C言語とC++の4つの違いを紹介!それぞれの言語の特徴も解説

最終更新日:2026年8月22日

C言語とは?

C言語のイメージ

C言語とはコンパイル型の汎用プログラミング言語です。1972年にAT&Tベル研究所のデニス・リッチーによって開発された歴史の古い言語で、プログラムを実行する際にソースコードをコンパイル(機械語に変換)する必要があります。

C言語は処理速度の速さが最大の特徴で、組み込み系システムの開発やOSのカーネル開発、ハードウェア制御など「高速性と低レベル操作が必要な場面」で広く活用されています。現在も LinuxカーネルやPythonのインタープリタ自体がC言語で実装されているほど、現役で活躍し続けています。

C++とは?

C++のイメージ

C++とはC言語を拡張させたオブジェクト指向のプログラミング言語です。1983年にビャーネ・ストロヴストルップによって開発され、C言語の高速処理能力を維持しながら「オブジェクト指向プログラミング」の概念を加えた言語です。

C言語との互換性があるため、C言語のコードはほぼそのままC++でも動作します。ゲームエンジン・OS・ブラウザ・組み込みシステムなど、パフォーマンスが重要なシステム開発で幅広く使われており、Google ChromeやAdobe製品の内部実装にも採用されています。

C言語・C++・C# 比較表

C系言語3つの特徴を一覧で比較します。

項目 C言語 C++ C#
開発年 1972年 1983年 2000年
オブジェクト指向
クラス ❌(structのみ)
例外処理 ❌(戻り値で対応)
ガベージコレクション ❌(手動管理) ❌(手動管理) ✅(自動)
処理速度 最速クラス 非常に速い 速い(VMあり)
主な用途 OS・組み込み・ドライバ ゲーム・ブラウザ・高速処理 Windows開発・ゲーム(Unity)
習得難易度 高い 非常に高い 中〜高

C言語とC++の4つの違い

C言語とC++にはどのような違いがあるのでしょうか。C言語を拡張して生まれたC++ですが、両者の間にはいくつかの重要な違いがあります。

C言語とC++の4つの違い 1/2:違い1言語構造(手続き型とオブジェクト指向)、違い2クラスの有無(structとclass)

違い1:言語構造(手続き型 vs オブジェクト指向)

C言語は手続き型、C++はオブジェクト指向も使える言語です。

C言語は「何をするか」を手順(手続き)として記述する手続き型プログラミングが基本です。コンピュータが使う機械語に近い構造で、読みやすいとは言えませんが、それゆえに処理の流れを細かく制御できます。

C++はC言語の手続き型に加えてオブジェクト指向も使えます。「モノ(オブジェクト)」とそれに対する「操作(メソッド)」を組み合わせてプログラムを設計でき、大規模開発での保守性・再利用性が向上します。ただし、機能が多い分、C言語より習得難易度はさらに高いです。

C言語(手続き型:処理の手順を関数で定義)

/* 手続き型: 関数を呼び出しの連続で処理する */
int scores[3] = {80, 90, 70};

/* 計算ロジックを関数として外部定義 */
int calc_average(int arr[], int n) {
    int sum = 0;
    for (int i = 0; i < n; i++) sum += arr[i];
    return sum / n;
}

int avg = calc_average(scores, 3);
printf("平均点: %d\n", avg); /* → 80 */

C++(オブジェクト指向:データと処理を一体化)

// OOP: クラスにデータと処理をまとめる
class Student {
    int scores[3];
    int count;
public:
    Student(int s[], int n) : count(n) {
        for (int i = 0; i < n; i++) scores[i] = s[i];
    }
    // データに紐づいたメソッドとして定義
    int average() {
        int sum = 0;
        for (int i = 0; i < count; i++) sum += scores[i];
        return sum / count;
    }
};

int data[] = {80, 90, 70};
Student s(data, 3);
printf("平均点: %d\n", s.average()); /* → 80 */

違い2:クラスの有無

C言語にはクラスがなく、C++にはクラスがあります。

C言語でデータ構造を定義するには「struct(構造体)」という機能を使います。structはデータをまとめることはできますが、関数(メソッド)は持てません。

C++では「class」が追加され、データと関数を一体化して管理できます。継承・カプセル化・ポリモーフィズムなどオブジェクト指向の概念を実装でき、再利用しやすいコード設計が可能になります。

C言語(struct)

/* データのみ定義。関数は持てない */
struct Person {
    char name[50];
    int age;
};

/* 関数は外部で別途定義する必要がある */
void greet(struct Person p) {
    printf("名前: %s\n", p.name);
}

C++(class)

// データとメソッドを一体化できる
class Person {
    char name[50];
    int age;
public:
    // クラス内にメソッドを定義
    void greet() {
        printf("名前: %s\n", name);
    }
};

