AWS S3についての概要を説明 | S3(Simple Storage Service)
最終更新日:2026年8月11日
この記事でわかること
AWS S3について
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
S3(Simple Storage Service)の概要について記載します。
S3とは
AWSが提供しているデータ容量が無制限で使用可能なストレージです。(従量課金制)
S3の主な機能
・バケット:データの保存場所(バケット)の作成。データのアップロード、バージョニング、ログ記録、暗号化、ライフサイクル、レプリケーション等様々なバケットに対する設定が可能。
・バッチオペレーション:オブジェクトに対してのアクションを設定。
・S3アクセスアナライザー:S3に対しての外部からのアクセスを分析。
・ブロックパブリックアクセス:バケットに対してのインターネットからのアクセスを拒否・許可。
S3の種類と料金
S3には用途に従ってさまざまな種類のストレージと料金体型が存在しているので種類と料金について簡単な特徴を記載します。
【要注意】ストレージクラス名称・料金体系の変更について
S3 Glacierはその後名称が再編され、現在は取り出し速度に応じて「S3 Glacier Instant Retrieval」「S3 Glacier Flexible Retrieval」(旧S3 Glacier)「S3 Glacier Deep Archive」の3クラスとして提供されています。またS3 Intelligent-Tieringには、90日以上未アクセスのデータを自動的に移行する「Archive Instant Access」階層や、オプトインで利用できる「Archive Access」「Deep Archive Access」階層も追加されています。以下に記載の具体的な料金(USD/GB等の数値)は執筆時点の一例であり、AWSの料金改定により変動しています。最新のストレージクラス構成・料金はAWS公式サイトでご確認ください。
種類
S3 標準:アクセス頻度の高いデータ向けのストレージです。可用性は99.99%で、最低3つのAZにデータが保管されます。
S3 Intelligent – Tiering:高頻度と低頻度アクセス用に最適化された階層にデータを振り分けて保存するコスト効率の高いストレージです。30日以上使用していないデータを低頻度アクセス層に振り分けます。可用性は99.9%で、最低3つのAZにデータが保管されます。
S3 標準 – 低頻度アクセス:アクセス頻度は低いが、必要に応じてすぐに取り出すことが必要なデータ向けのストレージです。可用性は99.9%で、最低3つのAZにデータが保管されます。
S3 1 ゾーン – 低頻度アクセス:アクセス頻度は低いが、必要に応じてすぐに取り出すことが必要なデータ向けのストレージです。しかし、1つのAZにデータを保存する事でコストを20%削減しています。そのため、可用性は99.5%と低くなっています。
S3 Glacier(現Glacier Flexible Retrieval):データアーカイブに適した低コストストレージです。データの取り出し速度に3種類のオプションがあり高速で取り出すと高額になるためアクセス頻度の高いデータを保存するのには向いていません。可用性は99.99%で、最低3つのAZにデータが保管されます。
S3 Glacier Deep Archive:データアーカイブに適した低コストストレージです。Glacierよりも安価で7〜10年保持されるようなデータで年に1〜2回ほどしかアクセスしないデータを保管するのに適しています。(データの取り出しが12時間以内と遅いため)可用性は99.99%で、最低3つのAZにデータが保管されます。
料金(参考値・要最新確認)
S3 標準:
ストレージ保管料金:初めの50TB/月:0.025USD/GB、次の450TB/月(50〜500TB):0.024(USD/GB)、500TB月以上:0.023(USD/GB)で多く利用するほど安くなります。
PUT、COPY、POST、LIST リクエスト:0.0047(USD/1000リクエスト)
GET、SELECT、他のすべてのリクエスト:0.00037(USD/1000リクエスト)
S3 Intelligent – Tiering:
ストレージ保管料金(高頻度アクセス):初めの50TB/月:0.025USD/GB、次の450TB/月(50〜500TB):0.024(USD/GB)、500TB月以上:0.023(USD/GB)で多く利用するほど安くなります。
ストレージ保管料金(低頻度アクセス):0.019USD/GB
PUT、COPY、POST、LIST リクエスト:0.0047(USD/1000リクエスト)
GET、SELECT、他のすべてのリクエスト:0.00037(USD/1000リクエスト)
ライフサイクル移行リクエスト:0.01(USD/1000リクエスト)
S3 標準 – 低頻度アクセス:
ストレージ保管料金:0.019(USD/GB)
PUT、COPY、POST、LIST リクエスト:0.01(USD/1000リクエスト)
GET、SELECT、他のすべてのリクエスト:0.001(USD/1000リクエスト)
ライフサイクル移行リクエスト:0.01(USD/1000リクエスト)
データ取り出し:0.01(USD/GB)
S3 1 ゾーン – 低頻度アクセス:
ストレージ保管料金:0.0152(USD/GB)
PUT、COPY、POST、LIST リクエスト:0.01(USD/1000リクエスト)
GET、SELECT、他のすべてのリクエスト:0.001(USD/1000リクエスト)
ライフサイクル移行リクエスト:0.01(USD/1000リクエスト)
データ取り出し:0.01(USD/GB)
S3 Glacier:
ストレージ保管料金:0.005(USD/GB)
