「Amazon Linux」と「CentOS」の違いについて。Linux系サーバーOSとは?採用するならどっち?
最終更新日:2026年8月5日
目次
「サーバーOS」とは?
そもそも「サーバーOS」とは何のことでしょうか?改めて確認しておきましょう。
サーバーOSというのは、文字通りサーバー専用に開発され、サーバーを機能させるために運用させるためのOSのことです。一般的なPCとは異なり、サーバーはオンプレミスでもクラウドでも、不特定多数のユーザーからアクセスされることが前提とされています。そのような大量のアクセス=同時接続が可能なようにシステムを統制し、安定した稼働が実現できるような機能を備えているのがサーバーOSです。また、不特定多数ユーザーからの同時アクセスがあったとしてもトラブルが起きないようにセキュリティ対策を取ることができるような機能も備えており、システム全体の耐久性という観点でも一般向けPC用のOSとは異なる構成になっています。
AWSでサーバーを構築しようとする場合はサーバーOSのインストールと設定が必要になりますが、コンシューマー向けPC用OSとは異なり、OSによってはグラフィカルユーザーインターフェース=GUIを持たないサーバーOSも存在しています。コンシューマーPC用OSの場合は用途がサーバーとは異なるため、視認性や操作性が良いことが求められます。しかしサーバーOSの場合、一般的な理解としては常に担当者がサーバーを操作するわけではないため、画面上の視認性や操作性にあまり重きを置かなくても良いという前提があります。そのため、GUIのように操作性と視認性を両立させるために実装されている機能はサーバーOSには実装されていないこともあり、その代わりにサーバーOSの場合はコマンドなどでサーバー操作を直接行うようになっているものも多くあるのです。
⚠️ 2026年時点の重要な更新:Amazon Linux 2 EOLとCentOS Streamへの移行
本記事は公開時点の情報をベースに書かれていますが、Amazon LinuxとCentOSはいずれもその後大きな変化がありました。2026年8月時点の最新状況は以下の通りです。
- Amazon Linux 2:2026年6月30日にEOL(サポート終了)済み。現在利用中の場合はセキュリティアップデートが提供されないため、早急な移行が必要です
- Amazon Linux 2023(AL2023):現在の推奨バージョン。Fedora LinuxとCentOS Streamをベースに構成されており、2029年6月30日までサポート予定
- CentOS Linux:2020年12月にRed Hat社が開発方針を転換し、「CentOS Stream」へ移行することを発表。これに伴いCentOS Linux 8は当初予定より大幅に前倒しされ2021年12月31日にEOL、CentOS Linux 7も2024年6月30日にEOLしており、従来型の「安定版CentOS」は2026年時点で新規に選択できません
- CentOS Stream:RHELの開発版(アップストリーム)という位置づけで、従来のCentOS Linuxのような「安定した無償のRHEL互換OS」とは性質が異なります
- 代替の選択肢:CentOS Linuxが担っていた役割は、コミュニティ主導で開発されているRocky LinuxやAlmaLinuxといったRHEL互換ディストリビューションに引き継がれています
つまり本記事タイトルの「Amazon LinuxとCentOS、採用するならどっち?」という問いは、2026年時点では前提が変わっています。新規にサーバーを構築する場合は、AWS上であればAmazon Linux 2023、CentOS的な運用を求める場合はRocky Linux・AlmaLinuxが実質的な選択肢になります。
サーバーOSのシェア
一口にサーバーOSとは言っても、世の中には様々なサーバーOSが存在しています。大きく分けるとWindows Server系とUnix・Linux系のサーバーOSという分け方ができますが、特にLinux系のサーバーOSは派生版も含めて種類が多いため、サーバーOSの世界シェアなどを調べた際に表示されるサーバーOSの一覧を見ると、少し混乱するかもしれません。
サーバーOSのシェアで大きな割合を占めているのはWindows Serverで、Unix・Linux系のサーバーOSが続いています。Linux系が複数あるのは、Linuxがオープンソースの無料公開されているOSであるため、提供元が複数存在することが理由です。また、UnixをベースとしてLinuxが生まれたという背景を考えると、世界のサーバーOSはWindows Server系とUnix・Linux系という二系統に分けることができるという考え方も成り立ちます。
いずれにしても、Linux系のサーバーOSは世界シェアで大きな勢力であるため、Linuxがオープンソースであることも影響して独立した開発を行い独自のサーバーOSとして採用されていることが非常に多いことが特徴的です。AWS環境で選択されることが比較的多いサーバーOSは、AWS純正の「Amazon Linux」、そして「Ubuntu」の2つが中心です。CentOSは前述の通り従来型の安定版がEOLしているため、同じ役割を担う後継として「Rocky Linux」「AlmaLinux」が候補に上がる形に変化しています。
