Azure AIを用いた感情分析
最終更新日:2026年8月12日
この記事でわかること
はじめに
| 項目 | Microsoft Azure | AWS | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| シェア(国内) | 約30% | 約35% | 約15% |
| 強み | Microsoft製品連携 | サービス数・実績 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | AZ-900 / AZ-104 | CLF / SAA | ACE / PCA |
皆さんはAIの感情分析についてどのようなイメージを持っているでしょうか。ここではAzureのAIのサービスである感情分析について詳しく見ていきます。
【要注意】本記事で紹介している顔画像からの感情分析機能は、現在は大幅に利用制限されています
Microsoftは「責任あるAI(Responsible AI)」の方針に基づき、Face APIなど顔分析系サービスから、感情・年齢・性別などの属性を推測する機能を段階的に廃止しました。新規に契約したユーザーはこれらの属性を取得できず、既存ユーザーも移行期間終了後は利用できなくなっています。本記事で紹介している「8つの感情を分析する」機能は、現在のAzureでは基本的に利用できない点にご注意ください。感情の傾向を把握したい場合は、テキストの感情分析(Azure AI LanguageのSentiment Analysis機能)など、代替のAIサービスの利用をご検討ください。
Microsoft Azure AI services(旧Cognitive Services)とは
Azureの公式サイトによると、Azure AI services(旧称:Cognitive Services。2023年に名称変更されています)は「人間の認知(Cognitive)機能の一部をWeb APIとして利用できるAIパーツ」となっています。これだけ聞くと何だか凄いような、複雑そうでよくわからないようなそんな印象を受けるのではないでしょうか。人間は物事やモノを認知するために見たり聞いたりしますよね?Azure AI servicesも同じように音声、言語、視覚、Web検索、決定といった複数のカテゴリで、人間の機能に基づいたサービスを提供しています。カテゴリごとに提供されるサービスが異なりますが、提供サービスの数や名称は随時見直されているため、最新の一覧はAzure公式サイトでご確認ください。次は各カテゴリでどのようなサービスが提供されているのか見ていきましょう。
音声
音声処理を主とし複数のサービスを提供しています。例に2つご紹介します。
・Speech to Text
音声を認識しテキストに書き起こします。
・Text to Speech
テキストをリアルな音声に変換します。
言語
テキストから意味を取り出す、翻訳を主とし、複数のサービスを提供しています。例に2つご紹介します。
・Conversational Language Understanding(旧Language Understanding/LUIS)
自然な言語を認識しデバイスに組み込みます。以前は「Language Understanding(LUIS)」という名称でしたが、現在はAzure AI Languageの機能「Conversational Language Understanding(CLU)」に統合・移行されています。
・Translator
60を超える言語のサポートを可能とし、翻訳します。
視覚
画像、ビデオの分析を主とし、複数のサービスを提供しています。例に2つご紹介します。
・Face API
顔を認識し、ポーズなどの分析をします(感情・年齢・性別などの属性推測は前述の通り現在は制限されています)。後述しますがFaceがこの記事のメインとなるサービスです。
・Video Indexer
音声、映像の分析をし、インデックスの設定もできます。
Web検索
Web上での検索を主とするカテゴリとして、かつては複数のサービスが提供されていました。例に2つご紹介します。
・Bing Autosuggest
ユーザーが検索したいワードを全て入力し切る前に予測で候補を挙げます。
・Bing News Search
ニュースを検索するリソースを作成します。
【要注意】Bing Search API群はすでに提供終了しています
Bing Autosuggest、Bing News Searchを含む「Bing Search API」シリーズは、Microsoftのアナウンスに基づき2025年8月11日をもって完全に提供終了しています。現在Azure AI servicesのWeb検索カテゴリとしては新規に利用できません。同等機能が必要な場合は、他のWeb検索API・サービスの利用をご検討ください。
決定
問題が起こる前に分析、提示することを主とし、複数のサービスを提供しています。例に2つご紹介します。
・Anomaly Detector
APIを介して時系列データを最適な状態に保つためのサポートをします。提供状況や提供形態は変更される場合があるため、利用時はAzure公式サイトで最新情報をご確認ください。
・Content Moderator
ユーザーが不快に感じるコンテンツに制限をかけることができます。
Azure AI servicesまとめ
ここまで各カテゴリがどのようなことをサポートしてくれるかざっくりまとめさせていただきました。便利な機能がたくさんありましたね。次は先ほどご紹介させていただいた記事のメイン「Face API」について詳しく見ていきたいと思います。
