Azure仮想マシンにおける管理ディスクと非管理ディスク

最終更新日:2026年8月10日

この記事でわかること

始めに

Azure仮想マシンのディスク(VHD:Virtual Hard Disk)は、これまでは汎用もしくはBLOBストレージのストレージアカウントを通して、各ストレージアカウントにアクセスし利用する必要がありました。しかし、現在はより柔軟かつ安易なAzure仮想マシン専用のディスクサービスが利用可能となっています。この新しく登場したディスクサービスはAzureによって管理されているため「管理ディスク(マネージドディスク)」と呼ばれ、それに対し従来のディスクサービスは「非管理ディスク(アンマネージドディスク)」と呼ばれています。

【要注意】非管理ディスク(アンマネージドディスク)は既に完全廃止されています
Microsoftは2022年9月に非管理ディスクの廃止を発表し、当初予定の2025年9月30日から延期のうえ、2026年3月31日をもって非管理ディスクは完全に廃止されました。この日以降、非管理ディスクを使用する仮想マシンは新たに起動できず、稼働中・割り当て済みのVMも停止・割り当て解除されます。本記事は非管理ディスクと管理ディスクの違いを解説する内容ですが、現在新規に非管理ディスクを選択することはできません。既存環境で非管理ディスクを利用している場合は、管理ディスクへの移行を最優先で行ってください。

Microsoft Azure 非管理ディスク(unManaged Disks:アンマネージドディスク)

「リソースマネージャデプロイモデル(ARM)」の、利用者がストレージアカウントを通して「ページBlob」を使用する従来の仮想マシン用ストレージディスクサービスです。非管理ディスクから管理ディスクへの移行も可能です(前述のとおり、現在はこの移行が必須の対応となっています)。

ページBlobが利用可能なストレージアカウントは2種類あります。
・汎用V1:全てのストレージサービスにアクセス可能な従来のストレージアカウント
・汎用V2:最新機能をサポートし、全ての機能が組み込まれたストレージアカウント

選択したストレージアカウントごとに非管理ディスクは2種類あります。
・Premium SSD:高パフォーマンスなSSDベースのストレージ
・Standard HDD:コスト最小化

非管理ディスクのコストは、選択したストレージアカウントと非管理ディスクによって決まり、主に
・ページBlobの種類
・ディスクサイズ
・送信データ転送
・トランザクション回数(Premium SSD以外)
に対して課金が行われます。ディスクサイズは、プロビジョニング済みデータサイズに対して課金されます。

Microsoft Azure 管理ディスク(Managed Disks:マネージドディスク)

2017年から提供を開始した「リソースマネージャデプロイモデル(ARM)」のAzureによってストレージアカウントが管理されたAzure仮想マシン向けOSディスクとデータディスクのための専用ストレージサービスです。(Windows/Linux)Microsoft Azureでは、非管理ディスクの完全廃止に伴い、現在は仮想マシン作成の際に管理ディスクの利用が必須となっています。

選択できる管理ディスクの種類は現在4種類があります。
・Premium SSD Managed Disks:高パフォーマンスが必要なワークロード
・Standard HDD Managed Disks:費用対効果の高い一貫したパフォーマンス
・Standard SSD Managed Disks:開発・テスト・バックアップ用ディスク
・Ultra SSD Managed Disks:高いI/O指向、トランザクションの多いワークロード

管理ディスクのコストは、実際に使用した容量に関係なく、
・ディスクの種類
・ディスクサイズ
・スナップショット
・送信データ転送
・トランザクション回数(Premium SSD Managed Disks以外)
で決まります。管理ディスクも同様にプロビジョニング済みデータサイズに対して課金されます。スナップショットを使用する場合は、スナップショットの保存先ストレージの種類ごとに単価が設定されており使用量(GB)に対して課金が発生します。なお、具体的な料金は変動するため、最新料金はAzure公式サイトでご確認ください。

スナップショットとは:ある時点でのファイル、ディレクトリ、データベースファイルなどの状態を丸ごと抜き出し保存したものです。

管理ディスクを利用するメリットと非管理ディスクと管理ディスクの違い

・すぐれた持続性と可用性

99.999%の可用性設計。管理ディスクは、データの3つのレプリカを提供しており、高い可用性を実現しています。あるレプリカで問題が発生した場合でも、残りのレプリカがデータを維持するため、高い耐障害性を確保します。

・パフォーマンス(シンプルかつスケーラブル)

