Amazon Web Services(AWS)の使い方!~オンプレミスから乗り換える際のポイント~
最終更新日:2026年8月10日
この記事でわかること
AWSは、アマゾンが提供する法人向けクラウドサービスで、2006年のサービス開始以来、急激に顧客の数を増やしています。その背景として考えられることは、AWSは迅速に導入でき、比較的低コストでかつ高品質のITサービスを利用できるからということです。
ただし、オンプレミスからAWSに乗り換える際には留意すべき点がいくつかあります。なぜなら、AWSはクラウドサービスであり、自社内のハードとソフトで運用するオンプレミスとでは構造的にいくつもの点が異なっているからです。
ここからは、オンプレミスから乗り換える際のポイントとAWSならではの使い方を紹介していきます。AWSの導入を検討している企業の担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
AWSの基礎知識
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
多種多様なサービス
Amazon Web Services(AWS)は、アマゾンの子会社であるAmazon Web Services, Inc.が提供する法人向けクラウドサービスで、様々なサービスを提供しています。代表的なのは、仮想サーバーの(EC2)、データベースの(RDS)、データを保存する(S3)、サーバーのコードを実行する(Lambda)、リソースを起動するための(VPC)、アクセス許可等を管理する(IAM)、実行中のアプリケーションを監視する(CloudWatch)、予定請求額を確認する(AWS Budgets)などです。この他にも機械学習を扱う統合プラットフォーム「SageMaker Unified Studio」など、AWSが提供するサービスの種類は年々増え続けています。
典型的な使い方
AWSは様々な分野で使われています。最もよく使われているのが、仮想サーバーEC2を使ったWebサイトの構築とWebサービスの運用です。EC2であればレンタルサービスのような使い方ができます。
大量のデータを保存できるS3を使った、データのバックアップという使い方も、災害対策という観点から注目されています。S3であれば、保管されているデータを直接分析することもできます。
近年注目を集めているビッグデータの分析という使い方は、仮想サーバーのEC2と大量のデータを保存できるS3を組み合わせることで効率よく行うことができます。この他にもAWSは生産管理、販売管理、顧客管理、給与計算といった使い方もあります。
AWSのメリットとデメリット
AWSのメリット
経営戦略上のメリット
AWS導入による経営戦略上のメリットは、大企業だけでなく中小企業にも及びます。日本国内でもAWSを導入している企業は数多く存在し、業種・規模を問わず活用が広がっていることからもそれは明らかです。
大企業であれば、「グローバル・スタンダードとなっている業務プロセスに自社の業務プロセスを合わせる」ということがあげられます。AWSはクラウドサービスなので、それを導入すれば全社的に業務プロセスを変更することができるからです。しかも、AWSは迅速に導入でき、システムの柔軟性と拡張性は高くなっています。ただし、そのためには一定の準備期間が必要です。
中小企業であれば、「限られた経営資源を自社の強みに集中する」ということがあげられます。IT機器の保守・修理は、基本的にクラウド側、つまりアマゾンが担当してくれるからです。また、大企業と同じく「標準化に対応する」ということもできます。
運用上のメリット
運用上のメリットは、主に品質とコスト面の2つです。品質面でいえば、パフォーマンスの安定、信頼性・柔軟性・拡張性の高さなどです。コスト面でいえば、迅速に導入できること、従量課金制を採用することによるコストの最適化です。
そうした結果として、大企業であれば「グローバルに展開する各拠点のシステムを整理・統合することで総コストを抑える」ということが可能になります。また、中小企業であれば「IT投資を抑えながらの高品質のITサービスを利用する」ということも可能になります。
AWSのデメリット
導入時のデメリット
AWSは、先に紹介した代表的なサービス以外にも様々なサービスを提供しており、しかも日々その数は増えています。したがって、導入時にどのサービスを選んでいいのかが良く分からないというのはデメリットの一つです。
そういう時は、AWSのイベント等に参加し、他社はどのような使い方をしているのかといった情報取集することが有効です。また、場合によってはAWSのコンサルタントやAWS認定パートナー企業に相談するという方法もあります。
運用上のデメリット
