AWS Data Exchangeとはどのようなものか
最終更新日:2026年8月5日
目次
はじめに
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
【要注意】上記のシェア・料金・資格名は変動する場合があります
クラウド市場シェアや無料枠の内容は時期により変わるため、最新の情報は各社公式サイトでご確認ください。
まず最初に、様々な企業が社内で保有している自社で取集したデータ、例を言うと顧客情報や購買履歴、自社WEBサイトへのアクセス解析といったものを、ファーストパーティーデータと呼びます。これとは別に、サードパーティーデータというものも存在します。これは、ファーストパーティーデータ以外のサード、第三者が提供するデータを広く指し示しています。このサードパーティーデータを、最初に述べた確実性の高いファーストパーティーデータと組み合わせることで、顧客の動きを予測することが出来ます。そこから、顧客の需要に合わせたコンテンツの立案ができるようになることで、自社の利益を大幅に上げることが可能となります。本記事では、そのサードパーティーデータを閲覧することが可能なAWS Data Exchange について詳しく解説していきます。
AWS Data Exchangeの特徴
ではAWS Data Exchange を使うことでどのようなことが出来るのかを解説していきます。
多種多様なデータの取得
AWS Data Exchange を使うことで、AWS Marketplace に登録されている様々なサードパーティーデータをサブスクライブすることが出来ます。このサブスクライブ出来るデータは、金融サービスやライフサイエンス、ヘルスケア、メディアとエンターテイメントなどとても幅広く対応しています。AWS公式サイトによると、現在(2026年時点)AWS Data Exchange には3,500件を超えるデータセットと300を超えるデータプロバイダーが登録されており、そのうち1,000件以上が無料のデータセットとして提供されています。無料データセットを事前に確認することで、サブスクライブする前にそれが本当に必要なデータかどうかを見極めることが出来ます。プロバイダーが新しいデータを公開するときにはサブスクライバーに通知され、Amazon CloudWatch Events と連携させることで、AWSで実行されているアプリケーションや機械学習モデルが自動的に新しく公開されたデータを取得できるようになります。
データへの効率的なアクセス
AWS Data Exchange は前述したように大量のサードパーティーデータがあります。それらのデータを分析するためには、そのデータのライセンスを取得し、分析を強化させるために必要な場所にデータを移動させる必要があり、本来これらの動きを行うためには数日から数週間という日数が必要となる場合があります。ですがAWS Data Exchange では、FTP認証情報の管理や物理メディアの受け取りといった、データへのアクセスが簡素化されているため、それほど日数をかけることなく、クラウドへアクセスすることが可能となります。
データの分析
AWS には様々な分析サービスがあるため、他の分析サービスを使わずにAWS 内だけで詳しく分析を行うことが可能です。例えば、Amazon EMR を使うことでビッグデータ処理、Amazon Redshift はデータウェアハウス、AWS Glue はデータ統合をすることが出来ます。加えて、Amazon Athena による標準SQLでの直接分析や、AWS Lake Formation と連携したデータレイクへの統合も可能です。これらは、データをダウンロードするか、Amazon S3 にエクスポートすることで使用可能となります。機械学習モデルの構築も行えるのでとても充実した機能だと思います。
AWS Data Exchangeの3つのデータ形式(ファイル・テーブル・API)
AWS Data Exchange は当初、Amazon S3 経由でやり取りするファイル形式のデータのみに対応していましたが、その後の機能拡張により、現在は以下の3つの形式でデータをサブスクライブ・提供できるようになっています。
- ファイル(Files) — Amazon S3 バケット経由でやり取りする従来からの形式。CSV・JSON・画像・動画など任意のファイル形式に対応
- テーブル(Tables) — Amazon Redshift と互換性のあるテーブル形式のデータを、コピー不要でクエリできる
- API — AWS Data Exchange for APIs と呼ばれる仕組みで、Amazon API Gateway 経由でリアルタイム性の高いデータにアクセスできる。金融市場データやイベント情報など、更新頻度の高いデータの配信に向いている
特にAPI形式でのデータ提供は記事公開当時にはなかった仕組みで、ファイルのダウンロード・取り込みを待たずにAPIコールだけでデータを取得できるため、リアルタイム性が求められる用途(マーケットデータ、天気情報、位置情報など)での利用が広がっています。
AWS Data Exchange の機能
AWS Data Exchange には前文で度々触れているように、データを受け取ることが出来るサブスクライバーと、データを公開することが出来るプロバイダーの二種類が存在する。ここではその二つの役割について詳しく説明していきます。
サブスクライバー
