フロントエンドの開発に必要な言語6選|効率化するツールも紹介
フロントエンドエンジニアとは?
フロントエンドエンジニアとはWebサイトのフロントエンドを担当するエンジニアです。
ユーザーと直接データのやり取りを行うWebブラウザ側のことをフロントエンドと呼びます。フロントエンドエンジニアはWebデザイナーが作成したデザインをもとに、HTMLやCSS、JavaScriptなどを使ってWebサイトを構築したり、カスタマイズを行ったりします。
バックエンドエンジニアとの違い
バックエンドエンジニアはWebサイトの、いわば裏側を担うエンジニアです。
ユーザーが目にするフロントエンドとは逆に、データベース周りの設計や開発、ユーザーからは見えない動的な処理などを実装します。
たとえばECサイトの会員登録処理やクレジットカード決済などで用いる個人情報の読み込みなどの処理は、バックエンドエンジニアが構築しています。
マークアップエンジニアとの違い
マークアップエンジニアはHTMLを使ってWebサイトを設計するエンジニアです。
マークアップエンジニアとフロントエンドエンジニアはほぼ同じ職種ですが、使用するプログラミング言語が異なります。
HTMLだけでなくCSSやJavaScript、PHPなどを使うフロントエンドエンジニアと違い、マークアップエンジニアは主にHTMLを使い、ユーザビリティを考慮したWebサイトを作ります。
フロントエンドの開発の現状
フロントエンドエンジニアはスマホのUIの担い手として非常に重要です。
スマホの普及により、近年では子どもから大人まで多くの人がスマホを利用しています。そのため、企業サイトやECサイトもスマホに合わせたUI設計を行い、実装する必要が生まれました。
近年ではモバイル対応のスキルはフロントエンドエンジニアにとって必須のスキルとなっています。
フロントエンド開発の将来性
フロントエンド開発は今後も需要があると言えます。
これからもWebサイトやWebアプリケーションは増え続けていくことが予想できるため、それらに関わるフロントエンドの開発の需要が減ることはないでしょう。
ただし、新しい技術がどんどん生まれていることから、AIによりフロントエンド開発の一部は自動化される可能性もあります。そのため、フロントエンドエンジニアは日頃から新しい技術を積極的に学ぶことが重要です。
フロントエンド開発に必要な言語6選
フロントエンド開発にはどのようなプログラミング言語が用いられるのでしょうか。
プログラミング言語には多くの種類があり、それぞれ用いられる分野も異なります。フロントエンドでは主にHTML、CSS、JavaScriptが用いられますが、他にも使用する言語があります。
ここではフロントエンド開発に必要な言語6選をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
フロントエンド開発に必要な言語1:HTML
HTMLはWebページを作るプログラミング言語です。
正確には、HTMLは「ハイパーテキストマークアップランゲージ」を略した言葉で、マークアップ言語と呼ばれています。
HTMLはタグによってWebページのタイトル、小見出しなどを設定し、文書の中に特定の意味を持たせてページ全体を構造化します。インターネット上にあるWebサイトのページは、そのほとんどがHTMLで構築されています。
フロントエンド開発に必要な言語2:CSS
CSSはWebページのデザインを行うプログラミング言語です。
CSSはスタイルシートとも呼ばれており、HTMLと合わせてWebページを作成するために使用されています。CSSはスタイルシートという名前のとおり、Webサイトのスタイルを決定します。
HTMLが構築した文書構造の文字の色を変えたりフォントサイズを変更したり、見栄えを整えるといった役割を持ちます。
フロントエンド開発に必要な言語3:JavaScript
JavaScriptはWebサイトに動的な要素を追加できるプログラミング言語です。
Webサイト上でのポップアップやアニメーションの実装に使用されています。基本はフロントサイドの開発に用いられますが、サーバーサイドでの開発も可能なため、アプリケーション開発にも必須の言語となっています。
そのため、今後もWebアプリケーションの開発現場で需要が拡大するでしょう。
