Azure ゲストOSとは
最終更新日:2026年8月5日
「ゲストOS」という用語は、本記事で解説するAzure仮想マシン(IaaS)に搭載するOSという意味のほかに、PaaS型サービスである「Azure Cloud Services(クラシック)」が独自に管理していた「Guest OS(ゲストOSファミリ)」を指す場合があります。Azure Cloud Services(クラシック)は2024年8月31日にサポート終了(retired)済みです。移行先とされてきた「Cloud Services(拡張サポート)」自体も、すでに2025年3月31日から非推奨(deprecated)となっており、2027年3月31日には完全終了が予告されています。Cloud Services系のサービスを現在利用中の方は、Azure仮想マシンやAzure App Service、AKS(Azure Kubernetes Service)など他サービスへの移行検討を急ぐ必要があります。本記事で解説するのはこれとは異なる、Azure仮想マシンに搭載する「ゲストOS」についてです。
はじめに
| 項目 | Microsoft Azure | AWS | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| シェア(国内) | 約30% | 約35% | 約15% |
| 強み | Microsoft製品連携 | サービス数・実績 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | AZ-900 / AZ-104 | CLF / SAA | ACE / PCA |
皆さんはゲストOSというものをご存知でしょうか?仮想マシンに触れたことがある方であれば聞いたことがあるかと思います。ゲストOSとは仮想マシンの中に入っている、または仮想マシンに入れることができるOSのことを指します。では仮想マシンは一体何者なのでしょうか。ここではAzureの仮想マシン、ゲストOSについて調べたことをまとめていきたいと思います。まずは仮想マシンについてみていきましょう。
仮想マシンとは?
仮想マシンとは、簡単に説明するとハードウェアの中に作られた仮想的なハードウェアのことです。物理的なハードウェア1台の中に仮想化ソフトウェアを入れ、複数のハードウェアを作ることが可能です。私たちがいつも使っているパソコンは、ハードウェアの中にOS(Windows、Mac OS、UNIX、Solaris、Tron、vx-works.、MVS)を入れることで初めて機能するようになりますよね。仮想マシンも同じで仮想的なハードウェアの中にOS(ゲストOS)を入れることで機能するようになります。仮想マシンにも種類があり、ホスト型、ハイパーバイザー型、コンテナ型の3種類が存在しますが、ここで説明すると本題のAzureでの仮想マシンについて書くまでが長くなってしまうので機会があればまたいつか記事にしたいと思います。次は導入のメリットについてみていきましょう。
仮想マシン導入のメリット
仮想マシン導入のメリットはたくさんあります。1つのハードウェア上でまとめて管理できるので、新しいマシンを購入するお金を約できます。購入してから届くまでの期間も無視できますし、マシンを設置するスペースも必要ありません。初期設定も簡単なので導入するまでの手間も新しいマシンを購入するよりかからないでしょう。コスト削減や効率的な作業に繋がることは間違いありません。
仮想マシン導入のデメリット
メリットがあれば何かしらのデメリットも必ずありますよね。ということでデメリットも書いていきます。私が一番のデメリットだと思うところはセキュリティー面についてです。物理的なハードウェア上のOSのセキュリティー管理に加えてさらに仮想マシンにも特別な措置が必要になります。複数の仮想マシンが物理的なハードウェアと様々な情報を共有し、繋がっています。ということはつまり、1つの仮想マシンがウイルスに感染してしまった場合、物理的なハードウェアや仮想環境に置かれた全てのサーバーに感染する可能性があるということです。そのため感染経路をどこで遮断するかなどの対策が必要です。運用管理についても仮想環境に対してそれなりの知識が必要になるので何も知らずに1から導入する場合は勉強が必要になります。
ゲストOSとホストOSについて
ゲストOSとホストOSについては詳しく書いていくと話が脱線してしまうので用語の説明だけになります。冒頭でも説明しましたが仮想マシンに入れるOSというのがゲストOSです。私たちが実際に触ることができる物理的なハードウェアに入れるOSのことをホストOSといいます。仮想マシンの話が出てきたらOSの話も出ると思いますので、ぜひセットで覚えてくださいね。
Azureの仮想マシン、ゲストOS
さて、ここまで仮想マシンについてまとめてきましたがデメリットがちょっと目立ちますよね?セキュリティーの話ですから気にしない訳にもいきません。そこで、セキュリティー関連の問題を一気に解消してくれるのがクラウドサービスであるAzureの存在です。Azure上で仮想環境を作り、ゲストOSを設定することによって仮想環境におけるセキュリティー管理の全てを任せることができます。Azureではセキュリティ関連に10億米ドルを超える投資と、全世界で計3,500人以上のセキュリティプロフェッショナルによって万全のセキュリティーが備えられています。これによりユーザーは簡単な設定をするだけでセキュリティーに関する問題を解消することができます。
Azureにおける仮想マシンの作成と料金
仮想マシンはAzure Portal、Azure PowerShell、Azure CLなどから作成可能です。作成の際はリソースを格納するリージョンや仮想マシンのサイズ、実行するゲストOS、仮想マシンの構成、サブスクリプションなどのパラメータを設定する必要があります。Azureでは仮想マシンのサイズによって処理能力、メモリ、ストレージの容量などが決まります。従量課金制なのでサイズや選択したOSに基づき、使った分だけ請求されます。ただしストレージは別途で請求されるので念頭に置いておいてください。
Azureで対応しているゲストOS(2020年公開時点)
