Azureストレージアカウントー概要と料金について
最終更新日:2026年8月4日
目次
Azure Storageとは
Azureで仮想サーバを構築するには、その前にAzure Storageが必要になります。Azure Storageは、Azureのストレージサービスのことで、これを用いることにより、クラウドにデータを保管することが出来ます。ストレージアカウント内の全てのオブジェクトは、グループとしてまとめて課金されます。また、ストレージアカウントを削除すると、そこに属するストレージはまとめて削除されるので、片付け忘れの心配がありません。
Azure Storageは、クラウドサービスの利用形態としてはPaaS(Platform as a Service)に該当します。
Azure Storageによって提供されるストレージのインフラストラクチャは、Azureの責任のもと管理と保守が行われる為、利用者は運用の負荷を軽減することが出来ます。
※PaaS:ソフトウェアを構築及び稼働させるためのプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供する。
4種類のストレージタイプ
Azure Storageには、「Azure BLOB」、「Azure Files」、「Azure Queue Storage」、「Azure Table Storage」の4つのストレージタイプがあります。
1.Azure BLOB
BLOB(Binary Large Object)ストレージは、ドキュメント、写真、ビデオ、ブログ等のソーシャルメディアコンテンツをはじめ、Webアプリケーションのテキスト、イメージ、バックアップデータ、ログといった様々な種類のバイナリファイル(非構造化データ)を格納することが出来ます。Azureの最も一般的なストレージタイプであり、コンテンツ配信等、様々な用途に活用出来ます。また、BLOBは3種類に分かれています。
○「ブロックBLOB」ードキュメント、メディア、バックアップ等の格納に適したストレージ。
○「追加BLOB」ー追加操作に最適化されていて、ログや監査ファイル等を追記的に記録することに使用します。
○「ページBLOB(ディスク)」ーランダムアクセスをサポートしたストレージ。最大1TB容量のファイルが格納出来ます。Azureの仮想マシンに設置されたIaaS(Infrastructure as a Service)ディスクは、このページBLOBにVHDファイルとして格納されたものです。
※IaaS:仮想マシンやネットワーク等のインフラそのものを、インターネット経由のサービスとして提供する。
※VHD(Virtual Hard Disk):ハードディスクドライブと構造的に似せたファイル形式。多くの仮想化パッケージで、WindowsやLinux等、様々なOSをインストールするために利用される。
2.Azure Files
Windows標準のファイルサービスプロトコルである、SMB(Server Message Block)プロトコルを使用し、クラウドでのファイル共有を実現するストレージです。Azure仮想マシン、Cloud Servicesで実行しているアプリケーションでは共有をマウントすることで、ファイルデータにアクセス出来ます。また、SMBをサポートしているオンプレミスのアプリケーションから、ファイル共有をマウントすることも可能です。
3.Azure Queue Storage
ワークフロー処理、及びサービスのコンポーネント間通信(システムを構成する部分や要素が行う、データの受け渡し)の為のメッセージング機能を提供します。主に、Webサーバーからバックエンドで動作するアプリケーションへ処理を渡す際に利用します。
ストレージアカウントの下に複数のキューを保持し、メッセージ形式でデータを送受信します。一般的なキューは、「先に入れたデータは、常に先に取り出す」というFIFO(First In、First Out)が原則ですが、Azureのキューストレージでは、その保証はされず、非同期での通信が行われます。
4.Azure Table Storage
アプリケーションのユーザーデータやアドレス帳、デバイス情報、サービスに必要なメタデータといった、構造化データを格納するためのストレージです。テーブルストレージは、MicrosoftのNoSQLデータベースです。従来のリレーショナルデータベースと異なり、スキーマの設計無しで扱うことができ、データを自由に修正出来るのが特徴です。テーブル間のリレーションが不要で、大容量の構造化データを格納したい時に最適です。
ストレージアカウントの種類
ストレージアカウントには複数の種類があり、選択したアカウントの種類によって使えるストレージサービスや機能、料金体系が異なります。2026年8月時点でMicrosoftが公開している最新情報をもとに、現行の推奨構成と、廃止が決まっている旧世代アカウントについて整理します。
汎用v2アカウント(General-purpose v2 / GPv2)
