DaaSとは?AmazonのDaaS「Workspaces」について
最終更新日:2026年8月5日
はじめに
本記事では、DaaS(Desktop-as-a-Service=仮想デスクトップサービス)についてと、AWS(Amazon Web Services)が提供するDaaSである、Workspacesについて取り上げていきたいと思います。テレワークやハイブリッドワークが働き方の選択肢として定着した現在、Workspacesの導入を検討している方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。本記事が少しでもDaaSの知識や、Workspaces導入の参考になれば幸いです。
DaaSとは?
◇概要
”Desktop-as-a-Service”の略でDaaS(ダース)と呼ばれます。クラウドサーバーよりPCのデスクトップ操作画面を提供し、ユーザーはネットワークを通して遠隔で操作することができるサービスです。
◇DaaSに似ている言葉達の正体
DaaSの他に似ている言葉で、IaaS、SaaS、PaaSなど数多くあります。似た単語が意外と多く混乱してしまいそうですが、これらは全て頭文字が違うだけです。DaaSと同じように、後ろの3文字は全て”as-a-Service”の略と一緒です。DaaS含め、これらの「○aaS」という言葉は総称して「XaaS(ザース)」と呼ばれ、この中で”X”は未知の値を表し、このX部分に何かしらの文字が入ることを意味します。
「XaaS」は主にIT分野でのシステム構築や様々なコンピュータ処理に関するソフトウェアやハードウェアなどの内容を、インターネットを通じサービスとして提供するものを総じて呼ぶ言葉で、主にはクラウドサービスを指し示します。「○aaS」の頭文字によって提供されるサービス内容を把握することができるのですが、例えば「SaaS」の頭の”S”は「Software」のSということで、ソフトウェアをインターネット経由で提供するサービス、「IaaS」の”I”は「Infrastructure」、つまりネットワークやサーバーをインターネット経由で提供するサービス、「PaaS」の”P”は「Platform」、つまりアプリケーションを実行するためのプラットフォームをインターネット経由で提供するサービス、というような事で、結果一文字違いの同じような言葉が増えていった訳です。
◇DaaSのメリット
「DaaS」の”D”は「Desktop」、つまりデスクトップをインターネットを通して提供してくれる仮想デスクトップサービスです。働き方改革やコロナ禍を契機に国レベルでテレワークが推進され、その後も定着してきましたが、このテレワーク導入を各企業が進める中で避けられないハードルがありました。その一つがセキュリティの面です。
社内のPCを各自の自宅(社外)に持ち出すことで情報の安全性を揺るがす事になります。この点でDaaSは社内PCを持ち出すことなく、インターネット経由で仮想デスクトップにアクセスすることができるため、情報を他に漏洩させるリスクを減らすことができます。また急な在宅ワークへの切り替えが必要になった場合でも、一度に多くの社員用PCを物理的に用意するのは難しい一方、クラウドサービスを利用すれば簡単に仮想デスクトップを用意できるのも大きなメリットです。この他にも、IT企業では顧客企業への常駐といった業務形態の中で、何かしらの自社内の業務もおこなわないといけない場合に、常駐先PCからDaaSにアクセスすればわざわざ自社に戻って作業をする必要が無くなるなど、DaaSの活用方法は様々です。
Amazonの提供するDaaSとは
DaaSを提供するクラウドサービスは他社クラウドの仮想デスクトップサービスなど様々ありますが、ここからはAWSが取り扱っているDaaSについてご紹介していきましょう。AWSとはつまりAmazonが提供するクラウドサービスの事を言いますが、Amazonの提供する仮想デスクトップサービス(DaaS)には「Amazon WorkSpaces」というものがあります。
WorkSpacesは先述の通りAWSが提供するサービスですので、利用にはまず前提としてAWSユーザーとしてのアカウント登録をしておかなければなりません。新規アカウント作成は無料でおこなうことができます。料金形態は「バンドル(OSや性能などのスペック)ごとに決められた額の月額料金」か「時間単位の料金」を選択できる仕組みが基本になっており、これに通信料や追加オプションの料金が加算されます。具体的な料金表や無料利用枠の条件はAWS公式サイトで随時見直されるため、最新の金額は本記事では扱わず、関連記事「AWS WorkSpacesの利用価格について」「AWSのWorkSpacesを無料で利用する方法」で詳しく取り上げています。
WorkSpacesファミリーの現在のラインナップ
2020年の本記事執筆当時は「Amazon WorkSpaces」という単一のサービス名でしたが、その後AWSはDaaSのニーズの広がりに合わせてWorkSpacesをファミリー化し、用途別に複数のサービスへ整理しています。導入を検討する際は、まず自社の用途にどれが合うかを把握しておくとよいでしょう。