Windows系は、Windows Server 2008 R2 SP1、Windows Server 2012 R2 Datacenter、Windows Server 2012 Datacenter、Windows Server 2016 Datacenter – Server Core、Windows Server 2016 Datacenter – with Containers、Windows Server 2019 Datacenter、Windows Server 2019 Datacenter Server Core、Windows Server 2019 Datacenter Server Core – with Containers、Windows Server 2019 Datacenter with Containers、Windows 10 Pro N, Version 1909、Windows 10 Pro, Version 1909。Linux系はCentOS 6.3+ / 7.0+ / 8.0+、CoreOS 494.4.0+、Debian 7.9+ / 8.2+ / 9 / 10、Oracle Linux 6.4+ / 7.0+、Red Hat Enterprise Linux 7.1+ / 8.0+、SUSE Linux Enterprise for SAP / 11 SP4 / 12 SP1+ / 15、openSUSE Leap 42.2 +、Ubuntu 12.04+に対応しています。
上記の一覧は本記事公開時点(2020年)の情報であり、現在は状況が変わっています。新規に仮想マシンを作成する際は、以下の点に注意してください。
- Windows系:Windows Server 2008 R2 SP1・2012・2012 R2は、いずれもマイクロソフトの標準サポート期間をすでに超過しています。現在はWindows Server 2019・2022・2025が主な選択肢で、旧バージョンを継続利用する場合はAzure上での拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)の適用状況を必ず確認してください。
- Linux系:CentOS(CentOS Linux)は開発コミュニティの方針転換(CentOS Streamへの移行)に伴い、Azure Marketplaceの認定パートナーイメージから外れています。現在Azureが認定パートナーとして提供している主なLinuxディストリビューションは、AlmaLinux・Ubuntu(22.04/24.04/26.04 LTS)・Debian(11/12)・Red Hat Enterprise Linux・Rocky Linux・SUSE Linux Enterprise Server・Oracle Linux・Flatcar Container Linuxなどです。CentOSからの移行先としては、互換性の高いRocky LinuxまたはAlmaLinuxへの切り替えが一般的です。
最新の対応OS一覧は、Azure Portalの仮想マシン作成画面で都度確認することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q. ゲストOSとホストOSの違いを一言でいうと?
ホストOSは物理的なハードウェアに直接インストールされているOS、ゲストOSは仮想マシンの中にインストールされているOSです。Azure仮想マシンを利用する場合、物理ハードウェアの管理はAzure側(ホストOS相当の部分)が行い、利用者はゲストOSの選択・設定に集中できます。
Q. Azure仮想マシンで選べるゲストOSはどこで最新情報を確認できますか?
Azure Portalで仮想マシンを新規作成する際のイメージ選択画面に、その時点で利用可能なOSイメージの一覧が表示されます。本記事の対応OS一覧は執筆時点の情報のため、実際に構築する際は必ず作成画面で最新の状況を確認してください。
Q. CentOSで運用している既存の仮想マシンはどうすればよいですか?
既存の仮想マシン自体がすぐに停止するわけではありませんが、新規イメージとしての提供がなくなっているため、今後のセキュリティ更新や新規展開を見据えるとRocky LinuxやAlmaLinuxなど後継ディストリビューションへの移行を計画的に検討することをおすすめします。
Q. 「Azure Cloud Services(クラシック)」と本記事の「仮想マシンのゲストOS」は同じものですか?
異なります。Azure Cloud Services(クラシック)はPaaS型のサービスで独自の「Guest OSファミリ」という仕組みを持ち、2024年8月31日にサポート終了しています。本記事で解説しているのはAzure仮想マシン(IaaS)にインストールするOSのことで、Cloud Servicesとは別のサービス・別の仕組みです。
Q. 仮想マシンのセキュリティ対策として他に気をつけることはありますか?
ゲストOS自体のセキュリティ更新プログラムの適用に加え、ネットワークセキュリティグループ(NSG)でのアクセス制御、不要なポートの遮断、管理者アカウントの多要素認証(MFA)設定などをあわせて行うことで、より安全な運用が可能になります。
まとめ:Azure ゲストOSとは
この記事のポイント:
- ゲストOSとは仮想マシンの中にインストールされるOSのことで、物理ハードウェアに直接入るホストOSとは区別される
- Azure仮想マシンでは、リージョン・サイズ・ゲストOS・構成・サブスクリプションなどを指定して仮想マシンを作成し、従量課金で利用する
- 本記事執筆時点(2020年)の対応OS一覧は現在では古くなっており、CentOSは認定パートナーイメージから外れ、Windows Serverも2022・2025が主流になっている
- 「Azure Cloud Services(クラシック)」という別サービスの「Guest OS」と混同しないよう注意(Cloud Services(クラシック)は2024年8月31日にサポート終了済み)
- 最新の対応ゲストOSは必ずAzure Portalの作成画面で確認する
ここまで仮想環境についてまとめてきましたがいかがでしょうか。マシンを新しく購入することなく高スペックな環境を作り出せるというのはコスト削減に繋がるので良い手段だと思います。導入について困ったことがあればサポートしてくれるパートナー制度というものもあるので必ずしも1個人、1企業だけで解決しなければいけないということはありません。この記事が皆さんのお役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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