サブスクライバーは冒頭で説明したとおり金融サービスや、エンターテイメントなど幅広い業界に対応することが可能となります。また、分析をすることで機械学習モデルを構築します。サブスクリプション料金はAWSの利用料と合算して請求されるため、データ購入のための別契約や別途の支払い手続きは不要です。
プロバイダー
AWS Data Exchange で登録を行うことで、データプロバイダーがプロファイルページを作成します。この後、AWS のチームから連絡を受け認定をされると、晴れてプロバイダーはAWS Data Exchange カタログにデータ製品を載せることが出来ます。データ製品は、Amazon S3 バケットかオンプレミス環境にあるデータをアップロードすることで、パッケージ化が可能となります。また、個別の顧客向けに、交渉料金のカスタムや条件を設けることで、プライベートオファーを作成することが出来ます。既に他の契約形態でデータを販売している場合は、BYOS(Bring Your Own Subscriptions)という仕組みを使うことで既存の契約をAWS Data Exchange 上に移行することも可能です。
料金体系
AWS Data Exchange の料金体系は、サブスクライバー側とプロバイダー側で異なります。
- サブスクライバー側:データプロバイダーが設定した価格に基づき、サブスクリプション型(定期課金)または従量課金型で費用が発生する。ファイル形式のデータをAmazon S3経由でインポート・エクスポートする際は、標準的なS3の転送料金も別途適用される
- プロバイダー側:AWS Marketplace経由での新規サブスクリプション成立時にティアード(段階制)の手数料が発生するほか、ファイル形式データのストレージ使用量に応じた費用がかかる
正確な料金は時期やデータ製品によって変動するため、契約前には必ずAWS公式サイトの料金ページで最新の情報を確認することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. AWS Data Exchangeで扱えるのは有料データだけですか?
いいえ、無料のデータセットも数多く登録されています。学術機関や政府機関が公開しているオープンデータや、商用データのお試し版(無料データセット)も含まれるため、まずは無料データセットで自社の用途に合うかを確認してから有料データの契約を検討する使い方も可能です。
Q. サブスクライブしたデータはどのように利用しますか?
データ形式によって異なります。ファイル形式であればAmazon S3にエクスポートしてAmazon EMR・AWS Glue等で処理し、テーブル形式であればAmazon Redshiftから直接クエリでき、API形式であればAmazon API Gateway経由でアプリケーションから直接呼び出せます。
Q. AWS Data Exchangeとデータレイク(AWS Lake Formation)は連携できますか?
連携可能です。AWS Data Exchangeで取得したデータをAWS Lake Formationのデータレイクに統合することで、社内データと外部データを一元的にガバナンス管理しながら分析基盤に組み込むことができます。
Q. 自社のデータをAWS Data Exchangeで販売できますか?
可能です。データプロバイダーとして登録し、AWSの審査を経て認定されると、Amazon S3バケットやオンプレミス環境のデータをカタログに掲載できます。特定の顧客だけに提供するプライベート製品・プライベートオファーの設定もできるため、社外の特定パートナーとだけデータを共有する用途にも使えます。
Q. データの利用状況は監査できますか?
可能です。AWS CloudTrailと統合されているため、誰がいつどのデータにアクセスしたかを記録・追跡できます。知的財産権や規制対応が求められるデータの取り扱いにも配慮された設計になっています。
まとめ:AWS Data Exchangeについて
この記事のポイント:
- AWS Data Exchangeは、金融・ライフサイエンス・ヘルスケア・メディアなど幅広い分野のサードパーティーデータをAWS上でサブスクライブできるサービス
- データはファイル・テーブル・APIの3形式で提供され、特にAPI形式(AWS Data Exchange for APIs)はリアルタイム性の高いデータ配信に向いている
- Amazon S3・Athena・Redshift・EMR・Glue・SageMaker AI・Lake Formationなど各種AWSサービスとシームレスに連携できる
- サブスクリプション料金はAWSの利用料と合算請求されるため、別契約や別途の支払い手続きが不要
- 自社データをプロバイダーとして販売することも可能で、特定顧客限定のプライベートオファーにも対応
ここまで、AWS Data Exchange について解説してきました。このAWS Data Exchange は顧客の流れを見るうえでとても大切なサードパーティーデータを確認することや、売ることが出来るとても便利なツールであることがわかりました。公開されているジャンルも多種多様で、必要な内容は全てAWS Data Exchange に収まっているのではないかと思うくらいです。また、AWS のサービスには分析するサービスも様々あるため、AWS ひとつで収集から分析、構築まで行えるという利点があります。顧客の流れを見ることはとても大事なので、見たい際にはAWS Data Exchange を使ってみるととても良い成果を挙げられるのではないかと思う。
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