Azure(アジュール)ADとは

最終更新日:2026年8月6日

皆さん、「Azure(アジュール)」という言葉は聞いたことはないでしょうか? IT業界に携わっている多くの方は聞いたことがあるでしょう。簡単に解説すると「Azure(アジュール)」は「クラウドサービス」です。「クラウド」とは「クラウドコンピューティング」の事で、インターネットを経由して別のコンピューターが持っているメールサービスや文章作成サービス、ストレージ、サーバーなどを利用することができるサービスの事です。この記事ではAzureの中の「Azure AD(現:Microsoft Entra ID)」について解説していきます。

Azureとは

2008年10月に「Windows Azure」が発表され、2010年2月に正式リリースされました。2014年3月に「Microsoft Azure」へと名称変更し、現在も世界中でサービスを提供しています。「Azure」の読みは「アジュール」で、英語で「青空」という意味があります(英語圏では「アジュア」とも発音されます)。

AD(Active Directory)とは

AD(Active Directory)は企業の情報漏洩防止対策やセキュリティのために導入されるものです。Windows Serverの機能の一つで、管理するネットワーク上に存在するさまざまなリソースや利用者の情報・権限などを一元管理します。主に社員のアカウント/IDやIT資産の管理に用いられます。

数台のPCならADがなくても管理は容易ですが、数百台のPCへのユーザーアカウントの追加・変更となると管理者は相当な手間と時間を要します。ADを導入していると追加・変更作業が一元化できるため、管理するPCが増えれば増えるほど、ADの有効性が高まります。

ADの主な機能:

  • ユーザーアカウントの一元管理(追加・変更・削除)
  • アクセス権限の管理
  • ソフトウェアの管理
  • プリンターなど接続機器の管理
  • 操作ログの取得

Azure AD(Microsoft Entra ID)とは

「Azure AD」は上で説明した「Azure」と「AD」を組み合わせたクラウド型のID管理サービスです。2022年に「Microsoft Entra ID」へ改称されましたが、機能・料金体系に変更はありません。

かつてはADをオンプレミスで運用しなければなりませんでしたが、「Azure AD」の登場により認証・認可もクラウドで運用できるようになりました。ただし、オンプレミスADのすべての機能をAzure ADでサポートすることはできないため、注意が必要です。

シングルサインオン(SSO)機能

「Azure AD」には「シングルサインオン(SSO)」機能が実装されています。シングルサインオンとは、1度のパスワード認証で複数のWebサイトやクラウドサービスにアクセスする機能のことです。

シングルサインオンのメリット:

  • 1度の認証で複数サービスにアクセス → パスワード管理の負担を軽減
  • サービスごとに別々のパスワードを管理する必要がなくなる
  • パスワード漏洩時の被害範囲を限定しやすくなる
  • 管理者側のアカウント管理工数が削減できる
  • 利便性の向上とセキュリティリスクの両立が可能

ADとAzure ADの統合方法

オンプレミスの「AD」と「Azure AD」を統合させるには、「Azure AD Connect(現:Microsoft Entra Connect)」という統合ツールを使用します。Microsoft公式サイトよりダウンロードして設定することで、オンプレミスADから Azure ADへアカウント情報を同期できるようになります。

統合することで:

  • オンプレミスとクラウドの両方を1つのIDで管理できる
  • どちらの環境でも同じIDとパスワードでサインインできる
  • ユーザーの管理負担が大幅に軽減される

詳細なカスタムインストール手順はMicrosoft公式ドキュメント(Microsoft Learnのhybridセクション)を参照してください。

ADとAzure ADの機能比較

比較項目 オンプレミスAD Azure AD
ユーザー管理
クラウドSaaS連携 △(追加設定要) ◎(標準対応)
シングルサインオン △(社内ネットワークのみ) ◎(インターネット経由)
グループポリシー ◎(完全サポート) △(一部未対応)
多要素認証(MFA) △(追加設定要) ◎(標準搭載)
初期費用 高い(サーバー等) 低い(無料プランあり)

よくある質問(FAQ)

Q. Azure ADとMicrosoft Entra IDは同じサービスですか?
A. はい、同じサービスです。2022年にMicrosoftがブランド名を変更し「Azure Active Directory(Azure AD)」から「Microsoft Entra ID」になりました。機能・料金体系・設定方法は変わらず、既存ユーザーへの影響もありません。ドキュメントや管理画面では両方の名称が混在していることがありますが、同一サービスです。
Q. Azure ADは無料で使えますか?
A. 基本的なユーザー管理・シングルサインオン機能はAzure AD Freeプランで無料利用できます。多要素認証・条件付きアクセス・Identity Protectionなど高度な機能はAzure AD Premium P1/P2プランが必要です。Microsoft 365 E3/E5にはAzure AD Premiumが含まれる場合もあります。
Q. Azure ADを導入すると、既存のオンプレミスADはどうなりますか?
A. 既存のオンプレミスADを廃止せずに、Azure AD Connectで同期して「ハイブリッドID環境」として併用できます。段階的にクラウドへ移行することも可能です。すべての機能が移行できるわけではないため(グループポリシー等はオンプレミスのみ対応)、移行前に機能要件を確認することをおすすめします。
Q. Azure ADのシングルサインオンはどのサービスに対応していますか?
A. Microsoft 365・Teams・OneDriveなどのMicrosoftサービスはもちろん、Salesforce・Google Workspace・Slackなど数千以上のSaaSアプリケーションに対応しています。SAMLやOAuth 2.0などの標準プロトコルをサポートするアプリであれば、カスタム統合も可能です。

まとめ

Azure AD(Microsoft Entra ID)についてのポイントをまとめます。

  • Azure AD(現:Microsoft Entra ID)はMicrosoftが提供するクラウド型ID管理サービス。オンプレミスADの機能をクラウドで実現する
  • シングルサインオン(SSO)により、1度の認証で複数のクラウドサービスにアクセスでき、管理の手間とセキュリティリスクを低減
  • オンプレミスADとAzure ADは「Azure AD Connect」で同期でき、段階的な移行が可能。完全移行しなくてもハイブリッド運用ができる
  • 多要素認証・条件付きアクセスなどの高度なセキュリティ機能も搭載。テレワーク推進にも有効
  • 基本機能は無料プランで利用可能。まずは無料で試してから本格導入を検討するのがおすすめ

▼ アクロビジョンについて

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