オープン系・汎用系・Web系システムの特徴各6選|開発の需要と将来性

システム開発とは

システム開発とはプログラミング言語を用いてシステム開発を行うことです。

システム開発を行う場合、多くの場合はプログラミングスキルを持った複数のエンジニアによって、システム開発に適したプログラミング言語を使用して開発を進めていくことになります。

そのため、システムを自社開発する場合は、システムの種類によって採用すべき職種やプログラミング言語を検討する必要があります。

システム開発の種類3つ

システム開発には3つの種類があります。

システム開発と一口に言っても、その種類には大きく分けて「オープン系」「汎用系」「Web系」の3つがあります。また、システム開発の種類によって、開発対象のシステムの分野や言語は異なります。

ここではシステム開発の種類3つを紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

システム開発の種類1:オープン系システム

オープン系システムとは業務系アプリケーションを開発するシステム開発です。

オープン系システムはシステム開発では主流となっており、企業に合わせて独自システムを構築します。また、オープン系システムは幅広いユーザーを想定しているWeb系とは異なり、企業ごとの専門性を高め、オーダーメイドのシステム開発を行います。

オープン系システム開発では、主にUnixやLinux、Javaなどの言語が採用されます。

システム開発の種類2:汎用系システム

汎用系システムとは汎用機で使用するシステムを開発するシステム開発です。

近年では小型のコンピュータが普及しているためイメージが湧きにくいですが、もともとは一部の企業が汎用機と呼ばれる大型のコンピュータを使用していました。

現在でも汎用機が利用されているケースも少なくはなく、このような汎用機で使用するシステム開発には非常に専門的な知識が求められます。また、汎用系の開発にはCOBOLなどが使用されます。

システム開発の種類3:Web系システム

Web系システムとはWebアプリケーションを開発するシステム開発です。

Web系システムではECサイトやSNSなどの不特定多数のユーザーが利用するアプリケーション開発が主になります。前述のオープン系システムとは異なり、さまざまなユーザーが訪れて利用することに意味があります。

そのため、高速処理が可能な言語を使用する必要があり、開発にはPHPやJava、JavaScript
などが使用されます。

オープン系システムの特徴6選

オープン系システムの特徴を紹介します。

オープン系システムとは、汎用系システムに対して登場した新しいシステムです。オープン系システムは前述のとおり、企業ごとの業務環境に合わせた専門的なシステムですが、汎用機ではなくパソコンで使用するという違いがあります。

ここではオープン系システムの特徴6選を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

オープン系システムの特徴1:パソコンを使用

オープン系システムはパソコンで使用されるシステムとなっています。

オープン系システムは汎用系システムのような汎用機ではなく、パソコンで使用するシステムを開発するシステム開発です。

また、汎用機ではなくパソコンを使用することからWindowsやMacなどのOSを利用することができ、より柔軟性の高いシステム開発ができるという特徴があります。

オープン系システムの特徴2:使用するプログラミング言語も多い

オープン系システムは使用できるプログラミング言語が豊富という特徴があります。

前述のとおりオープン系システムはパソコンを基軸としたシステム開発となるため、汎用機のように使用できるプログラミング言語が制限されず、さまざまな言語を使ったシステム開発が可能です。

そのため、開発したいシステムに合わせて最適なプログラミング言語を採用することができます。

オープン系システムの特徴3:コストが安い

オープン系システムはコストパフォーマンスの高さが特徴です。

汎用機で使用するシステムもオープン系システムもどちらも何でもできるシステムですが、オープン系システムは汎用系システムと比較して圧倒的にコストパフォーマンスが良い点が特徴です。

汎用機に近い性能を持ったパソコンが普及したことによってオープン系システム開発も普及し、コストを抑えてシステム開発が行えるようになりました。

オープン系システムの特徴4:開発・変更が柔軟

オープン系システムは開発や変更が柔軟に行える点が特徴です。

高い計算機能を持った汎用機ですが、時代の変化によって柔軟性の高いパソコンが求められるようになってきました。

また、パソコンの普及が広がるにつれてより柔軟性に優れたパソコンも多く登場するようになり、オープン系システムも従来の汎用系システムよりも開発や変更に対して高い柔軟性を持つようになりました。