フロントエンド開発に必要な言語4:PHP
PHPはWebサービス開発に特化したプログラミング言語です。
JavaScriptと同じスクリプト言語で、CMSの「WordPress」の構築に必要です。また、サーバーサイドでプログラムを実行するという特徴があり、多くのサーバーサイドのWebサイトがPHPを使用しています。
また、HTMLやCSSの次に勉強しやすく、習得難易度も高くはないため初心者におすすめです。
フロントエンド開発に必要な言語5:Python
PythonはAI開発にも使用されているプログラミング言語です。
コードがシンプルで読み書きがしやすく、機械学習に特化したライブラリがあることから、近年では特にAI開発で注目されています。
また、他にもWebアプリケーションやゲーム、IoT、分析ツールなどのさまざまな分野で採用されており、その汎用性の高さから需要が高い言語となっています。
フロントエンド開発に必要な言語6:Ruby
Rubyは日本人が開発したプログラミング言語です。
エンジニアが楽しくプログラミングができることをコンセプトにした言語で、サーバーサイドで用いられます。また、Rubyで使えるフレームワークの「Ruby on Rails」を利用することで、効率的でスピード感のあるWebアプリケーションの開発が可能です。
文法がわかりやすく日本語の情報も豊富なので、初心者でも習得しやすいでしょう。
フロントエンド開発の作業効率を上げるフレームワーク・ライブラリ5選
フロントエンド開発の作業効率を上げるおすすめのフレームワークやライブラリをご紹介します。
フロントエンドの開発をより早く効率的に行うには、便利なフレームワークやライブラリを活用するのがおすすめです。
ここではフロントエンド開発の作業効率を上げるフレームワークやライブラリ5選をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
フレームワーク・ライブラリ1:React.js
React.jsはUIのパーツを構築するためのJavaScript用のライブラリです。
Facebookとコミュニティによって開発されているライブラリで、多くの大企業でも採用されています。管理しやすいように設計されているため、大規模開発に適しているという特徴があります。
ただし資料は英語のものが多いため、使いこなすには少しハードルが高いと言えます。
フレームワーク・ライブラリ2:jQuery
jQueryはWebブラウザ用のコードを容易に記述できるJavaScript用のライブラリです。
アニメーションなどを容易に実装できるライブラリで、初心者にも使いやすいです。Web制作現場では多くの企業に採用されています。
しかし多くの機能が追加されたため、動作が重たい点が難点となっています。
フレームワーク・ライブラリ3:Vue.js
Vue.jsはUIを構築するためのプログレッシブフレームワークです。
シンプルな構造になっており、モノリシックなフレームワークとは異なり、少しずつ適用できるように設計されています。そのため、開発の手法が制限されにくいのがメリットです。
また、比較的学習コストも少ないため、まだ経験の浅いエンジニアでも使いやすいのがポイントです。
フレームワーク・ライブラリ4:AngularJS
AngularJSはJavaScriptのMVWフレームワークです。
Googleやコミュニティによって開発されており、複雑なWebアプリケーションのフロントエンドを効率的に実装できます。
また、MVWは「Model-View-Whatever」のことで、「ModelやView、その他何でも」という意味になります。AngularJSは特に業務系アプリやCRUD系アプリに向いています。
フレームワーク・ライブラリ5:Bootstrap
BootstrapはWeb制作のためのフロントエンドのフレームワークです。
CSSファイルとJavaScriptファイルによって構成されており、豊富なデザインが用意されているため、好みのデザインでWebサイトを効率的に構築できます。
また、レスポンシブ対応となっているため、Bootstrapで構築したWebサイトはスマホからでも閲覧できます。
フロントエンドの開発を効率化するツールとは?