◇Amazon WorkSpaces Personal
従来のWorkSpacesにあたるサービスで、ユーザー一人ひとりに永続的な仮想デスクトップを割り当てる方式です。個人の作業環境をそのまま維持したい一般的な業務利用に向いています。
◇Amazon WorkSpaces Pools
セッションごとに割り当てられる非永続型(都度リセットされる)の仮想デスクトップを提供する方式です。コールセンターや研修・実習など、多数のユーザーが同じ環境を短時間だけ使うシーンに向いています。
◇Amazon WorkSpaces Core
自社やパートナー製のVDI(仮想デスクトップ基盤)管理ソフトウェアと組み合わせて使うためのDaaS基盤サービスです。既に特定のVDI管理ツールを使っている企業が、その管理レイヤーはそのままにインフラ部分だけAWSに置き換えたい場合などに選ばれます。
◇Amazon WorkSpaces Web
フルスペックの仮想デスクトップを使わず、ブラウザ経由で社内システムや特定のSaaSアプリケーションに安全にアクセスするための低コストなサービスです。「仮想デスクトップまでは不要だが、私物端末から社内アプリにだけ安全にアクセスさせたい」というような限定的な用途に向いています。
なお、デスクトップ単位ではなくアプリケーション単位でクラウドから配信する仕組みとしては「Amazon AppStream 2.0」という別サービスもあります。目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
よくある質問(FAQ)
Q. DaaSとVDI(仮想デスクトップ基盤)はどう違いますか?
VDIはオンプレミス環境も含めた仮想デスクトップの仕組み全般を指す言葉で、自社サーバー上に構築するケースも含みます。一方DaaSはそのVDIをクラウドサービスとして提供するもので、自社でサーバーを保有・運用する必要がない点が特徴です。Amazon WorkSpacesはAWSが提供するDaaSにあたります。
Q. どのくらいの企業規模から導入する意味がありますか?
数名規模の小規模利用から数百〜数千名規模の大企業まで、必要な台数分だけ柔軟に増減できるのがクラウド型DaaSの特徴です。物理PCの一括調達が難しい急な人員増減やテレワーク対応にも向いています。
Q. WorkSpacesとWorkSpaces Poolsはどちらを選べばいいですか?
各ユーザーが自分専用の環境を継続して使いたい一般業務にはWorkSpaces Personal、コールセンターや研修のように利用者が入れ替わり毎回まっさらな環境から始めたい用途にはWorkSpaces Poolsが適しています。
Q. 既存のVDI管理ツールを使っている場合でもAWSに移行できますか?
Amazon WorkSpaces Coreを使うことで、既存のVDI管理ソフトウェアの操作性を維持したまま、インフラ基盤部分だけAWSのクラウドに置き換えることができます。
Q. 料金の詳細や無料利用枠について知りたい場合はどうすればいいですか?
料金体系は変更されることがあるため、本記事では概要のみに留めています。詳細な料金表や無料利用枠の条件は、関連記事「AWS WorkSpacesの利用価格について」「AWSのWorkSpacesを無料で利用する方法」、またはAWS公式サイトの最新情報をご確認ください。
まとめ:DaaSとAmazon WorkSpaces
この記事のポイント:
- DaaSは「Desktop-as-a-Service」の略で、クラウド経由で仮想デスクトップを提供するサービス
- IaaS・PaaS・SaaSなど「○aaS」と呼ばれる言葉は総称して「XaaS」と呼ばれる
- DaaSはPC本体を持ち出す必要がなく、情報漏洩リスクの低減やテレワーク対応の柔軟性がメリット
- AWSのDaaSは「Amazon WorkSpaces」で、現在はPersonal・Pools・Core・Webといった用途別のラインナップに整理されている
- 料金・無料利用枠の詳細は関連記事(利用価格について/無料で利用する方法)を参照する
おわりに
いかがでしたでしょうか。
テレワークをはじめとした多様な働き方が定着した今、Workspacesなどの便利なクラウドサービスについて知り、より最適な環境づくりができれば良いかと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。
関連記事
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- AWS WorkSpacesの使い方について — 実際の利用方法を解説
- Amazon AppStream 2.0 とは — デスクトップ単位ではなくアプリケーション単位で配信するサービス
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