フリーランスと起業は何が違う?メリットやデメリットを解説!

最終更新日:2026年8月6日

はじめに

フリーランスと起業の違いがよくわからないという人もいるでしょう。フリーランスと起業は働き方が大きな違いですが、手続きの複雑さや毎年提出する書類などにも差があります。それぞれメリットとデメリットがあるので、違いをよく知ることで自分はどちらが合っているのかわかるでしょう。

起業とフリーランスの働き方の違い

フリーランスと起業は何が違うのでしょうか。フリーランスと起業は似ているというイメージがあるかもしれませんが、さまざまな点で違いがあります。

フリーランス vs 起業(法人)徹底比較表
比較項目 フリーランス(個人事業主) 起業(法人化)
働き方 案件ごとに業務を請け負う 自分のサービス・事業を運営
開業手続き 開業届のみ(無料・当日完了) 設立登記等で約25万円・1か月以上
税金 所得税(累進課税・最大45%) 法人税(最大23%程度の固定税率)
毎年の書類提出 確定申告のみ 決算書類・法人税申告等(複雑)
社会保険 国民年金・国民健康保険 厚生年金・健康保険(法人折半)
社会的信用度 低め(登記なし) 高い(登記簿で確認可)
人材確保 難しい(個人での採用) しやすい(会社として採用活動可)
法人維持費 なし 法人住民税均等割(最低約7万円/年)

フリーランスは業務を請け負って仕事をする

フリーランスは、案件ごとに業務を請け負って仕事をします。雇用契約を結ぶわけではなく、案件ごとに受注して仕事をすることが特徴です。報酬が決められていて、成果物を納品することで仕事が完了します。多くの案件を受注できたら報酬は高くなりますが、案件が受注できなければ報酬はゼロになってしまいます。

自分で考えたサービスを提供するのが起業

起業は自ら事業を始めて新しいサービスを提供して仕事をすることが特徴です。自分のアイデアをビジネスにして新しい仕組みやサービスなどを考えます。事業を自分で営むことになるので、必ず報酬が得られるという保証はありません。投資をして資金を回収することを繰り返していくことになり、フリーランスよりもお金の動きを掘り下げて考える必要があるでしょう。

フリーランスのメリット

個人で案件を受注して仕事を請け負う働き方のフリーランスはさまざまなメリットがあります。フリーランスの業種にもよりますが、時間や場所にとらわれずに働けることが特徴です。

好きな時間と場所で働ける

好きな時間と場所で働けることがフリーランスの一番のメリットでしょう。会社員として働く場合は、決まった場所で決まった時間に働く必要がありますが、フリーランスの場合は自由度の高い働き方が可能です。フリーランスの業種によってはパソコンだけあれば、カフェでも旅行先でも仕事ができます。

得意な仕事や好きな仕事ができる

自分が持っているスキルを活かせる案件を受注します。自分が得意な仕事や好きな仕事を受注できるので、自分の技術やスキルを十分に活かして仕事ができるでしょう。

確定申告の提出だけで良い

フリーランスとして働く人が毎年提出する必要のある書類は確定申告のみです。今まで確定申告を行ったことがない人でも調べたり、ツールを使ったりすることで簡単にできることが特徴です。起業した場合は決算書などさまざまな書類を提出する必要があります。

フリーランスのデメリット

自由に働けるというイメージのあるフリーランスにもデメリットがあります。案件ごとに仕事をしていくので収入が安定しないことが多かったり、社会的な信用が低かったりします。

収入が安定しない

フリーランスになると収入を安定させることが難しいです。一つの案件が終わるとそこで収入が途絶えてしまうので、次の案件を受注するために営業をする必要があります。案件が受注できなければその分収入が減ってしまいますので、フリーランスとして働くと毎月の収入が不安定な人も少なくないでしょう。

社会的な信用が低い

フリーランスは収入が不安定になりやすいので、社会的な信用が低い傾向があります。安定した収入があるフリーランスの場合でも、クレジットカードやローンなどの審査に落ちてしまうことがあるでしょう。ローンや賃貸契約などの際に確定申告の控えを2〜3年分用意しなくてはいけない場合もあるので、フリーランスになってから日が浅い人は断られてしまう恐れがあります。

年金や保険などに加入する

会社員として働く人は、年金や健康保険は自動で加入して保険料も給料から天引きされるので自分で行うことは特にないでしょう。しかし、フリーランスになると国民年金と国民健康保険に自分で加入する必要があります。

