Azureのリージョンについて|東日本と西日本リージョン
最終更新日:2026年8月6日
1.はじめに
| 項目 | Microsoft Azure | AWS | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| シェア(国内) | 約30% | 約35% | 約15% |
| 強み | Microsoft製品連携 | サービス数・実績 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | AZ-900 / AZ-104 | CLF / SAA | ACE / PCA |
Microsoftが提供するクラウドプラットフォームAzureは世界中に多数のリージョンを持ちます。日本国内には東日本と西日本の2つのリージョンがあります。Azureを使う上でリージョンへの理解は非常に重要です。本記事ではAzureのリージョンについて解説します。
2.リージョンとは
リージョンとゾーン
「リージョン」とはクラウドサービスにおいて、データセンターを設置している独立した地域の事を指します。現在Azureでは世界中に60以上のリージョンを持ちます。更に、リージョン内に設置されている独立したインフラの運用区画を「可用性ゾーン」または「ゾーン」と言います。リージョンやゾーンを分散してシステムを構築する事により、可用性を高めます。
リージョンペア
全てのリージョンにはペアとなるリージョンが設定されています。片方のリージョンに障害が発生した際、すぐに復旧できるようペアリージョンにバックアップを取る事が可能です。可用性ゾーンは物理的に独立はしていますが、比較的隣接する物理的地域に設置されている場合が多いです。一方、ペアになっているリージョンは少なくとも300マイル以上離れた場所に設置されており、災害などにより片方のリージョンに甚大な被害を受け停止したとしても、ペアリージョンにフェールオーバーする事により復旧が可能です。メインで使用するリージョンを「プライマリリージョン」、サブで使用するペアリージョンを「セカンダリリージョン」と言います。
冗長性
Azureには冗長性オプションがあり、選択したオプションにより、どれだけの規模でバックアップを取るかが変わります。冗長性オプションの種類は以下があります。
ローカル冗長:LRS
・プライマリリージョンの1つのゾーン内にデータのコピーが3つ作成される
・データセンターに障害が起きるとデータを利用出来なくなる
ゾーン冗長:ZRS
・プライマリリージョン内の3つのゾーンにそれぞれ1つコピーが作成される
・1つのゾーンに障害が発生しても利用可能
geo冗長ストレージ:GRS
・プライマリリージョンの1つのゾーン内にローカルコピーを3つ作成後、セカンダリリージョンに3つをコピー
・離れた場所で管理される為、自然災害などの重大な障害が発生しても利用可能
geo冗長ストレージ:GZRS
・プライマリリージョン内の3つのゾーンにそれぞれ1つコピーが作成後、全てをセカンダリリージョンにコピー
・最も安全性が高い
以上のオプションのうち、リージョン間で冗長化が出来るのはGRSとGZRSです。LRSやZRSでも最低限のバックアップは取れますが、地震など広範囲に影響の及ぶ災害が発生した場合、ゾーンごと被害を受ける可能性もあるので、可能な限りリージョン間での冗長化が推奨されます。
3.日本国内のリージョン
冒頭でも触れた通り、日本国内には東日本と西日本の2つのリージョンがあります。国内でAzureを使用する場合は通常このどちらかを選択する事になります。この2つのリージョンはペアになっています。どちらを選んでもサービス内容は同じです。近い方を選択した方が若干通信速度が上がりますが、日本国内においては殆ど違いはありません。
リージョンの具体的な所在地は公表されていませんが、東日本は東京と埼玉、西日本は大阪にデータセンターが設置されています。
4.過去の障害事例
非常に信頼性の高いAzureのリージョンですが、過去にはトラブルが発生した事もあります。その事例をご紹介します。
国内の事例
2017年3月に日本国内のリージョンにて1か月の間に3回の大規模な障害が発生しました。2017年3月8日に東日本リージョンにて、2時間ストレージ障害が発生。同月28日には西日本リージョンにて3時間に渡って仮想マシンの障害が発生しました。また、同月31日には東日本リージョンにて仮想マシンやストレージなど、Azureの殆どのサービスがダウンするという大規模な障害がそれぞれ発生しました。これらの原因は冷却装置のトラブルが原因と考えられています。
国外の事例
日本時間2018年9月4日、米国中南部リージョンにて障害が発生。24時間に渡り、復旧出来ない状態が続きました。原因は落雷によりサーバーの冷却システムがダウンし、オーバーヒートした結果シャットダウンしてしまうというものでした。落雷のあったデータセンターだけでなく他のデータセンターにも影響が及んだため、長時間に渡る大規模障害となりました。
信頼性、可用性の高いAzureではありますが、こういった事例もあり、絶対的な安全が保障されている訳ではないので、しっかりと冗長化を図り、リスク管理を行う必要があります。
5.まとめ
今回はAzureのリージョンについて解説しました。Azureは圧倒的な数のリージョンを持ち、リスクを分散する事により高い信頼性を誇ります。また、自分に合ったプランを選択する事により、自由度の高い使い方が可能です。一方で、過去には大規模な障害が発生した事もあります。ですが、そういった時の為に複数のリージョンが用意されています。Azureをご利用の際は是非、リスク対策をしっかり行い、安全にご利用ください。
この記事のポイント
- Azureは世界60以上のリージョンを持ち、日本国内には東日本・西日本の2リージョンがある(東京・埼玉/大阪にデータセンター)
- 全リージョンには300マイル以上離れたペアリージョンが設定され、災害時のフェールオーバーに使われる
- 冗長性オプションはLRS・ZRS・GRS・GZRSの4種類があり、リージョン間の冗長化ができるのはGRSとGZRSのみ
- 過去には国内外で冷却装置トラブルや落雷による大規模障害が発生した実績があり、絶対的な安全は保障されていない
- 可用性を高めるには、単一リージョンに依存せずリージョン間冗長化を検討することが推奨される
よくある質問
Q. 東日本リージョンと西日本リージョン、どちらを選ぶべきですか?
A. どちらもサービス内容は同じで、日本国内であれば通信速度の違いもほぼありません。利用者の所在地に近い方を選ぶか、あるいは冗長化のためにあえて両方を使い分ける構成も検討できます。
Q. LRSとGRS、どちらを選べばよいですか?
A. コストを抑えたい・単純なデータ保護で十分な場合はLRS、地震などの広域災害に備えてリージョンをまたいだ冗長化をしたい場合はGRS(またはより堅牢なGZRS)を選ぶのが基本的な考え方です。
Q. リージョン障害はどのくらいの頻度で発生しますか?
A. Azureは高い信頼性を誇りますが、過去には冷却装置トラブルや落雷などによる大規模障害の事例があります。頻度は低いものの、絶対に発生しないとは言い切れないため、重要なシステムではリージョン間冗長化などのリスク対策が推奨されます。
Q. 可用性ゾーンとリージョンペアの違いは何ですか?
A. 可用性ゾーンは同一リージョン内の物理的に独立した区画で、比較的近い距離に設置されています。リージョンペアは300マイル以上離れた別リージョンとの組み合わせで、より大規模な災害に対応するためのものです。
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