Azure ストレージアカウントとは?
最終更新日:2026年8月12日
この記事でわかること
Azure Storageについて
| 項目 | Microsoft Azure | AWS | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| シェア(国内) | 約30% | 約35% | 約15% |
| 強み | Microsoft製品連携 | サービス数・実績 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | AZ-900 / AZ-104 | CLF / SAA | ACE / PCA |
「Azure Storage」とはMicrosoft社の提供している高可用性、スケーラビリティ、耐久性、冗長性を備えたクラウドストレージサービスです。Azure Storageでは様々な種類のストレージの提供を行っています。Azure Storageを使用するためには「ストレージアカウント」の作成が必要になります。
ストレージアカウントについて
ストレージアカウントとは、Azure Storageの管理単位です。ストレージアカウントを通じて各種ストレージサービスにアクセスが可能になります。Azure StorageのストレージサービスにはBlob(Binary large object)・Files・Queue・Tableの4種類のストレージ機能があります。
ストレージ機能
<Azure Blob Storage>
Blobとは「Binary Large Object」の略です。「オブジェクト」と呼ばれる単位で管理され、大容量のバイナリデータを格納するための非構造化データ格納サービスです。HTTP/HTTPS経由でアクセスすることができます。Blobには下記3種類が用意されており、目的に応じて選択可能です。
・ページBlob
仮想VHDファイルの格納に使用されます。8TBまでのファイル保存に利用可能です。
・ブロックBlob
個別管理可能なデータブロックで構成されています。API バージョンやブロックサイズの設定によって上限は異なりますが、最新の仕様では最大約190.7TiB(1ブロック最大4,000MiB×最大5万ブロック)までのファイル保存に利用可能です。
・追加Blob
ブロックBlob同様に個別管理可能なデータブロックで構成されています。ログや監視ファイルなど追記的に記録されるような追加操作に特化しています。
【要注意】ブロックBlobの最大サイズについて
従来「4.7TBまで」と案内されることが多かったブロックBlobの最大サイズですが、現在はブロックサイズ・ブロック数の上限拡張により大幅に拡大しています。実際に扱えるサイズはAPIバージョンや設定によって変わるため、最新の仕様はAzure公式サイトでご確認ください。
<Azure Files Storage>
クラウドとオンプレミスの両方から利用できる、サーバーメッセージブロック(SMB)プロトコルを利用したファイル共有ストレージです。用途によってはNFSプロトコルでの利用も可能です。
<Azure Queue Storage>
アプリケーションコンポーネント間の信頼性の高いメッセージングのためのメッセージ格納サービスです。キューの1つのメッセージ最大サイズは64KB、ひとつのキューにはストレージアカウントの上限容量まで数百万のメッセージを格納可能です。
<Azure Table Storage>
NoSQLの非構造化データをクラウド内に格納するサービスです。
スキーマレスな分散型Key-Valueストアを提供しています。なお、新規にテーブル形式のワークロードを構築する場合、Microsoftは「Azure Cosmos DB for Table」の利用を推奨しています。
【要注意】キューメッセージの最大サイズについて
「64GB」と案内されていましたが、正しくはAzure Queue Storageの1メッセージあたりの最大サイズは64KBです。本記事ではこの誤りを修正しています。
ストレージアカウントのパフォーマンス
ストレージアカウントでは「Standard(HDD/SSD)」と「Premium(SSD)」の2種類のパフォーマンスレベルが用意されています。目的によって選択可能でそれぞれサポートする機能・価格が異なります。
「Standard」
パフォーマンス面で制約はありますがコスト効率に優れているのが特徴です。大容量のデータの格納、アクセス頻度の低いデータに向いています。使用量(ディスクサイズ)、トランザクション量、送信データ転送回数などに応じて課金が行われます。
「Premium」
高いIOPSとスループット、高速データアクセスが提供されているのが特徴です。ディスクサイズのプランに応じた課金が行われます。
※料金体系は変更される場合があるため、最新料金はAzure公式サイトでご確認ください。
ストレージアカウントの種類
ストレージアカウントには大きく分けて「汎用ストレージ」と「Blobストレージ」があります。
<汎用ストレージ>
あらゆるタイプのデータで使用可能
・汎用v1
従来のBlob・Files・Queue・Table・Disk用アカウントです。最新機能については利用できない場合があります。汎用v2アカウントにアップグレードすることが可能です。
・汎用v2
最新機能がサポートされ、汎用v1とBlobストレージアカウントの全ての機能が組み込まれた基本的なBlob・Files・Queue・Table・Disk用アカウントです。Microsoftは汎用v2アカウントを推奨しています。
<Blobストレージ>
