幅広い範囲から出題される試験です。IT業界はもちろんのこと、一般的にもよく知られている資格試験です。ここでは、その概要について見ていきます。

IT業界で活躍するための基礎となる資格

基本情報技術者試験は、IT エンジニアに必要な基礎の範囲を国家が定めた試験です。それゆえ、この試験に合格すれば、ITの基礎が備わっていることの証明になるので、ITエンジニアとしてキャリアをスタートさせるのなら、最初に取っておきたい資格です。

試験時間と実施日

基本情報技術者試験は、午前試験と午後試験から成り、どちらも試験時間は 2時間30分です。

また、どちらの試験も100点満点中60点以上を獲得すれば合格です。毎年春期(4月第3日曜日)と秋期(10月第3日曜日)に行われるので、実施日は年2回あります。

難易度と合格率

基本情報技術者試験はレベル2に分類され、難易度はレベル1のITパスポート試験よりも高く、さらに上位の資格への登竜門となる試験です。

IT技術に関する広範な基礎知識が求められるため、難易度はやや高めで、近年の合格率は20%台前半で推移しています。

基本情報技術者試験の試験内容

基本情報技術者試験は午前と午後に分かれますが、出題形式も午前と午後では大きく異なります。それゆえ、試験対策としては当然それぞれに違ったアプローチが必要です。

ここでは、この2つの試験の内容について詳しく見ていきます。

午前試験

午前試験は80問で、全て四肢択一のマークシート方式で出題されます。試験範囲の大分類は基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム戦略、経営戦略、企業と法務の9つです。

プロジェクトやサービスのマネジメント、経営戦略、企業と法務といったビジネス系の問題も含まれ、さらに中分類は23分野にまで及ぶため、非常に幅広い知識が求められています。

午前試験が免除されることがある

基本情報技術者試験には午前免除制度があります。これは、本試験までに2回実施される 「午前免除に係る修了試験」のどちらかに合格すれば、その後1年間(2期分)は本試験の午前試験が免除される制度です。

そして、この修了試験を受験するには、IPA(情報処理推進機構)が認定した研修コースを受講する必要があります。

午後試験

午後試験は11問で、必須問題と選択問題からなります。試験範囲の大分類はコンピュータシステム、情報セキュリティ、データ構造及びアルゴリズム、ソフトウェア設計、マネジメント、ソフトウェア開発、ストラテジに関することの7つです。

その中で問1の「情報セキュリティに関すること」と問6の「データ構造及びアルゴリズムに関すること」は必須問題で、それ以外は全て選択問題です。また、午後問題には長文形式の出題があり、大問の中に複数の設問がある形式です。

基本情報技術者試験を取得するメリット4選

基本情報技術者試験の勉強を通じて、IT企業で必要な基礎知識を体系的に学べます。しかも、マネジメントや経営に関する知識も習得できるので、この資格を取得すれば、業務全般を円滑に進められるでしょう。

ここでは、この資格を取得するメリットをさらに細かく見ていきます。

基本情報技術者試験を取得するメリット1:資格手当を出してくれる企業がある

IT関連企業に就職した新人が最初に会社から取らされるが基本情報技術者試験です。企業にとっては国家試験合格者数でその技術力を誇示でき、新人にとってもこの試験に合格すればIT知識の基礎が幅広く身につくので、まさに一挙両得だからです。

それゆえ、基本情報技術者試験を表彰対象試験や推奨資格として採用する企業が増えています。これにより合格者には一時金が支給されたり、通信講座の受講料が会社負担になったりするので、合格までに要した費用の採算が取れます。

基本情報技術者試験を取得するメリット2:就転職に有利になる

数あるIT関連資格の中でも、基本情報技術者試験は最も知名度が高い試験です。それゆえ、この資格を取得すれば、就職や転職の際に、自分が持つスキルや知識を端的に証明することができます。

