Azureの冗長性について

最終更新日:2026年8月10日

この記事でわかること

Azure geoレプリケーション

Azure Storageでは、データを障害や災害から保護するために常にデータのコピーが複数格納されます。geoレプリケーションとは、地理的に離れた場所にあるリージョンに同じデータをレプリケート(複製)し、災害や障害が発生した場合、複製したデータを利用してシステムの可用性・地理的冗長性を実現する仕組みです。プライマリリージョンが障害の発生などでサービスが停止した場合、代わりにセカンダリリージョンに対して読み取り操作(フェールオーバー)を実行することで、一時的/長時間にわたる問題に対処でき、継続して機能するようアプリケーションを調整することができます。フェールオーバーは自動的にMicrosoft によって制御されています。 ほとんどのAzureリージョンでは(東日本/西日本リージョン含む)、Azureストレージアカウントの手動フェールオーバーは実行できません。プライマリリージョンの問題が解決し使用可能になり次第、アプリケーションはプライマリ リージョンからの読み取りに戻すことができます。バックアップと似ていますが、バックアップはある時点の元データを複製して長期にわたって保持し障害が発生した場合に障害発生ポイントに戻ってデータを復元するのに対し、レプリケーションは元データに合わせて常に更新が行われるという違いがあります。

Azure データの冗長性

データセンター/リージョンにアクセスできなくなった場合や特定のハードウェアで障害が発生した場合でも常に使用できるように、Azureのデータはレプリケートされています。レプリケーションオプションには、さまざまなレベルの冗長性と持続性によって分けられたシナリオが用意されています。

ローカル冗長ストレージ(LRS)
Geo冗長ストレージ(GRS)
読み取りアクセスgeo冗長ストレージ(RA-GRS)
ゾーン冗長ストレージ(ZRS)
geoゾーン冗長ストレージ(GZRS)
読み取りアクセスgeoゾーン冗長ストレージ(RA-GZRS)

プライマリリージョン 冗長性

Azure Storageのデータは、プライマリリージョンで常に3回レプリケートされています。
Azure Storageでは2つのプライマリリージョンでのデータレプリケーションオプションが用意されています。

1、ローカル冗長ストレージ(LRS)

プライマリリージョンの1つの物理的な場所内で、データを同期的に3回コピーします。データセンター全体が利用できなくなった場合はデータ利用不可能になります。最も低コストな冗長性オプションであるが、耐久性の面では他オプションに劣ります。サーバーラックやドライブの障害からはデータは保護されますが、データセンター内で災害が発生した場合全てのレプリカが回復不能になる可能性があります。

2、ゾーン冗長ストレージ(ZRS)

プライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間でデータを同期的にコピーします。(可用性ゾーンとは:Azureリージョン内にある物理的に離れたデータセンターのこと)ゾーンが使用できなくなった場合でも、読み取り/書き込み操作両方でデータにアクセスが可能です。プライマリリージョンでは、一貫性、耐久性、高可用性を必要とするシナリオではゾーン冗長ストレージ(ZRS)の利用が推奨されています。

セカンダリリージョン 冗長性

プライマリリージョンから地理的に離れたセカンダリリージョンに追加でデータをコピーすることによって高可用性を高めることができます。 セカンダリリージョンにコピーを行うことで、地域全体が停電になった場合やプライマリリージョンが復旧できないような災害が発生した場合にもデータは保護されます。Azure Storageでは、セカンダリリージョンにデータをコピーするための2つのオプションが用意されています。

1、geo 冗長ストレージ (GRS)

geo冗長ストレージ (GRS)におけるデータは、ローカル冗長ストレージ (LRS) を使用してプライマリリージョンで3回(1つの物理的な場所で)同期的にレプリケートされた後、セカンダリリージョンに非同期的にレプリケートされます。セカンダリリージョンのデータへの読み取りアクセスのために、読み取りアクセスgeo冗長ストレージ (RA-GRS) を有効にします。

2、geo ゾーン冗長ストレージ (GZRS)

geoゾーン冗長ストレージ (GZRS)におけるデータは、ゾーン冗長ストレージ (ZRS) を使用してプライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間で同期的にレプリケートされた後、セカンダリリージョンに非同期的にレプリケートされます。 セカンダリリージョンのデータへの読み取りアクセスのために、読み取りアクセスgeoゾーン冗長ストレージ (RA-GZRS) を有効にします。Microsoftでは可用性と持続性を必要とする場合GZRS/RA-GZRSの使用を推奨しています。

押さえておきたいポイント

項目 Microsoft Azure AWS Google Cloud
シェア(国内) 約30% 約35% 約15%
強み Microsoft製品連携 サービス数・実績 データ分析・AI
無料枠 12ヶ月無料 12ヶ月無料 常時無料枠あり
主な資格 AZ-900 / AZ-104 CLF / SAA ACE / PCA
  • geoレプリケーションはバックアップとは異なり、元データの更新に合わせて常に複製が行われる仕組みであり、過去時点への復元にはバックアップが別途必要になる。
  • プライマリリージョン内の冗長性はLRS(低コストだが同一データセンター内のみ)とZRS(複数の可用性ゾーンに分散し可用性が高い)から選択する。
  • セカンダリリージョンまで含めた冗長性が必要な場合はGRS/GZRSを、さらにセカンダリリージョンからの読み取りアクセスも必要な場合はRA-GRS/RA-GZRSを選択する。

よくある質問

geoレプリケーションとバックアップは何が違いますか?

バックアップはある時点のデータを複製して長期に保持し、障害発生時にその時点まで復元するためのものです。一方geoレプリケーションは、元データの更新に合わせて常に複製が行われる仕組みで、過去のある時点に戻すことはできません。両者は目的が異なるため、災害対策としてはレプリケーションとバックアップを併用するのが一般的です。

ストレージアカウントの手動フェールオーバーはできますか?

ほとんどのAzureリージョン(東日本/西日本リージョンを含む)では、Azureストレージアカウントの手動フェールオーバーは実行できません。フェールオーバーは基本的にMicrosoftによって自動的に制御されます。

LRS・ZRS・GRS・GZRSはどう選べばよいですか?

コストを優先する場合はLRS、単一リージョン内で高い可用性を求める場合はZRSを選択します。リージョン単位の災害に備えたい場合はGRSまたはGZRSを選択し、セカンダリリージョンからの読み取りアクセスも必要であればRA-GRS/RA-GZRSを利用します。実際の要件(許容できるダウンタイム・コスト・データ損失許容度)に応じて選定することが重要です。

参考文献:
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/common/storage-redundancy
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/storage/common/geo-redundant-design

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