Azure Database for PostgreSQLの利用価格

最終更新日:2026年8月5日

はじめに

項目 Microsoft Azure AWS Google Cloud
シェア(国内) 約30% 約35% 約15%
強み Microsoft製品連携 サービス数・実績 データ分析・AI
無料枠 12ヶ月無料 12ヶ月無料 常時無料枠あり
主な資格 AZ-900 / AZ-104 CLF / SAA ACE / PCA

読者の皆様は「Azure Database for PostgreSQL」という言葉をご存知でしょうか。データベースを触れたことがある方は「PostgreSQL」というデータベースは知っているのではないでしょうか。本稿はMicrosoft社が提供しているAzure Database for PostgreSQLの特徴や料金体系について紹介していきます。

なお、Azure Database for PostgreSQLには「Single Server」「Flexible Server」という2つの提供形態がありましたが、Single Serverはすでに廃止されており、現在新規に利用できるのはFlexible Serverのみです。本稿では旧来のSingle Serverの料金情報を参考情報として残しつつ、現行のFlexible Serverの特徴・料金体系・移行方法について解説します。

Azure Database for PostgreSQLとは?

Azure Database for PostgreSQLとは、開発者向けのリレーショナルデータベースです。オープンソースであるPostgreSQLを元に構築されたマネージドサービスで、Azure Database for PostgreSQLは以下のような点で優れています。

  • 従量課金制なので余分なコストがかからない。
  • 1年間または3年間単位で予約することで料金を大幅にカットできる。
  • ストレージの自動拡張機能により読み取り専用になることを防ぐことができる。
  • 数十秒〜数分で垂直スケーリング(コンピューティングの変更)を行うことができる。
  • 高可用性(HA)構成やプライベートエンドポイントによるネットワーク制御にも対応している。

重要:Single Serverは廃止済み、Flexible Serverへの移行が必要です

⚠️ ご注意:Azure Database for PostgreSQLの旧提供形態である「Single Server」は既に廃止(Retirement)されています。Microsoft公式ドキュメントでもSingle Server関連ページはすでに削除・統合されており、Azure Portalから新規にSingle Serverを作成することはできません。以前から稼働している既存のSingle Serverインスタンスについても、後継の「Flexible Server」への移行が必要です。これから新規にAzure上でPostgreSQLを利用する場合は、最初からFlexible Serverを選択してください。

本稿の以下「(参考)Single Serverの料金体系だった内容」のセクションは、過去にSingle Serverが提供されていた際の料金情報を歴史的な参考情報として残しているものです。現在の実際の課金には適用されませんので、最新の料金・仕様は必ずFlexible Serverの情報(本稿「Flexible Serverの特徴と料金体系」)をご確認ください。

(参考)Single Serverの料金体系だった内容

以下は廃止前のSingle Serverの料金体系(東日本地域)です。現在は新規契約できないため、あくまで参考情報としてご覧ください。

Basic型

スペック

2.3 GHz Intel E5-2673 v4 (Broadwell)をベースとしていました。

仮想コア メモリ 従量課金制(1時間あたり)
1 2 5.824円
2 4 11.648円

ストレージ

ストレージは最大1TBまで拡張できました。

料金(GB/月あたり)
13.44円

バックアップ

バックアップストレージ量が拡張されたストレージ量を超えた場合、追加料金が発生していました。

料金(GB/月あたり)
ローカル冗長 13.44円

汎用型

スペック

2.3 GHz Intel E5-2673 v4 (Broadwell)をベースとしていました。

仮想コア メモリ 通常・従量課金制(1時間あたり) 1年予約・従量課金制(1時間あたり) 3年予約・従量課金制(1時間あたり)
2 10 28.426円 17.8999円(37%off) 12.7434円(55%off)
4 20 56.852円 35.7997円(37%off) 25.4868円(55%off)
8 40 113.703円 71.5994円(37%off) 50.9735円(55%off)
16 80 227.405円 143.1988円(37%off) 101.9469円(55%off)
32 160 454.810円 286.3975円(37%off) 203.8938円(55%off)
64 320 909.620円 572.7949円(37%off) 407.7876円(55%off)

ストレージ

ストレージは最大16TBまで拡張できました。

料金(GB/月あたり)
15.456円

バックアップ

バックアップストレージ量が拡張されたストレージ量を超えた場合、追加料金が発生していました。

料金(GB/月あたり)
ローカル冗長 13.44円
地理冗長 26.88円

高パフォーマンス型

スペック

2.3 GHz Intel E5-2673 v4 (Broadwell)をベースとしていました。

仮想コア メモリ 通常・従量課金制(1時間あたり) 1年予約・従量課金制(1時間あたり) 3年予約・従量課金制(1時間あたり)
2 20 31.764円 21.4032円(33%off) 14.8132円(53%off)
4 40 63.527円 42.8064円(33%off) 29.6263円(53%off)
8 80 127.053円 85.6128円(33%off) 59.2525円(53%off)
16 160 254.106円 171.2256円(37%off) 118.5050円(55%off)
32 320 508.212円 342.4512円(37%off) 237.0100円(55%off)

ストレージ

ストレージは最大16TBまで拡張できました。

料金(GB/月あたり)
15.456円

バックアップ

バックアップストレージ量が拡張されたストレージ量を超えた場合、追加料金が発生していました。

料金(GB/月あたり)
ローカル冗長 13.44円
地理冗長 26.88円

Flexible Serverの特徴と料金体系

現在Azure上でPostgreSQLを利用する場合はFlexible Server一択となります。Flexible Serverはコンピューティングとストレージが分離課金される点はSingle Serverと同様ですが、コンピューティング階層の選択肢が拡充され、より柔軟な構成が可能になっています。

