AWS Fargateの価格とその計算方法について

最終更新日:2026年8月5日

はじめに

本記事では、まずAWS Fargateの概要や、利点について紹介します。その後、東京リージョンのAWS Fargateの価格について、価格の決定に関わる要素や、価格の計算方法、割引のオプションについて紹介します。

AWS Fargateとは

AWS Fargateは、Amazon Elastic Container Service(ECS)とAmazon Elastic Kubernetes Service(EKS)の両方で動作するコンテナ向けサーバーレスコンピューティングエンジンです。AWS Fargateを利用することで、ユーザーはアプリケーションの構築に集中することができます。

ここでAmazon ECSとAmazon EKSについて簡単に紹介します。

  • Amazon ECS - スケーラブルで高性能なフルマネージド型のコンテナ管理サービスです。Amazon ECSを利用すると、自社でのクラスター管理インフラストラクチャのインストールや運用、スケールが不要となります。
  • Amazon EKS - AWSでのKubernetesの実行を容易にするマネージドサービスです。Kubernetesとは、コンテナ化したアプリケーションを大規模にデプロイおよび管理することができるオープンソースソフトウェアです。Amazon ECSを利用することで、独自のKubernetes コントロールプレーンやワーカーノードをインストールして操作するといった作業が不要になります。

AWS Fargateとこれらのサービスを連携することで、サーバーのプロビジョニングと管理が不要になり、設計段階からのアプリケーションの分離によってセキュリティの強化をすることができます。

以下では、AWS Fargateの利点を紹介します。

1. アプリケーションのデプロイと管理

AWS Fargateでは、以下の作業が不要となります。

プロビジョニング、パッチ適用、クラスターの容量管理、インフラストラクチャの管理

AWS Fargateでは、コンテナが実行されるインフラストラクチャが必要なパッチにより常に最新の状態に保たれます。したがって、ユーザーは、Amazon ECSやAmazon EKSで実行するアプリケーションの構築と運用に集中することができます。

2. 適切なサイズのリソースと柔軟な料金オプション

AWS Fargateでは、コンテナに対して指定したリソース要件と一致するように、コンピューティングの起動とスケーリングを行います。AWS Fargateでは、オーバープロビジョニングや追加サーバーの料金は発生しません。また、後半で具体的な価格や計算方法を示しますが、AWS Fargateは、Fargate SpotやCompute Savings Planの料金オプションをサポートしています。これらを活用することで、通常よりも低コストでサービスの利用ができます。

3. 設計段階からの安全な分離

各Amazon ECS タスクや、各Amazon EKS Podは、専用のカーネルのランタイム環境でそれぞれ実行されます。CPUやメモリ、ストレージ、ネットワークのnリソースが他のタスクやPodと共有されることはありません。これにより、前述にのように、各タスクや各Podでワークロードの分離が可能で、セキュリティを向上させることができます。

4. 充実したアプリケーションのオブザーバビリティ(可観測性)

AWS Fargateでは、Amazon CloudWatch Container Insightsなど他のAWSサービスとの組み込み統合によって、すぐに利用できるオブザーバビリティを得ることができます。AWS Fargateでは、オープンなインターフェースを有する幅広いサードパーティー製ツールを介してメトリクスとログを収集し、アプリケーションをモニタリングすることができます。

AWS Fargateの価格計算

※リージョンはアジアパシフィック(東京)です。

AWS Fargateの価格は次の要素で決定します。もしコンテナでAmazon CloudWatch Logsなどの他のAWSサービスも利用する場合は、別途そのサービスについての料金が発生しますが、本記事では割愛します。

  • 割り当てるvCPUとメモリリソース
  • タスク数
  • リソースの使用時間
  • データの転送量
  • エフェメラルストレージ(一時ストレージ)の使用量