一定レベルのスキルが必要とされる

フリーランスとして仕事を受注するには、一定レベルのスキルが必要とされます。また、スキルを保有しているだけでなく常に新しいスキルを身につける意識を持つことが継続して案件を受注するために大切です。会社で働いている場合は、知識や技術がない分野でも教育したり研修したりすることがあるでしょう。しかし、フリーランスとして働く場合は仕事を依頼する企業が教育するということは少ないです。そのため、自分自身でスキルを高める努力が必要になってきます。この努力を怠ることで、現在のスキル以上の仕事ができないという事態に陥る可能性があります。

起業のメリット

起業はフリーランスよりも自分の好きなスタイルで仕事ができ、自由度の高い働き方ができるというメリットがあります。ここでは、フリーランスと比べたときのメリットについて解説します。

自分のやりたいスタイルで仕事ができる

起業すると、フリーランスよりも自由に仕事ができます。自分が考えるアイデアをビジネスとして事業を立ち上げて自分のやりたいスタイルで仕事ができるので、仕事のすべてを自由にできます。自分が得意とする分野や持っているスキルを活かして、新しいサービスを考えて仕事に繋げたいと思っている人は起業することで実現しやすくなるでしょう。

法人化したら節税になる

起業して法人化すると、法人税を支払うことになります。法人税は比例税率で計算されるので、資本金の金額に関わらず税率は最高で23%台です。フリーランスとして働いている人は、収入が多くなるほど所得税が多くなります。しかし、起業して法人化すると会社の規模によって税率が決まるので所得が多くなっても税率は高くなりません。場合によっては、フリーランスから起業して法人化した方がかかる税金が少なくなるという人もいるでしょう。起業して法人化すると所得が多くなるほど節税になります。また、起業すると給料や退職金を経費にできます。経費が多くなると、所得税としてかかる税金が少なくなります。経費にできるお金が増えることで、節税に繋がるのです。

事業が成功すれば高収入を目指せる

事業が成功すれば高収入を目指せます。フリーランスは一つ一つの案件をこなしていく働き方です。一方で起業は投資をして新しい事業を始め、利益を上げていく働き方です。起業することでより高い収入を得られる可能性があります。事業が上手くいったら大きな利益を得られるでしょう。

やりがいを感じやすい

アイデアやプランを自分で考えて仕事をしていくことになるので、決められた案件をこなしていくこととは違ったやりがいがあります。フリーランスとして働くよりもやりがいを感じやすいでしょう。

フリーランスよりも信用度が高い

起業すると、フリーランスよりも社会的な信用度が高い傾向があります。取引先を法人のみと決めている企業もあるので、起業することでより多くの取引先を確保できるでしょう。また、社会的な信用が高いことで金融機関から融資を受けやすくなります。

社会保険に加入できる

起業して法人化すると、社会保険に加入できるようになります。健康保険と厚生年金は、国民健康保険や国民年金よりも手厚い補償を受けられることがメリットです。健康保険と厚生年金の保険料は、会社側と雇用されている側で折半して支払うことになります。

人材を確保しやすい

起業することで人材を確保しやすくなります。フリーランスとして人材を確保するよりも、会社として人材を募集した方が採用に繋がりやすいです。社会保険や雇用保険に加入できるというメリットがあるので、働きたいと思う人が増えるでしょう。

起業のデメリット

起業するとフリーランスよりも自分の好きなように自由な働き方ができるようになります。収入が大きく増える可能性もありますが、一方でデメリットもあります。起業を考えている人は、事前にデメリットも知っておくことが大切です。

手続きが複雑で費用がかかる

会社を設立するためには、設立登記申請に行く必要があります。さまざまな書類が必要になり、複雑な部分もあるので手続きに時間がかかります。また、起業のために登記代や印紙代だけでも24万円ほどの初期費用がかかります(電子定款認証でない場合)。

利益が出るとは限らない

起業して事業を始めても必ずしも利益が出るとは限りません。事業が上手くいくようになるまで収入がない恐れもあるので、起業をした後もしばらく生活できるくらいのお金を貯めておくと安心でしょう。また、最悪の場合は事業が失敗してしまって損をする恐れもあります。起業する場合は、リスクが大きいことを知っておく必要があります。

社会保険料が高い

起業して法人化すると社会保険に加入することになります。社会保険に加入できることはメリットでもありますが、一方で社会保険料が高いというデメリットもあります。金銭的な負担が大きくなるので、資金繰りが厳しくならないようにする必要があるでしょう。

法人の維持費がかかる

起業して法人化すると、法人の維持費がかかります。法人住民税均等割という税金を払う必要があり、最低でも約7万円程度かかるとされています。起業することで節税などのメリットもありますが、維持費として新たにかかってくる税金もあることを知っておくと良いでしょう。

