GPT-4.5 vs Claude 3.7 Sonnet:エンジニア視点で徹底解説

最終更新日:2026年8月7日

【重要】本記事はGPT-4.5・Claude 3.7 Sonnetが最新モデルだった2025年春時点の比較記事です。その後 OpenAI・Anthropicともに新世代モデルをリリースしており、本記事で比較している価格・性能ベンチマーク・API仕様は現在とは大きく異なります。最新のモデル比較は各社公式サイトでご確認ください。以下は執筆時点の情報として掲載しています。

GPT-4.5(OpenAI社)とClaude 3.7 Sonnet(Anthropic社)は、2025年に登場した最新の大規模言語モデルで、エンジニアから大きな注目を集めています。それぞれの特徴や実力を、コーディング・推論・コスト・API機能の観点からエンジニア目線で詳しく比較します。

概要

GPT-4.5(OpenAI社)とClaude 3.7 Sonnet(Anthropic社)は、2025年に登場した最新の大規模言語モデルで、エンジニアから大きな注目を集めています。GPT-4.5はChatGPTで知られるGPT-4の中間アップデート版で、開発元はOpenAIです。一方のClaude 3.7 SonnetはAnthropicが開発したモデルで、「ハイブリッド推論モデル」と称されます (参考: [2])。まず、それぞれの基本情報を押さえておきましょう。

  • OpenAI GPT-4.5: 2025年2月に公開されたGPT-4の強化版です (参考: [1])。大きなブレイクスルーというよりは「モデル世代の中間リフレッシュ」と位置づけられ、主な改良点は幻覚(誤情報)の減少会話文の自然さ向上です (参考: [1])。実際、応答が人間らしくなり、より洗練された対話が可能になったとの評価があります。一部のユーザーからは「AGI(汎用人工知能)のような知性を感じる」という声も上がりました (参考: [1])。開発元のOpenAIは引き続きモデルの性能改善に注力しており、GPT-4.5はその一環と言えます。
  • Anthropic Claude 3.7 Sonnet: 2025年2月末にリリースされたAnthropic社の最新モデルです (参考: [2])。Claudeシリーズは「Constitutional AI(憲法AI)」と呼ばれる安全指針に基づいた設計で知られますが、Claude 3.7 Sonnetでは特に推論能力が強化されています (参考: [2])。最大の特徴はハイブリッド推論機能で、質問に対して即座に回答する標準モードと、手順を踏んで深く考える拡張モードを単一のモデルで切り替えられる点です (参考: [3])。拡張モードではモデルが回答前に段階的な思考プロセス(いわゆる「スクラッチパッド」)を実行し、その過程をユーザーに可視化できます (参考: [2])。また、Claude 3.7は前モデル(Claude 3.5)比で知能面が大幅に向上しており、特にコーディング高度な推論課題で強みを発揮します。AnthropicはClaude 3.7 Sonnetを「これまでで最も高性能なモデル」と位置づけており (参考: [2])、OpenAIに対抗し得る存在感を示しています。

以上が両モデルの概要です。次に、エンジニアにとって重要な各側面について詳細に比較していきます。

コーディング能力の比較

コード生成の正確性デバッグ支援といった観点で、GPT-4.5とClaude 3.7 Sonnetには顕著な違いが見られます。

コード生成の正確性

GPT-4シリーズはもともとコード生成能力が高く、GPT-4.5もその流れを汲んでいます。しかし最新のベンチマークでは、Claude 3.7 Sonnetがコード関連タスクでGPT-4.5を大きく上回る結果が報告されています。例えば、現実のソフトウェア課題に対する解決能力を測るSWE-Bench Verifiedベンチマークでは、GPT-4.5の正解率が38%にとどまったのに対し、Claude 3.7 Sonnetは70.3%という高スコアを達成しました (参考: [1])。Anthropicによれば、このスコアは現行モデル中最高水準(state-of-the-art)とのことです (参考: [3])。つまりコード生成力ではClaude 3.7が一歩リードしていると言えます。

