フリーランスデザイナーの報酬事情や求人案件獲得方法を紹介!

最終更新日:2026年8月6日

はじめに

日本国内におけるフリーランス人口は1,000万人を超えたといわれており、組織に所属しない働き方を選ぶ方が年々増えています。これは、業務委託を活用したい企業と、働き方を選びたい労働者の思惑が一致したからだと考えられますが、特にITエンジニアのように、専門スキルを持つ方の専業フリーランスが増えているのも特徴です。そういった意味では、専門のスキルとセンスを持つデザイナーの方も、フリーランスへの転身を考えているのではないでしょうか?

それでは、フリーランスとして活動していけるほど、市場にはデザイナーの求人案件があるのでしょうか?会社員デザイナーよりも高い報酬が期待できるのでしょうか?フリーランスであればもっとも不安に感じる案件獲得の方法を含め、フリーランスデザイナーの求人事情を紹介していきます。

デザイナーとは?

デザインする人=デザイナーですが、デザインの定義は非常に曖昧です。仕事を、あるいは空間をデザインするという使い方もあるように、ある種の設計=デザインだと考えられますが、一般的には人の視覚に訴えかける設計をする=デザインする人がデザイナーという認識でしょう。

ただし、デザイナーとアーティストは明確に異なります。自己表現が仕事になるアーティストと異なり、デザイナーはクライアントのニーズに応じた視覚的設計=デザインをするのが仕事だからです。こうしたデザイナーはさまざまな業界に存在し、それぞれで必要とされるスキルやセンス、利用するツールも異なります。以下に、フリーランスとして活躍することの多いデザイナーをいくつか挙げてみます。

・Webデザイナー
・グラフィックデザイナー
・UI / UXデザイナー
・DTPデザイナー
・CGデザイナー
・プロダクトデザイナー
・エディトリアルデザイナー
・イラストレーター

フリーランスデザイナー職種比較表
職種 主な仕事 フリーランス求人 平均年収目安 向いている働き方
Webデザイナー Webサイトのデザイン・コーディング(HTML/CSS) 最も多い 300〜400万円 客先常駐・在宅どちらも可
UI/UXデザイナー アプリ・サービスのユーザー体験設計 多い(高単価) 400〜600万円 チーム参加(客先常駐)
グラフィックデザイナー 広告・印刷物・ロゴのデザイン 2番目に多い 280〜380万円 在宅・単発案件が多い
イラストレーター 書籍・広告・キャラクター等のイラスト制作 中程度 200〜400万円 在宅・単発案件中心
DTPデザイナー 印刷物のレイアウト・組版 少なめ 250〜350万円 在宅・出版社常駐

フリーランス求人が多いのはWebデザイナー

もちろん、視覚に訴えかける設計=デザインだけがデザイナーの仕事ではありません。たとえば、WebデザイナーはWebサイトの視覚的要素をデザインするのが主な仕事ですが、HTML、CSSを使ったコーディングも担当するケースがほとんどです。ユーザーの使い勝手を重視したサイトデザインという点で考えれば、UI、UXデザイナーと共通した要素もあり、ディレクターを中心としたチームで動くことが多いのも特徴でしょう。

チームで動くことがあるという点では、印刷物デザインを担当するグラフィックデザイナーも同じだといえるかもしれません。単独でデザインすることもありますが、イラストレーターやコピーライターと協力する場合もあるからです。あるクリエイター専門エージェントの調査によれば、フリーランス求人がもっとも多いのがWebデザイナー、次いでグラフィックデザイナーとなっており、この2つでフリーランス求人案件の多くを占めているようです。

フリーランスデザイナーはどんな人?

デザイナーに関連する資格としては「DTPエキスパート」「色彩検定」などがありますが、実際にデザイナーがフリーランスとして活動するのに必要とされる資格はありません。それでは、どんな経歴・スキルを持つ人がフリーランスデザイナーとして活動しているのでしょうか?

インハウスデザイナーから独立

もっとも多いのが、インハウスデザイナーとして企業・組織に所属して実績を積み、充分なスキルが得られた時点でフリーランスとして独立する方です。インハウスデザイナーであれば、デザイン業務に集中できる環境にあるため、さまざまなプロジェクトで経験が積め、研修制度などが整備されていればデザインの基礎からスキルを学べます。取引先との人脈を築ければ独立後の案件獲得にも有利に働くため、これからフリーランスデザイナーを目指す方にもおすすめの方法です。

スクール・独学で学んでフリーランスへ

デザインスクールで学ぶ、あるいは独学でデザインを学んでフリーランスとして活動する、というデザイナーの方も少なからず存在します。もちろん、デザインは実力主義の世界ですから、センスさえあれば求人案件を獲得できますが、実績が重視される傾向にあるのも事実です。つまり、人脈・実績の乏しいデザイナーが専業のフリーランスとして活動していけるかどうかは未知数です。ポートフォリオを充実させて積極的に営業する工夫が必要です。