顔、感情分析ツール「Face API」とは
Face APIはAzure AI servicesの視覚カテゴリに該当するサービスで、画像データから顔の位置や特徴点などの情報を取得できます。また人物の画像データをあらかじめ登録しておくことで肌の色や骨格、顔のパーツから個人の特定も可能です。なお、感情・年齢・性別などの属性を推測する機能は、責任あるAIの方針により現在は新規利用ができません(詳細は冒頭の注記をご参照ください)。顔の読み取りには「Face – Detect」、個人の特定には「Face – Identify」を使用します。
顔、感情分析ツール「Face API」の利用方法
Face APIを利用するにはAzureアカウントを作成する必要があります。Azureへのログインが完了したらAzure portalからサービスのセットアップをします。キー(鍵)を取得しなければいけないので、デプロイが終わったらKeysの項目からキーを表示、取得してください。この時2つのキーが表示されますのでどちらかを控えます。実行の際にサンプルプログラムのsubscription keyという部分に先ほど控えたキーを置き換えて使用します。
画像を用いた分析方法
このサービスは初心者でも簡単に触れることができるようにAzure公式でソースコードを公開しています。Face APIクイックスタートからソースコードをコピーして上記のようにキーを置き換え、分析したい画像データ(URL)を入力すれば顔の分析準備完了です。サンプルコードはJava、JavaScript、C#、PHP、Python、Rubyなど様々な言語をサポートしています。
ビデオを用いた分析方法
ビデオでの分析は残念ながら完璧にリアルタイムでというわけにはいきません。若干のタイムラグは発生してしまいます。「ビデオを分析」と言ってもフレームごとの画像をキャプチャし分析するので結局は画像の分析と仕組みは大体同じです。フレームごとの画像をキャプチャするツールは沢山ありますがWindowsならばフォトでもキャプチャすることができます。
分析できる感情
本来のFace APIでは、サンプルコードをそのままコピペしただけでも8つの感情(「怒り」「軽蔑」「嫌悪」「恐れ」「幸せ」「通常」「悲しみ」「驚き」)を、0.0〜1.0の間の数値で分析することができました。しかし前述の通り、Microsoftの責任あるAIの方針により、この感情推測機能は現在新規には利用できません。髭の有無やメガネの有無、アクセサリーの有無など、属性推測に関わらない一部の分析機能については、提供状況が変更される場合があるため、利用前にAzure公式サイトで最新の提供範囲をご確認ください。
押さえておきたいポイント
- Face APIをはじめとする顔分析サービスは、責任あるAIの方針により感情・年齢・性別などの属性推測機能が制限されており、本記事の内容をそのまま試すことはできない点に注意する。
- サービス名称やカテゴリ構成(Cognitive Services→Azure AI services、LUIS→Conversational Language Understanding等)は変更されることがあるため、実装前にAzure公式ドキュメントで最新の名称・提供状況を確認する。
- テキストベースの感情分析が必要な場合は、Azure AI LanguageのSentiment Analysis機能など、現在も提供されている代替サービスの利用を検討する。
よくある質問
Q. Face APIで顔画像から感情を分析することはもうできませんか?
A. 新規に契約したユーザーは、Face APIで感情・年齢・性別などの属性を取得することはできません。これはMicrosoftの責任あるAIの方針に基づく制限で、既存ユーザーの移行期間もすでに終了しています。顔の検出や個人特定など、属性推測を伴わない一部の機能は引き続き提供されています。
Q. Azure Cognitive ServicesとAzure AI servicesは何が違いますか?
A. 名称が変更されただけで、提供される機能群の系譜は同じです。2023年にMicrosoftがブランドを「Azure Cognitive Services」から「Azure AI services」に統一しました。個別サービス名(Azure AI Vision、Azure AI Languageなど)も合わせて変更されているものがあります。
Q. テキストの感情分析をAzureで行うにはどうすればいいですか?
A. Azure AI Languageに含まれる「Sentiment Analysis(感情分析)」機能を利用することで、テキストのポジティブ・ネガティブ・ニュートラルといった感情の傾向を分析できます。顔画像ではなくテキストデータを対象とする点が、本記事のFace APIとは異なります。
終わりに
ここまでAzureの顔、感情分析について見てきましたがいかがだったでしょうか。AIなので自動で学習したりということもできますし、可能性は無限大です。もしAIの音声認識や視覚認識で人間の感情がわかるようになれば、言葉を話せない人や、感情を上手く表に出せない人の助けになります。感情のやりとりを機械を通して行うなんてまるでSFの世界のような話ですが近い未来そんな日が来るかもしれませんね。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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