Amazon Linux 2 で MySQL を使用する
最終更新日:2026年8月12日
この記事でわかること
はじめに
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
近年の情報化社会を形作る上で多くの企業が利用している重要な技術として、データベースを利用したWebアプリケーションがあります。LAMP 環境※1という言葉を目にしたこともあるかもしれません。
今回は Amazon EC2 上で広く利用されてきたOS「Amazon Linux 2」と、データベース管理システムの中でも世界中で高いシェアを獲得している「MySQL」についてまとめていきます。
【要注意】Amazon Linux 2 のサポート終了について
Amazon Linux 2 は2026年6月30日をもって標準サポートが終了しています。新規に環境を構築する場合は、後継OSである Amazon Linux 2023(AL2023)の利用をご検討ください。本記事で紹介する手順は Amazon Linux 2 向けのものであり、既存環境の保守・参考情報としてご利用ください。
そもそも Amazon Linux 2 とはどのようなOSなのか
Amazon Linux 2 はアマゾン ウェブ サービス(AWS)より提供されている、Amazon Linux オペレーティングシステムです。ベースは RedHat 系のディストリビューションであり、操作は RHEL7 や CentOS7 に近いOSとなります。Amazon EC2 での使用に最適化された設定となっており、AWS との連携が非常に容易に行えることが大きな特徴となります。なお、現在は後継となる Amazon Linux 2023(AL2023)が提供されており、パッケージ管理が dnf ベースになるなど改良が加えられています。
データベース MySQL と MariaDB の違い
実は Amazon Linux 2 にはデフォルトで MariaDB という MySQL とは別のデータベースが既にインストールされています。MySQL と MariaDB のどちらを使用していくか判断するためにも、これらデータベースの特徴について記載していきます。
- ■ MySQL の特徴
- MySQL はオープンソースで提供されているリレーショナルデータベース管理システムです。MySQL には主に以下のような特徴があります。
- オープンソースで基本的に無料で使用可能
- どんなアプリケーションにも対応できる高い拡張性
- 複数のOS(Linux、Mac、Windowsなど)で動作する柔軟性
- 巨大サイトでの利用に耐える頑丈さ
- Oracle 社によって開発やソースコード管理が行われている
- 世界中でも高いシェアを獲得している
- デュアルライセンス(GPLと商用)を採用
- ■ MariaDB の特徴
- MariaDB は MySQL から派生したオープンソースのリレーショナルデータベース管理システムです。MariaDB には主に以下のような特徴があります。
- MySQL との高い互換性
- クラスタ構成でのデータベース構築を手軽に行うことができる
- MySQLよりも煩雑な暗号化設定による、より高い堅牢性
- 複数のストレージエンジンに対応
- 「列単位」で処理を行うカラム型DBエンジンが採用されており、ビッグデータなどの集計作業を得意とする
- 純粋なオープンソースプロジェクトのため、ベンダーによる関与がない
- 拡張性や処理性能が評価され、世界中でシェアを獲得している
- GPLライセンスを採用
MariaDB は MySQL との高い互換性を保ちながら独自の機能拡張を進めており、MySQL よりも高い性能を発揮する場面があるとも言われます。その為、MySQL と MariaDB のどちらを使用するか悩んだ場合には、MariaDB を選んでおいても問題は無いでしょう。
Amazon Linux 2 に MySQL をインストールする
Amazon Linux 2 で MariaDB ではなく、MySQL を使用したい、という方向けに簡単にインストール方法について記載しておきます。なお、MySQL は Extras※2 を利用したインストールはできないため注意が必要です。
- Amazon Linux 2 にデフォルトでインストールされている MariaDB をアンインストールします。
例)
$ sudo yum list installed | grep mariadb
$ sudo yum remove mariadb-libs
※MySQL をインストールする際に mariaDB と入れ替えが行われるため、必ずしも mariaDB のアンインストールを行わなくてはならないわけではありませんが、使用しないのであればアンインストールしておいた方が無難でしょう。 - MySQL公式のyumリポジトリを追加します。
例)
$ sudo yum install https://dev.mysql.com/get/mysql80-community-release-el7-1.noarch.rpm -y
※上記で指定しているのはMySQL8.0のリポジトリとなりますが、この中にMySQL5.7も入っています。 - インストールするバージョンの有効化を行います。(※ MySQL8.0 を使用する場合、この3.の手順は飛ばしても問題ありません。)
<MySQL8.0 を使用する場合>
例)
$ sudo yum-config-manager –enable mysql80-community
<MySQL5.7 を使用する場合>
例)
$ sudo yum-config-manager –disable mysql80-community
$ sudo yum-config-manager –enable mysql57-community - MySQL のインストールを実行します。
例)
$ sudo yum install mysql-community-server - 希望したバージョンが入っていることを確認します。
例)
$ mysqld –version
押さえておきたいポイント
- Amazon Linux 2 は2026年6月30日に標準サポートが終了しているため、新規構築では後継の Amazon Linux 2023(AL2023)の利用を検討する
- MySQL と MariaDB はどちらもオープンソースで高い互換性を持つが、ライセンス体系(MySQL はデュアルライセンス、MariaDB はGPL)や暗号化設定などに違いがあるため、要件に応じて選定する