オープン系システムの特徴5:性能向上が高い

オープン系システムは性能向上が高い点が特徴です。

一般家庭にパソコンが普及して以降、パソコンの性能はどんどん向上していっています。また、汎用機と異なり、パソコンの場合はOSなどのアップデートが定期的に行われます。

そのため、パソコン自体の性能が低下しにくいことから、現在では汎用系システムよりもオープン系システムのほうが主流となりました。

オープン系システムの特徴6:仕事の需要は増加傾向

オープン系システムの需要は増加傾向にあるという点が特徴です。

汎用機に代わって個人でも利用できる小型のパソコンが普及するにつれ、汎用系システムの需要はだんだんと低下していきました。

また、それとは正反対にパソコンの普及率の高まりとともにオープン系システムの需要も高まっていき、オープン系システムプログラマーの仕事も増加していくことになります。

汎用系システムの特徴6選

汎用系システムの特徴を紹介します。

ここまでオープン系システムの特徴を紹介しましたが、オープン系システムにとって代わられたとはいえ、現在でも汎用系システムの開発は行われています。

それでは、汎用系システムにはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは汎用系システムの特徴6選を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

汎用系システムの特徴1:大型コンピュータを使用

汎用系システムは大型のコンピュータを使用するという特徴があります。

前述のとおり、現在のように小型で高性能のコンピュータが一般的に普及する以前は、企業は汎用機と呼ばれる大型のコンピュータを使用していました。

また、汎用機を使用できる企業は一部の大企業のみでしたが、この汎用機で使用するシステムが汎用系システムとなっており、現在でも汎用機を使用している企業で使用されています。

汎用系システムの特徴2:使用するプログラミング言語が少ない

汎用系システムは使用できるプログラミング言語が限られています。

プログラミング言語には非常に多くの種類がありますが、汎用系システム開発で使用されているのは主にCOBOLやFORTAN、Javaとなっており、他の言語は使用されるケースは少ないのです。

また、この中でも特に利用率が高いのがCOBOLとなっていますが、COBOLは近年の一般的なシステム開発ではあまり使用されない言語となります。

汎用系システムの特徴3:コストが高い

汎用系システムは開発のコストが高くなります。

オープン系システムはコストパフォーマンスが良い点が特徴となっていましたが、反対に汎用系システムはコストパフォーマンスが悪いと言えるでしょう。

汎用機よりもコストパフォーマンスが良く柔軟性に優れた小型のパソコンが普及するのとは反対に、コストがかかる汎用機はだんだんと使用されなくなっていきました。

汎用系システムの特徴4:高速にデータ処理が可能

汎用系システムは高速にデータ処理ができるという特徴があります。

汎用系システムは主に企業で使用される基幹システムを構築する際に、汎用機で高速なデータ処理を実現させるためのシステムです。

もともと汎用系システムは大企業で業務処理を効率化するために使用されることから、高性能なデータ処理が必要となります。そのため、汎用系システムはオープン系システムなどよりも高いデータ処理性能を持っています。

汎用系システムの特徴5:大量なデータ処理が可能

汎用系システムは大量なデータ処理ができるという特徴があります。

前述のとおり、汎用系システムは大企業での業務処理を効率化するためのものとなっています。そのため、汎用系システムは高速なデータ処理が実現できるだけでなく、膨大な量のデータであっても処理できます。

そのため、金融や流通、メーカー系といった大量のデータを処理する必要がある分野で汎用系システムは採用されています。

汎用系システムの特徴6:COBOLエンジニアの減少で仕事の需要は減少傾向

汎用系システムはCOBOLエンジニアが少なくなっていることから減少傾向にあります。

汎用系システムは主にCOBOLを使用して開発されていますが、近年ではCOBOLを扱えるエンジニアの数が少なくなってきていることもあり、汎用系システムの開発自体が減少してきています。