Claude 3.7 Sonnetの優れたコーディング能力は、複数の開発者ツール企業による検証でも裏付けられています。AIペアプログラミング環境を提供するCursor社は「Claude 3.7は実用的なコーディング課題で再びベスト・イン・クラスとなった」と評価し、複雑なコードベースの取り扱いやツール使用の面でも大きな改善が見られたと報告しています (参考: [2])。またReplit社のテストでは、Claudeが他モデルでは行き詰まるようなウェブアプリやダッシュボードの構築を一からやり遂げたとされています (参考: [2])。Canva社の評価でも、Claude 3.7はデザイン上優れた意図を持った実用レベルのコードを安定して生成し、バグの大幅な減少につながったとのことです (参考: [2])。こうした事例から、Claude 3.7 Sonnetのコード出力は正確性・完成度ともに高いことが伺えます。

一方のGPT-4.5も依然として強力なコード生成者ではあります。GPT-4は既に多くのプログラミング課題(Competitive ProgrammingやLeetCode等)で高得点を収めており、GPT-4.5でも若干の改良が図られているはずです。しかし前述の通り現時点ではClaudeに軍配が上がる場面が多いようです (参考: [1])。特に大規模なコードベースや複雑なAPI呼び出しを伴う出力では、Claudeの方が要求を正確に満たすケースが報告されています。実際ある分析では「ベンチマークを見ると、Claude 3.7はコーディングでGPT-4.5より明らかに優秀」と結論づけています (参考: [1])。

デバッグ支援とツール活用

両モデルとも、自然言語でバグの説明を与えて修正コードを提案させたり、コードのリファクタリング案を出させたりする用途に使えます。デバッグ支援の面でもClaude 3.7の評価は高く、Anthropic自身「Claude 3.7 Sonnetは我々の最高のコーディングモデルであり、バグ修正や機能開発において強力なパートナーになる」と述べています (参考: [2])。Claudeはユーザーのコードベース全体を理解し、問題箇所を見つけて修正提案を行う能力に優れます。これはClaudeの持つ大きなコンテキストウィンドウ(後述)により、プロジェクト全体を一度に読み込んで分析できる強みがあるためです。例えば複数ファイルにまたがるバグでも、Claudeなら20万トークンに及ぶコードを一度に検証し、関連する部分を踏まえた上で修正案を提示できるでしょう。さらにClaude 3.7は拡張思考モードで問題の原因をステップごとに推論しながら検討できるため、複雑な不具合の原因追跡にも役立ちます。

OpenAI GPT-4.5もデバッグには有用で、誤りの指摘やユニットテストの生成などを高い水準でこなせます。OpenAIモデルは指示への忠実さにも定評があり、「このフォーマットで出力して」といった指定に対して期待通りの形式で回答してくれる傾向があります。実際、ある分析では「Claude 3.7はコード生成力は高いが、開発者によれば指示の厳密な遵守にやや難がある」と指摘されています (参考: [1])。それに対しGPT-4.5は厳密なフォーマット要求を満たしやすいとの声もあります。エンジニアリングでは、ただ正しいコードを生成するだけでなく、求められた仕様やスタイルに沿うことも重要です。その点でGPT-4.5はRLHF(人間フィードバックによる強化学習)による調整が行き届いており、一貫した振る舞いを示す場面が多いでしょう。例えばJSON形式での出力や関数のスケルトン出力など、OpenAIの関数呼び出し機能(後述)と相まってGPT-4.5は開発ツールとの統合のしやすさが光ります。

開発支援ツールとしての活用

Claude 3.7 Sonnetは、AIを開発者の相棒(コーディングパートナー)として活用するための機能が充実しています。AnthropicはClaude 3.7のリリースに合わせ、ターミナル上で動作する「Claude Code」というエージェント機能をプレビュー公開しました (参考: [2])。Claude Codeを使うと、コマンドラインから直接Claudeに指示してコードの検索・編集・テスト実行・GitHubへのコミットなど一連の作業を任せることができます (参考: [2])。Anthropicチームによれば、このエージェントを用いることで45分以上かかるコーディング作業を一回の操作で完了できたケースもあるとのことです (参考: [2])。Claude Codeはまだ研究段階のツールですが、将来的にはエンジニアの生産性を飛躍的に高める可能性が示されています。

