Azure Storageの課金項目について
最終更新日:2026年8月12日
この記事でわかること
<始めに>
Microsoft社が提供するクラウド用オブジェクトストレージソリューション「Azure Storage」の概要と料金についての紹介です。
<Azure Storageとは>
Azure StorageとはAzure用ストレージサービスであり、Azure Storageを使用することによってクラウド上にデータを保存することが可能です。Azure StorageはPaaSに該当し、ストレージのインフラストラクチャはAzureによって管理・保守が行われるため、利用者の負担を軽減することができます。
料金はリージョン、ストレージアカウントの種類、ストレージの種類、冗長性、アクセス層(データの利用頻度)の選択によって変動します。必要に応じて様々なケースで利用することができます。
【要注意】料金の具体的な数値について
Azure Storageの料金体系・単価は改定されることがあります。本記事で紹介しているのは課金の基本的な仕組みであり、実際の最新料金・単価はAzure公式サイトでご確認ください。
<リージョンの選択>
リージョンとは、クラウドサービスにおいてデータセンターを設置している完全に独立した地域のことです。現在、世界中の数多くのリージョンで展開されており、アメリカを始め、ヨーロッパ、アジア太平洋などの地域に幅広く存在しています。日本は「西日本」「東日本」の2箇所が存在します。選択するリージョンによっては利用できないサービス等も存在します。
<ストレージアカウントの種類>
・汎用v1アカウント
従来のBlob・Files・Queue・Table・Disk用アカウントです。最新機能については利用できない場合があります。汎用v2アカウントにアップグレードすることが可能です。
・汎用v2アカウント
最新機能がサポートされ、汎用v1とBlobストレージアカウントの全ての機能が組み込まれた基本的なBlob・Files・Queue・Table・Disk用アカウントです。ストレージ使用のほとんどのシナリオで汎用v2アカウントが推奨されています。
・Blobストレージアカウント
ブロックBlobと追加Blobに特化したストレージアカウントです。
<ストレージの種類と主な課金ポイント>
Azure Storageには「Azure BLOB Storage」「Azure Files Storage」「Azure Queue storage」「Azure Table storage」の4つのストレージタイプが存在します。各ストレージに対して、基本は以下の①〜③の項目で課金が発生します。ストレージアカウントを作成した際の選択項目(ストレージ アカウントの種類、リージョン、アクセス層、冗長性)や各ストレージオプションの追加によっても基本料金は変動します。
①データストレージ料金
Standardアカウントでは、保存データ量の日割り計算(ひと月は31日間)で1GB単位で課金されます。例えば、10日間50GBのデータを保存した場合、1日あたり平均利用量(50GB*10日/31日)16.12903GBとなり、ひと月分の利用料は(16.12903GB*31日間)となります。Premiumアカウントでは、利用量による課金ではなく選択しているディスクサイズごとに月額料金が決まっています。
②トランザクション量
トランザクションには、ストレージに対する書き込み/読み取り操作、削除など、あらゆる操作が課金対象としてカウントされます。
③データ転送量
Azureデータセンターから出ていくデータに対してGB単位で課金されます。
ストレージアカウントを経由し異なるリージョン、Azure外などへの送信データ量が対象です。受信データ、同一リージョン内への送信データは課金対象ではありません。
「Azure BLOB Storage(ブロックBlob・追加Blob)」
大容量のバイナリデータを格納するための非構造化データ格納サービスです。ブロックBlobは4.7TBまでのファイル保存、追加BloBはログや監視ファイルなど追記的に記録されるような追加操作に特化しています。
・Azure Storage予約容量
1年間/3年間での年契約で購入することでコストを抑えることが可能です。
・クール・アーカイブの早期削除
Blobにはホット・クール・アーカイブという3つのアクセス層に分けられており、クール・アーカイブには保存期間と早期削除期間が定められています。早期削除期間にデータの別の層への移動もしくは削除を行うと早期削除料金が日割りで加算されます。
・Blobのデータ変更ログ
初期は無効になっており機能を有効にした場合のみ課金されます。有効にすると各Blobの変更を追跡し変更内容を変更フィードに格納します。(変更件数10,000件あたり)
「Azure BLOB Storage(ページBlob)」
仮想VHDファイルの格納に使用されます。
①Premium(SSD)ページBlob
最大7,500 IOPS/250MBpsのディスクパフォーマンスを提供しています。※PremiumページBlobには、トランザクションに対して課金はありません。
②Standard(HHD)ページBlob
PremiumページBlobが高パフォーマンスの提供を行っているのに対し、StandardページBlobはパフォーマンス変動の影響を受けにくい開発、テスト、およびアクセス頻度の少ないワークロードに最適化されており課金対象も変わります。