割り当てるvCPUとメモリリソース

割り当てるvCPUとメモリリソースの組み合わせは、以下のように用意されたものから選択します。

  • 0.25 vCPU - 0.5GB / 1GB / 2GB
  • 0.5 vCPU - 1GB から 4GB(この範囲で1GBごとに選択可能)
  • 1 vCPU - 2GB から 8GB(この範囲で1GBごとに選択可能)
  • 2 vCPU - 4GB から 16GB(この範囲で1GBごとに選択可能)
  • 4 vCPU - 8GB から 30GB(この範囲で1GBごとに選択可能)

リソースの使用時間

リソースの使用時間は、1秒あたりで計算(最も近い秒数に切り上げ)され、最低1分です。コンテナイメージのダウンロードを開始した時点からAmazon ECSタスクやAmazon EKS Podが終了するまでの時間が価格の計算対象になります。

データの転送量

データの転送量に関する価格の考え方は、Amazon EC2と同じで、「受信」と「送信」に基づいて決定されます。

エフェメラルストレージ(一時ストレージ)

各Amazon ECSタスク・Amazon EKS Podには、デフォルトで20GBのエフェメラルストレージ(一時ストレージ)が無料で付与されます。20GBを超える分のみ、使用量に応じた追加料金が発生します。この課金項目はAWS Fargateのリリース当初にはなかった価格要素で、後から追加されたものです。

価格の計算方法

以上を踏まえて、AWS Fargateの価格は、次の計算式で求めることができます。

(vCPUの価格) = タスク数 × vCPU数 × 時間当たりの単価 × リソースの使用時間

(メモリの価格) = タスク数 × メモリ(GB)× 時間当たりの単価 × リソースの使用時間

(合計)= (vCPUの価格)+(メモリの価格)+(エフェメラルストレージの追加料金)+ データの転送量

しかし、前述のようにAWS Fargateでは柔軟な料金オプションが提供されています。そのため、契約や利用方法によって、時間当たりの価格が通常よりも低コストでAWS Fargateを利用することができるようになります。

⚠️ 価格についての注意:以下の単価は本記事の元執筆時点(2020年)の参考値です。AWS Fargateの料金は改定されることがあり、特にFargate Spotの価格はAWS公式の説明によると需給の長期的な傾向に応じて緩やかに変動する仕組みになっています。実際の発注・見積もりの際は、必ずAWS公式サイトの料金ページで最新の単価をご確認ください。

通常の場合

  • 1時間あたりのvCPU単位:0.05056USD
  • 1時間あたりのGB単位:0.00553USD

Amazon ECS向けFargate Spot

Fargate Spotでは、耐障害性の高いアプリケーションに対して、オンデマンドと比較すると最大70%の割引が適用されます。

  • 1時間あたりのvCPU単位:0.01552426USD
  • 1時間あたりのGB単位:0.00169797USD

Fargate Spotは、AWS側の余剰キャパシティ(スポット容量)を利用する仕組みのため、AWSがそのキャパシティを必要とした場合、タスクが中断されることがあります(中断の約2分前に通知が届きます)。そのため、常時稼働が必須のサービスには不向きで、バッチ処理やCI/CDパイプラインなど、中断に強いワークロードでの利用が推奨されます。

Amazon ECSのCompute Savings Plan

Compute Savings Planとは、AWS Fargateの使用状況が一定の場合、1年間もしくは3年間で一貫したコンピューティング使用料(1時間当たりのドル単位で計算)を契約することで、通常よりも低額で利用できる料金モデルです。永続的なワークロードに対する確定済みのコストが最大50%の割引になります。例として、前払い無しの価格を以下に示します。

