AWS Organizationsの組織単位(OU)というサービスについて
最終更新日:2026年8月5日
目次
はじめに
AWSを利用している会社では様々な部署の利用者ごとの個人アカウントを作成しそれぞれのアカウントごとに権限を付与したり、使用料金の確認をしたりしなければなりません。利用者が少なければ1アカウントごとに対応することも可能ですが、利用者が多いと1アカウントごとに対応するとなるとかなりの労力がかかってしまいます。そんな時に役立つのがAWS Organizationsで利用できる組織単位(OU)と呼ばれるサービスです。このサービスを利用すれば、組織単位(OU)というグループを作成することができ、そのグループに各部署の名称をつけ管理したいアカウントを追加すれば部署ごとにポリシーの適用などが行えます。ちなみにOUとはOrganizational Unitの略称で、意味としては組織を何らかの基準に基づいて分割した部門や部署・グループ・チームなどのことをいいます。IT業界では、アカウント管理システムやアクセス管理システムなどで、権限や設定の管理単位となるアカウントやリソースの集合のことをあらわす際に用いられる言葉でもあります。この記事ではAWSアカウントをAWS Organizationsで利用できる組織単位(OU)に追加していく方法について説明していきます。
組織単位(OU)の作成
まずはAWS Organizationsで組織単位(OU)を作成する方法について順番に説明していきます。
①AWSの公式サイトからAWS Organizations コンソール(console.aws.amazon.com/organizations)にサインインします。IAMユーザーとしてサインインするか、IAMロールを引き受けてサインインする必要があります。ルートユーザーでのログインはAWSのベストプラクティスとして推奨されていないため、できるだけIAMユーザー(または委任されたIAM Identity Centerのユーザー)としてログインしましょう。
②組織のマスターアカウント(現在の呼称は「管理アカウント」)でログイン後、左側のナビゲーションから「AWSアカウント」ページに移動します。ここに組織のルートOUと配下のアカウント・OUの一覧が表示されます。
③OUを作成したい親(ルート、または既存のOU)を階層をたどって選択します。
④選択した状態で画面上部の「アクション」メニューを開き、「組織単位」グループの中から「新規作成」を選択します。
⑤表示されたダイアログの「組織単位を作成」画面で、「組織単位の名前」に部署名などを入力します。「タグ」は目的・所有者・環境などによってリソースを分類するために利用できます(1つのOUに最大50個まで付与可能)。必要であれば入力してください。入力が完了したら「組織単位を作成」をクリックします。
⑥作成したOU(親OUと呼びます)が一覧に表示されます。さらにその親OUの中に入り、同じ手順で「+新規組織単位」を作成すると、親OUの中にさらに組織単位(子OU)を作ることができます。その組織単位(子OU)の中にさらに組織単位(孫OU)を作成することもできます。ルートの直下から数えて最大5レベルの深さまでOUをネストして作成できます。これを利用すれば同じ部署内であっても役割ごとに組織単位(子OU)を作成しさらに細かくアカウントの分類ができるようになります。
作成した組織単位(OU)へのアカウントの移動方法
作成した組織単位(OU)へ追加したいアカウントを移動させる方法を順番に説明していきます。
①「AWSアカウント」ページに移動し、移動させたいアカウントの一覧を表示します(OUの階層をたどって探すか、「AWSアカウントのみを表示」を有効にしてフラットな一覧から探すこともできます)。
②移動させたいアカウントのチェックボックスを選択します。
③画面上部の「アクション」メニューを開き、「AWSアカウント」グループの中から「移動」を選択します。
④「AWSアカウントを移動」のダイアログが表示されるので、移動先の組織単位(OU)またはルートを選択し「AWSアカウントを移動」をクリックします。これで移動完了です。作成した組織単位(OU)の中を確認すると選択したアカウントが移動しています。別の部署もしくはルートへ戻したい場合も、同じ手順で移動先を選び直せば移動できます。
作成した組織単位(OU)の削除方法
作成した組織単位(OU)を削除するには、その中のアカウントと子OUをすべて他へ移動させてからでないと削除できません。削除するための手順を順番に説明していきます。
①まずは作成した組織単位(OU)内のアカウントを移動させます。今回はRootへ移動させます。前述の手順でアカウントのチェックボックスを選択し「アクション」→「AWSアカウント」→「移動」をクリックします。
②組織単位(OU)内にアカウント・子OUが存在せず、先ほど選択したアカウントがルートへ移動していることを確認します。
③削除したい組織単位(OU)のチェックボックスを選択し、「アクション」メニューの「組織単位」グループから「削除」を選択します。確認ダイアログでOU名(複数選択時は「delete」という文字列)を入力し「削除」をクリックすれば削除完了です。
OU設計のベストプラクティス