PUT、COPY、POST、LIST リクエスト:0.0571(USD/1000リクエスト)
GET、SELECT、他のすべてのリクエスト:0.00037(USD/1000リクエスト)
ライフサイクル移行リクエスト:0.0571(USD/1000リクエスト)
データ取り出しリクエスト:迅速:11.00(USD/1000リクエスト)、標準:0.0571(USD/1000リクエスト)、大容量:0.0275(USD/1000リクエスト)
データ取り出し:迅速:0.033(USD/GB)、標準:0.011(USD/GB)、大容量:0.00275(USD/GB)、プロビジョニングされた容量単位:ユニットあたり 110.00(USD/GB)
S3 Glacier Deep Archive:
ストレージ保管料金:0.002(USD/GB)
PUT、COPY、POST、LIST リクエスト:0.065(USD/1000リクエスト)
GET、SELECT、他のすべてのリクエスト:0.00037(USD/1000リクエスト)
ライフサイクル移行リクエスト:0.065(USD/1000リクエスト)
データ取り出しリクエスト:標準:0.1142(USD/1000リクエスト)、大容量:0.025(USD/1000リクエスト)
データ取り出し:標準:0.022(USD/GB)、大容量:0.005(USD/GB)
上記はいずれも執筆時点の参考値です。最新料金はAWS公式サイトでご確認ください。
バケット
データの共有:アプリケーションとS3間でデータ共有する際にはAccess Pointsの設定をし、データアクセスの管理をします。S3にAccess Pointsを作成して、共有したいアプリケーションに対してアクセス許可をする事でデータ共有が可能です。
バージョニング:S3バケットに格納されたオブジェクトのバージョンを記録できます。記録された状態を保持する事が可能なため、間違ってデータ削除してしまった際や変更してしまった際の回復手段に使用する事ができます。
暗号化:通信中のデータはHTTPS プロトコルを使用して、SSL暗号化通信が可能です。サーバー側のデータも暗号化 (SSE) オプションを使用して暗号化できます。
ライフサイクル:ライフサイクルルールを設定する事で、長期間利用していないデータをS3標準ストレージから低頻度アクセスのストレージやGlacierなどに移行したり、削除する事で、データ保存にかかるコストの効率化やデータ整理をする事ができます。
レプリケーション:Amazon S3 バケット間でオブジェクトを自動で非同期的にコピーできる機能です。レプリケーション用に設定されたバケットは別のアカウントでも所有する事が可能で、オブジェクトは異なるリージョンにコピーする事が可能です。(クロスリージョンレプリケーション )
バッチオペレーション
オブジェクトのコピーやタグ付け、アクセスコントロールリストの更新などのストレージアクションを自動実行できます。繰り返し処理が必要な操作を大規模に自動化するための機能で、1度のリクエストで数10億のオブジェクトとPB規模のデータにまたがるアクションを実行できます。
S3アクセスアナライザー
アクセスポリシーを監視し、リソースへの意図しないアクセスの可能性があるバケットを検出する機能です。例えば、インターネット上の全てのユーザへアクセス許可されているバケットや、他のAWSアカウントと共有されているバケットがある場合に警告します。
ブロックパブリックアクセス
不正アクセスからデータを保護する機能で有効化する事で、現在のS3バケット全てのデータとこれから作成されるデータ全てに対してのパブリックアクセスをブロックできます。
押さえておきたいポイント
- S3はS3標準・Intelligent-Tiering・低頻度アクセス・Glacier系など用途に応じて複数のストレージクラスを使い分けられ、ライフサイクルルールで低頻度データを自動的に安価なクラスへ移行しコストを最適化できる。
- バージョニング、クロスリージョンレプリケーション、ブロックパブリックアクセス、S3アクセスアナライザーなどの機能を組み合わせることで、誤削除対策やセキュリティ強化を図ることができる。
- ストレージクラスの名称・料金体系はAWS側で随時見直されているため、実際の設計・見積もりの際は必ずAWS公式サイトで最新情報を確認する。
よくある質問
S3とEBS・EFSの違いは何ですか?
S3はインターネット経由でHTTPS等を使ってアクセスするオブジェクトストレージで、EC2にアタッチせずに大量のデータを保管・共有するのに向いています。一方EBSはEC2インスタンスにアタッチして使うブロックストレージ、EFSは複数のEC2から同時にマウントして共有できるファイルストレージであり、用途に応じて使い分けます。
どのストレージクラスを選べばよいですか?
アクセス頻度が読みにくい・変動するデータはS3 Intelligent-Tieringに任せるのが手軽です。頻繁にアクセスするデータはS3標準、長期保存でめったにアクセスしないデータはGlacier系(Instant Retrieval/Flexible Retrieval/Deep Archive)、可用性より低コストを優先できるデータはS3 1ゾーン低頻度アクセス、というのが大まかな選び方の目安です。
S3のデータを誤って削除してしまった場合はどうすればよいですか?
バケットのバージョニングを有効にしておくと、削除操作は「削除マーカー」の追加として記録されるため、以前のバージョンから復元できます。バージョニングを有効化していないバケットでは復元ができないため、重要なデータを保管するバケットでは事前にバージョニングを有効化しておくことを推奨します。
最後に
S3は様々な料金設定とライフサイクルルールによりコスト効率良くデータを安全に保管するようなデータ管理から、AWSの様々なサービスと組み合わせて、データ解析やシステム開発に利用していくなど、用途に合わせて幅広く利用して行けるサービスだと思います。
▼ アクロビジョンについて