一方、OpenAIのエコシステムでもChatGPTプラグインやツール拡張が存在します。例えばChatGPTのCode Interpreter(現在は「高度なデータ分析」機能として提供)では、プログラミング環境を組み込んだ形でGPT-4がコードを書いて実行し、その結果を解析できます。こちらは主にデータ分析用途ですが、エンジニアがコードスニペットを試すのにも利用できます。ただし現時点でOpenAI公式のコーディング専用CLIエージェントは存在せず、同様の機能を実現するにはサードパーティー製ツールや自作のラッパーが必要でしょう。

総括すると、コード生成・デバッグ用途ではClaude 3.7 Sonnetが現状有利です。高い正確性と大容量コンテキストにより、大規模プロジェクトでも的確なコード提案が期待できます。GPT-4.5も依然強力な選択肢ですが、特にコストを払ってでも安定したフォーマット出力やOpenAI製品との親和性を重視する場合に検討すると良いでしょう。

推論能力の比較

次に、論理的思考能力複雑な問題への対応力といった「推論」面で両モデルを比べます。また、Claude 3.7 Sonnetが特徴的な思考プロセスの透明性(スクラッチパッド機能)についても解説します。

論理的思考力と複雑問題への対応

GPT-4.5とClaude 3.7はどちらも高度な推論力を備えており、複雑な質問やパズル、数学問題に取り組めます。標準的な評価では総合的な推論性能は拮抗しているとの結果もあります (参考: [1])。例えば多ステップの常識推論を問うGPQAベンチマークでは、GPT-4.5が約71.4%の正答率、Claude 3.7が77%とわずかに上回りました (参考: [1])。この程度の差は誤差範囲とも言え、一般的な論理問題への対応力はほぼ同等と言えます。

しかし特定の分野では差も見られます。数学の難問については、Claude 3.7 Sonnetの拡張思考モードが奏功しているのか、GPT-4.5よりも高成果を出しています。例えば数学コンテストの問題であるAIME’24では、GPT-4.5の正答率36.7%に対しClaude 3.7は49%と上回りました (参考: [1])。一方で画像を含む複合タスクなどマルチモーダルな課題では両者とも僅差ですが、GPT-4.5が若干高スコアを出した報告もあります (参考: [1])。もっともClaude 3.7もマルチモーダル能力を備えており、この領域でも大差はありません (参考: [1])。

より興味深いのは新規状況への適応力です。ある評価実験では、有名な論理パズル問題の前提を少しだけ変えて出題し、純粋な思考力を試しました。その結果、多くのモデルが訓練データにある定型パターンから外れると苦戦する中で、Claude 3.7 Sonnetだけが新しい文脈でも問題を解決できたと報告されています (参考: [1])。例えばモンティ・ホール問題の設定を変えて出題したところ、Claude 3.7は変更に適切に対応して解を導いたのに対し、他のモデルは従来のパターンに引きずられて誤答したそうです (参考: [1])。このことはClaude 3.7の推論が訓練データへの依存度が低く、指示を真に理解して論理的に考えている可能性を示唆します (参考: [1])。

思考プロセスの透明性(Claudeのスクラッチパッド機能)

Claude 3.7 Sonnet最大の特徴である「スクラッチパッド」について触れます。これは拡張思考モードにおいて、Claudeが回答を出す前に内部で行っている推論ステップをユーザーに見える形で表示できるという機能です (参考: [2])。たとえば複雑な問題に対してClaudeに拡張モードで答えさせると、まず「考え中…」といった前置きのもとステップバイステップの推論内容を列挙し、最後にそれらを踏まえた回答を出す、といった挙動をします。人間で言えば、メモ用紙(スクラッチパッド)に途中計算を書き出しながら最終解答に至るイメージです。