フロントエンドエンジニアとして働くなら、効率的な開発を行うことが重要です。
フロントエンドの開発を効率化するためには、さまざまな便利なツールをうまく活用して開発スピードを上げていくのがポイントです。
ここではフロントエンドの開発を効率化するツールについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
Gulp・Grunt
GulpやGruntはタスク自動化ツールです。
タスクランナーとも呼ばれるもので、JavaScriptなどのタスクを自動化します。たとえばファイルを最適化したり、CSSとJavaScriptのファイルを統合したりすることで、フロントエンドの開発をサポートします。
自動的にWeb制作でのさまざまな処理を行うため、コード量も少なく押さえることが可能になります。
Git
Gitはソースコードの変更履歴を記録する分散型バージョン管理システムです。
Gitでは編集前のファイルを残したまま新しいファイルを保存するといったこともできるため、古いバージョンから新しいバージョンまでファイルを簡単に管理できます。
プログラム開発の現場では修正によって不具合が発生し、前のバージョンに戻すことも多いです。そういった場合にGitは非常に役に立ちます。
フロントエンド開発に必要な知識4つ
フロントエンドの開発にはどのような知識が必要になるのでしょうか。
フロントエンド開発はITの中でも流行の移り変わりが特に激しいWeb部分の開発であるため、身につけた知識がすぐに古くなることも珍しくはありません。
ここではフロントエンド開発に必要な知識4つをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
フロントエンド開発に必要な知識1:SEOの知識
フロントエンド開発にはSEOに関する知識が必要です。
Google検索で特定のキーワードが入力された場合、他の競合サイトを押さえて上位表示できるようにするSEO対策は、Webサイトの運営では非常に重要なポイントになります。
上位表示されるようにするには、優良なコンテンツを用意するのはもちろん、タグや内部リンクなどさまざまな要素が関わってきます。
フロントエンド開発に必要な知識2:UI・UXの知識
フロントエンド開発にはユーザーが楽しく使えるようなUI・UXの知識が必要です。
一見おしゃれなデザインのWebサイトでも、ボタンやコンテンツなどがどこにあるかわかりにくくユーザーにとって使いにくければ、ユーザーはすぐにサイトを離脱してしまいます。
そのため、Webサイトは見た目の綺麗さだけでなく、ユーザーが利用しやすく有益であることが重要です。
フロントエンド開発に必要な知識3:多種多様なデバイスの知識
フロントエンド開発にはさまざまなデバイスの知識が必要です。
ユーザーがWebサイトを見る場合、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスが使用されます。また、どのデバイスから見ても適切に閲覧できるようにするにはマルチデバイス対応が必須となります。
このように、どのデバイスでもデザインが最適化されるWebサイトをレスポンシブデザインと呼びます。
フロントエンド開発に必要な知識4:フォントの知識
フロントエンド開発にはフォントの知識も必要です。
Webサイトで文字を見やすく綺麗に表示させるには、フロントエンドの開発でもフォントに関する知識が必要になります。
また、ブラウザやデバイス、OSなどの違いによってフォントの見え方は変わるため、それぞれどのような違いがあるのかも把握したうえで開発を行う必要があります。
フロントエンドの開発に向いている人3選
フロントエンドの開発には向き不向きがあります。
フロントエンドは普段インターネットを利用していると必ず目にする部分のため、フロントエンドに興味を持っている方も多いでしょう。しかしフロントエンドはトレンドの移り変わりが激しいため、そもそも向いていない人ではフロントエンドの開発で活躍するのは難しいです。
ここでは最後にフロントエンドの開発に向いている人3選をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
フロントエンドの開発に向いている人1:デザインに興味・関心が高い人
Webデザインに興味や関心が高い人はフロントエンド開発に向いているでしょう。
Webデザイナーのデザイン案をもとにWebサイトを作るのがフロントエンドエンジニアなので、フロントエンドの開発はサイトに来る人が見るためのデザインを実現化させることだと言えます。
そのため、フロントエンドエンジニア自身がデザインに興味があり、デザインに精通していれば、よりスムーズに仕事ができるようになるでしょう。
フロントエンドの開発に向いている人2:論理的思考力がある人
論理的思考ができる人はフロントエンド開発に向いているでしょう。
論理的思考力は物事の法則を正確に理解し、対応する能力です。コーディングは規模が大きくなるほど、どこでどのような処理を行えばどうなるのかといったことを何層にも考えなければいけなくなります。
そのため、フロントエンドに限らずエンジニアには論理的思考力が必要です。
フロントエンドの開発に向いている人3:最新の情報・技術に関心がある人
最新情報を入手したり取り込める人はフロントエンド開発に向いているでしょう。
前述のとおりWebの分野は非常にトレンドの移り変わりが激しいため、日々移り変わる情報をキャッチアップできる高い情報収集能力が必要です。
また、手に入れた最新の情報や技術をうまく取り入れることができる人なら、フロントエンドエンジニアだけでなく、Webに関わるエンジニアとしてキャリアアップしていくことができるでしょう。
フロントエンド開発に必要なスキルをマスターしよう
フロントエンドの開発を便利にするさまざまなライブラリやツールがあります。
ぜひこの記事でご紹介したフロントエンドエンジニアの概要やフロントエンド開発に必要な言語、フロントエンドの開発に便利なフレームワーク・ライブラリなどを参考に、フロントエンドの開発の理解を深めてみてはいかがでしょうか。