C言語とC++の4つの違い 2/2:違い3ジェネリックプログラミング、違い4例外処理

違い3:ジェネリックプログラミング

C言語ではジェネリックプログラミングができませんが、C++では可能です。

ジェネリックプログラミングとは、特定のデータ型に依存しない汎用的なコードを書く手法です。C言語では型ごとに別々の関数を書く必要があります。

C++では「テンプレート」機能により、int型でもfloat型でも同じ関数・クラスを使い回せます。重複コードが減り、型安全でメンテナンスしやすいプログラムを書けます。

C言語(型ごとに別関数が必要)

/* 同じ処理でも型ごとに定義が必要 */
int    add_int(int a, int b)
    { return a + b; }

float  add_float(float a, float b)
    { return a + b; }

double add_double(double a, double b)
    { return a + b; }

C++(テンプレートで1つに統一)

// テンプレートで全型に対応できる
template <typename T>
T add(T a, T b) {
    return a + b;
}

// int でも float でも同じ関数で動く
add(1, 2);       // → 3 (int)
add(1.5, 2.5);   // → 4.0 (double)

違い4:例外処理

C言語に例外処理機能はなく、C++では例外処理が使えます。

C言語ではエラーが発生した場合、戻り値にNULLや特定のエラーコードをセットして呼び出し元が確認する方式が一般的です。エラー処理コードが本来の処理と混在しがちで、見落としのリスクもあります。

C++では「try/catch/throw」構文による例外処理が使えます。エラーが発生した時点で処理を中断してcatchブロックに飛ぶため、エラー処理が明確で見通しの良いコードを書けます。

C言語(戻り値でエラーを返す)

/* エラーコードを戻り値で返す */
int divide(int a, int b) {
    if (b == 0) return -1; /* エラー */
    return a / b;
}

/* 呼び出し元が毎回チェック必要 */
int result = divide(10, 0);
if (result == -1) {
    printf("エラー: ゼロ除算\n");
}

C++(try/catch で明確に処理)

// エラーを例外としてthrowする
int divide(int a, int b) {
    if (b == 0)
        throw std::runtime_error("ゼロ除算");
    return a / b;
}

// try/catchでまとめてエラー処理
try {
    int result = divide(10, 0);
} catch (std::runtime_error& e) {
    printf("エラー: %s\n", e.what());
}

C言語の3つの特徴

C言語の特徴

特徴1:処理速度が速い

C言語は処理速度の速さに強みを持つ言語です。コンピュータに近い低レベルな命令を直接扱えるため、Pythonなどのスクリプト言語に比べて実行速度が格段に速いです。またコンパイル方式のため、実行前にすべてのコードが最適化された機械語に変換されます。

メモリの確保・解放も自分で制御するため、非常にコンパクトなプログラムを作れます。リソースが限られた組み込みシステムや、マイクロ秒単位の速度が求められる金融系システムで重宝されます。

特徴2:50年以上の歴史を持つ

C言語は1972年の誕生から50年以上の歴史を持つ言語です。コンピュータが普及し始めた黎明期に誕生し、以来あらゆる開発現場で採用されてきました。現在使われている多くのプログラミング言語(Java・Python・PHP・JavaScript等)の文法にもC言語の影響が見られます。

長い歴史の中で膨大な量のライブラリとノウハウが蓄積されており、現在も活発に使われています。C言語を学ぶことはプログラミングの基礎を深く理解することにつながります。

特徴3:OSや組み込み系に多用される

C言語はOSの作成や組み込み系の開発に欠かせない言語です。LinuxカーネルはC言語で書かれており、macOSのコアシステムにも使われています。Windowsの一部やAndroidの低レベル部分にもC言語が採用されています。

家電製品・自動車の制御システム・医療機器・産業用ロボットなど、ハードウェアに近い組み込みシステム開発でもC言語がデファクトスタンダードです。

C++の3つの特徴

C++の特徴

特徴1:C言語の速度を維持しながらオブジェクト指向を追加

C++はC言語の高速処理能力を保ちながら、オブジェクト指向プログラミングを実現しました。C言語では難しかった「大規模プログラムの設計・保守」を、クラスや継承・ポリモーフィズムの概念によって大幅に改善しています。

ゲームエンジン(Unreal Engine)、Google Chrome、Adobe Photoshop、Microsoft Officeなど、パフォーマンスが重要な大規模ソフトウェアの多くがC++で実装されています。

特徴2:オブジェクト指向プログラミングに対応

C++はオブジェクト指向プログラミング(OOP)を完全にサポートします。クラス・継承・カプセル化・ポリモーフィズムの4大要素をすべて実装でき、複雑な大規模システムを整理された構造で設計できます。

現在のプログラミングはオブジェクト指向が主流となっており、JavaやPython・C#など多くの言語がOOPをサポートしています。C++はその先駆けとして、現代のソフトウェア設計思想の基礎を形作りました。

特徴3:C言語との互換性がある

C++はC言語との後方互換性を持つため、C言語の資産をそのまま活用できます。既存のC言語ライブラリをC++プロジェクトにインポートして利用したり、C言語で書かれたレガシーコードをC++に段階的に移行したりすることが可能です。

