Amazon S3内のデータを標準SQLで分析するAmazon Athenaとは

最終更新日:2026年8月10日

この記事でわかること

はじめに

項目 AWS Microsoft Azure Google Cloud
世界シェア 約33%(首位) 約22% 約11%
強み サービス数・実績 Microsoft製品連携 データ分析・AI
無料枠 12ヶ月+常時無料 12ヶ月無料 常時無料枠あり
主な資格 CLF / SAA / SAP AZ-900 / AZ-104 ACE / PCA

Amazon Athenaは、Amazon S3内のデータを標準SQLを使用し、直接的な分析を簡易化するインタラクティブなクエリサービスです。本記事では、Amazon Athenaの特徴と、他のAmazonサービスとの連携について紹介します。

【要注意】
本記事は公開当初、Amazon SageMakerとの連携やフェデレーティッド・クエリを「2020年8月時点ではプレビュー」として紹介していましたが、いずれも現在は正式機能(GA)として提供されています。またAmazon SageMakerは2024年以降ブランドが再定義され、従来の機械学習モデルの構築・トレーニング・デプロイ機能は「Amazon SageMaker AI」に改称、「Amazon SageMaker」全体としてはデータ・分析・AIを統合する「SageMaker Unified Studio」を指す名称に変わっています。本記事のSageMakerに関する記述は、この改称前の名称・位置づけを踏まえてお読みください。

Amazon Athenaの特徴

ここでは、Amazon Athenaの7つの特徴を紹介します。

1. サーバレス

Amazon Athenaはサーバレスで、インフラストラクチャの管理が不要です。設定やソフトウェアの更新、障害、またはデータセットやユーザー数の拡大によるインフラストラクチャのスケーリングは、Amazon Athenaが自動で管理します。

2. すぐに利用開始できる

クエリを開始するまでの手順は次の2つだけです。

  • Amazon Athenaコンソールにログイン
  • コンソールウィザードかDDLによってスキーマの定義

Amazon Athenaでは、分析用データを準備する必要がありません。複雑なETLジョブが不要で、Amazon S3内にあるユーザーの全てのデータを利用し、すばやく、簡単に分析することができます。

3. クエリが容易で幅広いサポート

Amazon Athenaには、ANSI SQLに準拠したPrestoが使用されています。

Prestoは、低レイテンシでアドホックなデータ分析用に最適化された、オープンソースの分散SQLクエリエンジンです。ANSI SQLは、大規模な結合、ウィンドウ関数、配列を完全にサポートしているので、Amazon S3内の大規模なデータセットに対してクエリを実行することができます。また、Prestoは接続先のデータソースコネクタを介して、Amazon S3のような非RDBだけでなく、MySQLをはじめとするRDBのデータもクエリ対象にできます。

Amazon Athenaでは、CSV、JSON、ORC、Parquet、Avroなどのさまざまな標準データフォーマットに対応しています。

※現行のAthenaエンジンバージョン3は、従来のPresto単体ベースという説明にとどまらず、Presto由来の技術に加えてTrinoコミュニティの改善も継続的に取り込む形で開発が続けられています。

4. クエリごとの料金

Amazon Athenaでは、実行するクエリに対してのみ料金が発生します。クエリごとにスキャンされたデータの分量に基づいて料金(5 USD / TB)が請求されます。データの圧縮、分割、列形式への変換を行うと、Amazon Athenaでクエリの実行によりスキャンされるデータ量が減少するため、クエリに対するコストの削減と、パフォーマンスの向上が可能です。※最新の料金体系はAWS公式サイトでご確認ください。

Amazon Athenaでは、Amazon S3にあるデータのクエリが直接実行されます。そのため、基本的にはAmazon S3以外の追加のストレージ料金は発生しません。

5. 自動で並列の実行

Amazon Athenaでは、クエリが自動的に並列で実行されます。そのため大きなデータセットに対してもAmazon Athenaを使用すると、高速でインタラクティブなパフォーマンスを維持することができます。

6. 高い可用性と耐久性

Amazon Athenaは可用性が高く、多くの施設や多くの施設のデバイスから、コンピューティングリソースを使用してクエリを実行できます。そのため、特定の施設に到達できない場合は自動的に、クエリが適切にルーティングされます。また、Amazon Athenaの基盤のデータストアであるAmazon S3は、データの可用性や耐久性に優れます。データは冗長化され、複数の施設に保存され、各施設の複数のデバイスに保存されます。

7. セキュア

Amazon Athenaでは、

AWS IAMポリシー、アクセスコントロールリスト、Amazon S3 バケットポリシー

を使用して、データへのアクセスを制御できます。

AWS IAMポリシーにより、Amazon S3バケットに対する制御を細かくAWS IAMユーザーに付与できます。Amazon S3内のデータへのアクセス制御をすることで、Amazon Athenaを使用してクエリを実行するユーザーを制限できます。