BLOB・Files・Queue・Tableのすべてのストレージサービスに対応する、現在すべてのシナリオで推奨されているアカウントの種類です。BLOB単位でのアクセス層設定(ホット・クール・コールド・アーカイブ)やライフサイクル管理ポリシー、LRS/ZRS/GRS/RA-GRS/GZRS/RA-GZRSといった豊富な冗長性オプションに対応しており、幅広いワークロードに対して最もコスト効率の高い価格モデルを提供します。パフォーマンス面ではStandard(HDD相当)とPremium(SSD相当)を選択でき、仮想マシンのディスク用途にはPremiumが推奨されています。
汎用v1アカウント(General-purpose v1 / GPv1)※廃止予定
BLOB階層化やライフサイクル管理が登場する以前の、最も古い形式の汎用アカウントです。ホット・クール・アーカイブ層やライフサイクル管理には対応していません。2026年10月13日に提供終了予定のため、利用中の場合は汎用v2への移行が必要です。
レガシBLOBストレージアカウント※廃止予定
BLOBワークロード専用に設計された旧世代のアカウントの種類で、ブロックBLOBと追加BLOB、アカウントレベルでのアクセス階層化(ホット・クール・アーカイブ)に対応しています。ファイル共有・キュー・テーブルなど他のストレージサービスは利用できません。2026年10月に提供終了予定で、ライフサイクル管理・BLOB単位の階層化・ポイントインタイムリストアといった機能は利用できないため、Microsoftは汎用v2アカウントの利用を推奨しています。
| アカウントの種類 | 対応サービス | アクセス層 | 状態 |
|---|---|---|---|
| 汎用v2(GPv2) | BLOB / Files / Queue / Table | ホット・クール・コールド・アーカイブ(BLOB単位) | 推奨・現行 |
| 汎用v1(GPv1) | BLOB / Files / Queue / Table | なし | 2026年10月13日 提供終了予定 |
| レガシBLOBストレージアカウント | BLOBのみ | ホット・クール(アカウント単位) | 2026年10月 提供終了予定 |
※提供終了スケジュールは変更される可能性があるため、最新情報は必ずMicrosoft公式サイトで確認してください。
アクセス層(ホット・クール・コールド・アーカイブ)
BLOBのアクセス層は、データへのアクセス頻度に応じてコストを最適化するための仕組みです。2020年頃は「ホット」「クール」「アーカイブ」の3層でしたが、その後「コールド」層が追加され、現在は4つのオンライン/オフライン層から選択できます(利用しているアカウントの種類によって選択できる層は異なります)。
| アクセス層 | 用途 | 最低保存期間 | コスト傾向 |
|---|---|---|---|
| ホット | 頻繁にアクセス・更新されるデータ | なし | 保存コスト高/アクセスコスト低 |
| クール | アクセス頻度が低いデータ | 30日 | 保存コスト低/アクセスコスト高 |
| コールド | めったにアクセスしないが即時参照は必要なデータ | 90日 | 保存コストさらに低/アクセスコスト高 |
| アーカイブ | 長期バックアップ等、ほぼアクセスしないデータ | 180日 | 保存コスト最安/取得コスト最高・時間単位の待機 |
※クール・コールド・アーカイブ層は、最低保存期間より前にデータを削除・別層へ移動すると早期削除料金が発生します。アーカイブ層のデータは読み書きができず、参照するには「リハイドレート」という復元操作(最大15時間程度)が必要です。
汎用v2アカウントでは、使用状況に応じてホット・クール・コールドの各層へ自動的にデータを移動する「スマート層」も利用できます。頻繁に手動でアクセス層を切り替えなくてもコストを最適化できるため、データ量が多い場合は検討する価値があります。
Azure Storageの料金体系
Azure Storageの料金は、①ストレージアカウントの種類、②アクセス層、③冗長性オプション(LRS/ZRS/GRS等)、④保存容量、⑤読み書き・アクセスのトランザクション数、といった複数の要素によって決まります。汎用v2アカウントでは、アクセス層ごとに最適化された「BLOB単位の階層別価格」とトランザクション課金が採用されており、旧世代のアカウント単位での一律課金だったレガシBLOBストレージアカウントよりも、ワークロードに応じてコストを最適化しやすくなっています。
具体的な料金(1GBあたりの保存費用、トランザクション費用、リージョンごとの単価など)は改定される頻度が高いため、本記事では金額を掲載しません。最新の正確な料金は、必ずAzure公式サイトの料金ページや料金計算ツールで確認してください。見積もりの際は、想定する保存容量・アクセス頻度・冗長性オプションを入力すると、月額費用の目安を算出できます。
よくある質問(FAQ)