この互換性により、C言語の膨大な既存資産(OSドライバ・組み込みライブラリ等)を捨てずにC++の恩恵を受けられる点が、C++が長く使われ続ける理由の一つです。

C言語の派生言語:C#とは

C#のイメージ

C言語の派生言語としてC#という言語も存在しています。C#(シーシャープ)はMicrosoftが2000年に開発したオブジェクト指向言語で、C++とJavaの良い部分を組み合わせて設計されました。

C#はC++とJavaの良い部分を組み合わせた言語

C#はC++の処理速度と型安全性をベースに、Javaのガベージコレクション(メモリ自動管理)・プラットフォーム独立性の考え方を取り入れています。文法もJavaに似ており、Javaを学んだ人がC#に移行しやすく、またその逆も同様です。

C#の特徴

C#はWindowsアプリ開発とゲーム開発(Unity)に特に強い言語です。Visual Studioという強力な統合開発環境(IDE)が使えるほか、.NETフレームワークとの組み合わせでWebアプリ・デスクトップアプリ・クラウドサービスまで幅広く開発できます。

またゲームエンジン「Unity」の公式スクリプト言語としてC#が採用されているため、ゲーム開発を目指すエンジニアにとっても重要な言語です。

用途別:あなたに向いている言語は?

C言語・C++・C#のどれを学ぶか迷ったら、「何を作りたいか」で選ぶのが最も確実です。以下の表を参考にしてください。

目標・やりたいこと おすすめ 理由
OSやLinuxカーネル開発 C言語 Linuxは現在もC言語で書かれている
家電・自動車・医療機器(組み込み) C言語 省メモリ・高速処理が必要な環境に最適
ゲーム開発(Unreal Engine) C++ Unreal EngineのスクリプトはC++が主体
ブラウザ・大規模ソフトウェア(Chrome等) C++ 速度と大規模設計を両立できる唯一の選択肢
Unityでゲーム開発 C# UnityのスクリプトはC#のみ対応
Windowsデスクトップ・業務アプリ開発 C# .NETとの組み合わせで高効率に開発可能
プログラミングの基礎を根本から理解したい C言語 メモリ・ポインタ・コンパイルの仕組みを深く学べる

※ゲーム開発はUnity(C#)とUnreal Engine(C++)で言語が異なります。どちらのエンジンを使うかで選択してください。

よくある質問(FAQ)

Q. C言語とC++はどちらを先に学ぶべきですか?

C言語から学ぶことをおすすめします。C++はC言語を拡張した言語のため、C言語の基礎(ポインタ・メモリ管理・コンパイル等)を先に理解しておくとC++を学ぶ際にスムーズです。ただし、ゲーム開発が目的ならC++から始めるケースもあります。

Q. C言語は2026年現在も使われていますか?

はい、現役で広く使われています。LinuxカーネルはC言語で書かれており、組み込み系・OSドライバ・マイコン制御などは現在もC言語が主流です。ただし、新規のWebアプリ・スマホアプリ開発ではPythonやJavaScript・Swiftが使われることが多く、用途によって棲み分けがあります。

Q. C言語・C++・C#の中でどれが就職に有利ですか?

用途によって異なります。組み込み・制御系エンジニアを目指すならC言語・C++の需要が高いです。ゲーム開発(Unity)・Windows開発ならC#が有利です。いずれも求人は安定しており、C系言語の経験はハードウェアに近い低レベルプログラミングの理解として評価されます。

Q. C++は難しいと聞きますが、本当ですか?

はい、C++は習得難易度が高い言語の一つです。ポインタや手動メモリ管理(C言語由来)に加えて、テンプレート・継承・仮想関数などC++固有の複雑な機能があります。ただし、ゲームエンジン・高速処理システムでの実務需要は非常に高く、習得した場合のキャリア価値も大きいです。

まとめ:C言語とC++の違いを理解して活用しよう

この記事のポイント:

  • C言語(1972年)は手続き型・超高速処理・OS/組み込み開発のデファクトスタンダード
  • C++(1983年)はC言語にオブジェクト指向を追加した言語。C言語との後方互換性を持つ
  • 主な違いは「言語構造(手続き型/OOP)」「クラスの有無」「ジェネリックプログラミング」「例外処理」の4点
  • C#はC++とJavaの良い点を組み合わせたMicrosoft製言語。UnityやWindowsアプリ開発に強い
  • 組み込み・OS開発ならC言語、ゲーム・大規模高速ソフトウェアならC++、Unity・Windowsアプリ開発ならC#が適している

C++はC言語の機能を拡張させて開発された言語ですが、C言語とはさまざまな違いがあります。どちらの言語もソフトウェア開発現場では広く採用されており、高い需要がある言語です。

今回ご紹介したC言語とC++の概要・違い・それぞれの特徴を参考に、C系言語への理解を深めてみてください。

▼ アクロビジョンについて

👔

一緒に働きましょう

一人ひとりのキャリアに向き合い、
活躍できる現場をご紹介します。

採用サイトを見る →
💻

システム開発のご依頼・ご相談

コンサルティングから運用保守まで、
ワンストップで対応します。

まずはお気軽にご相談ください →