この透明性はモデルの思考過程をトレースできる点で画期的です。ユーザーはClaudeがどのような論理で結論に達したかを確認できるため、もし誤りがあれば途中で気づくこともできます。また「なぜその回答に至ったのか」を説明する責任あるAIとしての振る舞いにもつながります。Anthropicは「Claude 3.7 Sonnetは人間が素早い思考と深い熟考を使い分けるように、一つの脳で両方を実現する」という哲学でこの機能を導入したと述べています (参考: [2])。

一方、OpenAI GPT-4.5にはこのような内部思考の可視化機能はありません。GPT-4.5も複雑な推論を内部では行っているはずですが、それはユーザーからは直接見えないブラックボックスです。ユーザーが希望すれば「ステップ・バイ・ステップで考えて」とプロンプトを与えて中間推論を出力させることも可能ですが、それはモデル自身の解答の一部として出力されるものであり、Claudeのように公式に用意された「思考メモ表示」機能とは異なります。

スクラッチパッドの利点として、開発者がモデルの推論をデバッグできる点も挙げられます。たとえば、ある質問でClaudeが見当違いの回答をした場合、スクラッチパッドを読むことで「途中のこの仮定が間違っている」と分析できます。したがって透明な思考プロセスを持つClaudeは、特に推論重視の応用(研究や複雑な意思決定支援システムなど)において信頼性を高めるメリットがあります。

応答速度と使用感

AIモデルをツールとして使う際、応答の速さインタラクションのしやすさも重要なポイントです。GPT-4.5とClaude 3.7 Sonnetは高性能モデルゆえ計算負荷が大きいものの、工夫によりリアルタイム用途にも対応できるよう最適化されています。

応答速度(レイテンシとスループット)

レイテンシ(初回応答までの遅延)に関して、GPT-4.5とClaude 3.7 Sonnetの間に大きな差はないようです。両モデルともAPI経由でリクエストを送ると、数秒以内には返答を開始します。実際の評価でも標準モードのClaude 3.7とGPT-4.5のレイテンシはほぼ同等であり、どちらも十分リアルタイムアプリで使える速さとされています (参考: [1])。

一方でスループット(トークン出力速度)には違いが報告されています。Claude 3.7 SonnetはGPT-4.5の約2倍の速度でトークンを生成できるとされ、長文の回答を得る際にその差が顕著になります (参考: [1])。具体的には、同程度の長さの回答であればClaudeの方が約半分の時間で最後まで出力を完了するということです (参考: [1])。この高速生成は、チャットボットなどユーザーが逐次回答を読む状況で大きな利点となります。特にコード生成や詳しい説明文の生成では、1回答あたりのトークン数が多くなる傾向がありますが、Claudeなら待ち時間を短縮できるため開発者体験が向上します。

対話の使用感

実際に対話システムやアシスタントとして使う際の使用感にもいくつか違いがあります。GPT-4.5はOpenAIの強みである自然な会話スタイルがさらに洗練されており、人間らしい応答やユーモア、文脈に応じたトーンの調整が得意です (参考: [1])。一方Claude 3.7 Sonnetもフレンドリーで丁寧な文体を基本としますが、時に説明が冗長になりがちな傾向が指摘されています(特に拡張思考モード時)。もっとも、これはプロンプトで回答の簡潔さを指示すれば改善可能です。

長時間の対話に関しては、Claude 3.7の大きなコンテキストが威力を発揮します。後述の通りClaudeは数十万トークンという非常に長い対話履歴を保持できるため、セッションが長引いても前の発言を保持した応答が期待できます。GPT-4.5(標準)ではコンテキスト上限がそれより狭いため、対話が長く続くと初期の方の発言を要約したり切り捨てたりする必要が出るかもしれません。

全体として、応答速度と対話のスムーズさではClaude 3.7 Sonnetがやや有利と言えます。とはいえGPT-4.5も極端に遅いわけではなく、システム設計次第で十分リアルタイム性の高いアプリケーションに組み込めます。

コストパフォーマンス

エンジニアにとってモデル選定の現実的な要素となるのがコストです。ここではAPI利用時の料金体系と、その価格に見合う性能(コストパフォーマンス)について比較します。

