Amazon Pollyについて

最終更新日:2026年8月10日

この記事でわかること

はじめに

項目 AWS Microsoft Azure Google Cloud
世界シェア 約33%(首位) 約22% 約11%
強み サービス数・実績 Microsoft製品連携 データ分析・AI
無料枠 12ヶ月+常時無料 12ヶ月無料 常時無料枠あり
主な資格 CLF / SAA / SAP AZ-900 / AZ-104 ACE / PCA

「音声」を用いた機能といえばどんなものを想像しますか?iPhoneのSiriやGoogleの音声読み上げシステムなどが想像出来るのではないでしょうか。そして、この読み上げシステムにはAmazonも力を入れております。それが今回お話しするAmazon Pollyです。

Amazon Pollyとは

序章でも少し触れましたが、Amazon Pollyとは簡単に説明すればAmazonが提供する文章読み上げサービスです。高度なディープラーニング技術を使用したクラウドサービスで、自然に聞こえるように人間の音声を合成して作成しております。何十種類もの音声を多数の言語で構成できるため、様々な国に対応した音声アプリケーションを構築できます。参考までにお聞きしてほしいのですが、AWS公式サイトでは音声が公開されています。各々国籍、性別によって名前が使われており、英語で女声ならジョアンナ、男声ならマシュー、日本語で女声ならミズキ、男声ならタクミといった風に名付けられているのですが、残念ながら中国と韓国は女声しかおりません。対応言語はイタリア語、日本語、韓国語、フランス語などポピュラーな言語はもちろんですが、英語という一言語に対してアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、インド英語と細かく分類されており、数十にも及ぶ言語圏に対応しております。実際、音声を聞いてみたのですが、日本語は少しカタコトで不自然な所で抑揚が上がっている印象を受けましたが、英語に至ってはTOEICのリスニングテストに出てくる音声に良く似ており、聞き取りやすい音声でした。

また、音声には標準音声とニューラル音声があり、ニューラル音声は標準音声より高品質の音声を生成出来ると言われています。その秘密は、標準音声を生成するために使用する音声の結合を使わないからなのですが、実際聞いてみたところ、標準音声と聞き比べてあまり違いが分からなかったです。ただ、これは個人的な意見なので興味のある人は実際に聞き比べてみると良いかも知れません。

【要注意】音声エンジンとラインナップの拡充について
Amazon Pollyは本記事執筆当時の「標準音声」「ニューラル音声」の2種類に加え、その後「ロングフォーム音声」「ジェネレーティブ音声」というエンジンが追加されています。ジェネレーティブ音声は生成AIモデルをベースにより自然で感情表現豊かな読み上げを実現するエンジンです(2026年8月時点、日本語はジェネレーティブ音声には未対応)。また日本語のニューラル音声にはタクミに加えて「Kazuha」「Tomoko」といった女性ボイスも追加されています。対応エンジン・音声の最新一覧はAWS公式サイトの音声リストでご確認ください。

メリット

自然な声

辞書とSSML(Speech Synthesis Markup Language:音声合成マークアップ言語)タグをサポートしており、発声・声量・声の高さ低さ・速度などの「声の相」をコントロール出来ます。SSMLでは特定の単語やフレーズを強調するほか、呼吸音を含む、囁きなどの細かい設定を強調することで、より人間の音声に近しい音声を作ることが出来ます。

音声を保存・再配信出来る

Amazon Pollyでは、生成した音声を追加料金なしで無制限に再生出来ます。音声ファイルからMP3ファイルやOGG(Vorbis)ファイルなどの標準フォーマットで生成し、クラウドやローカルからアプリやデバイスでのオフライン再生が出来ます。

リアルタイムストリーミング

リアルな音声を会話型サービスには一貫した速い応答時間が求められます。Amazon PollyのAPIに文章を送ると、音声をアプリケーションに連続した処理として返すため、直ちに音声を再生できます。

低コスト

従量制なので処理したテキストの文字数に応じて毎月課金されます。標準音声でリクエスト100万文字に対して4ドル、ニューラル音声でリクエスト100万文字に対して16ドルなので低コストで使用できます。

また、Amazon Pollyには無料枠が設けられています。標準音声の場合、月500万文字までの音声・Speech Marksリクエストを無料で利用できます。ニューラル音声の場合は、最初の12ヶ月間、月100万文字までの音声・Speech Marksリクエストが無料枠の対象です(標準音声とニューラル音声で無料枠の文字数・期間の条件が異なる点に注意してください)。

【要注意】料金・無料枠の数値について
料金や無料枠の条件はサービス改定により変動することがあります。上記は目安としてご覧いただき、最新の料金体系・無料利用枠はAWS公式サイトでご確認ください。

