Azure上でCitrixを利用する場合のメリットと価格について

最終更新日:2026年8月10日

この記事でわかること

マイクロソフト社が提供するクラウドプラットフォーム「Azure」。
今回はAzure上でCitrix Virtual Apps and Desktops(旧称:Citrix XenDesktop)を利用する場合のメリットと価格についてご紹介いたします。

【要注意】製品名・サービス名が変更されています
本記事で紹介している「Citrix XenDesktop」は2018年に「Citrix Virtual Apps and Desktops」へ製品統合・改称されています。また、記事内で言及している「WVD(Windows Virtual Desktop)」は2021年に「Azure Virtual Desktop(AVD)」へ名称変更されました。現行の正式名称は「Citrix Virtual Apps and Desktops」「Azure Virtual Desktop」です。

Azureとは?

項目 Microsoft Azure AWS Google Cloud
シェア(国内) 約30% 約35% 約15%
強み Microsoft製品連携 サービス数・実績 データ分析・AI
無料枠 12ヶ月無料 12ヶ月無料 常時無料枠あり
主な資格 AZ-900 / AZ-104 CLF / SAA ACE / PCA

Azureとはマイクロソフト社が提供する「クラウドプラットフォーム」のことです。
仮想マシンをクラウド上に作成・利用したり、仮想マシンのOS自体をマイクロソフト社が管理してもらうサービスなどを提供しています。
世界各国に多数のリージョン(拠点)を持ち、膨大なサーバが設置されています。また、強力なWANバックボーンを持っているため、国内外を問わず多くの方が利用されています(正確なリージョン数は年々拡大しているため、最新情報はAzure公式サイトでご確認ください)。

また、Azureには大きく分けて2種類のサービスがあります。

Azure IaaS

「Azure IaaS」とは仮想マシンをクラウド上にインターネット経由で作成、利用するサービスです。
「IaaS」とは『Infrastructure as a Service』の略称になります。
サービスの内容としては、仮想化レイヤーより下のサーバーやストレージ、ネットワークといったインフラストラクチャをマイクロソフト社が管理する機能が含まれています。

Azure PaaS

「Azure PaaS」もAzure IaaSと同様に仮想マシンをクラウド上にインターネット経由で作成、利用するサービスです。
「PaaS」とは『Platform as a Service』の略称になります。
Azure IaaSと異なる点としては、Azure IaaSがインフラストラクチャをマイクロソフト社が管理するのに対し、Azure PaaSはインフラストラクチャに加え、Webアプリケーション開発のライフサイクルに対応するように、ミドルウェアや開発ツール、ビジネスインテリジェンスサービス、データベース管理サービスなどがサービスに加わります。

Citrixとは?

この記事でCitrixと呼ぶのはCitrix社が提供する仮想環境を構成するための専用ソフトウェア「Citrix Virtual Apps and Desktops」(旧称:Citrix XenDesktop)のことを指します。
Citrix Virtual Apps and Desktopsは「Virtual Desktop Infrastructure(VDI)」と呼ばれる方式を提供するソフトウェアになっており、サーバー上で稼働中の仮想インフラ上にWindows OSの仮想マシンを構成します。
そうすることでそのデスクトップやアプリケーションの画面をシンクライアントへ転送し、ユーザーはネットワーク経由で利用が可能になるという特徴があります。
また、Citrix Virtual Apps and Desktopsは以下のようなコンポーネントから構成されています。

Delivery Controller

Delivery Controllerはこのソフトウェアの中核となるコンポーネントで、サイト構成データベースに構成情報や設定情報を格納しています。管理者はCitrix StudioやCitrix Directorといった管理用のツールを利用して、設定や運用の管理を行うことができます。

StoreFront

StoreFrontは仮想デスクトップまたは仮想アプリケーションにアクセスするためのコンポーネントです。利用者はStoreFrontポータルにアクセスし認証を受けると利用可能なデスクトップやアプリケーションの情報が提供されます。
利用者はポータル画面に表示されたアイコンをクリックすることでデスクトップやアプリケーションにアクセスすることが可能です。

Citrix Workspaceアプリ

Citrix Workspaceアプリ(旧称:Citrix Receiver)は接続する端末にインストールすることで仮想デスクトップにアクセスするためのモジュールです。Windows・macOS・iOS・Androidなど様々なOS用アプリが用意されており、
好きなデバイスを利用して仮想デスクトップや仮想アプリケーションにアクセスすることが可能になります。

HDX

HDXは仮想デスクトップの仕組み上重要なパフォーマンスを向上させるためのコンポーネントです。画像転送用の独自プロトコル「ICA」を中心に周辺機器や動画・音声データなどのコンテンツ通信の
パフォーマンスを最適化してくれます。

Citrix on Azureとは?