価格設定の比較

OpenAI GPT-4.5のAPI利用料金は、公開情報によれば入力トークンあたり約0.0075セント(1000トークンで7.5セント)、出力トークンあたり0.015セント(1000トークンで15セント)程度です (参考: [4])。これは100万トークン換算では入力75ドル・出力150ドルに相当します。一方、Anthropic Claude 3.7 Sonnetの料金は入力1000トークンあたり0.003ドル、出力1000トークンあたり0.015ドルとアナウンスされています (参考: [2])(100万トークンでは入力3ドル・出力15ドル)。両者を比較すると、GPT-4.5はClaude 3.7の約25倍の入力単価と10倍の出力単価という非常に高価な設定になっています (参考: [1])。

この価格差は驚くほど大きく、コミュニティでも「GPT-4.5の性能向上は僅かなのに価格が釣り合わないのでは」との指摘が出ています (参考: [1])。対してClaude 3.7 Sonnetは大幅な性能向上にも関わらず前モデルと同じ低価格を維持しており (参考: [2])、ユーザーにとって極めて魅力的なコストパフォーマンスを実現しています。

パフォーマンスとのバランス

前述した各能力比較から明らかなように、Claude 3.7 Sonnetは多くの重要分野でGPT-4.5同等かそれ以上の性能を示しています。それでいてコストは桁違いに安いため、コストパフォーマンスではClaudeが圧倒的に優位です。例えば1ドルあたり処理できるトークン数で比較すると、ClaudeはGPT-4.5の25倍以上の入力をさばける計算になります。

もっとも、Claude 3.7の拡張思考モードを多用する場合は注意が必要です。拡張モードでは推論過程の「思考トークン」も出力としてカウントされ課金対象になります (参考: [3])。適切に制御すれば、Claudeのコスト優位は依然揺らぎません。

結論として、費用対効果を重視するならClaude 3.7 Sonnetが断然有利です。GPT-4.5は性能面で突出したアドバンテージが少ない割に費用負担が大きく、大企業の限られた用途(予算を惜しまない重要プロジェクトや研究目的など)以外では採用コストを正当化しにくいでしょう。

APIと開発者向け機能

エンジニアがこれらモデルを扱う際に重要となるAPIの使い勝手開発者向けの機能について比較します。

API提供状況と基本仕様

  • OpenAI GPT-4.5 API: OpenAIの既存のエンドポイント(Chat Completions API)経由で利用可能です。OpenAIのAPIは高い安定性と広範なサポートが魅力で、公式ドキュメントやSDKも充実しています。リクエストはシンプルなJSON形式で、多くの言語向けライブラリ(Pythonのopenaiパッケージなど)で簡単に呼び出せます。
  • Anthropic Claude 3.7 API: Anthropicも独自のAPIを公開しており、Claude 3.7 Sonnetはそのエンドポイントで利用できます。Claude 3.7はAWSのBedrockGoogle Cloud Vertex AI経由でも利用可能で、主要クラウドプラットフォームに統合されています (参考: [2])。これにより、大規模サービスにも組み込みやすくなっています。

コンテキストウィンドウ(入力容量)

コンテキストウィンドウとは、モデルが一度に読み取れる入力+出力トークンの最大長のことです。Claude 3.7 Sonnetは業界最大級のコンテキスト長を誇り、最大約200,000トークンもの入力を与えることができます (参考: [5])。さらに拡張思考モード時には最大128,000トークンの出力が可能で (参考: [5])、合計すると30万トークンを超える文脈を一度に扱える計算です。これは数百ページの本の内容を一度に保持して会話できるような規模であり、他の追随を許さない強みです。

GPT-4.5のコンテキスト長は128,000トークンで、GPT-4oと同水準です。Claude 3.7 Sonnetの入力200,000トークンと比べるとやや狭いものの、差は1.5倍程度にとどまります。とはいえ、非常に長大なドキュメントやログを丸ごとモデルに渡して要約・分析させるといったユースケースでは、余裕あるコンテキスト長を持つClaudeが有利に働く場面があります。