Speech Marks

先ほど、Speech Marksという単語が出てきましたので、ここで説明させていただきます。Speech Marksは、開発者が映像体験と会話の同期を可能とするメタデータのことです。この機能は会話を顔のアニメーションと同期することや、カラオケのような単語のハイライトを利用することでリップシンク(口パク)のような動作を可能とします。Speech Marksメタデータは合成された音声を記述し、メタデータと会話を一緒に使うことにより、音声ストリームが音・語句・文・SSMLタグの開始位置と終了位置を決定することが出来ます。

Speech Marksを利用することで、開発者は今、リップシンクするアバターや視覚的に強調表示された読み下しシステムを生み出すことができ、キャラクターに声を与えるためにゲーミングエンジンに会話能力を統合することが出来ます。

ユースケース

以前、Amazon Connectについて調べていた時に、某チケット販売会社が当選結果の自動音声応答システムにAmazon Connectと組み合わせてAmazon Pollyを使用しているというユースケースを発見しました。読み方の難しい固定名詞などは、あらかじめ固定音声を割り当てるなどして比較的、違和感のない日本語で案内が出来ているとのことです。

また、某ラジオ局のAIアナウンサーとしても活躍しております。業務内容はラジオニュースや気象情報のアナウンスで、時間通りに放送を開始する放送用ウェブシステムや、24時間災害情報をアナウンスするソフトウェアなどと連携させ、ディレクターやアナウンサーの確保が難しい時間帯でも無人放送を実現させています。Amazon Pollyに掛かる費用はわずか年間400~800円と衝撃的な価格で、環境開発言語もJavaScript、PHPなど馴染みのあるプログラミング言語を使用できたので、迅速に開発することが出来たそうです。

押さえておきたいポイント

  • Amazon Pollyはテキストを自然な音声に変換するAWSのクラウドサービスで、「標準音声」「ニューラル音声」に加え「ロングフォーム音声」「ジェネレーティブ音声」といったエンジンが用意されており、用途に応じて品質とコストを選べます。
  • SSMLタグやSpeech Marksを活用することで、単なる読み上げに留まらず、リップシンクや単語ハイライトなど映像・UIと連動した音声体験を作り込めます。
  • 料金は従量課金制で無料枠も用意されていますが、エンジンごとに条件が異なり改定される可能性もあるため、導入前には必ずAWS公式サイトで最新の料金・無料枠を確認しましょう。

よくある質問

Q. Amazon Pollyの標準音声とニューラル音声はどちらを選べばよいですか?

より自然でなめらかな音声品質を重視する場合はニューラル音声、コストを抑えたい場合は標準音声が向いています。対応言語・音声によっては標準音声のみ、ニューラル音声のみに対応しているケースもあるため、利用したい言語・話者がどのエンジンに対応しているかを事前にAWS公式サイトで確認することをおすすめします。

Q. 日本語の音声にはどんな種類がありますか?

日本語では標準音声の「Mizuki(女声)」「Takumi(男声)」に加え、ニューラル音声として「Takumi」のニューラル版のほか「Kazuha」「Tomoko」といった女性ボイスが用意されています。話し方や声質の印象が異なるため、実際にAWS公式サイトのサンプル音声を聞き比べて選ぶとよいでしょう。

Q. Amazon Pollyはどのようなシステムと組み合わせて使われていますか?

コールセンターの自動音声応答(Amazon Connectとの連携)、ラジオ・放送のAIアナウンス、アプリやゲームのキャラクターボイス、音声読み上げによるアクセシビリティ対応など、幅広い用途で活用されています。生成した音声はMP3等の一般的な形式で保存・再配信できるため、既存のシステムにも組み込みやすい点が特徴です。

おわりに

Amazon Pollyはテキスト読み上げ、翻訳、自動音声対応など様々な「音声」に関わる業務のサポートをしております。まだまだ先のことになるかもしれませんが、相手の声色を伺い、想定する感情に合わせてAmazon Pollyも声色を変えるようなシステムが誕生したら、企業(特にクレジットカードなど問い合わせの多い会社)のお問合せセンターの業務も幾分か楽になるのではないでしょうか。

しかし、人間「言いたいこともままならない」という状況も誰にでもあるはずなので、やはりそこは人間の「察する力」が解決に向かうには必要なのだと思います。つまり、何が言いたいかと申し上げますと、技術が発展しても人間にしか出来ない仕事もまだまだあるということです。近年AI技術の進歩や、RPAの登場により人間に任される仕事が減るのではないかと危惧されていますが、人間ならではの仕事は探せばありますし、仕事が減りゆくなかでも人間ならではの仕事を生み出すということが大切です。以上、長くなってしまいましたが、最後までお付き合い頂きありがとうございました。

▼ アクロビジョンについて

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