Azure ADの読み方と基本的な概要
最終更新日:2026年8月5日
目次
Azure ADの読み方
| 項目 | Microsoft Azure | AWS | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| シェア(国内) | 約30% | 約35% | 約15% |
| 強み | Microsoft製品連携 | サービス数・実績 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | AZ-900 / AZ-104 | CLF / SAA | ACE / PCA |
Microsoft社が提供しているクラウドサービスの一つである「Azure」。その読み方は「アジュール」です。「アズール」と読み間違えられることも多いですが、正しくは「アジュール」となります。
そのAzure内で利用できる機能の一つが「Azure AD」(読み方は「アジュール・エーディー」、正式名称Azure Active Directory)で、2023年7月以降は「Microsoft Entra ID(マイクロソフト・エントラ・アイディー)」という名称に変わっています。今回は読み方という基本的なことから、どういった機能を持ち何ができるサービスなのかを、名称変更の経緯も含めてご紹介します。
Azure AD(Microsoft Entra ID)とは
Azure(アジュール)上でクラウドベースの「認証」と「認可」の機能を提供しているサービスが、現在の「Microsoft Entra ID」(旧称:Azure AD/Azure Active Directory)です。
「認証」と「認可」とはどういうことか。従来の企業内システムでは一般的に社内に構築されたサーバーに全ての企業情報が管理されており、社員は出社して社内PCからそれらのデータベースにアクセスし、業務を行っていました。そこへ必要不可欠なシステムが[AD(Active Directory)]です。
ADを使用することで、社内の様々なサーバーへのアクセスを社員一人ひとりに個別のアクセス権を付与・管理せずとも一括で管理を行うことができます。これによって許可されたユーザーはサーバーごとにログインをし直す必要がなくなり、一度ログインすればドメインに参加している全ての対象サーバーへアクセス可能となる[SSO(Single Sign On):シングルサインオン]が実現しました。
しかし、様々なクラウドサービスの普及によって従来のオンプレミス(自社運用)環境だけでなく、AzureやAWSなどのクラウドサービスを利用する環境も増えたことで、オンプレミス環境とクラウド環境が混在するようになりました。これによって従来のシングルサインオンの実装が困難になったため、両者のシングルサインオンを実現するサービスとして開発されたのが「Azure AD」(現Microsoft Entra ID)です。
Microsoft Entra IDを利用する利点
従来のADの利用だけでなく、クラウドサービス上でもシングルサインオンを利用する目的と利点についてご説明します。
①パスワード管理が簡単に行える
AzureのみならずAWS(Amazon Web Services)などのクラウドサービスは、業務内容や用途によって複数を使い分けるケースが増えてきています。
その際に重要視されるのが、複雑なパスワードを異なるクラウドサービスごとに設定する点です。全て共通の同一パスワードを設定した場合、なんらかの理由でパスワードが流出した時点で、流出したサービス以外のサービスへも容易にアクセスされてしまい、セキュリティレベルが低下します。
そのため、ユーザーは常に異なるパスワードで各クラウドサービスを管理する必要があります。しかし異なるクラウドサービスへログインする度に認証作業を行う必要があり、非常に大きな手間が生じます。そこに「シングルサインオン」機能が実装されていればどうでしょうか。一度のログイン作業だけで複数のシステムが利用可能となるため、これほど効率的なものはありません。
②クラウドサービスのセキュリティレベル向上
先程も述べた通り、複数のクラウドサービスを利用しサービスの種類が増えるほどセキュリティリスクは増大します。悪意のある攻撃者は日々セキュリティの穴を探り、情報を盗む機会を窺っています。
そういった点でもシングルサインオンが活用されています。1つのパスワードでサービス全体にアクセスが可能となれば、定期的なパスワードの変更も一度で済むうえ、複雑で長いパスワードを設定する必要がある場合でも、利用している各サービスごとに管理する場合とたった一つを管理する場合とでは、運用負荷に大きな差があります。
