Azure Media Servicesの機能とメリットについて

最終更新日:2026年8月10日

この記事でわかること

【要注意】Azure Media Servicesは提供終了しています
本記事で紹介している「Azure Media Services」は、Microsoftにより2024年6月30日をもって提供が終了(retire)しました。現在は新規契約・新規利用ができません。これから動画配信環境を構築する場合は、Azure Media Servicesパートナープログラムに参加している動画配信ベンダー各社のソリューションや、用途に応じたAzureの他サービス、サードパーティの動画配信プラットフォームの利用をご検討ください。以下の内容は、同サービスが提供されていた当時の仕組みを解説する参考情報としてお読みください。

マイクロソフト社が提供するクラウドプラットフォーム「Azure」。
今回はAzureのサービスの一部であった「Azure Media Services」の機能とメリットについてご紹介いたします。

Azureとは?

項目 Microsoft Azure AWS Google Cloud
シェア(国内) 約30% 約35% 約15%
強み Microsoft製品連携 サービス数・実績 データ分析・AI
無料枠 12ヶ月無料 12ヶ月無料 常時無料枠あり
主な資格 AZ-900 / AZ-104 CLF / SAA ACE / PCA

Azureとはマイクロソフト社が提供する「クラウドプラットフォーム」のことです。
仮想マシンをクラウド上に作成・利用したり、仮想マシンのOS自体をマイクロソフト社に管理してもらうサービスなどを提供しています。
世界中に多数の拠点を持ち、膨大なサーバーが設置されています(拠点数は年々増加しているため、最新の拠点数・提供リージョンはAzure公式サイトでご確認ください)。また、強力なWANバックボーンを持っているため、国内外を問わず多くの方が利用されています。

Azure Media Servicesとは?

Azure Media Servicesとはマイクロソフト社のクラウドプラットフォーム「Azure」が提供していた動画配信用プラットフォームサービスです。
近年個人で動画配信を行う方が増えてきていますが、実は個人で動画配信環境を1から構築するとなると、大容量のストレージやサーバー、広帯域ネットワークだけでなく、
動画ファイルのエンコードやコーデックの準備、コンテンツの保護、多様なデバイスへの対応など非常にやることが多く大変な作業になります。
Azure Media Servicesを利用することにより、こういった作業を行うことなく動画の編集作業や配信に必要な環境を構築することができました。

動画配信に関する知識

今では生活の一部になっている動画配信ですが、ここで動画配信サービスに関する基礎知識をご説明いたします。

動画配信方法

動画配信を行う方法は3種類あります。まず一つ目は「プログレッシブ方式」と呼び、動画ファイルを端末に保存しつつ再生する方式です。この方式だとダウンロードが間に合わないと再生できず停止します。
二つ目は「ストリーミング方式」と呼び、プログレッシブ方式とは異なり、動画を端末に保存せず、あらかじめ分割された動画ファイルを受信・再生します。ダウンロードが間に合わなくても再生時間は進み続けますが、
画質の低下や映像の欠落が発生します。最後に「アダプティブストリーミング方式」と呼ばれる方式があります。こちらは端末の受信状況に合わせてビットレートを変更させることができ、現在の動画配信では主流の方式となっています。

ストリーミングプロトコル

ストリーミングを行うための規格は国際標準規格である「MPEG-DASH」をはじめ、Apple社が策定した「HLS」Adobeが策定した「HDS」
そしてマイクロソフト社が策定した「Smooth Streaming」など複数存在します。
注意点として、これらは動画ファイルを小さくした「セグメントファイル」と「プレイリスト」の形式の違いを指します。

コーデック

コーデックとは動画ファイルを100分の1ほどに圧縮するアルゴリズムのことを指します。
主な種類として、「WMV」や「MPEG-4」、「H.264」などがあります。

コンテンツ保護方式

デジタルデータの複製や再利用を防ぐ技術としてDRM(Digital Rights Management)というものがあります。
これは暗号化されたデータを特定のプレイヤーでのみ再生させるようにする技術です。マイクロソフト社やAppleがDRMの規格を提供していますが、互換性はありません。

