AWSが使用しているXenの動作について
最終更新日:2026年8月7日
この記事でわかること
はじめに
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
【要注意】上記のシェア・料金・資格名は変動する場合があります
クラウド市場シェアや無料枠の内容は時期により変わるため、最新の情報は各社公式サイトでご確認ください。
AWSではXenというソフトウェアを用いることで動作しています。本記事では、まずXenについての解説をした後、仮想化の様々なタイプについての説明、Xenのメリットについて解説していきます。
Xenとは
AWSではXenが使用されていますが、まずXenとは何か?について説明していきます。Xenは仮想マシンモニタの一種で、コンピュータのハードウェア資源を一括して管理し、一部をOSに組み合わせた仮想マシンです。Xenはハイパーバイザーとゲスト OSの2つのコンポーネントから構成されます。ハイパーバイザーは、Xenの中核となるコンポーネントであり、ハードウェアへのアクセスを統合管理しております。ゲストOSの切り替えと、ユーザのアクセスなども管理し、ゲストOSには、完全仮想化と準仮想化の2つのモードで動作を行います。完全仮想化は、CPUの仮想化支援機能を使って動作をするモードで、準仮想化はCPUの仮想化支援機能を使わずに動作できるモードです。
仮想化のタイプ
まず、サーバーの仮想化には様々なメリットがあります。1つ目は設置スペースを削減できること、2つ目にリソースを有効活用できること、3つ目に新しいサーバーを用意しやすいこと、4つ目がBCP対策の実現、最後に最新のハードウェアを活用できる点が挙げられます。そしてこの仮想化技術には「ホスト型」と「ハイパーバイザー型」が存在します。その2つについて下で解説していきます。
ホスト型
ホスト型とは、OS上に土台となるソフトウェアをインストールし、そのソフトウェアで仮想マシンを作成し実行するという方法です。これによって、仮想化のための専用のOSを用意する必要がないため、アプリケーションと同じように使用できるというメリットがあります。ですが、ハードウェアへアクセスするにはホストを経由しなければならず、余計なオーバーヘッドがかかるため十分な性能が出ないというデメリットがあります。
ハイパーバイザー型
ハイパーバイザー型とは、サーバーへ直接インストールを行い仮想化ソフトを起動して実行するという方法です。AWSで使われているXenはこのハイパーバイザー型です。ホストOSの機能を使わずにハードウェアを直接制御することが可能で、ホスト型に比べるとオーバーヘッドが小さく済みます。これにより、パフォーマンスを必要とするサーバーの仮想化や、複数の仮想マシンを効率良く稼働させる事ができるというメリットがあります。
Xenのメリット
さて、今まで仮想化について話してきましたが、ついに本題となるXenについて解説していきます。まずXenを導入すると様々なメリットがあります。
1つ目は運用コストの削減です。業務などの用途で多数のサーバーを管理している場合、Xenを使いサーバー統合することでコストを削減するということが考えられます。要因として、サービスが成長することでシステムが大規模化してしまい、膨大な数のサーバー群のコストが増大してしまう事が挙げられます。サービスのレベルを維持しつつ、少しでもコストを削減するための手段として、このXenなどの仮想マシン環境の導入が考えられています。
2つ目はサービスの独立性の維持です。サーバー統合を行い1台のマシンに複数のサービスを集約した場合、物理的に統合しつつサービスはお互い影響を受けないようにしようと考えると思います。さらに、1つのサーバー上で多数のサービスを提供している場合でも、1つ1つのサービスの独立性を高めようとします。そのような場合にXenでは、各サービスに1つの仮想マシンの環境を割り当てることによって、これらの問題が解決することが出来ます。
3つ目は可用性の向上です。メンテナンスを行う際、停止前に物理マシン上で動いている仮想マシンを別の物理マシンに移すことが可能で、仮想マシン上のサービスは停止することなくサービスを提供し続けることが出来ます。
4つ目は柔軟性の向上です。仮想マシンは独立した資源を持っています。この資源の配分が可能で、ニーズに応じて適切な資源を無駄なく割り当てることが出来ます。また、1つの仮想マシン上のサービスが高負荷になった場合でも、他の仮想マシン上で動作するサービスには影響を与えることはありません。
最後にセキュリティの向上です。仮想マシンは先ほど説明したとおりお互いに隔離されています。そのため、ある仮想マシンで動作する有害なソフトウェアが、他の環境や仮想マシンに悪影響を与えることはありません。
以上、これらの5つのメリットがXenの強みと言えます。
押さえておきたいポイント
- Xenはハイパーバイザー型の仮想化技術で、ホスト型に比べてオーバーヘッドが少なくパフォーマンスに優れる
- Xenの導入メリットとして、運用コスト削減・サービスの独立性維持・可用性向上・柔軟性向上・セキュリティ向上の5点が挙げられる
- 現行世代のEC2インスタンスでは、独自のNitro System(KVMベースのハイパーバイザー)が標準となっており、Xenは主にM1〜M4/T1〜T2/C1・C3・C4/R3・R4など前世代インスタンスで使われている
【要更新】現行世代インスタンスの標準ハイパーバイザーはすでにNitro Systemに移行済みです
本記事は当初、AWSが「現在KVMベースのハイパーバイザを採用しつつある」段階として紹介していましたが、AWS公式ドキュメントによると、この移行はすでに大きく進展しています。M5/M6/M7/M8、C5/C6/C7/C8、R5/R6/R7/R8、I4/I7、G4〜G7、P4/P5など現行世代のインスタンスタイプのほとんどは、AWS独自の「Nitro System」(KVMベースのハイパーバイザー)を採用しています。Xenが使われているのはM1〜M4、T1・T2、C1・C3・C4、R3・R4など前世代のインスタンスタイプに限られており、新規の利用では基本的に推奨されていません。
Xenの技術的な仕組みや仮想化タイプの考え方自体は現在も有効ですが、「AWSの現行インスタンスがXenで動いている」という前提で読む場合は注意が必要です。
よくある質問
Q. 現在のAWS EC2インスタンスは何のハイパーバイザーで動いていますか?
A. 現行世代のインスタンスタイプの多くは、AWS独自のNitro System(KVMベース)で動作しています。Xenが使われているのは主にM1〜M4、T1・T2、C1・C3・C4、R3・R4など前世代のインスタンスタイプです。
Q. ハイパーバイザー型とホスト型の違いは何ですか?
A. ハイパーバイザー型はサーバーへ直接インストールして実行するためオーバーヘッドが小さく高性能です。ホスト型はOS上にソフトウェアをインストールして仮想マシンを動かすため導入は簡単ですが、ホストを経由する分オーバーヘッドが大きくなります。
Q. 完全仮想化と準仮想化の違いは何ですか?
A. 完全仮想化はCPUの仮想化支援機能を使って動作するモード、準仮想化はCPUの仮想化支援機能を使わずに動作できるモードです。
まとめ
今回AWSが使用しているXenの動作について解説いたしました。仮想化のタイプには様々あり、それぞれメリットが存在します。その中でもXenは優れている点が多いです。現在、AWSの現行世代インスタンスの多くはKVMベースのNitro Systemに置き換わっていますが、Xenが培ってきたハイパーバイザー型仮想化の考え方は今も活きています。今後もAWSのインスタンス基盤の進化に注目していきたいです。
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