ROSとAWS RoboMakerについて
最終更新日:2026年8月10日
この記事でわかること
ROSについて
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
ROS(Robot Operating System )とは、オープンソースのロボット工学ソフトウェアのフレームワークです。土台としての機能と共にロボット開発に関するアプリケーションの構築のためのソフトウェアライブラリも提供しており、研究や開発で使われたソースコードなどが利用できるようになっております。ネットワークを介して個々のプログラムが他の複数のプログラムの中で同時並行し実行できる分散処理のシステム構築や管理、ロボット自体の動作に関する制御、世界中の技術者から集められたツール・ライブラリ群が蓄積されております。今現在ロボットの導入や技術の進歩が進む中で、最も広く使用されているオープンソースであるROSは多くの場で活用されています。これにより、従来と比べロボットシステムの開発に対して時間が掛からなくなりました。
ROS2について
ROSには、コンセプトとしては同じである新世代型のROS2というものがあります。こちらは分散処理システム上の問題や既存のROSユーザーへの影響のために従来のROSとは切り離す形で作成されました。そのため、ROSとROS2間での互換性はありません。ROSは限定された環境での単一のロボット制御を想定として、主に研究用に開発されました。それに対し、ROS2は複数のロボットの対応やリアルタイムでの制御などを想定し、商用化や実用化の要素を取り入れ開発されています。
ロボット自体の歴史はまだ長くはありませんが、その中での環境の変化により目的や要件もまた変化しています。そういった背景の中でROS2は開発されました。
分散処理のフレームワーク
ROSの代表的な特徴として上げられるものに分散処理を採用しているという点があります。センサーなどから情報を受け付ける事で、中心となる処理装置から指示を直接各装置に送り、その結果をまたその処理装置が受け取り処理するという様な一つの処理装置からすべての通信を行う仕組みを集中管理型と言います。ロボット開発においては、この集中管理型を使用する事は可能ではありますが、一部では些か手間や問題が出てきます。複数の部分において処理が必要なものや、速度の求められるものに対しては1台のロボットに対して短時間に多くの処理を必要とされます。その際、集中管理型を設定している場合中心となる処理装置に多くの負荷がかかってしまい、動作の遅延やエラーを招くことに繋がります。
実際ロボットの使用される現場では、それらが作業の非効率化や致命的な事故などに繋がることも考えられます。そのため、ROSでは中心の処理装置とロボットの各部分の間に制御装置を配置する形となっており、これにより中心の処理装置自体の処理を減らす事が出来ます。さらに制御装置同士が通信し合う事により、それらを元に各制御装置が各自の判断をさせることができます。
AWS RoboMakerについて
【要注意】AWS RoboMakerはサービス終了済みです
AWS RoboMakerは2025年9月10日をもってAWSによるサポートが終了し、新規のご利用はできなくなりました。既存のロボティクスシミュレーションのワークロードについては、AWS Batchなどコンテナベースの代替サービスへの移行が案内されています。以下は同サービスが提供されていた当時の概要です。最新の移行方法・後継サービスの情報はAWS公式サイトでご確認ください。
AWSでは、ロボット開発に向けたRoboMakerというサービスが提供されていました。
これは、主に作成したロボットのプログラム等のシミュレーションを行い利用可能にするためのクラウドサービスです。他のAWSサービス同様フルマネージド型(導入や運用を一体的に行う仕組み)であり、あらゆるシミュレーションを行う上で必要な環境が整っていました。あらゆる場面を想定したサンプルシミュレーションのアプリケーションが用意されており、機械がどのように稼働するかの仮想上のテストがより簡単に行える仕組みでした。また、複数のロボットを同時にシミュレーションを行うことも可能であり、それに伴う規模に応じて自動で拡張を行うようになっていました。
AWS RoboMakerでは、ROS1およびROS2向けのクラウド拡張機能が用意されており、主にAmazon CloudWatch(モニタリング管理)、Amazon Rekognition(オブジェクト検出)、Amazon Kinesis(ビデオストリーミング)、Amazon Polly(テキスト読み上げ)、Amazon Lex(対話・音声インターフェース構築)、Amazon S3(ファイルの保存用アップロード)といったサービスが対象となっていました。これにより、開発者は新たに複雑なプログラムを開発することなくロボットのアップデートやメンテナンスを行うことができました。
押さえておきたいポイント
- ROSは単一ロボットの研究用途を主眼に、ROS2は複数ロボット対応・リアルタイム制御・商用利用を主眼に設計されており、両者に互換性はない。
- ROSは集中管理型ではなく、中心の処理装置とロボット各部の間に制御装置を配置する分散処理構成により、負荷集中や遅延・エラーのリスクを抑える設計になっている。
- AWS RoboMakerは2025年9月10日にサポートが終了しており、現在ロボティクスのシミュレーション基盤を検討する場合はAWS Batchなど後継の選択肢を確認する必要がある。
よくある質問
ROSとROS2の違いは何ですか?
ROSは限定された環境での単一ロボット制御を想定した研究用途中心のフレームワークです。一方ROS2は複数ロボットへの対応やリアルタイム制御、商用・実用化を想定して新たに開発されたもので、既存のROSユーザーへの影響を避けるためにROSとは互換性のない形で作られています。
AWS RoboMakerは現在も利用できますか?
利用できません。AWS RoboMakerは2025年9月10日にAWSのサポートが終了し、新規利用は不可となりました。既存のロボティクスシミュレーションワークロードは、AWS Batchなどコンテナベースの代替サービスへ移行することが案内されています。最新の移行手順や後継サービスについてはAWS公式サイトでご確認ください。
ROSがロボット開発で分散処理を採用しているのはなぜですか?
1台の処理装置がすべての通信・処理を担う集中管理型では、処理が必要な箇所が多いロボットや高速な応答が求められるロボットで処理装置に負荷が集中し、動作の遅延やエラー、現場での事故につながるおそれがあります。ROSは中心の処理装置とロボット各部の間に制御装置を配置し、制御装置同士も通信し合う分散処理構成を採用することで、こうしたリスクを抑える設計になっています。
まとめ
ロボット技術の進歩と共に開発の方法も大きく変化していっております。クラウド技術の導入などにより工程に関してもより効率的になり、情報の収集は非常に容易となっております。ROSに関しても、開発者が一から組み立てるのではなく、世界中から集められた技術をもとに目的のロボットを作成するというものになっております。AWS RoboMakerが提供されていた当時は、こうしたシミュレーションにより実際に機械を動かし確認する回数を最小限に抑え、多くのテストをクラウド上で完結することができました(同サービスは2025年9月10日に終了しており、現在はAWS Batch等の後継サービスの検討が必要です)。
今後より自律的なロボットの実用が求められる中で、これらの技術はロボットの進歩をより加速させる事が出来ます。それにより、求められる要件や機能の幅も広くなる為より最先端の技術や方法を取り入れる事が必要になるでしょう。
▼ アクロビジョンについて


