FreeRTOSとは
最終更新日:2026年8月12日
この記事でわかること
今回はFreeRTOSについて解説していきます。
FreeRTOSとは
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
FreeRTOSとは、マイクロコンピュータ(以下マイコン)で用いられるRTOS(Real Time Operating System)と呼ばれる、※リアルタイムOSの一種で、「Free」の名が付く通り、オープンソース化されたRTOSのことを指します。以前はReal Time Engineersがサポートを行っていましたが、2017年にAmazonが権利を取得し、AWSのIoT向けOSとして開発・提供が続けられています。※MITライセンスを使って無償公開されているのでそのまま利用することが可能です。「低電力小型エッジデバイスのプログラミング、デプロイ、保護、接続、管理を簡単にするマイコン向けのオープンソースかつリアルタイムのオペレーティングシステム」と銘打たれたモノとなっており、AWSの「AWS IoT Core」、「AWS IoT Greengrass」と接続することで、計算能力とメモリ容量が制限されていた従来の組み込みシステムをIoTに対応したものとします。
また、安全なクラウド接続を可能とするために、セキュア、証明書認証、キー管理、およびコード署名機能を含む、セキュリティのためのライブラリが標準で備わっており、TLS v1.2(Transport Layer Security)を使用したクラウドへの安全な接続を管理してくれます。
【要注意】名称について
買収当初は「Amazon FreeRTOS」という名称で提供されていましたが、2021年にAWSは名称を元の「FreeRTOS」に戻すことを発表しています。オープンソースプロジェクトとしての性格を明確にする狙いとされ、現在も開発・配布は freertos.org を通じて行われ、AWSがスポンサーとしてメンテナンス・IoTサービスとの連携を提供する形になっています。本記事内の「Amazon FreeRTOS」という表記は当時の名称としてご理解ください。
※リアルタイムOSは厳密な時間管理ができ、複雑なことはできないが、処理が途切れることなく実行できるOSのこと。
※マサチューセッツ工科大学を起源とするソフトウェアライセンスのこと。公開されているソフトウェアは誰でも無償でかつ無期限で扱って良いが、使用したソフトウェアの著作権表示と許諾表示を記載しなければいけない。また作者と著作権者は、ソフトウェアに対して一切の責任を負わない。
FreeRTOSのローカル接続とクラウド接続
FreeRTOSは、Wi-Fi管理などのローカル接続ライブラリを使用して、Wi-FiおよびイーサネットでローカルネットワークへFreeRTOSデバイスが直接接続でき、それに加えてBluetooth Low Energy接続を使用することで、モバイルデバイスを経由してAWS IoT Coreにローカル接続することができます。FreeRTOSが組み込まれたデバイスがローカルネットワークに接続されることで、AWS IoT Greengrass Discovery APIを通して、同じローカルネットワーク上のマイコンに接続できるようになります。具体的には、IDカードを通すとドアロックが解除されるオフィスビルのセキュリティシステムと相互に通信接続することを可能にします。また、AWS IoT Greengrassを実行するマイコンとのローカル接続は、FreeRTOSデバイスがクラウド接続なしに通信、データの収集、アクションの実行を可能にしているので、ログを確認することもできます。
対してクラウド接続では、MQTTベースのメッセージング機能、HTTPを使用したFreeRTOSデバイスをAWS IoT Coreと接続することで、マイコンベースのデバイスで簡単にデータを収集して、アクションを実行することができるようになっています。これはIoTアプリケーションやその他のAWSクラウドサービスで使用することができます。具体的には、MQTTはメモリ使用量の少ない軽量プロトコルとなっているので、制限のあるマイコンベースのデバイスと効率的な通信が可能なよう作られています。ベンダーに依存しない標準的なライブラリインターフェイスを使用すればデバイスのオンボードを容易にし、スマート電力メーターのようなデバイスが、消費に関する情報を送り返すことで、そのデータをAWS IoT Analyticsのような他のAWSのサービスで分析することが可能になります。
FreeRTOSの利用するには
FreeRTOSを利用するには、AWS Partner Device Catalog、AWS IoT Device Tester、FreeRTOS Windows Simulator、またはGitHub、FreeRTOS.orgから入手したマイクロコントローラデバイスソフトウェアのいずれかを使用することで利用が可能です。後者はマイコンの開発者向けの利用方法になるので、扱いやすいものを選ぶといいでしょう。
FreeRTOSのコンポーネントについて
FreeRTOSのコンポーネントは以下の通りとなります。それぞれ使用するマイコンを想定して利用すると開発が進めやすくなります。
- FreeRTOS カーネル
- MQTT: MQTT クライアントライブラリー
- HTTPライブラリ
- Wi-Fi マネジメント
- Bluetooth 低エネルギーマネジメントライブラリ
- Device Defender ライブラリ
- OTA エージェント
- Greengrass ディスカバリ
- TLS(Transport Layer Security)
- PKCS#11
押さえておきたいポイント
- FreeRTOSはマイコン向けのオープンソースかつリアルタイムなOSで、MITライセンスにより無償で利用できる。2017年にAmazonが権利を取得し、現在はAWSがスポンサーとして開発・配布を継続している(名称は「Amazon FreeRTOS」から「FreeRTOS」に戻っている点に注意)。
- AWS IoT Core・AWS IoT Greengrassと組み合わせることで、Wi-Fi/イーサネット等によるローカル接続とMQTT/HTTPによるクラウド接続の両方に対応でき、TLSによるセキュアな通信やデバイス証明書管理も標準機能として備わっている。
- 利用する際はAWS Partner Device Catalogで対応デバイスを探すか、AWS IoT Device Tester・FreeRTOS Windows Simulator・GitHub/FreeRTOS.orgから直接ソースコードを入手して組み込む方法がある。
よくある質問
Q. FreeRTOSは無料で使えますか?
はい。MITライセンスで無償公開されており、著作権表示・許諾表示を残せば商用製品への組み込みも含めて自由に利用できます。ただし利用するAWSのクラウドサービス(AWS IoT Core等)自体には別途利用料が発生する場合があるため、最新の料金体系はAWS公式サイトでご確認ください。
Q. 「Amazon FreeRTOS」と「FreeRTOS」は何が違うのですか?
同じプロジェクトを指す名称です。Amazonが権利を取得した際に一時「Amazon FreeRTOS」と呼ばれていましたが、2021年にオープンソースプロジェクトとしての性格を明確にするため、名称が「FreeRTOS」に戻されました。機能や配布元(freertos.org)に大きな変更はありません。
Q. FreeRTOSを使うにはどのようなマイコンが必要ですか?
AWS Partner Device Catalogに掲載されている対応デバイスを使うのが最も簡単です。掲載外のマイコンでも、GitHubやFreeRTOS.orgで公開されているソースコードを移植して利用できる場合があります。開発したいIoT機器の要件(メモリ容量・通信方式・消費電力など)に合わせて選定してください。
おわりに
FreeRTOSはAmazonが権利を有するようになってからは、商用、コンシューマー向けの組み込みシステムの開発がより行いやすくなったとされます。というのも製品化を行うと公開義務が発生していたのでそれがボトルネックとなっていたといわれているからです。現在では、AWSとの連携によって、ネットワークとの連接ができ、IoTを活用することのできるので、組み込みシステムを開発する際には活用することを一考するべきでしょう。
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