Amazon Lexについて
最終更新日:2026年8月12日
この記事でわかること
Amazon Lexとは?
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
Amazonが提供しているAmazon Lexというサービスはご存知でしょうか。
会話型インターフェイスを構築する為のサービスなのですが、例えば、最近よく会員型のサイトなどで見かけるQ&Aに対応したチャット質問サービスや、LINEで有名人が行っている公式LINEサービスなども、会話型インターフェイスを利用したサービスと言えます。
こうしたテキストを利用したチャット型のサービスはもちろん、採用するアプリケーションによっては音声によって会話型のサービスを提供することができるようになるのが、このAmazon Lexなのです。
Amazon Lexの利点
このAmazon Lexの大きな利点としては、マルチプラットフォームの開発に係る労力が大きく削減できる事にあります。
モバイルデバイスや複数のチャットサービス、例えばFacebookやMessengerなどの日本でも頻繁に利用されるものや、SlackやTwilio SMSなど、日本では無名ですが世界的に利用されているサービスに、容易に音声またはテキストのチャットボットをパブリッシュでき、また、その他のAWSサービスとの統合により、手間を掛けることなくボットを開発できる点も利点と言えます。
では、具体的にAmazon Lexはどのようなシステムを用いて構成されているのでしょうか。Amazon Lexでは大きく分けて2つの構成する要素があります。それがASRとNLUです。
ASR
ASRは音声をテキストに変換する自動音声認識です。
このASRにより利用者が発した音声をテキストベースへ変換することで、システムは問い合わせ内容などを理解し、処理することができるのです。
NLU
問い合わせ内容の理解の部分に関わってくるのがNLUです。変換されたテキストの意図を認識する自然言語理解がこのNLUであり、このASRとNLUにより高度な深層学習機能が利用できることからリアルな会話を提供することができるのです。
この2つのシステムはAmazon Alexaにも同等の技術が搭載されており、つまりはAmazon Lexを利用することで、Amazon Alexaと同等の高度なチャットボットを簡単に構築できるようになります。
そしてこのAmazon Lexの驚くべき点は数分で独自のチャットボットが作成される点にあります。
これはAmazon Lexが使いやすいコンソールを提供していることから実現した利点の一つであり、利用すべきフレーズをいくつか用意するだけで、音声やテキストを使用して対話をすることができるようになるのです。
もちろんNLUにより優れた自然言語モデルを構築し、質問や返答など高度なタスクを完成することができます。
実際のサービスの作成画面を是非一度拝見して頂きたいのですが、サービスを組み上げる為の専門の言語知識などは不要であり、簡単なやり取りを作成するだけであれば、幾つかのアクションと幾つかのフレーズを用意して設定するだけで利用が行えます。
例えばQ&A形式のチャットボットを作成するとなった場合には、ある程度のパターンを検討し、それに対応した複数のアクションを用意、設定する必要が出てくる為、規模が大きくなればなるほど作成における利便性は複雑化してしまいます。
しかし、この複雑で優れたサービスをスクラッチ開発するという場合と比較した場合、その費用対効果は想像を遥かに超えるものになると言えるのではないでしょうか。
【要注意】
当初、統合先のサービスとして「AWS MobileHub」を挙げていましたが、AWS Mobile Hubは2020年7月末をもってサービス提供を終了しています。現在Amazon Lexは主にAWS Lambda(ビジネスロジックの実装)やAmazon Connect(コールセンター・コンタクトセンター連携)との統合で利用されるのが一般的です。また、現行のAmazon Lex V2ではAmazon Bedrockと連携したQnAインテントなど、生成AIを活用した機能拡張も進んでいます。
また、Amazon Lexの大きな利点としてAWSサービスとの統合を先程挙げましたが、実際にはAWS Lambda、Amazon Connect、Amazon CloudWatchとの統合が提供されています。各サービスの詳細はここでは割愛しますが、Amazon Lexを利用する上でより簡単に、そしてより有効に利用する為のサービスとの統合が容易である点は大きな利点と言えます。
また、Amazon CognitoやAmazon DynamoDBなど、AWSの他のプラットフォームの多くとも簡単に統合できるようになっています。さまざまなサービスを利用している中でチャットボットが必要になった時、またその逆で、チャットボットが必要であり、なおかつその他のサービスが必要になった時に、Amazon Lexという選択肢を選ぶことで、その他の付随したサービスの選択肢の多さと工数の削減ができることは大きなメリットと言えるでしょう。
ユースケース
Amazon Lexのユースケースとしては、以下のようなものがあります。
コールセンターの問い合わせ業務における対応
複雑な問い合わせに対応する事は難しいですが、ある程度対応の決まったサービス、例えば会員情報の変更手続き、利用サービス状況の照会などは容易に対応する事ができます。Amazon Connectと組み合わせることで、電話音声での自動応答にも対応できます。
情報ボット
例えばニュースや天気予報などの日常的に更新される情報は、消費者の問い合わせに対応して特定の情報などを返答するボットも容易に構築ができます。これは、冒頭で挙げたLINEの公式アカウントなどが例として該当します。
押さえておきたいポイント
- Amazon Lexは、音声認識(ASR)と自然言語理解(NLU)を組み合わせて意図を解釈する会話型AIサービスで、Amazon Alexaと同等の技術基盤を利用できる
- AWS LambdaやAmazon Connect、Amazon Cognito、Amazon DynamoDBなど他のAWSサービスと容易に統合でき、スクラッチ開発と比べて開発工数を大きく削減できる
- 現在はAmazon Lex V2として提供されており、Amazon Bedrockとの連携によるQnAインテントなど、生成AIを活用した機能拡張が進んでいる
よくある質問
Amazon Lexは日本語に対応していますか?
Amazon Lex V2では日本語を含む複数言語のロケール設定に対応しています。ただし対応言語や認識精度は随時アップデートされるため、最新の対応状況はAWS公式ドキュメントでご確認ください。
Amazon Lexの利用料金はどのくらいですか?
Amazon Lexはテキスト・音声リクエストの処理件数に応じた従量課金制のサービスです。料金体系は変更される可能性があるため、最新料金はAWS公式サイトでご確認ください。
Amazon Lexはどのようなサービスと連携できますか?
AWS Lambdaによるビジネスロジックのカスタマイズ、Amazon Connectを使ったコールセンター連携、Amazon Cognitoによるユーザー認証、Amazon DynamoDBでの会話データ保存など、幅広いAWSサービスと組み合わせて利用できます。
最後に
今回Amazon Lexの内容と利点を挙げてきました。既に生活する上でチャットボットを利用した事がある人は、この便利と不便さを肌に感じていることでしょう。
便利さとは、速さや簡単さだと言えます。問い合わせに対してすぐに返答があり、また音声やテキストで簡単に問い合わせる事ができます。
逆に不便さとは、問い合わせの範囲が限定される事です。ある質問には対応できず、仕方なくオペレーターや別の問い合わせフォームからの問い合わせが必要になる場合を経験した事もあるでしょう。そういった限定的な所を如何に少なくできるかということが、このAmazon Lexを利用する上での課題になるでしょう。
しかし、その課題をクリアする事で消費者には素晴らしいサービスを提供でき、開発者には工数削減という大きなメリットを享受する事ができるのです。
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