ブロックBlob・追加Blob特化のストレージアカウントで、Blob以外のストレージサービスには対応していません。Blobには、ホットアクセス層・クールアクセス層・アーカイブアクセス層の選択が可能です。このBlobアクセス階層制御は汎用v2アカウントでも利用可能で、汎用v2アカウントにアップグレードすることも可能です。
「ホットアクセス層」は、アクセス頻度の高いデータの格納に適しており、アクセスコストが低い反面、ストレージコストが高めに設定されています。「クールアクセス層」は、頻繁にアクセスのないバックアップデータなどの格納に適しています。ホットアクセス層と比較しアクセスコストが高く、ストレージコストは低くなります。「アーカイブアクセス層」は、保存されたデータに通常アクセスをすることはできないため、データ読み取りのためにはリハイドレートと呼ばれるホットアクセス層・クールアクセス層に切り替えを行いデータを読み取るプロセスが必要になります。リハイドレートは標準優先度の場合最大で15時間程度かかります(優先度の高いリハイドレートを利用することで短縮できる場合があります)。180日以上アーカイブアクセス層で保持されるデータが対象となります。
・BlobStorage
従来のブロックBlob・追加Blob専用のアカウントです。汎用v2アカウントにアップグレードすることが可能です。
・BlockBlobStorage
ブロックBlob・追加Blob専用のアカウントです。BlobStorageに比べ待ち時間が一貫して低く、高いトランザクションを可能にします。
【要注意】Blobアクセス層の追加について
本記事ではホット・クール・アーカイブの3階層を紹介していますが、現在はこれに加えて、クールとアーカイブの中間に位置する頻度の低いアクセス向けの「Cold(コールド)」アクセス層が追加されています。最新のアクセス層構成はAzure公式サイトでご確認ください。
レプリケーションオプション
冗長性確保のためのデータのレプリケーションオプションが4種類用意されています。Azure Storageアカウントのデータは、常にプライマリリージョンで3回レプリケートされます。(レプリケートとは:ハードウェア障害からのデータ保護のために別システム上にリアルタイムにデータを複製/コピーすること)
・ローカル冗長ストレージ(LRS)
プライマリリージョン内に3つのデータコピーを作成します。データセンター全体が利用できなくなった場合はデータ利用不可能になります。
・ゾーン冗長ストレージ(ZRS)
プライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間でデータコピーを行います。(可用性ゾーンとは:Azureリージョン内にある物理的に離れたデータセンターのこと)
・geo冗長ストレージ(GRS)
LRSを使用したプライマリリージョン内での3つのデータコピーの作成に加え、セカンダリリージョン内でコピーが作成されます。プライマリリージョンに障害が発生した場合でもセカンダリリージョンにフェールオーバーして業務継続可能です。
・geoゾーン冗長ストレージ(GZRS)
ZRSを使用したプライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間でデータコピーに加えて、セカンダリリージョン内でコピーが作成されます。
押さえておきたいポイント
- ストレージアカウントはAzure Storageの管理単位で、Blob・Files・Queue・Tableの4種類のストレージ機能にアクセスするための入り口となる。
- パフォーマンス(Standard/Premium)、アカウント種類(汎用v2推奨)、アクセス層(ホット/クール/アーカイブ、Coldも追加)、レプリケーション方式(LRS/ZRS/GRS/GZRS)の4つの軸で用途に合わせて選択する必要がある。
- ブロックBlobの最大サイズやキューメッセージサイズなど数値仕様はAPIバージョンにより変わることがあるため、実装時はAzure公式ドキュメントで最新の値を確認する。
よくある質問
Q. ストレージアカウントとBlobコンテナーはどう違いますか?
ストレージアカウントはBlob・Files・Queue・Tableといった各種ストレージサービスへのアクセスをまとめる管理単位です。Blobコンテナーは、そのストレージアカウントの中でBlobストレージを利用する際に実際のオブジェクト(ファイル)を格納するフォルダーのような入れ物にあたります。
Q. 作成済みのストレージアカウントの種類やレプリケーション方式は後から変更できますか?
汎用v1から汎用v2へのアップグレードや、BlobStorageから汎用v2へのアップグレードは可能です。レプリケーション方式(LRS/ZRS/GRS/GZRS間の変更)も基本的に変更可能ですが、変更内容によっては追加のデータ転送費用や一時的な整合性への配慮が必要になる場合があるため、事前にAzure公式ドキュメントで確認することをおすすめします。
Q. ホット・クール・アーカイブのアクセス層はどのように選べばよいですか?
アクセス頻度が高いデータは「ホット」、月に数回程度など低頻度アクセスのバックアップやログは「クール」、長期保存が必要でほぼアクセスしない履歴データは「アーカイブ」が目安です。クールとアーカイブの中間の頻度には、追加された「Cold」アクセス層も選択肢になります。データの利用パターンに応じてアクセス層を切り替えることで、ストレージコストとアクセスコストのバランスを最適化できます。
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