SEの上流工程の作業内容8つ|上流工程の仕事に役立つ資格は?
最終更新日:2026年8月4日
この記事でわかること
SEの上流工程とは?下流工程との違い
SEがシステム開発で担う上流工程とは、要件定義や計画立案を行うプロセスです。ウォーターフォールモデルのシステム開発は、SEが担当する「上流工程」とプログラマーが担当する「下流工程」に分かれます。
SEが担う上流工程は、プログラムの開発作業に入る前に行うもので、クライアントと打ち合わせを行って要望をヒアリングしたり、要望を満たす機能などを検討したりして仕様書や設計書を作成するといった内容になります。
| 項目 | 上流工程(SE担当) | 下流工程(プログラマー担当) |
|---|---|---|
| 主な作業 | 要件定義・設計・見積もり | コーディング・テスト・リリース |
| 主な担当者 | SE(システムエンジニア) | プログラマー・開発エンジニア |
| 主な成果物 | 要件定義書・設計書・見積書 | ソースコード・テスト仕様書 |
| クライアントとの接点 | ◎ 多い(要件ヒアリング等) | △ 少ない |
| 技術的な深さ | 広範な業務・設計知識が必要 | 特定言語・フレームワークの深い知識 |
システム開発の下流工程はプログラマーや開発エンジニアが担う領域です。SEもプログラミングに参加することはありますが、基本的に下流工程はプログラマーが担当します。
上流工程のシステム開発における作業内容4つ
SEが担当するシステム開発の上流工程は、「企画」「要件定義」「設計」「見積もり」の4つが主な作業です。開発するシステムによって異なる点もありますが、基本的にSEがクライアントと打ち合わせを行い、企画から設計まで行っていきます。
作業内容1:企画
「企画」とは、クライアントの要望にもとづいたシステムの企画を立案することです。クライアントから解決したい課題や要望をヒアリングして、開発するシステムの概要を決定します。企画の段階ではシステム開発の目的・必要な予算・開発にかかる期間などを算出し、上層部に提出して開発の許可を得る必要があります。
作業内容2:要件定義
「要件定義」とは、開発するシステムの概要や実装する機能を定義することです。実際に契約を行う前に、要件定義を行ってクライアントにも確認・同意を得る必要があります。システムに必要な主要機能を列挙し、さらにその機能を実現するために必要な細かい機能を検討することで仕様を詰めていきます。
作業内容3:設計
「設計」とは、開発するシステムの処理方法を決定することです。要件定義で決まった機能を実装するための方法を決めていきます。設計の段階では「概要設計」「外部設計」「内部設計」などの種類があります。外部設計ではシステムに必要なUIやセキュリティ、内部設計では機能を実装するためのシステム内部の処理などを決定します。
作業内容4:見積もり
「見積もり」とは、システム開発の予算や開発期間を見積もることです。設計した内容からシステム開発に掛かる期間や必要な費用などを見積もり、クライアントに提示します。双方の同意が得られれば契約成立となり、そのままシステム開発の下流工程へ進むことになります。
上流工程のシステム設計における作業内容4つ
上流工程のシステム設計には「要件定義」「アーキテクチャの設計」「機能設計」「内部設計」の4つがあります。このシステム設計で決まった内容で下流工程の開発が行われるため、正しく引き継ぐためにもシステム設計は非常に重要です。
システム設計1:要件定義
システム設計における「要件定義」とは、システム開発で必要なシステムの機能や性能などを定義することです。システム設計を行う前に、実装するべき機能をすべて列挙して漏れがないかどうか確認します。リスト化された機能群はドキュメント化され、要件定義書として活用されます。
システム設計2:アーキテクチャの設計
「アーキテクチャの設計」とは、システム全体の構成を決定することです。アーキテクチャ設計では、ソフトウェアの設計だけでなくシステムの実行環境の設定や使用するハードウェアの選定なども含みます。開発後のテストケースまで決定するケースもあります。
システム設計3:機能設計
「機能設計」とは、それぞれの機能について詳細な実装方法を考案することです。前工程で作成された要件定義書の機能一つひとつに対して、システムやデータの扱いなどの具体的な仕様を決定します。UIや操作画面なども機能設計で決定するケースがあります。
システム設計4:内部設計
「内部設計」とは、システム内部の処理をどのように実装するかを考案することです。システム内部のすべての処理について検討し、どのように実装するのかを決定します。機能同士のデータのやり取りの方法についても設計します。
上流SEに必要なスキル4つ
上流SEはシステム開発における基盤とも言える設計業務を担うため、プログラミングスキル以外にもさまざまなスキルが必要とされます。
| スキル | 概要 | なぜ必要か |
|---|---|---|