AWSで採用されることが多いサーバーOSそれぞれの特徴
それではAmazon Linux、CentOS(および後継のRocky Linux・AlmaLinux)、Ubuntuそれぞれの特徴についてご紹介していきます。
Amazon Linux
Amazon Linuxはその名の通りAmazonが開発・提供しているLinuxベースのサーバーOSです。現在は以下の3世代が存在します。
- Amazon Linux AMI(初代):既にサポート終了済み
- Amazon Linux 2:RHEL7 / CentOS7をベースとしていましたが、2026年6月30日にサポート終了済み
- Amazon Linux 2023(AL2023・現行推奨):Fedora LinuxとCentOS Streamをベースに、Linuxカーネルはkernel.orgのLTS版を採用。パッケージ管理はDNFが標準(yumコマンドはDNFへのエイリアスとして引き続き利用可能)で、SELinuxがデフォルト有効。2年ごとに新しいメジャーバージョンがリリースされる方式を採用しています
Amazonによる開発が行われているためAWS系の各サービスとも親和性が良い点が引き続き大きな特徴です。RDSやS3といったAWSサービス群へ接続するためのモジュールも元から組み込まれているため、AWSでサービス全体を運用する場合は必要な環境が整っているという利点があります。2029年6月30日までのサポートが予定されているAmazon Linux 2023が、現時点でAWS上に新規構築する際の基本の選択肢になります。
CentOS(およびCentOS Stream・後継ディストリビューション)
CentOSはかつて日本国内で大きなシェアを持っていたLinux系OSで、「CentOS Project」によって開発が進められ、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)との高い互換性を持つ無償のディストリビューションとして広く採用されてきました。プロジェクトのスタート時点からRed Hat Enterprise Linuxとの互換性が確保されたディストリビューションとしての開発であることが公言されており、Red Hat Enterprise LinuxからRed Hat社が所有する商標データなどを取り除いたバージョンとして、ソースコードをオープンソースにした状態で無償公開されていました。
しかし2020年12月、Red Hat社は開発方針を転換し、CentOS Linuxの開発を「CentOS Stream」に一本化すると発表しました。これにより、RHELのリリース後に追随して安定版を提供する従来型の「CentOS Linux」は終了することになり、CentOS Linux 8は当初予定されていた2029年までのサポートから大幅に前倒しされ2021年12月31日にEOLとなりました。CentOS Linux 7についても2024年6月30日にEOLしています。
後継となった「CentOS Stream」は、RHELのリリース前段階にあたる開発版(アップストリーム)という位置づけであり、従来のCentOS Linuxのような「RHELの安定版を無償で使える」という性質のものではありません。そのため、CentOS Linuxと同じ感覚で本番環境の長期安定運用を求める場合には、CentOS Streamはそのままの代替にはならない点に注意が必要です。
この方針転換を受けて、CentOS Linuxが担っていた役割を引き継ぐ形でコミュニティから生まれたのがRocky LinuxとAlmaLinuxです。いずれもRHELとのバイナリ互換性を保ちながら無償で提供されているディストリビューションで、レンタルサーバー事業者や長期安定運用を重視する現場での採用が広がっています。「CentOSのような運用がしたい」という場合は、2026年時点ではこの2つが実質的な選択肢になります。
Ubuntu
Ubuntuは「誰にでも使いやすいOS」とコンセプトにして開発されているサーバーOSで、Linux系のサーバーOSとしては世界最大のシェアだと言われています。大きな特徴の1つとして、デスクトップ環境として運用できるサーバーOSだということがあげられます。つまり、WindowsやMacOSのような一般的なOSのようにGUIを搭載しており、マウスを使った画面内での操作だけで完結できるような構造になっているためこの点で非常に人気があります。Amazon Linuxにも共通していますが、Linux系サーバーOSは基本的にはキーボードのみでの操作を行うことが多いなかで、インストールも通常の操作も含めて、そのほとんどをGUIを通じたマウス操作のみで行えるという点が高く評価されています。
また、Ubuntu Japanese Teamという有志団体が日本語環境へのローカライズを行っているため、日本語環境で使用することができます。Linux系サーバーOSは通常だと日本語化はされていないため、日本で使用する際には一定のハードルになることが多いのですが、Ubuntuの場合は日本語へのローカライズと並行してWebサイトやフォーラム、メーリングリストなどを通じたUbuntuの日本語コミュニティが形成されているため、使用上で困ったときには気軽に情報収集を行うことが可能です。