COBOLは汎用系システム開発くらいしか使用されていない言語なため、今後もCOBOLエンジニアの数は減少していくでしょう。

Web系システムの特徴6選

Web系システムの特徴を紹介します。

ここまでオープン系システムと汎用系システムの特徴について紹介しましたが、もう1つの分野として近年開発の需要が増してきているWeb系システムには、どのような特徴があるのでしょうか。

ここではWeb系システムの特徴6選を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

Web系システムの特徴1:Webサイトやモバイルサイトで使用

Web系システムとはWebサイトやモバイルサイトで使用されているシステムです。

Web系はWebアプリケーションを開発しますが、WebアプリケーションとはWebブラウザを使用して利用するアプリケーションのことを指します。

たとえば、ショッピングサイトやSNSなどのWebブラウザで利用できるアプリケーションがWeb系システムに該当します。

Web系システムの特徴2:Web開発に特化したプログラミング言語

Web系システムとはWeb開発に強みを持つプログラミング言語で使用されます。

Webアプリケーションの開発ではWeb系の開発に特化したPHPやRubyなどのプログラミング言語が採用されています。

PHPはWeb系の開発に特化しており、その他の分野の開発で使用されることはほぼありません。また、Rubyは開発効率に優れた「Ruby on Rails」というフレームワークを使用して開発を行います。

Web系システムの特徴3:コストが安い

Web系システムはコストが安いのが特徴です。

前述のとおり、汎用系は大型の高性能なコンピュータで使用するシステムを開発することから、非常に高いコストがかかるという特徴がありました。

しかしWeb系システムはパソコンやスマートフォンなどのWebブラウザから利用するWebサイトを開発するため、汎用系に比べてコストも安く抑えることが可能です。

Web系システムの特徴4:リモートワークが可能

Web系システムの開発ではリモートワークが可能です。

近年オフィスなどに出社せず、好きな場所から働くことができるリモートワークが注目されています。このリモートワークが可能な企業の多くはWeb系システム開発を行っている企業です。

そのため、リモートワークを希望する場合は、Web系システム開発を行う企業かどうかを確認するのがおすすめです。

Web系システムの特徴5:即戦力の人材が求められる

Web系システムの開発では即戦力が求められます。

IT業界は新規参入する企業も多く、ベンチャー企業の割合も多いのです。また、Web系システム開発を業務としている企業の中にもベンチャー企業は多く、そういった企業は即戦力の人材を求めています。

Web系システムの特徴6:人材不足が大きな課題

Web系システムは人材不足が課題となっています。

近年ではスマートフォンの普及により、Web系システム開発の需要も拡大しています。しかしIT業界では慢性的な人材不足の状態となっており、Web系エンジニアに関しても需要に対してエンジニアの数が足りていません。

そのため、今後はWeb系開発スキルを持ったエンジニアを増やすことが課題とされています。

オープン系システム開発の需要と将来性

オープン系システム開発は汎用性の高いプログラミング言語を使用しているため、キャリアチェンジもしやすいでしょう。

オープン系システムはもともと市場が小さめということもあり、将来性については疑問視する見方もあります。しかし一方で、使用されているプログラミング言語は汎用性が高いことから、オープン系以外のエンジニアへの転職も可能です。

汎用系システム開発の需要と将来性

汎用系システム開発は人材が不足しているため、即戦力になれる可能性があります。

汎用系システムの新規開発案件はあまり多くはありませんが、既に使用している企業の保守案件では需要があります。また、汎用系システム開発ではCOBOLを使用するため、若手エンジニアが不足しています。

そのため、即戦力として活躍できれば高い年収を獲得できる可能性もあるでしょう。

Web系システム開発の需要と将来性

Web系システム開発は近年需要が増してきています。

スマートフォンでも利用できるWeb系システムは需要も拡大してきているため、将来性はあると言えるでしょう。また、Web系の開発案件も豊富にあることから、独立してフリーランスとして働きたいという方にもおすすめです。

それぞれのシステム開発の種類を理解しよう

システム開発と一口に言ってもさまざまな種類があります。

ぜひこの記事で紹介したシステム開発の種類や、オープン系システム、汎用系システム、Web系システムそれぞれの特徴や将来性などを参考に、システム開発に関して理解を深めてみてはいかがでしょうか。