Q. Azure Storageの正確な料金はどこで確認できますか?
Azure公式サイトの料金ページおよび「Azure料金計算ツール」で、ストレージアカウントの種類・アクセス層・冗長性オプション・容量を指定して見積もることができます。料金は改定されることがあるため、本記事のような解説記事ではなく必ず公式サイトの最新情報を確認してください。
Q. 今使っているストレージアカウントが「レガシBLOBストレージアカウント」や「汎用v1」かどうかはどこで確認できますか?
Azureポータルでストレージアカウントの「概要」または「構成」画面からアカウントの種類を確認できます。該当する場合は、提供終了日(汎用v1は2026年10月13日、レガシBLOBストレージアカウントは2026年10月)より前に汎用v2へアップグレードすることをおすすめします。アップグレードはAzureポータルから中断なく実行でき、エンドポイントやデータはそのまま維持されます。
Q. クール層とコールド層はどう使い分ければいいですか?
どちらもアクセス頻度が低いデータ向けですが、コールド層はクール層よりもさらに保存コストが低い代わりに、最低保存期間が30日から90日に伸び、アクセス時のコストも高くなります。「たまに参照するが即座に読み出したい」データで、より長期間保存することがわかっている場合はコールド層が適しています。
Q. アーカイブ層に保存したデータはすぐに見られますか?
いいえ。アーカイブ層はオフライン層のため、読み取りや変更を行うには一度ホット・クール・コールドいずれかの層に「リハイドレート(復元)」する必要があり、優先度設定によっては最大15時間程度かかることがあります。頻繁に参照する可能性があるデータには向いていません。
Q. ストレージアカウントの冗長性オプションにはどんな種類がありますか?
汎用v2アカウントでは、LRS(ローカル冗長)、ZRS(ゾーン冗長)、GRS(地理冗長)、RA-GRS(読み取りアクセス地理冗長)、GZRS(地理ゾーン冗長)、RA-GZRS(読み取りアクセス地理ゾーン冗長)の6種類から選択できます。可用性要件やディザスターリカバリーの必要性に応じて選びます。
まとめ:Azureストレージアカウント
この記事のポイント:
- Azure Storageには「BLOB」「Files」「Queue」「Table」の4種類のストレージタイプがある
- ストレージアカウントの種類は現在、汎用v2(GPv2)が全シナリオで推奨されている
- 汎用v1(GPv1)は2026年10月13日、レガシBLOBストレージアカウントは2026年10月に提供終了予定。利用中の場合は早めの移行が必要
- BLOBのアクセス層は「ホット・クール・コールド・アーカイブ」の4段階(コールドは2020年当時にはなかった新しい層)
- 正確な料金は改定される可能性があるため、必ずAzure公式サイトの料金計算ツールで確認する
ストレージのタイプやアカウントの種類、アクセス層によって、コストの計算結果は大きく変わります。トランザクションの回数やデータ取得に対して課金がされたり、冗長性オプションを上位のものにすると月々の費用が上がったりします。どんなものでもそうですが、Azureのサービスを導入する際は目的やアクセスパターンをハッキリさせてから、公式サイトで最新の料金を確認しつつ計画的に行うと良いでしょう。
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