Amazon Linux 2 ってどんなOS?
最終更新日:2026年8月10日
この記事でわかること
【要注意】Amazon Linux 2 は既にサポート終了しています
本記事はAmazon Linux 2が最新バージョンだった時期に書かれたものです。その後Amazon Linux 2の標準サポート期間は延長された末、2026年6月30日をもって終了しました(本記事執筆時点で既にサポート対象外です)。現在の最新世代はAmazon Linux 2023(AL2023)で、2029年6月までのサポートが提供されています。これから新規に構築する場合はAmazon Linux 2023を、既にAmazon Linux 2を利用中の場合は速やかにAmazon Linux 2023への移行をご検討ください。以下のAmazon Linux 2に関する内容は、当時の技術情報として参考にしてください。
はじめに
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud) 上で稼働するOSとして、Amazon Linux は長らく高いシェアを誇ってきました(具体的な採用実績や統計数値は年々変動するため、最新の調査結果は各種比較サイトや公式情報をご確認ください)。
今回は Amazon Linux の中でも、かつて最新バージョンであった Amazon Linux 2 について、その特徴をまとめていきます(現在の最新世代は Amazon Linux 2023 です。詳しくは上記の【要注意】をご覧ください)。
Amazon Linux とその他の Linux サーバーオペレーティングシステムで何が違うの?
Amazon Linux 2 について記載する前に、そもそも Amazon Linux が他の Linux OS と比べてどんな点が優れているのかを簡単にまとめます。以下の内容が Amazon Linux の主な特徴となります。
- AWS のサービスを運用するために必要なパッケージや設定が事前に入っており、多くの AWS サービスと容易に統合できます。
- AWS サポートに加入することで、AWS だけでなく、Amazon Linux のインストールや使用についてもサポートを受けることができます。
- Amazon EC2 でのパフォーマンスが向上するように最適化されたカーネルと新しいバージョンのツールチェーンが付属されてます。
- デフォルトで SSH キーペアの使用およびリモートルートログインの無効化によるリモートアクセス制限の設定がされています。
この中でも特に AWS の多くのサービスを容易に統合できる点が最大の特徴となります。
Amazon Linux AMI (旧バージョン)と Amazon Linux 2 (新バージョン)の違いは?
Amazon Linux はアマゾン ウェブ サービス(AWS)より提供されている Linux サーバーオペレーティングシステムであり、Amazon Linux AMI とその次世代バージョンにあたる Amazon Linux 2 が提供されてきました(さらにその後継として Amazon Linux 2023 が登場しています)。Amazon Linux 2 の特徴を知るにあたり、旧世代バージョンである Amazon Linux AMI と比較してどのような点に違いがあるのかを確認していきます。
- ・ベースとなるバージョンの変更
- Amazon Linux は RedHat 系の Linux ディストリビューションですが、Amazon Linux AMI は RedHat 6 がベースに対して、Amazon Linux 2 は RedHat 7 がベースと変更されております。
- ・長期のサポート期間
- Amazon Linux 2 のサポート期間は当初2023年6月30日までとされていましたが、その後延長され、最終的に2026年6月30日にサポート終了となりました。Amazon Linux AMI(旧バージョン)は標準サポートが2020年12月31日をもって終了し、メンテナンスサポート期間を経て、現在は完全にサポート対象外です。いずれのバージョンも現在は Amazon Linux 2023 への移行が推奨されています。
- ・オンプレミスでの使用が可能
- Amazon Linux 2 はオンプレミスで使用できる仮想マシンイメージとしても提供されているため、ローカルの開発環境にテスト環境を構築することができます。
- ・Extras※1 によるパッケージのインストールが可能
- 安定性を確保しつつ、最先端のアプリケーションおよびソフトウェア更新をインスタンスにインストールすることができます。
- ・init システムの変更
- init システムが、Amazon Linux AMI では System V init システムでしたが、Amazon Linux 2 では systemd のサービスとシステムマネージャーが提供されています。
- ・ファイルシステムの変更
- ファイルシステムが、Amazon Linux AMI では ext4 でしたが、Amazon Linux 2 では xfs に変更されています。その為、ファイルシステム管理コマンドが変わっています。
この他にも、ホスト名やタイムゾーンを変更する方法が異なっていたり、yum でインストール可能なソフトウェアのバージョンが異なっていたり、また、それが原因でパッケージ名が変更されていたりと細かい点で色々な違いがあります。Amazon Linux AMI から Amazon Linux 2 へアップグレードを行う場合には、既存のアプリケーションが正しく動作するか等の確認を含め、事前に新しく Amazon Linux 2 をインストールしたテスト機で十分にテストを実施してからの方が良いでしょう。
Amazon Linux AMI から Amazon Linux 2 へアップグレードする際の注意点について
具体的な開始方法やアップグレード方法についてはユーザガイドを確認した方が良いため、ここではアップグレードの検討を行う際の注意点を記載します。
注意すべきは以下の2点となります。
- Amazon Linux AMI から Amazon Linux 2 へのインプレースアップグレード※2はサポートされていません
- Amazon Linux AMI から Amazon Linux 2 へのローリングアップグレード※3は実行できません
以上のことから、Amazon Linux 2 へのアップグレードはマイグレーション方式※4で行う必要があります。なお、Amazon Linux AMI・Amazon Linux 2 のいずれも既にサポート終了しているため、これから移行を計画する場合は Amazon Linux 2023 を移行先として検討することをおすすめします。