OUをどう区切るかで運用のしやすさが大きく変わります。AWS公式が推奨する代表的なOU構成は次のとおりです。自社の組織図をそのまま反映するのではなく、機能や適用したいポリシー単位で分けるのがポイントです。
| OU名 | 用途 |
|---|---|
| Security | ログ集約・セキュリティ監査用の読み取り専用アカウントなど、セキュリティ関連サービスをまとめる |
| Infrastructure | ネットワークや共有ITサービスなど、全社で共通利用する基盤系アカウントをまとめる |
| Workloads | 外部公開するアプリケーションのアカウント。配下をさらに「本番(Prod)」「非本番(SDLC)」に分けるのが一般的 |
| Sandbox | 開発者が自由に検証できる社内ネットワークから切り離したアカウント |
| Suspended | クローズ予定のアカウントを一時的に格納。全操作を拒否するSCPを適用して誤操作を防ぐ |
※SCP(サービスコントロールポリシー)はOUに適用することで配下のアカウント全体に一括反映できるため、ポリシーはアカウント単位ではなくOU単位で管理するのが基本方針です。
組織単位(OU)に関する主な上限値
| 項目 | 上限値(デフォルト) |
|---|---|
| ルート配下のOUのネスト階層 | 最大5レベル |
| 組織内に作成できるOUの数 | 最大2,000個 |
| 1つのOU・アカウントに付与できるタグ数 | 最大50個 |
| 1つのOUに直接アタッチできるSCP数 | 最大10個 |
※上限値は変更される場合があるため、正確な値は必ずAWS公式ドキュメントの最新情報をご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 組織単位(OU)は何段階までネストできますか?
ルートの直下から数えて最大5レベルの深さまでOUを作成できます。細かく分類しすぎると管理が煩雑になるため、まずは機能単位(Security/Infrastructure/Workloadsなど)で大枠を作り、必要に応じて配下を分割していくのがおすすめです。
Q. OUを削除しようとするとエラーになります。なぜですか?
OU内にアカウントまたは子OUが1つでも残っていると削除できません。先にすべてのアカウント・子OUを別の場所(ルートや他のOU)へ移動してから削除を実行してください。
Q. AWS Organizationsのルートユーザーではなく、IAMユーザーでログインする理由は?
ルートユーザーはアカウントに対するすべての権限を持つため、日常的な操作で使用すると誤操作や認証情報漏えい時の被害が大きくなります。管理アカウントへは、必要な権限のみを付与したIAMユーザーやIAMロール(あるいはIAM Identity Centerで管理するユーザー)でログインするのがAWSの推奨事項です。
Q. AWS OrganizationsとAWS Control Towerはどう違いますか?
AWS OrganizationsはOUの作成やポリシーの一括適用など、マルチアカウント管理の基盤となるサービスです。AWS Control Towerはそのうえに、ベストプラクティスに基づくOU構成やガードレール(統制ルール)をあらかじめテンプレート化して自動セットアップしてくれるサービスです。すでにControl Towerで組織を管理している場合は、OUの作成もOrganizationsのコンソールから直接行わず、Control Tower側から行うことが推奨されています(Organizations側で直接作成するとControl Towerに登録されないOUになってしまうため)。
まとめ:AWS Organizationsの組織単位(OU)
AWS Organizationsを使用してアカウントを組織単位(OU)で管理する方法について説明してきました。まずは組織単位(OU)を作成し、そこにAWSアカウントを追加していくことによりまとめてアカウントの管理ができるようになっています。このサービスを利用するとまとめてアカウントの管理ができるため、一度設定してしまえば効率的にポリシーの適用や使用料金の確認ができるようになります。
この記事のポイント:
- OUはアカウントをグルーピングし、ポリシー(SCP等)を一括適用するための仕組み
- OUはルート直下から最大5レベルまでネスト可能(組織全体では最大2,000個まで作成可能)
- OUの削除には、中のアカウント・子OUをすべて他へ移動させておく必要がある
- 管理アカウントへのログインはルートユーザーではなくIAMユーザー・IAMロールを使うのが推奨
- OU設計はSecurity/Infrastructure/Workloadsなど機能単位で行うと運用がシンプルになる
社内のアカウントの管理をされる方はAWS Organizationsの組織単位(OU)を利用して効率的にアカウント管理をするようにしましょう。この記事が何かのお役に立てれば幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました。
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