Amazon Athenaを使用すると、Amazon S3内の暗号化されたデータをクエリし、Amazon S3バケットに暗号化の結果を簡単に書き込むことができます。暗号化については、サーバ側とクライアント側の両方でサポートされています。

他のAmazonサービスとの連携

AWS Glue

AWS Glueは、フルマネージド型ETLサービスです。AWS Glueクローラーは、データセットからDBとテーブルスキーマを自動的に推論し、関連するメタデータをAWS Glueデータカタログに格納します。

Amazon Athenaは、AWS Glueデータカタログに登録されたデータセットおよびデータソースのクエリをネイティブにサポートしています。AWS Glueデータカタログを使用すると、さまざまなサービスにわたり、データの統合リポジトリを作成し、データソースをクロールしてデータを検索できます。また、新規や修正済みのテーブルやパーティションの定義をAWS Glueデータカタログに格納し、スキーマのバージョニングを維持できるようになります。

AWS Glueの統合は、コスト面でも利点があります。AWS Glueのフルマネージド型ETL機能によって、データ変換や列指向の形式への変更を実行することで、クエリパフォーマンスの改善によるコストの削減が期待できます。

Amazon QuickSight

Amazon QuickSightは、視覚化の構築、アドホック分析の実行、データからビジネス上のインサイトの取得に使用できるビジネス分析サービスです。

Amazon AthenaとAmazon QuickSightの統合により、データを簡単に可視化することができます。

Amazon SageMaker

Amazon SageMakerは、機械学習モデルを迅速に構築、トレーニング、デプロイできるようにするフルマネージド型サービスです(2024年以降、この機械学習の構築・トレーニング・デプロイ機能は「Amazon SageMaker AI」という名称に改称されています)。

Amazon Athenaでは、SQLクエリから直接、機械学習モデルを呼び出し、推論を実行することができます。これによって、異常検出やユーザーの動向を分析するカスタマーコホート分析、売上予想などの本来複雑なタスクが容易になります。この機能は現在、正式機能(GA)として提供されています。

フェデレーティッド・クエリ

フェデレーティッド・クエリは、RDB、非RDB、オブジェクトデータ、カスタムデータソースに保存されているデータに対してSQLクエリを実行する機能で、現在は正式機能(GA)として提供されています。Amazon Athenaのフェデレーティッド・クエリは、AWS Lambdaで動作するAthena データソースコネクタを使用して実行され、単一のSQLクエリの発行でオンプレミスやクラウド上で稼働する複数のデータソースに対して、データ分析を行うことが可能です。

例えば、各々異なるデータが下記へ保存・保管されている場合を想定します。

Apache HBase、Redis、Amazon DocumentDB、Amazon Aurora、Amazon CloudWatch Logs、Amazon Redshift、Amazon DynamoDB

フェデレーティッド・クエリを実行する準備として、まずAWS Lambdaからアクセス可能なデータソースにAmazon Athenaから接続するために、Athenaのデータソースコネクタの登録を行います。(Athena Query Federation SDKを使用することで、任意のデータソースへのコネクタを構築することができます。)

これらのコネクタを使用すると、前述の複数のデータソースに対して結合するといったフェデレーティッド・クエリを実行することができます。また、Amazon Athenaでは、クエリ内で指定したAmazon S3バケットに全てのクエリ結果が保存されます。

押さえておきたいポイント

  • Amazon Athenaはサーバレスで、インフラ管理不要のままAmazon S3内のデータに標準SQLで直接クエリできる。
  • 料金はスキャンしたデータ量に応じた従量課金制。データの圧縮・分割・列形式化でスキャン量を減らせばコスト削減とパフォーマンス向上を両立できる(最新料金はAWS公式サイトで要確認)。
  • AWS Glue・Amazon QuickSight・Amazon SageMaker(AI)との連携や、フェデレーティッド・クエリによる複数データソース横断分析など、単なるクエリエンジンにとどまらない拡張性を持つ。

よくある質問

Amazon Athenaを使うために事前にデータをロードしておく必要はありますか?

不要です。Amazon S3に保存されているデータに対して、スキーマを定義するだけでそのままクエリを実行できます。複雑なETLジョブや事前のデータロードは必要ありません。

Amazon Athenaの料金体系はどのようになっていますか?

実行したクエリでスキャンしたデータ量に応じた従量課金が基本です。具体的な単価は変更される可能性があるため、最新の料金はAWS公式サイトでご確認ください。

Amazon S3以外のデータソースに対してもクエリできますか?

フェデレーティッド・クエリ機能を使うことで、Amazon S3だけでなくRDB・非RDB・カスタムデータソースなど複数のデータソースを単一のSQLクエリで横断的に分析できます。この機能は現在、正式機能として提供されています。

まとめ

本記事では、Amazon Athenaの特徴や他のサービスとの連携、フェデレーティッド・クエリについて紹介しました。Amazon Athenaは操作が簡単な上に、Amazon S3内のデータを標準SQLを使用して容易に分析できるサービスです。

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