Ubuntuもオープンソースになっているので、使用環境に合わせてカスタマイズすることも可能で、様々なカスタマイズ方法がインターネットやUbuntuコミュニティでも公開されています。セキュリティ性も高く、定期的にセキュリティパッチのアップデートが行われるため安定性が保たれていて、外部からの干渉も最大限押さえられるようになっています。
結局、採用するならどれを選ぶべき?用途別ガイド
タイトル通り「採用するならどっち?」という疑問に対する2026年時点での答えは、単純な二択ではなくなっています。用途別に整理すると以下のようになります。
| 状況・要件 | 推奨OS | 理由 |
|---|---|---|
| AWS上に新規構築、AWSサービスとの親和性を重視 | Amazon Linux 2023 | AWS純正で各種AWSサービスとの連携モジュールが標準搭載。サポートも2029年まで |
| 従来CentOSのような無償RHEL互換・長期安定運用を求める | Rocky Linux / AlmaLinux | CentOS Linuxの後継として、RHEL互換のまま安定版を無償提供 |
| GUI操作や豊富な日本語コミュニティ情報を重視 | Ubuntu | 世界最大級のシェアと日本語コミュニティによる情報の豊富さ |
| 既存のAmazon Linux 2サーバーを運用中 | Amazon Linux 2023へ移行 | Amazon Linux 2は既にEOL済みのため、セキュリティ上早急な移行が必要 |
| 既存のCentOS 7/8サーバーを運用中 | Rocky Linux / AlmaLinuxへ移行 | CentOS Linux 7/8は共にEOL済みのため移行が必須 |
※移行前には必ずテスト環境で動作検証を行うことをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. 今からAWSでサーバーを新規構築する場合、CentOSは選べますか?
従来型の「CentOS Linux」は7・8ともにEOL済みのため、新規構築での選択肢にはなりません。CentOSと同じ立ち位置を求める場合は、後継のRocky LinuxまたはAlmaLinuxが実質的な選択肢になります。AWS上での運用に閉じるのであれば、AWS純正のAmazon Linux 2023も有力な候補です。
Q. Amazon Linux 2をまだ使っていますが、今すぐ移行しないとどうなりますか?
Amazon Linux 2は2026年6月30日でサポートが終了しているため、以降はセキュリティパッチが提供されません。既知の脆弱性が修正されないまま運用を続けることになるため、早急にAmazon Linux 2023への移行を検討することを強く推奨します。
Q. CentOS StreamはCentOS Linuxの代わりに使えますか?
CentOS StreamはRHELのリリース前段階にあたる開発版という位置づけであり、従来のCentOS Linuxのような「安定したRHEL互換の無償OS」とは性質が異なります。長期安定運用を目的とする場合は、CentOS Streamではなく後継のRocky LinuxやAlmaLinuxを検討するのが一般的です。
Q. Amazon LinuxとUbuntu、どちらのほうがエンジニアの需要は高いですか?
どちらも実務で広く使われており優劣を単純比較するのは難しいですが、AWS中心の環境ではAmazon Linux、汎用的なLinuxサーバー運用やオンプレミス混在環境ではUbuntuやRHEL系(Rocky Linux・AlmaLinux)の知識が求められる傾向があります。両系統の基本操作(RPM系・Debian系のパッケージ管理など)を押さえておくと、案件の幅が広がります。
まとめ:Amazon Linux、CentOS(後継)、Ubuntuのどれを選ぶべきか?
この記事のポイント:
- Amazon Linux 2は2026年6月30日にEOL済み。AWS上での新規構築は「Amazon Linux 2023」が推奨
- Amazon Linux 2023はFedora LinuxとCentOS Streamをベースに構成され、2029年6月30日までサポート予定
- CentOS Linuxは2020年12月の方針転換により7・8ともにEOL済みで、新規採用の選択肢にはならない
- CentOSと同じ役割は、後継のRocky Linux・AlmaLinuxが引き継いでいる
- GUI操作や日本語コミュニティの手厚さを重視するならUbuntuも有力な選択肢
ここまで、Amazon LinuxとCentOS(および後継ディストリビューション)を中心にご紹介してきました。結論としては「運用しやすいもの・サポート期間内のものを選ぶのが最適」ということになります。AWSを中心とした業務フローを組み上げるのであればAmazon Linux 2023を選択するのが良いですし、従来型CentOSのような無償RHEL互換運用を求めるならRocky LinuxやAlmaLinux、GUI操作や日本語情報の豊富さを重視するならUbuntuが候補になります。いずれの場合も、まずサポート期限内のバージョンであるかを確認したうえで、職場に在籍するエンジニアの得意分野に合わせて選ぶと、業務フローが組みやすくトラブルが起きる可能性も少なくなるでしょう。
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