Azure Media Servicesの特徴と利用するメリット

専門知識が不要

先述した通り本来であればインターネットで動画を配信する場合にはオンプレミス環境に動画を配信するためのサーバーを用意し、動画ファイルの元データにエンコード処理を施したりなど専門的な知識が要求されました。
そのため動画配信の手段としてよく利用されてきたのがYouTubeに代表される動画共有サービスです。しかし、動画共有サービスを利用した場合、動画ファイルの格納先も配信もユーザーの手を離れてしまいます。
そのため、外部の人物に視聴してもらうのには適していても、操作マニュアルや特定人物への教育などには向いていないという課題がありました。
それらの課題を解決したのがAzure Media Servicesです。このサービスを利用することにより、動画配信用のサーバーやエンコード処理をユーザーが実施・管理する必要がなくなり、Azureポータルから簡単に動画を配信することが可能になりました。

充実したサポート

Azure Media Servicesでは国際標準化団体のISOが策定したストリーミング配信規格である「MPEG-DASH」もサポートしていました。
これにより、Flashのようなベンダー独自のプラグインが不要になり、Microsoft EdgeやChromeといったHTML5に対応した最新のWebブラウザでそのまま再生することが可能でした。

他のAzureの機能との連携

Azureではグローバル配信ネットワークであるAzure Content Delivery Network(Azure CDN)を提供しています。
これとAzure Media Servicesを組み合わせれば、マイクロソフトが持つグローバルデータセンターのネットワークを利用して広範囲な帯域幅で高品質な動画を世界中どこへでも高速配信することができました。

使用する場合の料金(提供当時の情報)

Azure Media Servicesを利用する場合に発生する料金は、他のAzureのサービス同様従量課金制でした。
そのため、サービスを利用した分だけ料金が発生します。目安として、約2時間のライブ配信を行った場合の料金は約532円、
動画ファイルをAzure Storageに置いておく場合は1か月ごとにGB単位で約2.3円の料金が発生するとされていました。
※本サービスは前述の通り提供終了しているため、上記はあくまで提供当時の参考情報です。現行の動画配信関連サービスの最新料金はAzure公式サイトでご確認ください。

押さえておきたいポイント

  • Azure Media Servicesは2024年6月30日をもって提供終了しており、新規に導入することはできない。既存の解説は仕組みを理解するための参考情報として捉える。
  • 動画配信方式には「プログレッシブ方式」「ストリーミング方式」「アダプティブストリーミング方式」の3種類があり、通信状況に応じてビットレートを自動調整できるアダプティブストリーミング方式が現在の主流。
  • ストリーミングプロトコルやDRM(コンテンツ保護)の規格はベンダーごとに異なり互換性がないため、配信先のデバイス・プレイヤー環境に合わせた規格選定が必要。

よくある質問

Azure Media Servicesは今でも利用できますか?

いいえ。Azure Media ServicesはMicrosoftにより2024年6月30日をもって提供が終了しており、現在は新規契約・新規利用ができません。既存の解説は当時の仕組みを紹介する参考情報です。

Azure Media Servicesの代替として何を検討すればよいですか?

Microsoftは移行先として、Azure Media Servicesパートナープログラムに参加する動画配信ベンダー各社のソリューションを案内しています。目的に応じて、他のAzureサービスやサードパーティの動画配信プラットフォームの活用もあわせてご検討ください。

動画配信の方式にはどのような違いがありますか?

動画をダウンロードしながら再生する「プログレッシブ方式」、あらかじめ分割したファイルを受信・再生する「ストリーミング方式」、通信状況に応じてビットレートを自動調整する「アダプティブストリーミング方式」の3種類があります。現在主流となっているのはアダプティブストリーミング方式です。

まとめ

今回はAzureが提供していた動画配信用プラットフォーム「Azure Media Services」をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
本来であれば専門的な知識が必要である動画を配信するための環境をAzure Media Servicesは非常に容易にしてくれる有用なサービスでした。同サービス自体は提供終了していますが、動画配信の基礎知識として、この記事の内容が少しでも参考になれば幸いです。

▼ アクロビジョンについて

👔

一緒に働きましょう

一人ひとりのキャリアに向き合い、
活躍できる現場をご紹介します。

採用サイトを見る →
💻

システム開発のご依頼・ご相談

コンサルティングから運用保守まで、
ワンストップで対応します。

まずはお気軽にご相談ください →