なお、Amazon Linux AMI から Amazon Linux 2 へ移行をアシスタントするツールが発表されています。このツールを使用することで、パッケージ、ライブラリ、サービス、コマンドラインオプション、および構成ファイルの非互換性を確認できます。
オンプレミスで Amazon Linux 2 を使用する
オンプレミスで Amazon Linux 2 を実行する際には、AWS アカウントは必要なく、追加料金も発生しません。現在 Amazon Linux 2 仮想マシンイメージは、KVM、Microsoft Hyper-V、Oracle VM VirtualBox、VMware ESXi の各仮想化プラットフォームでの利用がサポートされております(Amazon Linux 2023 でも同様にオンプレミス向けの仮想マシンイメージが提供されています)。
ここからはローカルの環境で Amazon Linux 2 を使用する手順を記載します。なお、後述しますが、今回記載する手順の確認にあたり、Oracle VM VirtualBox 6.1.4 と CentOS7.7(isoイメージ作成作業環境) を使用しているため、この環境に沿った手順を例として記載しております。使用する環境が異なる場合には手順に多少の差異があるかもしれませんが、基本的な流れはどの仮想化プラットフォームでも同じです。
作業手順
おおまかな作業の流れは以下の通りとなります。
- seed.iso 起動イメージを準備する
- Amazon Linux 2 仮想マシンイメージをダウンロードする
- 新しい仮想マシンを構築する
1.seed.iso 起動イメージを準備する
新しい仮想マシンの起動に必要な初期設定情報(ネットワーク設定、ホスト名、ユーザーデータなど)が含まれている seed.iso という起動イメージを作成する必要があります。seed.iso 起動イメージを作成するには、以下が必要となります。
- meta-data
新しい仮想マシンのホスト名やネットワークの設定をする設定ファイルです。 - user-data
新しい仮想マシンのユーザーアカウントやパスワード、キーペア、およびアクセスメカニズムを設定する設定ファイルです。なお、Amazon Linux 2 仮想マシンイメージでは、デフォルトで ec2-user のユーザーアカウントを作成します。 - ISO起動イメージを作成する環境
Linux の場合は、genisoimage などのツールを使用します。macOS の場合は、hdiutil などのツールを使用します。なお、今回の手順の確認には CentOS7.7 を使用しているため、genisoimage を例として使用しております。
<seed.iso 起動イメージ作成手順>
- 作業用のディレクトリを作成し、そのフォルダに移動します。
例)
$ mkdir seedconfig
$ cd seedconfig - 作業環境(CentOS7.7)でisoイメージを作成するために必要となるパッケージを準備します。
例)
$ sudo yum -y install genisoimage - meta-data 設定ファイルを作成します。
- meta-data という名前の新しいファイルを作成します。
- 任意のテキストエディタを使用して、meta-data ファイルに以下の内容を追記します。
例)local-hostname: [仮想マシンホスト名]
#network-interfaces: |
# auto eth0
# iface eth0 inet static
# address 192.168.1.10
# network 192.168.1.0
# netmask 255.255.255.0
# broadcast 192.168.1.255
# gateway 192.168.1.254local-hostname には、任意の仮想マシンホスト名を記載します。
また、上記例のように設定すると、DHCPでIPアドレスの自動割り当てを行います。静的にネットワーク設定を行う場合は、network-interfaces 以下のコメントを外して設定します。 - meta-data 設定ファイルを保存して閉じます。
- user-data 設定ファイルを作成します。
- user-data という名前の新しいファイルを作成します。
- 任意のテキストエディタを使用して、user-data ファイルに以下の内容を追記します。
例)#cloud-config
users:
– default
chpasswd:
list: |
ec2-user:[ユーザーパスワード]ここではデフォルトのユーザーアカウント ec2-user の作成とパスワードの設定を行います。
- user-data 設定ファイルを保存して閉じます。
- seed.iso 起動イメージを作成します。
例)
$ genisoimage -output seed.iso -volid cidata -joliet -rock user-data meta-data
2.Amazon Linux 2 仮想マシンイメージをダウンロードする
こちらから選択したプラットフォームに合う仮想マシンイメージをダウンロードします。
3.新しい仮想マシンを構築する
先ほど作成した seed.iso と、ダウンロードした Amazon Linux 2 仮想マシンイメージを使用して、新しい仮想環境を構築します。以下、参考までに VirtualBox に新規仮想マシンを追加した際の手順を記載します。
- ハードディスクにダウンロードした Amazon Linux 2 の仮想マシンイメージを指定します。
- seed.iso を起動ドライブにマウントします。
- 設定が完了した仮想マシンを起動します。
押さえておきたいポイント
- Amazon Linux 2 は2026年6月30日にサポート終了済みで、現行の推奨バージョンは Amazon Linux 2023(AL2023)(2029年6月までサポート)です。
- Amazon Linux AMI(旧世代)から Amazon Linux 2 へのアップグレードはインプレース/ローリング方式に対応しておらず、新環境を構築して切り替える「マイグレーション方式」でのみ対応可能です。
- Amazon Linux 2 系はAWSアカウント不要・追加料金なしでオンプレミス環境(KVM、Hyper-V、VirtualBox、VMware ESXi等)でも利用でき、この特性は後継のAmazon Linux 2023にも引き継がれています。
よくある質問
Amazon Linux 2はまだ使えますか?