開発者向けの拡張機能

OpenAIとAnthropicはいずれも、言語モデルを外部ツールや関数と組み合わせるための機能を提供しています。関数呼び出し(Function Calling)はその代表例で、モデルが特定のJSONフォーマットで回答を出すことでプログラム側で関数実行をトリガーできる仕組みです。AnthropicのClaudeもバージョン3以降で同様のツール使用(function calling)をサポートしており (参考: [5])、例えば「ウェブ検索ツール」や「電卓機能」を定義しておけばClaudeがユーザーの質問に応じてそれらを自発的に利用できます。

また、Anthropic Claude 3.7では思考時間の制御というユニークな機能があります。APIパラメータで「拡張思考モード時に最大Nトークンまで思考せよ」と指定できるものです (参考: [2])。これにより、回答クオリティと速度のトレードオフをプログラム側から動的に調整できます。OpenAI GPT-4.5にはこのような直接的パラメータはありません。したがってモデルの振る舞いを細かくチューニングする点ではClaude APIに一日の長があります。

結論と選び方のポイント

ここまでGPT-4.5とClaude 3.7 Sonnetをエンジニア目線で比較検討してきました。以下に用途別の選定基準をまとめます。

  • コーディング用途: 新機能の実装やバグ修正支援など開発アシスタントが目的なら、Claude 3.7 Sonnetが最適です。特に大規模コードベースを扱う場合や、高品質なコード提案が欲しい場合に効果的です (参考: [1])。
  • 論理推論・難問解決: 数学パズルや論理クイズなど思考力勝負のタスクでも、Claude 3.7が一歩リードしています。拡張思考モードにより確実性の高い回答を得やすく、推論過程の検証も可能です。
  • 創造的な文章生成や対話: ブログ記事の下書き作成やチャットボット対話など、自然で洗練された文章生成が重視される場合はGPT-4.5も依然魅力的です (参考: [1])。
  • リアルタイム性とインタラクティブ性: ユーザーとテンポ良くやり取りするインタラクティブシステムでは、Claude 3.7の高速なトークン生成長い対話記憶がプラスになります (参考: [1])。
  • コストとスケーラビリティ: 予算が限られていたり多数のリクエストを処理する必要がある場合、Claude 3.7 Sonnetのコスト優位は圧倒的です (参考: [1])。
  • エコシステムとサポート: OpenAIはドキュメントやサンプルが豊富で、初学者でも扱いやすい環境が整っています。既にOpenAI APIを組み込んだシステムであればGPT-4.5へのアップグレードはスムーズです。

現時点(2025年春)では、Claude 3.7 Sonnetがエンジニアにとって極めて魅力的な選択肢となっています。用途に応じて適切なモデルを選び、必要なら両者を使い分けることで、開発効率と成果を最大化できるでしょう。

参考文献

  1. Vellum AIブログ: GPT-4.5 vs Claude 3.7 Sonnet – モデルの価格・速度・ベンチマーク比較 (2025年)
    https://www.vellum.ai/blog/gpt-4-5-vs-claude-3-7-sonnet
  2. Anthropic公式発表: Claude 3.7 Sonnet and Claude Code (2025年2月24日)
    https://www.anthropic.com/news/claude-3-7-sonnet
  3. AWS News Blog: Anthropic’s Claude 3.7 Sonnet hybrid reasoning model is now available in Amazon Bedrock (2025年2月24日)
    https://aws.amazon.com/blogs/aws/anthropics-claude-3-7-sonnet-the-first-hybrid-reasoning-model-is-now-available-in-amazon-bedrock/
  4. Reddit投稿: Gpt4.5 is dogshit compared to 3.7 sonnet – モデルのトークン当たりコスト比較
    https://www.reddit.com/r/cursor/comments/1iyp7yx/gpt45_is_dogshit_compared_to_37_sonnet/
  5. PromptHub: Claude 3.7 Sonnet Model Card
    https://www.prompthub.us/models/claude-3-7-sonnet

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