AWS IoT Things Graphとは?
最終更新日:2026年8月10日
【要注意】AWS IoT Things Graph はサービス提供を終了しています
本記事で解説しているAWS IoT Things Graphは、2022年8月1日に新規利用の受け付けを終了し、2022年9月30日をもってサービス自体の提供が終了しました。現在は新規に構築・利用することはできません。デジタルツインの構築には「AWS IoT TwinMaker」、エッジ上でのデバイス連携・アプリケーション構築には「AWS IoT Greengrass」の利用が案内されています。本記事の内容はサービス提供当時の情報として、IoTアプリケーション構築の考え方を知る参考としてご覧ください。
はじめに
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
昨今、IoTの技術が進化しており、今や日常生活でも見るようになった。例えば家電製品のテレビや冷蔵庫、エアコン、電球といったものをIoTを使って組み合わせることで、今以上に快適な生活を送ることが出来ます。本記事では、それぞれベンダーが異なるデバイスを容易に連携することが出来るAWS IoT Things Graph の概要と特徴について解説していきます(前述の通り、同サービスは2022年9月30日に提供終了となっています)。
AWS IoT Things Graph の概要
AWS IoT Things Graph は、さまざまなデバイスやWebサービスに接続することで、IoTアプリケーションを構築したり、スマートホーム、工業オートメーション、エネルギー管理などの幅広いユースケースにおいてタスクの自動化を容易にしてくれるサービスとなっていました。
なぜこのサービスが生まれたのかというと、当時、普及している標準が無いため、開発者は複数のメーカーからのデバイスを相互接続したり、ウェブサービスと接続することは大変難しい状況となっていました。その問題を解決するために、IoT アプリケーションに必要なすべてのデバイスおよびウェブサービスを統合する必要があり、そのために大量のコードを書く必要がありました。
AWS IoT Things Graph では、視覚的なドラッグ&ドロップのインターフェイスを提供してもらえるため、デバイスとウェブサービス間を接続し、そのやり取りを調整できることが可能となり、迅速な IoT アプリケーションの構築が可能でした。
AWS IoT Things Graph は、ウェブサービス用や、デバイスタイプ用のプレビルド済みのモデルを使用することで開始できました。また、独自のカスタムモデルを作成することでも使用を開始することが出来ました。わずか数クリックで、IoT アプリケーションをAWS IoT Greengrass 対応の幅広いデバイス上でデプロイして実行、動作させることが出来ました。
AWS IoT Things Graph の特徴や利点
ここではAWS IoT Things Graph の特徴や利点についてを、3点にまとめて解説していきます(いずれもサービス提供当時の内容です)。
IoT アプリケーションの構築スピードを上げる
AWS IoT Things Graph を使用すると、低レベルのデバイスの詳細を理解することや、デバイスとウェブサービスを連携させるためのコードを書く時間を削減することが出来、IoT アプリケーションの構築の高速化が可能となっていました。AWS IoT Things Graph では、モデルというデバイスを一連のアクション、イベント、状態として抽象化したものを使用することで、簡単に操作出来るようになっていました。また、デバイスインターフェイスはその基礎となる実装から分離されていました。
AWS IoT Things Graph では、先ほど説明したモデルを簡単に再利用出来るため、IoT アプリケーションのデプロイ用にコードを複製する必要がありませんでした。モデルリポジトリは、AWS IoT Things Graph の GraphQL ベースのスキーマモデリング言語で独自モデルを構築するか、一般的なデバイス向けのモデルから選択することも出来ました。
AWS IoT Things Graph では、マッピングライブラリを利用することで、1 つのデバイスの出力を他のデバイスの入力に変換するためにコードを記述することが不要となっていました。マッピングでは、低レベルのデバイス詳細を他のデバイスで使用できる形式に変換することが出来、ソフトウェアを変更せずともデバイス間で通信することが可能になっていました。
高度なワークフローの容易な作成
AWS IoT Things Graph では、ドラッグ&ドロップインターフェイスによって、簡単にアプリケーションを開発できるようになっていました。ドラッグ&ドロップインターフェイスでは、複数のモデルの接続やモデル間の通信の定義、ワークフローの構築により、アプリケーションを視覚的に構築する事ができました。また、新しいデバイスやビジネスロジックを追加することが可能なため、IoT アプリケーション全体を修正することなくアプリケーションを発展させることが可能でした。
容易な管理と監視
AWS IoT Things Graph アプリケーションは、簡単にIoT アプリケーションをパッケージ化することが出来、AWS クラウドまたは AWS IoT Greengrass 対応デバイスなどに、デプロイできる特徴がありました。また、インターネット接続が無い場合でもローカルですばやく応答する事が出来ました。
押さえておきたいポイント
- AWS IoT Things Graph は、異なるベンダーのデバイスやWebサービスをドラッグ&ドロップで連携できるIoTアプリケーション構築サービスとして提供されていましたが、2022年8月1日に新規受付を終了し、2022年9月30日にサービス自体が終了しています。
- 現在デジタルツインを構築したい場合は「AWS IoT TwinMaker」、エッジ上でデバイス連携やイベント処理のアプリケーションを構築したい場合は「AWS IoT Greengrass」と「AWS Lambda」の組み合わせが後継的な選択肢として案内されています。
- IoTデバイスの管理・監視には「AWS IoT Device Management」「AWS IoT Device Defender」など、用途別に分かれた現行サービスを組み合わせて設計するのが、現在のAWS IoTアーキテクチャの基本的な考え方です。
よくある質問
AWS IoT Things Graph は今でも使えますか?
いいえ。2022年8月1日に新規利用の受け付けを終了し、2022年9月30日をもってサービス提供が終了しています。既存の利用者も含め、現在は新規に構築・利用することはできません。
AWS IoT Things Graph の代わりに使えるAWSサービスはありますか?
用途によって異なります。物理システムのデジタルツインを構築したい場合は「AWS IoT TwinMaker」が近い位置付けのサービスです。エッジデバイス上でのデータ処理やデバイス間連携のロジックを組みたい場合は、「AWS IoT Greengrass」上でLambda関数を実行する構成が代表的な選択肢になります。
過去にAWS IoT Things Graphで構築したアプリケーションはどうなりますか?
サービス終了に伴い実行環境自体が提供されていないため、稼働を継続することはできません。移行が必要な場合は、AWS IoT GreengrassやAWS IoT TwinMakerなど現行サービスでの再構築を検討する必要があります。最新の移行方法や公式見解はAWS公式サイト・AWS公式ドキュメントでご確認ください。
まとめ
今回はAWS IoT Things Graph について解説しました。IoT はこれからの時代にとても重要な要素であり、異なるベンダーのデバイスやウェブサービスをドラッグ&ドロップで視覚的に連携できるという発想は、当時としては非常に先進的なものでした。ただし前述の通り、AWS IoT Things Graph は2022年9月30日にサービス提供を終了しています。現在同様のユースケースを検討する場合は、デジタルツインの構築には「AWS IoT TwinMaker」、エッジデバイス上でのアプリケーション実行や連携には「AWS IoT Greengrass」と「AWS Lambda」の組み合わせを検討するとよいでしょう。最新のサービス構成や料金についてはAWS公式サイトでご確認ください。
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