<1年間の契約>

  • 1時間あたりのvCPU単位:0.042976USD
  • 1時間あたりのGB単位:0.0047005USD

<3年間の契約>

  • 1時間あたりのvCPU単位:0.030336USD
  • 1時間あたりのGB単位:0.003318USD

ちなみに、Compute Savings Planは、Amazon EC2やAWS Lambdaもサポートしています。

ARM(AWS Graviton2)アーキテクチャによるコスト削減

AWS Fargateは、Amazonが独自設計したプロセッサ「AWS Graviton2」を搭載したARMアーキテクチャ(Linux/ARM)にも対応しています。AWS公式の情報によると、比較可能なx86ベースのFargateと比べて、最大40%優れた価格性能比、かつ約20%低いコストで利用できるとされています。

ただし、2026年8月時点ではARMアーキテクチャ(およびWindows OS)はAmazon ECS向けのFargateでのみ利用可能で、Amazon EKS向けFargateでは提供されていません。利用するコンテナイメージがARM対応であれば、コスト最適化の有力な選択肢になります。

まとめ:AWS Fargateの価格計算

本記事では、まずAWS Fargateの概要や利点、AWS Fargateと関連性のあるAmazon ECSやAmazon EKSの紹介をしました。その後、AWS Fargateの価格について、具体的な単価を示しつつ計算方法などを紹介しました。AWS Fargateでは、柔軟な料金オプションをサポートしているので、利用しやすいコストで、サーバーに関わる作業から解放され、アプリケーションの構築に集中することができます。

この記事のポイント:

  • AWS Fargateの料金は「vCPU」「メモリ」「タスク数」「使用時間」「データ転送量」「エフェメラルストレージ」の要素で決まる
  • Fargate Spotは中断耐性のあるワークロードに対して最大70%の割引が適用される(ただし価格は需給により変動し、タスクが中断される可能性がある)
  • Compute Savings Planは1年・3年契約で最大50%の割引になる料金モデル
  • ARM(AWS Graviton2)対応により、x86と比べて最大20%程度低コストで利用できる(2026年8月時点ではAmazon ECS向けFargateのみ対応)
  • 正確な最新料金は必ずAWS公式サイトの料金ページで確認する

よくある質問(FAQ)

Q. AWS Fargateはどんな場合に向いていますか?

サーバーのプロビジョニングや容量管理、パッチ適用などのインフラ管理を行わずにコンテナアプリケーションを運用したい場合に向いています。トラフィックの増減が読みにくいアプリケーションや、インフラ運用の負荷を減らしてアプリケーション開発に集中したいチームに適しています。

Q. AWS FargateとAmazon EC2でコンテナを動かす場合との違いは何ですか?

Amazon EC2上でコンテナを動かす場合は、ホストとなるEC2インスタンスの選定・起動・スケーリング・パッチ適用などをユーザー自身が管理する必要があります。一方、AWS Fargateはサーバーレスであるため、これらのインフラ管理が不要で、指定したvCPU・メモリのリソース分だけ課金される点が異なります。

Q. Fargate Spotを使う際の注意点はありますか?

Fargate Spotはスポット容量(AWSの余剰リソース)を利用する仕組みのため、AWS側の容量確保状況によってタスクが中断される場合があります(中断の約2分前に通知されます)。そのため、常時稼働が求められるアプリケーションには不向きで、バッチ処理やCI/CDパイプラインなど、中断に強いワークロードでの利用が推奨されます。

Q. AWS FargateはARM(Graviton2)に対応していますか?

対応しています。Amazon ECS向けのAWS Fargateでは、Linux/ARMアーキテクチャ(AWS Graviton2)を選択でき、x86と比べて低コストかつ高い価格性能比で利用できます。ただし、2026年8月時点ではAmazon EKS向けFargateではARMアーキテクチャに対応していません。

Q. AWS Fargateの料金を抑えるにはどうすればよいですか?

中断に強いワークロードであればFargate Spotの活用(最大70%割引)、利用量が継続的に見込める場合はCompute Savings Planの契約(最大50%割引)、コンテナイメージがARM対応であればGraviton2アーキテクチャの利用が有効です。あわせて、タスクに割り当てるvCPU・メモリを実際の使用状況に合わせて最適化することもコスト削減につながります。

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