フリーランスデザイナーの働き方

フリーランスの大きな魅力は、自身の裁量で仕事を選べる、ライフスタイルにあわせた自由な働き方ができることです。特に、デザインというクリエイティブ系の業務を担当するデザイナーであれば、より自由な働き方が可能なのではないか?と考える方も多いでしょう。では、実際にフリーランスデザイナーはどのような働き方が多いのでしょうか?簡単に紹介していきます。

在宅型

成果物をデータで納品するのが当たり前になった現代では、PC・ツールさえあればどこでも仕事できる環境が整ったため、リモート・ノマドワークを含む在宅型フリーランスデザイナーが増えています。もちろん、クライアントやメンバー間のコミュニケーションは必要ですが、実際のデザインは一人で行うイラストレーター、キャラクターデザイナーなどは、在宅型で働きやすい職種だといえるでしょう。クラウドソーシングなどでも在宅案件の求人は多数ありますが、報酬は比較的低めになってしまう傾向もあります。

客先常駐型

フリーランスのITエンジニアのように、客先常駐型で働くフリーランスデザイナーも少なくありません。たとえば、プロジェクト単位で業務委託契約を結び、チームで仕事することの多いWebデザイナーなどは、客先常駐型が少なくないといえるでしょう。在宅型よりも実績やスキルが求められる傾向にある一方、即戦力としてプロジェクトに参加できれば比較的高額な報酬が期待できるのも特徴です。ただし、働き方としては会社員デザイナーと大差ないため、自由な働き方を重視したい方には向かないかもしれません。

フリーランスデザイナーの報酬事情

フリーランスデザイナーの報酬事情は職種によっても、実績・スキル・働き方によっても大きく異なります。ただしフリーランスに限らず、一般的にデザイナーの報酬水準はそれほど高くないことは覚えておいた方がいいかもしれません。たとえばフリーランスWebデザイナーの平均年収は300〜400万円前後だといわれており、347万円だといわれる会社員Webデザイナーの平均年収とそれほど変わらないのがわかります。

これは会社員の平均年収が335万円だといわれるグラフィックデザイナーでも同様です。もちろん、フリーランスのWeb・グラフィックデザイナーで年収700万円を超える方も存在するため、会社員よりも高年収を狙えるのは確かですが、簡単ではないのも事実です。年収を上げるためには、スキルを実績に反映しづらい面があるため、受託案件を増やす、もしくは案件あたりの報酬単価を増やすことを意識しましょう。

フリーランスデザイナーの案件獲得経路は?

フリーランスが安定的に活動するためには、途切れることなく求人案件を獲得するのが重要です。では、多くのフリーランスデザイナーは、どのように求人案件を獲得しているのでしょうか?案件の獲得経路に関するアンケート調査(複数回答)によると、もっとも多かったのが、80%以上を占める「紹介を含む人脈」次いで約60%に及んだ「過去・現在の取引先」でした。Web・SNSを活用した営業活動が求人案件獲得につながった例も30%あり、単発の案件が多いデザイナーの努力が伺われる結果になっているのが印象的です。

デザイナーのフリーランス求人例

それでは、案件獲得経路が12.5%にとどまるフリーランスエージェントは、デザイナーにとって有効な案件獲得手法といえるのでしょうか?フリーランスデザイナーの方が求人案件獲得のイメージを描きやすいよう、公開されているフリーランス案件情報をいくつか紹介してみましょう。あるフリーランスエージェントで公開されていたデザイナー求人は、検索時点で160件ありました。

動画サービスサイトのWebデザイナー求人
・必須要件:Illustratorの実務経験2年以上、子供向けテイストのデザイン経験
・歓迎要件:Adobe XDの知識・経験
・待遇:Webデザイナー、月/〜43万円

ゲームのUI / UXデザイナー求人
・必須要件:Photoshopの実務経験、ゲームのUIデザイン経験
・歓迎要件:Illustrator、Unityの知識・経験
・待遇:UI / UXデザイナー、月/〜53万円

すべてのクリエイターを対象にしても案件数は800件に満たないため、エージェントのデザイナー求人数は少ないと考えてもよさそうです。

デザイナーがフリーランス案件を獲得するには?

