SAP on AWSとは?
最終更新日:2026年8月10日
この記事でわかること
SAP on AWSとは?
| 項目 | AWS | Microsoft Azure | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| 世界シェア | 約33%(首位) | 約22% | 約11% |
| 強み | サービス数・実績 | Microsoft製品連携 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月+常時無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | CLF / SAA / SAP | AZ-900 / AZ-104 | ACE / PCA |
SAPとは?ERPとは?
「SAP」とは簡単に言うと「SAP社」の「ERP」製品のことです。と一言で言ってしまえばそれで終わりなんですが、きっとここにいたどり着いた方は「そもそもSAPもERPも全くわからない!」という人達だと思います。今回はSAPについて、そしてSAPとAWSがどういう関りを持っているかについて紹介していきます。
SAPとは?
SAP(エスエーピー)とは、ドイツに本社を置くソフトウェアの大手ベンダーです。一般的には提供しているソフトウェアをさしていることもありますが、正確にはSAPは会社名であり、製品名ではありません。SAPは、1972年ERPパッケージ(統合業務パッケージ)ソフトのベンダーとして、ドイツで設立されました。ERPパッケージとは、企業の業務を統合して一括管理するソフトウェアのことを指しています。このERPパッケージで財務、人事管理、給与計算、販売管理、購買管理などの企業の運営に欠かすことのできないシステムを構築することができるのです。
SAP on AWS
クラウド移行への背景
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の課題として、経済産業省が指摘した「2025年の崖」問題(レガシーシステムが残存した場合、2025年以降に最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があるという指摘)が長らく注目されてきました。基盤としてクラウドサービスが重要視されており、実際にシステムやインフラをクラウドサービスに移行している企業も増えてきています。ではなぜクラウドサービスがDXの基盤となっているのでしょうか。理由としてはクラウドであれば、インフラを購入・構築することなく、必要な時に必要なリソースだけ利用することができます。その結果、素早くチャレンジし、より多くの時間とリソースを試行錯誤に費やすことができるのです。またクラウドではAIやIoT、ブロックチェーンをはじめとする最新技術のキャッチアップも早いので、既存システムでは実装が難しい最新技術もサービスとして利用できます。またチャレンジが成功した場合、今度はそれをいかに早く広く世界にスケールするかが重要になります。クラウドであれば、それも容易に行うことができるのです。
【要注意】「2025年の崖」問題について
「2025年の崖」は2018年に経済産業省のDXレポートで示された将来予測であり、想定期限とされた2025年は既に経過しています。とはいえレガシーシステムの刷新やクラウド移行そのものは引き続き多くの企業にとって重要な経営課題であり続けています。
SAPをクラウドへ移行するなら
現在、多くの企業ではSAPアプリケーションが使われてきており、国内ERP(Enterprise Resource Planning)市場においてSAPは長年にわたり主要なシェアを占めるベンダーの一つとなっています(最新の市場シェア動向は各種調査データをご確認ください)。日本企業のシステムに欠かすことのできないSAPシステム、SAPアプリケーションとなっていますが、そのSAPアプリケーションの多くはオンプレミス環境での運用となっています。DXのためにもオンプレミス環境からクラウドへ移行する際に、「今現在稼働しているSAPアプリケーションがすべて正常に移行できるかどうか」という不安を抱えている企業も少なくありません。その有効な選択肢の一つにあげられるのが、SAPアプリケーションをAWSで運用する「SAP on AWS」なのです。具体的には、SAP on AWSにどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で説明をしていきます。
SAP on AWSの大きなメリット
SAPの本稼働認定を受けたAWS