- MySQL を yum リポジトリから手動インストールする場合は、5.7系か8.0系かのバージョン方針を事前に決めてから作業を進める
よくある質問
Q. Amazon Linux 2 と Amazon Linux 2023 の違いは何ですか?
Amazon Linux 2023(AL2023)は Amazon Linux 2 の後継OSで、パッケージ管理が dnf ベースになり、セキュリティ機能などが強化されています。Amazon Linux 2 は2026年6月30日に標準サポートが終了しているため、新規に環境を構築する場合は AL2023 の利用が推奨されます。
Q. MySQL と MariaDB はどちらを選ぶべきですか?
どちらもオープンソースのリレーショナルデータベース管理システムで高い互換性がありますが、ライセンス体系や暗号化設定、ストレージエンジンの対応状況などに違いがあります。既存システムとの互換性やチームの知見、利用予定のAWSマネージドサービスとの相性を踏まえて選定することをおすすめします。
Q. MySQL のインストール後にバージョンを変更できますか?
yum リポジトリの有効・無効を切り替えることで別バージョンを再インストールすることは可能ですが、データベースのメジャーバージョンアップには互換性の確認やダンプ・リストアなど別途の手順が必要です。事前にAWS公式サイトやMySQL公式のアップグレードガイドを確認してから作業することを推奨します。
まとめ
これまでデータベース管理システムとして主に使用されてきた MySQL ですが、RHEL7系ディストリビューションや Amazon Linux 2 のように、標準リポジトリで MariaDB を既定のデータベースとして採用する例も見られます。MariaDB は MySQL との高い互換性を保ちながら独自の機能拡張を進めており、システム要件に応じて選択肢として検討する価値があります。とは言え、MySQL も Oracle のもとで継続的に開発が進められ、Amazon RDS や Amazon Aurora などのAWSマネージドサービスでも幅広く利用されているため、一概にどちらが主流と言い切ることは難しくなっています。システム開発の際には、データベースの特徴をしっかりと認識した上でどれを利用するか検討していくことが大切です。
<注釈>
※1 … LAMP とは
LAMP とは、動的なWebサイトやWebサービスなどの構築に適した、人気の高いオープンソースソフトウェアの組み合わせの一つです。具体的には、OSの「Linux」、Webサーバーの「Apache」、データベースの「MySQL(もしくは「MariaDB」)」、プログラミング言語および実行環境の「PHP(もしくは「Perl」「Python」のいずれか)」の組み合わせを指しており、それぞれの頭文字を繋ぎ合わせて LAMP と呼称します。いずれもオープンソースソフトウェアであるため、低コストで構築でき、かつ、高いカスタマイズ性を持つことが特徴です。
※2 … Extras とは
Extras は、最新のアプリケーションソフトウェア更新をインストールできるようにする Amazon Linux 2 のメカニズムを指します。ソフトウェア更新はトピックと呼ばれ、各トピックには Amazon Linux 2 にソフトウェアをインストールし機能させるために必要となる依存関係がすべて含まれています。
具体的な使用方法としては、”amazon-linux-extras”というコマンドを使用します。このコマンドにより、例えば以下のことが実施できます。
- 使用可能なトピックのリストを表示する
例)$ amazon-linux-extras list - トピックを有効にし、パッケージを最新バージョンの状態で維持する
例)$ sudo amazon-linux-extras install topic - トピックを有効にし、パッケージの特定のバージョンをインストールする
例)$ sudo amazon-linux-extras install topic=version topic=version
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