コンピューティング階層

階層 特徴 主な用途
バースト可能(Burstable) 普段は低いCPU使用率で、必要な時にバーストできる。Single Serverにはなかった新しい階層で、最も安価に利用できる 開発・検証環境、負荷が軽い小規模ワークロード
汎用(General Purpose) CPUとメモリのバランスが取れた構成 一般的な業務システム
メモリ最適化(Memory Optimized) CPUに対してメモリ比率が高い構成 大規模データセットを扱う高性能ワークロード

料金モデル

  • 従量課金制(Pay-as-you-go):長期契約なしで使った分だけ支払う
  • 予約インスタンス(1年/3年):あらかじめ利用期間を確約することで料金の割引を受けられる
  • ストレージ課金:コンピューティングとは別にGB/月単位で課金される
  • バックアップ:既定の保持期間(7〜35日で設定可能)内は無料、それを超える追加保持や地理冗長バックアップは別途課金

Single Serverと同様、東日本リージョンを含む日本国内リージョンにも対応しています。具体的な仮想コア数・メモリ容量ごとの円建て料金は為替や改定により変動するため、本稿では固定の金額を掲載していません。最新の金額は、Azure公式サイトの料金ページまたは料金計算ツールで必ずご確認ください(地域と通貨の初期値が米国東部・米ドルになっている場合があるため、東日本・日本円への変更を忘れずに行ってください)。

Single Serverとの主な違い

項目 Single Server(廃止済み) Flexible Server(現行)
提供状況 廃止・新規作成不可 現行提供中
コンピューティング階層 Basic/汎用/高パフォーマンス バースト可能/汎用/メモリ最適化
安価な検証用途 Basic型のみ バースト可能階層でさらに柔軟に選択可能
メンテナンス時間の指定 不可 可能
可用性ゾーン配置 非対応 ゾーン冗長HAに対応

Single ServerからFlexible Serverへの移行の進め方

まだSingle Serverを利用中の場合は、以下のような流れで移行を検討してください。

  1. 移行前の互換性確認:拡張機能(Extensions)やPostgreSQLのバージョンがFlexible Serverでサポートされているか確認する
  2. 移行方法の選定:Microsoftが提供する移行ツール(Single Server→Flexible Server向けの移行機能)や、オフライン/オンライン移行のいずれかを利用する
  3. ネットワーク・認証設定の見直し:VNET統合やプライベートエンドポイントなど、Flexible Server側の接続方式に合わせて設計し直す
  4. ダウンタイムを考慮したスケジューリング:業務影響が少ない時間帯を選んで移行作業を実施する
  5. 移行後の性能・接続確認:アプリケーションからの接続文字列の更新、クエリ性能の検証を行う

移行作業は本番データベースに影響するため、事前に検証環境での移行リハーサルを行うことを強く推奨します。

よくある質問(FAQ)

Q. Single Serverはいつ廃止されましたか?今も使えますか?

Azure Database for PostgreSQL Single Serverはすでに廃止されており、Microsoft公式ドキュメントからもSingle Server関連ページが削除されています。Azure Portalから新規に作成することはできません。既存の稼働中インスタンスがある場合も、早めにFlexible Serverへの移行が必要です。

Q. Single ServerとFlexible Serverの料金体系はどう違いますか?

両者ともコンピューティングとストレージが分離課金される点は共通ですが、Flexible Serverではより安価な「バースト可能」階層が新たに追加されており、開発・検証用途などではSingle Serverの構成よりコストを抑えられる可能性があります。

Q. Single ServerからFlexible Serverへの移行方法は?

Microsoftが提供する移行ツールやAzure Database Migration Serviceを利用し、オフライン移行・オンライン移行のいずれかを選択して移行します。事前の互換性確認とダウンタイムを考慮したスケジューリングが重要です。詳しくは本稿「Single ServerからFlexible Serverへの移行の進め方」をご覧ください。

Q. Flexible Serverの最も安い構成はどれくらいの費用ですか?

「バースト可能」階層の最小構成が最も安価な選択肢になります。具体的な金額は為替・料金改定により変動するため、Azure公式サイトの料金ページまたは料金計算ツールで最新の金額をご確認ください。

Q. 移行時にダウンタイムは発生しますか?

オフライン移行の場合は移行作業中にダウンタイムが発生します。業務影響を最小限にしたい場合はオンライン移行(レプリケーションを利用した移行)の利用を検討してください。いずれの方式でも、事前に検証環境でのリハーサルを行うことを推奨します。

まとめ:Azure Database for PostgreSQLの利用価格

この記事のポイント:

  • Azure Database for PostgreSQLはオープンソースPostgreSQLをベースにしたマネージドリレーショナルデータベースサービス
  • 旧提供形態の「Single Server」はすでに廃止されており、新規作成は不可
  • 現在利用できるのは後継の「Flexible Server」のみで、バースト可能/汎用/メモリ最適化の3階層から選択できる
  • 料金は従量課金制のほか、1年・3年の予約による割引が利用できる
  • 既存のSingle Serverを利用中の場合は、互換性確認・移行方法の選定・ダウンタイム計画を踏まえた上で早めにFlexible Serverへ移行する必要がある

本稿ではAzure Database for PostgreSQLの特徴と、廃止されたSingle Serverの料金体系(参考情報)、および現行のFlexible Serverの特徴・料金体系・移行方法について紹介してきました。Azure公式サイトの料金計算ツールを利用すれば、構成に応じた利用料金のシミュレーションを行うことができます。*地域と通貨の初期値が米国東部と米ドルになっているので注意してください。

本稿が皆様のお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございます。

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