「Azure Files Storage」
クラウド・オンプレミスのデブロイ用のサーバーメッセージブロック(SMB)プロトコルを利用したファイル共有ストレージです。
・Azure File Sync料金
オンプレミスのファイルをクラウドに同期するためのコストで、サーバーごとに課金されます。
「Azure Queue Storage」
Azure Queue Storageとは、たくさんのメッセージを格納するためのサービスで、アプリケーションコンポーネント間の非同期メッセージングに利用されます。
「Azure Table Storage」
構造化されたデータセットの保存と、大量データへの迅速なアクセスが可能です。
<冗長性>
冗長性確保のためのオプションが4種類用意されています。Azure Storageアカウントのデータは、常にプライマリリージョンで3回レプリケートされます。(レプリケートとは:ハードウェア障害からのデータ保護のために別システム上にリアルタイムにデータを複製/コピーすること)
・ローカル冗長ストレージ(LRS)
プライマリリージョン内に3つのデータコピーを作成します。データセンター全体が利用できなくなった場合はデータ利用不可能になります。
・ゾーン冗長ストレージ(ZRS)
プライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間でデータコピーを行います。(可用性ゾーンとは:Azureリージョン内にある物理的に離れたデータセンターのこと)
・地理冗長ストレージ(GRS)
LRSを使用したプライマリリージョン内での3つのデータコピーの作成に加え、セカンダリリージョン内でコピーが作成されます。プライマリリージョンに障害が発生した場合でもセカンダリリージョンにフェールオーバーして業務継続可能です。
・geoゾーン冗長ストレージ(GZRS)
ZRSを使用したプライマリリージョンの3つのAzure可用性ゾーン間でデータコピーに加えて、セカンダリリージョン内でコピーが作成されます。
<アクセス層>
・ホットアクセス層
アクセス頻度の高いデータの格納に適しており、アクセスコストが低い反面、ストレージコストが高めに設定されています。
・クールアクセス層
頻繁にアクセスのないバックアップデータなどの格納に適しています。30日以上クールアクセス層で保持されるデータが対象となります。ホットアクセス層と比較しアクセスコストが高く、ストレージコストは低くなります。
・アーカイブアクセス層
保存されたデータに通常アクセスをすることはできないため、データ読み取りのためにはリハイドレートと呼ばれるホットアクセス層・クールアクセス層に切り替えを行いデータを読み取るプロセスが必要になります。リハイドレートは最大で15時間かかります。180日以上アーカイブアクセス層で保持されるデータが対象となります。
押さえておきたいポイント
| 項目 | Microsoft Azure | AWS | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| シェア(国内) | 約30% | 約35% | 約15% |
| 強み | Microsoft製品連携 | サービス数・実績 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | AZ-900 / AZ-104 | CLF / SAA | ACE / PCA |
- Azure Storageの課金は主に「データストレージ料金」「トランザクション量」「データ転送量」の3つの要素で決まる
- ストレージアカウントの種類(基本的には汎用v2アカウントが推奨)、リージョン、冗長性(LRS/ZRS/GRS/GZRS)、アクセス層(ホット/クール/アーカイブ)の組み合わせでコストが変わる
- アクセス頻度の低いデータはクール・アーカイブ層へ移すとストレージコストを抑えられるが、最低保存期間内の移動・削除には早期削除料金が発生し、アーカイブ層からの読み出しにはリハイドレート(最大15時間程度)が必要になる点に注意
よくある質問
Q. 汎用v1アカウントと汎用v2アカウント、どちらを選ぶべきですか?
特別な理由がなければ汎用v2アカウントの利用が推奨されます。汎用v1は従来のアカウント種別であり、最新機能に対応していない場合があります。汎用v1で運用中のアカウントも汎用v2へアップグレード可能です。
Q. アクセス層はあとから変更できますか?
ホット・クール・アーカイブの各アクセス層はあとから変更可能です。ただしクール・アーカイブ層には最低保存期間が定められており、その期間内にデータを移動・削除すると早期削除料金が日割りで発生します。またアーカイブ層のデータを読み取る際は、ホットまたはクール層へ切り替える「リハイドレート」という処理(最大15時間程度)が必要です。
Q. データ転送量の課金はどのような場合に発生しますか?
Azureのデータセンターから外部(異なるリージョンやAzure外)へ送信するデータ量に対して課金されます。受信データや、同一リージョン内での送信データは課金対象外です。
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