したがって、この資格を持つと、ITエンジニアとして仕事をしていく上で展開が楽になります。

基本情報技術者試験を取得するメリット3:仕事に直接活かせる

基本情報技術者試験の学習を通して、基礎的なプログラミング能力とそれに必要な論理的思考が身につきます。そして、一つのプログラミング言語を習得すると、今まで手作業の繰り返しでこなしてきた事柄を自動処理に置き換えることが可能になります。

また、基本情報技術者試験の問題はIT現場の第一線で活躍する専門家、大学の教員、研究所の研究員から成る約400名の試験委員が作成しています。それゆえ、最新技術が問題に反映されるなど、基本情報技術者試験は時代の変化にも即応しています。したがって、この資格で得た知識は直接仕事に活かすことができます。

基本情報技術者試験を取得するメリット4:フリーランス案件を獲得しやすくなる

フリーランスで仕事をする上でも、基本情報技術者試験を取得するメリットは大いにあります。なぜなら、企業がフリーランスに即戦力のスキルを求めるケースが多いからです。しかも、企業は資格を見れば、どの程度のスキルレベルにあるのかを即座に判断できます。

それゆえ、この資格が募集要件にマッチすれば、他の応募者よりも書類選考の段階で1歩先んじることができます。したがって、この資格はIT業界で仕事を探す上でも、有効な証明になります。

基本情報技術者試験の勉強方法

基本情報技術者試験に合格するための勉強時間は、事前知識のない人の場合、200時間前後になります。事前知識がある人はその半分程度の勉強時間でも合格できますが、マネジメント系やストラテジ系の学習が新たに必要になるかもしれません。

ここでは、基本情報技術者試験の勉強方法について見ていきます。

午前試験の勉強方法

基本情報技術者試験の午前試験には、過去問が繰り返し出題される傾向があります。過去に出た問題と全く同じ問題が出題されることがあるので、まずは過去問をひたすら解いて自分のレベルを把握する必要があります。

そして、どの分野の知識が足りないのかがわかったら、そこを埋めるための書籍を選びましょう。

また、午前試験には計算問題が出題されます。仕組みや用語の意味が分かっていれば正解を出せる問題なので、正答できない問題があればその問題を何度も解いて、計算方法を覚えてしまうやり方が有効です。

午後試験の勉強方法

午前試験は4択ですが、午後試験にはそれ以上の選択肢があり、問題そのものも長文です。それゆえ、長文読解力が求められるので、参考書など解説をしっかり読み込む地道な勉強が有効です。

午後試験の問1から問5は、午前試験の知識を応用した問題なので、午後試験の苦手分野は、それと同じ分野の午前試験の問題を多く解くことで制覇できます。

また、午後試験の配点は「セキュリティ」が20点、「データ構造及びアルゴリズム」と「プログラム言語問題」が25点です。この3問以外の配点は全て15点なので、非常に高い配点になっています。

それゆえ、この3問に比重を置いた勉強法が合格への近道ですが、「データ構造及びアルゴリズム」と「プログラム言語問題」は難関と言われています。

どちらもプログラミングに関わる問題ですが、プログラミングの初心者で今後もそれをしない人は、CALSⅡ(アセンブラ)を選択すると良いでしょう。覚える規約が少なく、問題のコードも短いからです。

プログラミングの初心者で今後はそれをする人には、Javaなどの学習がお勧めです。

基礎が身についたらステップアップを目指す

レベル2の基本情報技術者試験の次には、同じ情報処理技術者の枠内にあるレベル3の応用情報技術者試験があります。さらにその先には、高度情報処理技術者の枠内にあるレベル4の9種類の試験も控えています。

上位の試験に合格することは簡単ではありませんが、基本情報技術者試験の範囲を深めた出題が多く見られます。基本情報技術者試験に合格して基礎を固めたら、上位試験を目指しましょう。

基本情報技術者試験を取得して基礎を身につけよう

既に述べたように、基本情報技術者試験は上位資格への登竜門となる試験ですが、同時にIT業界で働く上でも登竜門となる試験です。なぜなら、IT業界で必要な基礎知識から幅広く出題されているからです。

したがって、この門を通過しないとIT業界での活躍は望めません。まずは基本情報技術者試験に合格して、しっかりと基礎を身につけましょう。