AWS Data Pipelineの使い方について
最終更新日:2026年8月11日
この記事でわかること
【要注意】AWS Data Pipelineは新規顧客への提供を停止しています
AWSは2024年7月25日をもって、AWS Data Pipelineの新規顧客への提供を停止しました。既存顧客はこれまで通り利用を継続できますが、これから新しくデータパイプラインを構築する場合は本サービスを新規に使い始めることはできません。AWSは今後Data Pipelineへの新機能追加は予定しておらず、後継としてAWS Glue・AWS Step Functions・Amazon Managed Workflows for Apache Airflow(Amazon MWAA)への移行を公式に案内しています。以下の内容は既存利用者向けの参考情報、またはサービスの仕組みを理解するための情報としてお読みください。
AWS Data Pipelineの使い方について考える
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
AWS Data Pipelineとは?
最初に、AWS Data Pipelineとは、指定された間隔で、AWSのさまざまなコンピューティングサービスやストレージサービス、オンプレミスのデータソース間で信頼性の高いデータ処理やデータ移動を行うことを支援するウェブサービスです。
AWS Data Pipelineの特徴
AWS Data Pipelineを使用すると、保存場所にあるお客様のデータに定期的にアクセスし、必要なスケールのリソースで変換と処理を行い、その結果をAmazon S3、Amazon RDS、Amazon DynamoDB、Amazon EMRのようなAWSサービスに効率的に転送できます。
AWS Data Pipelineのメリット
1.使いやすさ
ドラッグアンドドロップで操作可能なコンソールを使用して、すばやく簡単にパイプラインを作成できます。よく使用される前提条件がサービスに組み込まれているため、前提条件を使用するための追加のロジックを記述する必要がありません。簡単で視覚的なパイプライン作成ツールに加え、AWS Data Pipelineにはパイプラインテンプレートのライブラリが用意されているので、これらのテンプレートを利用すれば、より複雑なユースケースのパイプラインも簡単に作成できます。
2.柔軟性
スケジュール設定、依存関係の追跡、エラー処理など、AWS Data Pipelineのさまざまな機能を利用できます。AWSが提供しているアクティビティや前提条件を使用したり、ユーザー独自のカスタムアクティビティやカスタム前提条件を記述したりすることもできます。つまり、AWS Data Pipelineを設定して、Amazon EMRジョブの実行、データベースに対するSQLクエリの直接の実行、またはAmazon EC2やユーザーのデータセンターで稼働するカスタムアプリケーションの実行などのアクションを取らせることができます。これにより、アプリケーションロジックを確実にスケジュール設定して実行するための複雑な手間をかけることなく、高機能なカスタムパイプラインを作成して、データの分析や処理ができるようになります。
3.信頼性
AWS Data Pipeline は、お客様のアクティビティ実行の耐障害性を高めるため、高可用性を備えた分散型インフラストラクチャ上に構築されています。アクティビティロジックまたはデータソースに障害が発生した場合、AWS Data Pipelineは自動的にアクティビティを再試行します。失敗が続く場合、AWS Data Pipelineは失敗通知をAmazon Simple Notification Service (Amazon SNS) 経由で送信します。 正常実行、計画したアクティビティの遅延、または失敗に対して、通知が行われるように設定できます。
AWS Data PipelineとAmazon Simple Workflow Serviceを比較
まず、Amazon Simple Workflow Serviceとは、独自にコーディングされたワークフローソリューションやプロセスオートメーションソフトウェアの複雑さをなくす、完全マネージド型のクラウドワークフローウェブサービスです。
そこで、AWS Data PipelineとAmazon Simple Workflow Serviceの違いについて知るために、Amazon Simple Workflow Serviceの利点を簡単に説明していきます。
・シンプル
Amazon Simple Workflow Serviceは、プロセスオートメーションの基礎となるインフラストラクチャを開発者が管理する必要はなくなるので、アプリケーションの独自機能の開発に集中できます。
・スケーラブル
Amazon Simple Workflow Serviceは、アプリケーションの使用状況に合わせてシームレスに処理規模を拡大・縮小できます。アプリケーションにクラウドワークフローが追加されたり、ワークフローの複雑さが増大したりしても、ワークフローサービスに対する手作業での管理は必要ありません。
押さえておきたいポイント
- AWS Data Pipelineは2024年7月25日以降、新規顧客への提供が停止されており、これから新しく使い始めることはできない(既存利用者は継続利用可能)。
- 新たにデータの移動・変換の仕組みを構築する場合は、ETL処理に強いAWS Glue、複雑な依存関係やエラー処理を伴うワークフローに向くAWS Step Functions、Apache Airflow互換のAmazon MWAAなど、用途に応じた後継サービスの検討が必要になる。
- AWSはData Pipelineに対してセキュリティ・可用性・パフォーマンス面の改善は継続する一方、新機能の追加は予定していないため、既存利用者も中長期的には移行計画を立てておくことが望ましい。
よくある質問
AWS Data Pipelineは今から新規に使い始められますか?
いいえ。2024年7月25日以降、AWS Data Pipelineは新規顧客への提供を停止しており、これから新しくアカウントで使い始めることはできません。既存顧客のみ引き続き利用可能です。これから新しくデータパイプラインを構築する場合は、AWS GlueやAWS Step Functions、Amazon MWAAなどの代替サービスの利用を検討してください。
AWS Data PipelineとAWS Glueはどう違いますか?
AWS Data PipelineはEC2やEMR上でカスタムアクティビティを実行してデータの移動・変換を行う汎用的なオーケストレーションサービスです。一方AWS GlueはサーバーレスのETL(抽出・変換・読み込み)処理に特化しており、スキーマ検出やジョブ管理などのデータ統合機能をマネージドで提供します。新規のETL用途では一般的にGlueが選択肢になります。
既存のAWS Data Pipelineの構成を移行する場合、何を使えばよいですか?
移行先はユースケースによって異なります。ETL処理が中心であればAWS Glue、複雑な条件分岐やタスク間の依存関係を伴うワークフローであればAWS Step Functions、既存のApache Airflowの資産や記法をそのまま活かしたい場合はAmazon MWAAが候補になります。AWS公式のドキュメントでも移行手順が解説されているので、移行方針を検討する際の参考情報としてご確認ください。
まとめ
最後に、AWS Data Pipelineは、追跡・再試行・例外処理・任意のアクションの実行といった機能を提供しますが、特にデータ駆動型ワークフローの大半に共通する特定の手順を簡素化できます。具体的には、入力データが特定の準備基準に一致した場合にアクティビティを実行する、異なるデータストア間で簡単にデータをコピーする、変換スケジュールを簡単に設定する、などといったことを行えます。また、AWS Data Pipelineは特定の手順に高度に特化しているため、コーディングやプログラミングの知識がなくても、ワークフロー定義を簡単に作成できます。
このように、AWS Data Pipelineの特徴や利点を理解しておくことは、既存のパイプラインを運用・保守するうえで、また新規構築時に代替サービスとの違いを把握するうえでも役立ちます。すでに利用中の場合は、上記の通り新機能追加が予定されていない点を踏まえ、必要に応じて後継サービスへの移行も検討してみてはいかがでしょうか。
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