管理ディスクでは、仮想マシンディスク作成時に従来必須であったストレージアカウントの管理が不要になりました。ストレージアカウントには上限20000IOPS/アカウントの制限があったため、ひとつのストレージアカウントに多くのディスクを配置すると、IOPS制限に達する可能性がありましたが、管理ディスクではAzureが管理を行っているため、これらストレージアカウントの持つ制限のために複数のストレージアカウントを管理する必要がなくなりました。サブスクリプション内の特定の仮想マシンディスクをAzureリージョンあたり最大5000個まで作成可能なので、ひとつのサブスクリプションで数千台の仮想マシンを作成できます。

・耐障害性(信頼性の向上)

管理ディスクは、可用性セット内の仮想マシンディスクが単一障害点にならないように相互に十分に分離されています。 ディスクは様々なストレージスケールユニットに自動的に配置されます。そのためハードウェアやソフトウェアの障害が発生した場合、障害が発生したストレージスケールユニット上のディスクを使用する仮想マシンインスタンスのみ機能しなくなります。仮想マシンディスクは全て同じストレージスケールユニットに格納されるわけではないため、他のインスタンスは引き続き実行されます。

【要注意】記載の具体的な数値は記事公開時点のものです
本文中の「ストレージアカウントあたり上限20000IOPS」「サブスクリプションのAzureリージョンあたり最大5000個」といった上限値は執筆当時の情報です。Azureのディスク仕様・上限・パフォーマンス数値は継続的に更新されているため、最新の値はAzure公式サイト(Azure Managed Disksのドキュメント)でご確認ください。

・ディスク容量と種類の変更が安易

従来の非管理ディスクは作成時にディスクを決定し、変更したい場合は別にストレージアカウントを作り直しVHDコピーを行う等、安易に切り替えを行うことは困難でした。しかし管理ディスクは設定ひとつでHDD/SSDを切り替えることが可能です。

・スナップショット機能

従来の非管理ディスクでは、スナップショットはあくまでも現在のデータからの差分データでした。しかし、管理ディスクのスナップショットは、都度コピーとフルコピーが可能です。利点として、スナップショットからの仮想マシンの展開時にファイルコピーが発生しないため、仮想マシンに問題が発生した場合に、スナップショットから直接高速なバックアップ・リカバリーが可能です。非管理ディスクではスナップショット単体での利用はできないため、いったんスナップショットからコピーをしたVHDをもとに仮想マシンを作成する必要がありました。

押さえておきたいポイント

項目 Microsoft Azure AWS Google Cloud
シェア(国内) 約30% 約35% 約15%
強み Microsoft製品連携 サービス数・実績 データ分析・AI
無料枠 12ヶ月無料 12ヶ月無料 常時無料枠あり
主な資格 AZ-900 / AZ-104 CLF / SAA ACE / PCA
  • 非管理ディスクは2022年9月に廃止が発表され、当初予定から延期のうえ2026年3月31日に完全廃止された。現在は新規構築で選択できず、既存の非管理ディスクを使うVMは早急に管理ディスクへ移行する必要がある。
  • 管理ディスクではストレージアカウントの個別管理が不要になり、可用性・耐障害性・スケーラビリティが非管理ディスク時代に比べて大幅に向上している。
  • 管理ディスクの種類(Premium SSD/Standard SSD/Standard HDD/Ultra SSD)はワークロードの特性に応じて選択でき、作成後も設定変更で容易に切り替えられる。

よくある質問

非管理ディスクを使ったVMは今すぐ動かなくなりますか?

2026年3月31日の完全廃止以降、非管理ディスクを使用する仮想マシンは新たに起動できず、稼働中・割り当て済みのVMは停止・割り当て解除される仕様になっています。既に稼働中で未移行の場合は、Azureポータルの仮想マシン一覧で「管理ディスクの使用」フィルターを「いいえ」に設定するなどして対象VMを洗い出し、早急に管理ディスクへ移行してください。

非管理ディスクから管理ディスクへの移行方法は?

Azureが提供するWindows/Linux向けの管理ディスクへの移行手順・ツールを使うことで、既存VMのディスクを管理ディスクに変換できます。移行前には必ずバックアップやスナップショットを取得し、移行後は動作確認を行うことを推奨します。

管理ディスクの種類はどう選べばよいですか?

高いI/O性能が求められる本番ワークロードにはPremium SSDやUltra SSD、コストを抑えたい開発・テスト環境やバックアップ用途にはStandard SSDやStandard HDDが適しています。要求されるIOPS・スループットや予算に応じて選択し、必要であれば作成後に種類を変更することも可能です。

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