Microsoft Entra IDの具体的な機能
ではさらに内容を掘り下げて、Microsoft Entra ID(Azure AD)にはどのような機能が備わっているかをご紹介します。
①ユーザー・グループ管理
基本的な機能で、ユーザーやグループを管理するためにMicrosoft Entra IDで認証や認可を制御するためのベース機能になります。
②アプリケーション管理
Microsoft Entra IDで認証されたユーザーに対して、特定のソフトウェアやアプリケーションへのアクセスを制御・管理するための機能です。ただし全てのアプリケーションが対象となるわけではなく、Microsoft Entra IDが対象とするものだけになります。その対象も数千種類に上るため、あまりに特殊な例を除いて対象外はほぼありません。
さらにMicrosoft Azure内のサービスに作成したWebサイトやオンプレミス環境で公開しているWebサイトへのアクセスに対してもMicrosoft Entra IDを介して行うことができます。
③デバイス管理
ユーザーが使用しているデバイス機器を登録し、許可した機器からのアクセスのみを許可する機能です。この機能を活用することで、管理者やユーザーが意図していない機器からのアクセスを遮断し、セキュリティ強化を図ることができます。
④アクセスログ
Microsoft Entra ID経由で行った認証や、ユーザーが利用しているサービスへのアクセスログを記録する機能があります。これによってWebを通じていつでもアクセスログを確認することができるため、不正なログに対して迅速に対応することができます。
⑤多要素認証(MFA)
パスワードリスト攻撃などの不正アクセスに対して、電話認証やSMS、ワンタイムパスワード等を組み合わせた二段階以上の認証方法を要求することで防御する機能です。
よくある質問(FAQ)
Q. Azure ADとMicrosoft Entra IDは同じものですか?
はい、同じサービスです。2023年7月に「Azure AD(Azure Active Directory)」から「Microsoft Entra ID」へ名称が変更されましたが、提供している認証・認可・シングルサインオンなどの機能自体に変更はありません。
Q. なぜ「Azure AD」の読み方を検索する人が多いのですか?
名称変更後も、資料やナレッジ記事、社内文書などに旧称の「Azure AD」がまだ多く残っているためです。また「AD」を含む名称のため、読み方(アジュール・エーディー)や、社内の「Active Directory」との違いを確認したい方も多く検索されています。
Q. Azureの読み方はなぜ間違えられやすいのですか?
英語のスペル「Azure」から「アズール」と読んでしまう方が多いためです。正しい読み方は「アジュール」です。海外の発音に近いカタカナ表記のため、初見では読み間違えやすい単語のひとつです。
Q. 既存のAzure ADの設定やライセンスは名称変更後も使えますか?
はい、名称変更はブランディング上のもので、既存のテナント設定・ユーザー・ライセンス・APIなどはそのまま引き継がれています。管理画面の一部URLやAPIのエンドポイント名に、移行期間として「azure ad」の表記が残っている場合もあります。
まとめ:Azure AD(Microsoft Entra ID)の読み方と概要
この記事のポイント:
- Azureの読み方は「アジュール」、Azure ADの読み方は「アジュール・エーディー」
- 「Azure AD」は2023年7月に「Microsoft Entra ID」へ正式名称が変更された(機能自体は同じ)
- クラウドベースの「認証」と「認可」を提供し、オンプレミスとクラウドを横断するシングルサインオン(SSO)を実現する
- ユーザー・グループ管理、アプリケーション管理、デバイス管理、アクセスログ、多要素認証(MFA)などの機能を持つ
- パスワード管理の簡素化とセキュリティレベル向上の両方に効果がある
よく目にする「Azure」。読み方を「アズール、アズール」と読んでおり、ふと「アジュールだよ」と指摘される機会がありまして非常に恥ずかしい思いをしました。私のような失敗をしないためにも、基本的な読み方から、Azure AD(現Microsoft Entra ID)とは何かという概要までをこの記事で確認していただければ幸いです。ここまで読んでくださってありがとうございました。
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