決算などの書類面が大変

起業をして法人化した場合は、確定申告ではなく決算などの書類を提出することになります。確定申告よりも決算は提出する書類が複雑で大変です。自分で勉強をして決算の書類を作成するのが大変という人は、税理士に依頼するという方法もあります。

起業するベストなタイミングとは

フリーランスとして働いていた人が起業する場合も多いです。では、現在フリーランスとして働く人が起業するのはいつが良いのでしょうか。フリーランスが起業するおすすめのタイミングについて解説します。

年間利益が800万円を超えたとき

フリーランスとして年間の利益が800万円を超えるようになったら、起業して法人化した方が節税できる場合が多いです。年間の利益が400万円を超えたときから起業することで節税に繋がるといわれています。しかし、起業をするためにかかる費用や社会保険の負担額などを考えると利益が800万円を超えたときが納税額が少なくなるボーダーラインとなるでしょう。

売上高が1,000万円を超えたとき

フリーランスとして売上高が1,000万円を超えたときに、消費税の納税義務が2年後になります。そして、起業をして法人化した場合は条件を満たせば最初の2年間は消費税の支払いが免除されます。そのため、フリーランスとしての売上高が1,000万円を超え、消費税の納税を先送りにできるタイミングで起業をするのもおすすめです。

よくある質問(FAQ)

Q. フリーランスと起業(法人化)の一番の違いは何ですか?

A. 最大の違いは「仕事の形態」と「手続きの複雑さ」です。フリーランス(個人事業主)は案件ごとに業務を請け負う働き方で、開業届1枚でゼロ円から始められます。起業(法人化)は自ら事業・サービスを立ち上げる働き方で、設立登記に約25万円・1か月以上かかります。税制面では、フリーランスは累進課税(所得が多いほど高税率)、法人税は最大23%程度の固定税率という違いがあり、収益が増えるほど法人化のメリットが大きくなります。まず事業規模が小さいうちはフリーランスとして開始し、収益が安定してから法人化を検討するのが一般的な流れです。

Q. フリーランスから起業(法人化)するタイミングはいつですか?

A. 目安となるタイミングは2つあります。①年間利益が800万円を超えたとき:法人税率(最大23%)が個人の所得税率を下回り始め、節税効果が出てくる。②売上高が1,000万円を超えたとき:消費税の課税義務が発生する前に法人化することで、新設法人の消費税免除2年間を活用できる。ただし、社会保険料の負担増・維持費等も考慮が必要なため、個々の状況に合わせて税理士に相談するのが安心です。

Q. フリーランスの方が起業より有利な場面はありますか?

A. はい、いくつかのシーンではフリーランスの方が有利です。①収益が低い段階:維持費(法人住民税均等割等)がかからず、確定申告だけで済む。②素早く始めたいとき:開業届1枚で即日開始でき、法人設立の1か月以上の手続きが不要。③副業として様子を見たいとき:会社員と掛け持ちしながら少規模で始めるなら個人事業主が手軽。④ライフスタイルに合わせた時短・在宅ワークをしたいとき:自分1人での案件管理はフリーランスの方が柔軟です。利益が800万円を超えてから法人化を検討するのが王道の流れです。

Q. フリーランスが法人化すると税金はどのくらい安くなりますか?

A. 利益の規模によって大きく異なります。たとえば年間利益1,000万円の場合、フリーランス(所得税+住民税)は約33〜43%の税率がかかるのに対し、法人化すると法人税+住民税合計で実効税率約28〜35%程度になるケースが多く、数十万〜100万円以上の節税になる場合があります。さらに法人では役員報酬として給与所得控除(最低55万円)を受けられたり、退職金を経費にできたりするメリットもあります。ただし社会保険料の増加や維持費も発生するため、実際の節税効果は税理士と試算することをおすすめします。

まとめ

  • フリーランスは「案件を請け負う個人」、起業は「自分のサービス・事業を運営する法人」という根本的な違いがある
  • フリーランスは開業コストゼロ・手続きシンプル・確定申告のみという手軽さが最大のメリット。一方で収入不安定・社会的信用度の低さがデメリット
  • 起業(法人化)は節税効果・社会的信用度・人材確保の面で有利だが、設立コスト25万円以上・複雑な書類・社会保険料・維持費などのデメリットもある
  • フリーランスから法人化する目安は「年間利益800万円超」または「売上1,000万円超」のタイミングが節税効果の観点から一般的
  • 将来の目標(事業拡大・社員採用・高収入)に応じて起業を選び、スモールスタートするならまずフリーランスとして実績を積んでから判断するのが賢明

▼ アクロビジョンについて

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