| 幅広い業務知識 | 各業界の業務・経営知識 | クライアントの課題を正しく理解するため |
| ヒアリング能力 | ニーズを正確に引き出す力 | IT非専門家のクライアントの要望を言語化 |
| マネジメント能力 | チーム・スケジュール管理 | プロジェクト全体を適切に進行させるため |
| 技術力 | プログラミング・インフラ知識 | 下流工程のエンジニアと正確にコミュニケーション |
スキル1:幅広い業務知識
上流SEには幅広い業務知識が必要です。システム開発を依頼するクライアントはさまざまな業界の企業になります。携わる各業界の業務や経営に関する知識も必要になり、クライアントの業界について何も知らなければ的確な設計ができません。
スキル2:ヒアリング能力
上流SEにはクライアントのニーズを正確に引き出すためのヒアリング能力が必要です。クライアントの中にはシステムに詳しくない人も多いため、要望をうまく言葉に出せない人もいます。そういったクライアントが伝えたい内容をうまく引き出すことも上流SEの重要なスキルです。
スキル3:マネジメント能力
上流SEにはマネジメント能力が必要です。上流SEはプロジェクトチームをマネジメントする立場になるケースもあります。そのため、チームの下流工程に携わるエンジニアのスケジュールを管理したり、タスクが特定の人に偏ったりしないように調整する必要があります。
スキル4:技術力
上流SEには技術力が必要です。上流SEが実際の業務でプログラミングを行うことはほとんどありませんが、技術力がなければ下流工程のエンジニアとのコミュニケーションが成立しません。エンジニアと同程度の技術力を持つことが重要です。
上流工程の仕事に役立つ資格4つ
将来SEとして働きたいと考えている方に向けて、上流工程の仕事に役立つ資格を紹介します。
| 資格名 | スキルレベル | 向いている人 |
|---|---|---|
| 応用情報技術者試験 | レベル3(中級) | ワンランク上のSEを目指す人 |
| システムアーキテクト試験 | レベル4(上級) | 上流工程を主導する立場を目指す人 |
| プロジェクトマネージャ試験 | レベル4(上級) | チーム・プロジェクトを率いるPMを目指す人 |
| オラクルマスター | Bronze〜Platinum | DBの設計・管理スキルを証明したい人 |
資格1:応用情報技術者試験
応用情報技術者試験はワンランク上のエンジニアを目指す人に最適な試験です。情報処理技術者試験のスキルレベル3に相当する試験で、基本情報技術者試験と同じ範囲をより深い内容で出題されます。ITエンジニアとしてスキルアップしたいなら受けておくと良いでしょう。
資格2:システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は上級エンジニアを目指す人に最適な試験です。システム開発の上流工程を主導する立場として、システムアーキテクトの業務と役割を遂行する知識やスキルを認定する試験です。スキルレベル4に相当するため、まず基本情報・応用情報を取得してから受験するのが一般的です。
資格3:プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験はメンバーを成長させるマネージャを目指す人に最適な試験です。ITプロジェクトを成功させるプロジェクトマネージャになるためのスキルや知識を評価する試験で、スキルレベル4に相当する難易度の高い試験です。上流SEとしてスキルを身につけるためにも有効です。
資格4:オラクルマスター
オラクルマスターはOracle Databaseの管理スキルを証明するベンダー試験です。データベースの管理スキルを認定する資格で、レベルごとにブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナに分かれ、ブロンズから順番に取得していく必要があります。上流SEとして仕事をする上でデータベースの知識は必須なので、ぜひ取得を目指しましょう。
よくある質問(FAQ)
まとめ
SEの上流工程について、ポイントをまとめます。
- SEの上流工程は「企画」「要件定義」「設計」「見積もり」で構成され、プログラム開発が始まる前のシステムの方向性を決定する重要な工程
- システム設計は「要件定義→アーキテクチャ設計→機能設計→内部設計」の順に進み、この設計が下流工程の開発の基盤となる
- 上流SEには「幅広い業務知識」「ヒアリング能力」「マネジメント能力」「技術力」の4つのスキルが必要
- 役立つ資格は「応用情報技術者」「システムアーキテクト」「プロジェクトマネージャ」「オラクルマスター」の4つが代表的
- 未経験者は下流工程からキャリアをスタートし、実務経験と資格取得を積み重ねながら上流工程へのキャリアアップを目指すのが一般的
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