Amazon Connectに関連するキーワード

Amazon Connectについて


Amazon ConnectとはAWS(Amazon Web Services)の1つであり、コールセンターをクラウド上にソフトウェアとして構築できるサービスです。さらに簡潔にいうと、「短時間でコールセンターの機能を簡単に構築できるようにしたサービス」です。

コールセンターのシステム構築について

コールセンターシステムを作成しようと思えば、そもそも短時間では作れません。半年・1年なんてざらでしょう。費用だって数千万から数億規模でかかります。ざっくりとシステム内容をいいますと、顧客情報の参照・顧客応対記録の一元管理・オペレーターへの割り当て・通話録音によるアドバイス・FAQによる顧客の疑問の解決など、沢山あります。そう簡単に作れるものではないことが分かるでしょう。しかし、Amazon Connectはこの概念をいい意味でぶち壊します。

迅速なインフラ構築

クラウドによって専用の設備を必要としないため、迅速にコールセンターを構築することが出来る。 インフラ運営、管理もすべてAmazonが行うので、担当スタッフが必要なくなり、コスト削減につながる。

拡張性

コール数の変動に合わせて、増減が可能なので、ピーク時に合わせたシステムを後から導入することで対応できます。 これによって顧客数とニーズに併せて、コールセンターを運営することができます。

従量課金制

Amazon Connectは利用した分だけ支払う従量課金制なので、低コストで利用することができます。 また、販売シーズンに合わせて、販促キャンペーンやイベントを行う場合でも、コストをかけずに、コンタクトセンターを開設・運営することができます。

Amazon Connectのすごいところは?

上記に述べたように、従来のコールセンターシステムは大変な労力をつかいます。それに比べてAmazon Connectの魅力をここで紹介しましょう。

・初期費用なしで構築できる

最初から魅力溢れる文ですね。初期費用はないですが、Amazon Connectはいわゆる通話時間に応じた課金体系です。これについては後ほど説明します。

・コールセンターに必要なシステムを簡単に作成できる

画面をポチポチしていけば簡単に作成ができます。電話番号もすぐに取得できるため、こんな簡単にゲットできていいのかと思うくらいです。

・拡張性がある

Amazon Connect以外にもクラウド型CTI(※1)はいっぱいありますが、サービスロックをされ拡張性がないものが多いです。必要なときに必要なぶんだけリソース(※2)を使えることもAmazon Connectの魅力といえるでしょう。

  • (※1)CTI‥コンピューターと電話の機能統合
  • (※2)リソース‥コンピューターで利用できるハードウェアやソフトウェア

導入例

・株式会社イープラス(e+)の場合

e+では自動音声応答システムにアマゾンコネクトを利用しています。従来のシステムと比べ、90%以上のコスト削減が実現しました。

Amazon Connectの日本におけるデメリット

ここまで読むとAmazon Connectにはいい点しかないように思えますが、日本で使うには不便なところもあります。

・既存の電話番号が移行できない

電話番号はAmazonが用意している050番号(ダイヤルイン)、0800番号(フリーダイヤル)しかありません。フリーダイヤルと聞けばほとんどの人が0120だと思うでしょう。0800のフリーダイヤルが存在することはあまり知られていません。

・音声品質があまり良くない

通話中に多少の音声の遅延や、音声がまばらに(プチプチと途切れた風に)聞こえることが良くあります。

・音声認識が日本語対応していない

各方面から期待されているAmazon Lex、Amazon Transcribeの日本語対応はしていません。(Lexは英語、Transcribeは英語とスペイン語のみ)

LexはAlexaと同様の技術になるので、日本語が対応可能になるとチャットボットのみでコールセンターの運用がされるときがくるかもしれません。

Amazon Connectの料金体系は?

前述の通り、Amazon Connectは通話時間に応じた課金体系です。その他には、サービス利用料、インバウンド/アウトバウンドコールの通話料、電話番号の利用料金で構成されています。サービス利用料金に関しては通話時間にのみひも付いており、利用がなければサービス利用料金はゼロということになります。

また、通話時間の価格ですが、日本国内でのみ利用する場合は下記のようになります。

・受電時の料金

1日あたりの要求された電話番号(USD)は0.10USD(直通ダイヤル)、0.48USD(料金無料通話)となります。1分あたりの受信通話の使用(USD)は0.003USD(直通ダイヤル)、0.1482USD(料金無料通話)となります。

・発信時の料金

0.1000USDとなります。

Amazon Connectの場合は、番号使用料と通話料のみで利用することができるのでとても低価格で利用ができることが分かりますね。

まとめ

これからますます発展していくと思われるAmazon Connectですが、まだデメリットも多く既存の電話番号移行ができない点が大きなネックになってしまいます。例えば大規模なコンタクトセンターを運用している中で、コールシステムを移管するケースだと、現時点ではAmazon Connectを選択することは少し難しいでしょう。今後に期待が大きいですね。