技術的に起動・利用すること自体は可能ですが、2026年6月30日をもって標準サポートが終了しているため、セキュリティパッチ等の提供がなく新規利用は推奨されません。既存環境をお使いの場合は、速やかに Amazon Linux 2023 への移行をご検討ください。
Amazon Linux 2 と Amazon Linux 2023 の主な違いは何ですか?
Amazon Linux 2023 は、より新しいパッケージセットや強化されたセキュリティ機能(SELinuxのデフォルト有効化等)を備え、おおむね2年ごとに新しいメジャーバージョンがリリースされる方針が示されている点が大きな違いです。最新の仕様や機能差分はAWS公式サイトでご確認ください。
オンプレミスでもAmazon Linuxを使えますか?
Amazon Linux 2 と同様に、Amazon Linux 2023 もオンプレミス向けの仮想マシンイメージが提供されており、KVMやVMware ESXi等の主要な仮想化プラットフォームで利用可能です。AWSアカウントも不要で、追加料金も発生しません。
まとめ
Amazon Linux 2 についてまとめました。旧バージョンが Amazon EC2 でのみ使用できるOSであったこともあり、まだあまりメジャーなOSとは言えませんが、Amazon EC2 上で最適化されたパフォーマンスが提供されており、かつ、AWS のサービスとの連携も容易なOSとなります。なお、Amazon Linux 2 は2026年6月30日にサポート終了しているため、これから Amazon EC2 でどのOSを使用するか検討する場合には、後継の Amazon Linux 2023 を候補に加えて検討することをおすすめします。
<注釈>
※1 … Extras とは
Extras は、最新のアプリケーションソフトウェア更新をインストールできるようにする Amazon Linux 2 のメカニズムを指します。ソフトウェア更新はトピックと呼ばれ、各トピックには Amazon Linux 2 にソフトウェアをインストールし機能させるために必要となる依存関係がすべて含まれています。
具体的な使用方法としては、”amazon-linux-extras”というコマンドを使用します。このコマンドにより、例えば以下のことが実施できます。
- 使用可能なトピックのリストを表示する
例)$ amazon-linux-extras list - トピックを有効にし、パッケージを最新バージョンの状態で維持する
例)$ sudo amazon-linux-extras install topic - トピックを有効にし、パッケージの特定のバージョンをインストールする
例)$ sudo amazon-linux-extras install topic=version topic=version
※2 … インプレースアップグレード とは
古いバージョンが稼働しているシステムに新しいバージョンを上書きして、データを引き継ぐ方法を指します。複数のコンピュータが稼働している場合、稼働中のシステムは一旦すべて停止し、ソフトウェアを新しいものに更新してから再稼働させる方式です。
※3 … ローリングアップグレード とは
複数のコンピュータが稼働している場合において、システムを稼働させたまま一台ずつ更新する方式です。更新中は一時的に新旧のソフトウェアが混在する環境になるため、ソフトウェアはあらかじめローリングアップグレードに対応している必要があります。
※4 … マイグレーション とは
現在稼働している環境とは別に新しいバージョンの環境を構築、稼働させて、古い環境を置き換える方式です。
<参考>
- Amazon Linux 2
- Amazon Linux 2 に関するよくある質問
- Amazon Linux2とAmazon Linuxの違いについて(メモ)
- Amazon Linux から Amazon Linux 2 へのアップグレードを計画しよう
- Amazon Linux2 プレアップグレードアシスタントをやってみた
- Linux インスタンス用ユーザーガイド
- Amazon Linux2を仮想基盤上で実行する
- Amazon Linux 2 を VirtualBox でオンプレミスの開発環境に使用する
▼ アクロビジョンについて