運用上のデメリットは、主にコスト面と障害対応の2つです。コスト面でいえば、クラウドサービスは手元にモノがない分、サービスの利用状況が把握しづらいというデメリットがあります。オンプレミスにかかる費用は基本的に固定費であり、システムを使うか否かに関わらず一定のコストがかかります。しかし、AWSは基本的に従量課金制なので、どれだけサービスを使ったかを常に留意しておく必要があります。なお、AWSの料金体系はサービスごとに随時見直されているため、具体的な金額を検討する際は最新料金をAWS公式サイトでご確認ください。
障害対応についていえば、AWS側に障害が発生すればアマゾン側が対応すべきですが、途中のインターネット回線等に障害が発生した場合、アマゾン側は対応してくれません。したがってそのような場合にはAWS導入企業自身で解決しなければいけません。
AWSの賢い使い方
小さくはじめる
AWSは、システムの柔軟性と拡張性が高くなっています。そのため、比較的容易にシステム構成を大きくしたり小さくしたりすることができます。
まずは、小さくはじめることをおすすめします。なぜならその方がシステム利用料金を抑えることができるからです。AWSを使いこなせると判断した上でシステム構成を大きくしても遅くはありません。
従量課金制を意識する
従量課金制を意識するということも、先に説明したようにオンプレミスからクラウド型のAWSに乗り換える際に留意すべき点です。その点、AWSには予定請求額を確認できる「AWS Budgets」というサービスがあり、予算上限やしきい値を設定して通知を受け取ることができます(従来のCloudWatch請求アラームに代わり、現在はAWS Budgetsの利用が主流です)。利用料金を出来るだけ抑えたいと考えているのであれば、こうしたコスト管理サービスの利用をすすめます。
物理的なデータセンターを意識する
グローバルに展開するAWSは、世界各地にデータセンターを持っています。これを、AWSでは「リージョン」と呼んでいます。特段な理由がないのであれば、東京リージョンを選択しておけば無難です。なお、何も選択しないデフォルト状態が東京リージョンになっているとは限りません。必ず確認するようにしましょう。
押さえておきたいポイント
- AWSは従量課金制のため、AWS Budgets等のコスト管理サービスを活用して利用状況をこまめに確認することが重要です。
- 最初から大規模なシステム構成を目指すのではなく、小さく始めて段階的に拡張していくことでリスクと費用を抑えられます。
- リージョンは自動選択に頼らず、東京リージョンなど利用目的に合ったリージョンを明示的に選択しましょう。
- サービスの数が非常に多いため、導入時は自社の目的に合った代表的なサービス(EC2・S3・RDS等)から着手し、必要に応じてAWS認定パートナー企業に相談するのがおすすめです。
よくある質問
Q. オンプレミスからAWSへの移行にはどのくらいの期間がかかりますか?
移行するシステムの規模や複雑さによって大きく異なります。小規模なWebサイトであれば数週間程度で移行できるケースもありますが、基幹システムなど大規模な移行では数か月単位の計画が必要になることもあります。本記事で紹介したように、まずは小さい範囲から始めて段階的に拡張していく進め方が現実的です。
Q. AWSのサポートプランにはどのような種類がありますか?
AWSのサポートプランは複数のティアに分かれており、無料の基本サポートから、有償で技術サポートや専任の担当者が付く上位プランまで用意されています。プラン体系は見直されることがあるため、現在提供されている具体的なプラン名・内容・料金はAWS公式サイトの最新情報をご確認ください。
Q. AWSの利用料金を抑えるにはどうすればよいですか?
従量課金制の特性を理解し、使わないリソースは停止・削除する、AWS Budgetsで予算アラートを設定する、リザーブドインスタンスやSavings Plansのような割引制度を活用するといった方法があります。具体的な料金体系や割引条件は変更されることがあるため、最新情報はAWS公式サイトでご確認ください。
まとめ
ここまで、主にAWSの使い方とそのメリットとデメリットについて説明してきました。オンプレミスからAWSへの乗り換えを検討されている担当者の方は、それらを総合的に勘案して意思決定することが何よりも重要です。
最後に、業務の持続可能性について触れておきます。先に紹介したように、AWSはクラウドサービスであり、インターネットでつながった先にあるサーバー等で各種の処理を行っています。したがって、インターネット回線に障害が発生すれば当然のことながらクラウドサービスは利用できなくなります。また、アマゾンのAWS自体に障害が発生すれば、同じようにクラウドサービスは利用できなくなります。
これらはいずれも、AWSの導入企業にとって業務の持続可能性のリスクといえます。したがって、AWSに業務プロセスのすべてを依存するという使い方は危険です。万が一の事態を想定して代替手段を確保しておくということは、クラウドならではのリスクを低減することにもつながるでしょう。
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