現役のフリーランスデザイナーがどのように求人案件を獲得しているのか、フリーランスエージェントでのデザイナー求人はどのような状況なのかを紹介してきました。これらをあわせて考えると、デザイナーがフリーランスとして安定的に活動するためには、どのように求人案件を獲得すべきかが浮かび上がってきます。

人脈・取引先を活かした営業活動

多くの現役フリーランスデザイナーが行っているように、人脈や現在・過去の取引先のツテを活かした営業活動は重要です。あなたの仕事ぶりやスキル・実績を知る人々と信頼関係を築ければ、適切な案件があるたびに仕事を振ってもらえる可能性が高まるからです。独立前に所属していた企業・組織と良好な関係性を保てていれば、それも仕事につながるでしょう。会社員の経験がない方であれば、コミュニティやサロンなどに積極的に参加し、横のつながりを築いていく方法もあります。

ポートフォリオを充実させる

フリーランスとして安定的に活動していくには、新規の案件も獲得しなければなりません。そのためには、実績やスキルをわかりやすくアピールできるよう、ポートフォリオを充実させておく必要があります。営業用のWebサイトを開設する、SNSを活用するなど、積極的な営業活動が欠かせません。

Web・UI、UXデザイナーはエージェントの活用が有効

単発の案件が多いイラストレーターなどはともかく、プロジェクト単位で仕事をすることの多いWeb、UI、UXデザイナーであれば、フリーランスエージェントの活用がおすすめです。求人例を見てもわかるように、比較的高額の報酬が期待できるのも魅力だといえるでしょう。

案件の幅を広げるスキルを習得する

フリーランスの鉄則でもありますが、収益化できる窓口を複数持っておくのが重要です。たとえば、Webデザイナーであれば関連性のあるUI、UXデザインのスキルを習得する、イラストレーターであればアニメーション、動画編集のスキルを習得するなどです。できることが増えれば、当然獲得できる求人案件の幅も広がります。

案件の単価も意識する

特に単発案件の多くなるイラストレーターが当てはまりますが、報酬単価を上げる方向で活動しなければ、年収アップにはつながりません。個人がこなせる案件数には、限界があるからです。仕事がないよりましという考え方もありますが、高単価案件に絞り込むのは長期的に見れば自身のブランディングにもつながります。営業力とともに、交渉力も意識しながら活動する必要があるでしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. フリーランスデザイナーの平均年収はどのくらいですか?

A. 職種によって大きく異なります。フリーランスWebデザイナーの平均年収は300〜400万円前後、UI/UXデザイナーは400〜600万円程度、グラフィックデザイナーは280〜380万円程度が目安です。ただしこれらは平均値で、スキル・経験・働き方によって幅があります。実績のある優秀なWebデザイナーやUI/UXデザイナーでは年収700万円超も珍しくありません。年収を上げるには「案件単価を上げること」と「スキルの幅を広げること」の2点が効果的です。

Q. 未経験からフリーランスデザイナーになれますか?

A. 不可能ではありませんが、難易度は高めです。デザインは実力主義の世界のため、スクールや独学で学んでフリーランスになる人もいますが、案件を安定的に受注するには実績(ポートフォリオ)が重要です。おすすめのルートは①デザインスクールで技術を習得→②クラウドソーシングで少額案件から実績を積む→③人脈を広げながら徐々に単価を上げるという段階的なアプローチです。最初から専業でフリーランスになるよりも、副業として実績を積んでから独立する方がリスクを抑えられます。

Q. フリーランスデザイナーはどうやって案件を探せばいいですか?

A. 現役フリーランスデザイナーの調査では「人脈・紹介(80%以上)」「過去・現在の取引先(60%)」が主な獲得経路です。具体的には①インハウスデザイナー時代に築いた取引先・人脈を活かす、②SNS(X/Instagram/Behance等)でポートフォリオを発信して案件を引き寄せる、③クラウドソーシング(ランサーズ・クラウドワークス)で実績を積む、④WebデザイナーはフリーランスエージェントのWeb/UI/UX求人を活用するという4つの方法が効果的です。

Q. フリーランスデザイナーとして年収を上げるにはどうすればいいですか?

A. 2つの方向性があります。①案件単価を上げる:高単価なUI/UXデザイン・WebアプリのUIスキルを習得する、交渉力を身につける、客先常駐の高単価案件を狙う。②案件の幅を広げる:WebデザイナーならUI/UXデザインも習得する、イラストレーターなら動画編集・アニメーションも対応できるようにする。特に単発案件が多い職種は「1案件あたりの単価を上げること」が年収アップの近道です。また、専門分野で深い実績を積んでブランディングすることで、指名案件・高単価案件の受注につながります。

まとめ

  • フリーランスデザイナーの求人はWebデザイナーが最も多く、次いでグラフィックデザイナー。UI/UXデザイナーは案件数は少なめだが単価が高い
  • フリーランスデザイナーの平均年収は300〜400万円台が多く、会社員と大きく変わらないが、スキルと実績次第で700万円以上も狙える
  • 案件獲得の主な経路は「人脈・紹介(80%超)」「過去・現在の取引先(60%)」であり、インハウス時代に築いた人脈が独立後の大きな武器になる
  • フリーランスエージェントはWebデザイナー・UI/UXデザイナーには有効。月40〜53万円以上の高単価案件が存在する
  • 年収アップには「単価交渉力の向上」「スキルの幅の拡大(関連職種の習得)」「高単価案件に絞ったブランディング」の3点が重要

▼ アクロビジョンについて

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