SAPはさまざまなアプリケーションを提供しています。AWSは、データベース、プラットフォームを含め、SAPの全ての製品について本稼働認定を受けているクラウドベンダーです。AWSは通常、SAPの新製品提供開始と同時に認定を受けているのです。これが実現しているのは、2社の強固なパートナーシップがあるからこそでしょう。さらに強調すべきなのは、SAP本稼働認定Amazon EC2インスタンスの豊富さであると言えます。この認定を取得するのは容易ではなく、厳しいベンチマークテストを通過したものだけが認定されています。SAP NetWeaverおよびSAP HANAの認定プラットフォームリストには記載されているプラットフォームの大部分はAWSのEC2インスタンスとなっており、非常に豊富な選択肢から、ユーザー企業が自社に適したスペックを選ぶことができます。しかも、一旦あるEC2インスタンスタイプを選んだからといって、そのインスタンスタイプに縛られることはなく、インスタンスタイプの変更は、再起動だけで行うことができます。
【要注意】SAP認定クラウドベンダーについて
かつてAWSはSAP全製品の本稼働認定を受けた唯一のクラウドベンダーとされていましたが、現在はMicrosoft AzureやGoogle Cloudなど他の主要クラウドベンダーもSAP認定の取得を大きく進めています。AWSは長年の実績とインスタンスの選択肢の豊富さで強みを持ちますが、「唯一」という点は現状に合わせてご認識ください。
可用性と安定的なパフォーマンス
AWSにおけるSAPの可用性は、オンプレミス環境との違いはほとんどないと言ってよいでしょう。まず「Amazon EC2 Auto Recovery」という機能により、ハードウェアに障害が発生した場合でも、自動的に他の物理マシン上で他の正常なホストが仮想マシンを自動的に再度稼働させます。ディザスタリカバリが、従来とは比べ物にならない低価格で行えることも大きなメリットです。パフォーマンス面では、AWSでは仮想CPU、メモリのリソースを、各インスタンスに対して固定的に割り当てているため、物理マシンを他のユーザーと共用していたとしてもパフォーマンスが低下することはありません。
開発・導入・移行期間の短縮
物理サーバを使って開発や移行を始めようとすると、ハードウェアの調達から始めなければなりません。これだけで1~2カ月の時間がかかってしまいます。一方AWSでは、EC2インスタンスを立ち上げるだけで、すぐに作業に取り掛かることができます。この違いは皆さんにも一目瞭然でしょう。また、上述の通り再起動だけでインスタンスタイプを変更できるので、開発から検証、本番稼働に至るまで、サイジング作業から解放され、さらに物理マシンの買い替えで発生するタイムロスはなくなるので非常にスピーディーな開発が可能となります。
押さえておきたいポイント
- SAPはドイツに本社を置くソフトウェア大手ベンダーで、ERPパッケージにより財務・人事・給与計算・販売管理・購買管理など企業の基幹業務を統合管理できる。
- AWSはSAPと長年のパートナーシップを持ち、豊富なSAP認定EC2インスタンスの選択肢、Auto Recoveryによる高可用性、低コストなディザスタリカバリなどの強みがある。
- 物理サーバの調達が不要なため、開発・検証・本番稼働までの期間を大幅に短縮でき、インスタンスタイプの変更も再起動のみで柔軟に行える。
よくある質問
SAP on AWSとは何ですか?
オンプレミス環境で運用されてきたSAPアプリケーションを、AWS(Amazon Web Services)のクラウド基盤上で稼働させる構成・サービスの総称です。SAPの本稼働認定を受けたAWSのインフラを利用することで、既存のSAP環境を安心してクラウドへ移行できます。
SAP on AWSに移行するメリットは何ですか?
物理サーバの調達が不要になるため開発・導入期間を短縮できること、Auto Recoveryなどの機能による高可用性、必要なリソースを必要な時だけ利用できるコスト効率の良さなどが主なメリットです。インスタンスタイプの変更も再起動だけで柔軟に行えます。
SAP on AWSへの移行にあたって注意すべき点はありますか?
既存のSAPアプリケーションやアドオンが移行先で正常に動作するかの事前検証、SAPライセンス条件の確認、認定インスタンスタイプの選定など、事前の計画・検証が重要です。移行規模が大きい場合は専門ベンダーへの相談も検討しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。SAPとAWSの関係について、まず「SAPとは何なのか」というところから解説していきました。またDXに向けて、より柔軟でスピーディーな環境のためにクラウドサービス移行が注目されている現在、国内におけるSAP on AWS導入企業は増えてきています。SAP on AWSは新たなSAP環境としての有力候補であるといえるでしょう。
参考文献:
https://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NXT/19/aws1217/
https://www.nttdata-gsl.co.jp/company/column/what-is-sap.html
https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1711/30/news006.html
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