Citrix on Azureとはインフラ基盤となるAzure上にCitrix Virtual Apps and DesktopsのVDIを構築することにより、Microsoft 365やWindowsのアプリケーションをセキュリティが強固で利便性の高いソリューションとして利用できる仕組みです。
Citrix on Azureのメリットは利用者からのリクエストをクラウド上で処理し、処理結果画面がイメージとして利用者に返却されるためデバイス上にデータが残らないことです。
これにより、情報漏洩を防ぐことやOS・アプリケーションを集中管理することによる運用負荷の軽減や運用コストの削減が期待できます。

Citrix on Azureの価格について

Citrix Virtual Apps and Desktopsを利用し、Azure Virtual Desktop(旧称:Windows Virtual Desktop/WVD)のワークロードをAzureでD4v2インスタンスを実行した場合の価格を例としてご紹介します。
Citrix on Azure1台の仮想マシンインスタンスあたりのセッション数が増加すると必要な仮想マシンの台数も下がるため、月額価格も下がる傾向にあります。
参考値として、Azure上のD4v2インスタンスの平均価格は月額約51,030円という試算がありました。
ただし、これは特定時点・特定条件下での参考値であり、様々な利用環境の条件や為替、VMシリーズの世代(D4v2は旧世代のシリーズであり、現在はDsv5シリーズなど新世代への移行が進んでいます)によって価格は変動します。最新料金はAzure公式サイトの料金計算ツールでご確認ください。

押さえておきたいポイント

  • 「Citrix XenDesktop」は現在「Citrix Virtual Apps and Desktops」に、「WVD(Windows Virtual Desktop)」は現在「Azure Virtual Desktop(AVD)」に改称されている。導入検討時は最新の正式名称でドキュメントを検索すること。
  • Citrix on Azureは処理結果画面のみを端末に転送する方式のため、端末側にデータが残らず情報漏洩対策として有効。OS・アプリケーションの集中管理による運用負荷軽減も見込める。
  • 料金は仮想マシンのVMシリーズ・インスタンスサイズ・セッション密度・利用時間によって大きく変動するため、契約前に必ずAzure公式の料金計算ツールで見積もりを取ること。

よくある質問

Citrix XenDesktopとCitrix Virtual Apps and Desktopsは何が違いますか?

基本的には同じ製品系統です。2018年にCitrix XenAppとXenDesktopが統合され、「Citrix Virtual Apps and Desktops」という名称に変更されました。機能面でも大きな進化が続いているため、現行製品名で情報を探すことをおすすめします。

Azure Virtual Desktop(AVD)とCitrix on Azureはどちらを選ぶべきですか?

Azure Virtual DesktopはMicrosoft純正のVDIサービスで比較的シンプルに導入できます。Citrix on Azureはこれに加えてCitrixのHDXプロトコルによる高度な配信最適化や、マルチクラウド・ハイブリッド環境での柔軟な管理機能が強みです。既存でCitrix環境の運用ノウハウがある企業や、より高度な配信制御が必要な企業にはCitrix on Azureが向いています。

Citrix on Azureの料金はどこで確認できますか?

Azure公式の料金計算ツールや、Citrixの公式サイト・販売パートナーへの見積もり依頼で確認できます。仮想マシンのスペックやライセンス体系、セッション数の設計によって費用は大きく変わるため、本記事の金額はあくまで参考値としてご覧ください。

まとめ

今回はCitrix on Azureを利用する場合のメリットと価格についてご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか?
CitrixとAzureを合わせて利用する事でそれぞれの良いところを全面的に利用できる非常に有用な利用方法であると感じました。
この記事を読んでくださった方にCitrix on Azureの魅力が少しでも伝われば幸いです。

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