末光 正志
2026年08月12日更新 (2025年02月16日初出)
最終更新日: 2026年8月7日
近年、AIの進化は目覚ましく、多くのLLM(大規模言語モデル)が登場しています。本記事では、DeepSeek V3、Claude 3.5 Sonnet、GPT-4o の3つのモデルについて、ベンチマーク性能・処理性能・コスト・得意分野 という観点から比較します。
1. ベンチマーク性能比較
推論・数学能力(MMLU)
| モデル | MMLUスコア |
|---|---|
| GPT-4o | 88.7% |
| DeepSeek V3 | 88.5% |
| Claude 3.5 Sonnet | 88.3% |
MMLU(Massive Multitask Language Understanding)は、一般知識や数学的推論を評価するベンチマークです。3モデルの差はわずかですが、GPT-4oがわずかにリードしています。
コーディング能力(HumanEval)
| モデル | HumanEvalスコア |
|---|---|
| Claude 3.5 Sonnet | 92.0% |
| GPT-4o | 90.2% |
| DeepSeek V3 | 82.6% |
コーディング性能を示すHumanEvalでは、Claude 3.5 Sonnetが最も優秀な結果を出しました。GPT-4oも高スコアですが、DeepSeek V3はやや劣ります。
2. 処理性能比較
処理速度
| モデル | トークン生成速度(トークン/秒) |
|---|---|
| GPT-4o | 約77.4 |
| Claude 3.5 Sonnet | 約72.4 |
| DeepSeek V3 | 約65 |
処理速度ではGPT-4oが最速で、Claude 3.5 Sonnetもそれに続きます。DeepSeek V3はやや遅めですが、許容範囲内と言えます。
コンテキストウィンドウ(最大処理可能なトークン数)
| モデル | コンテキストウィンドウ |
|---|---|
| Claude 3.5 Sonnet | 200K |
| DeepSeek V3 | 128K |
| GPT-4o | 128K |
Claude 3.5 Sonnetが最も長い200Kトークンのコンテキストウィンドウを持っており、長文の処理に向いています。
3. コスト比較(2025年初頭時点)
| モデル | 入力コスト(/100万トークン) | 出力コスト(/100万トークン) | Claude比コスト |
|---|---|---|---|
| DeepSeek V3 | $0.14 | $0.28 | 約1/21〜1/54 |
| GPT-4o | $2.50 | $10.00 | 約83% |
| Claude 3.5 Sonnet | $3.00 | $15.00 | 基準(1倍) |
コスト面ではDeepSeek V3が圧倒的に安価であり、特に大規模な利用が想定される場合には大きなメリットとなります。
4. 得意分野
DeepSeek V3
- 数学と推論タスクに優れている
- 低コストで運用可能
- オープンソースでカスタマイズ性が高い
Claude 3.5 Sonnet
- コーディングタスクにおいて最高性能
- 創造的な文章生成が得意
- 長文処理(200Kコンテキストウィンドウ)に強み
GPT-4o
- 総合的にバランスが取れた性能
- マルチモーダル処理が可能(画像・音声対応)
- 最速の推論速度(77.4トークン/秒)
5. どのAIを選ぶべきか
| 利用目的 | 最適なモデル | 理由 |
|---|---|---|
| コストを抑えつつ高性能を求める | DeepSeek V3 | Claude比で約1/21〜1/54のコストで同水準の推論・数学性能 |
| コーディング・長文処理を重視 | Claude 3.5 Sonnet | HumanEval 92.0%・200Kトークンで最高のコーディング・長文性能 |
| 高速かつ安定したAIを求める | GPT-4o | 最高速度・マルチモーダル・バランス型で幅広い用途に対応 |
各モデルにはそれぞれ強みがあり、用途に応じて適切なものを選択するのが重要です。
まとめ
- MMLU(推論・知識)では3モデルの差はわずかで、GPT-4o(88.7%)がわずかにリード。DeepSeek V3(88.5%)、Claude 3.5 Sonnet(88.3%)とほぼ同水準
- コーディング能力(HumanEval)ではClaude 3.5 Sonnet(92.0%)が最高で、GPT-4o(90.2%)が続き、DeepSeek V3(82.6%)はやや劣る
- コンテキストウィンドウはClaude 3.5 Sonnetが200Kで最大。長い文書処理が必要な場合は明確な優位性がある
- コスト面ではDeepSeek V3がClaude比で約1/21〜1/54と圧倒的に低価格。大量処理・コスト重視の用途では明確な優位性がある
- 選択指針:コスト重視→DeepSeek V3、コーディング・長文→Claude 3.5 Sonnet、高速・マルチモーダル・汎用→GPT-4o
- 用途ごとに使い分けることで、コストと性能を最大化する戦略が実用的。LiteLLM等のプロキシで複数モデルを統一的に扱うことも有効
▼ アクロビジョンについて