Azure上にWindows10を導入してみる
最終更新日:2026年8月10日
この記事でわかること
【要注意】Windows 10のサポートについて
Windows 10は2025年10月14日をもって、個人・法人向けともに主要なサポート(無償のセキュリティ更新等)が終了しています。本記事はAzure上でのWindowsクライアントOSの仮想マシン構築・ライセンス認証の考え方を理解するための参考情報としてご覧ください。新規にクラウド上の仮想デスクトップ環境を構築する場合はWindows 11、またはAzure Virtual DesktopやWindows 365といったクラウドPCサービスの利用をご検討ください。業務上どうしてもWindows 10を継続利用する必要がある場合は、拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)の適用をご検討ください。
Azureとは
| 項目 | Microsoft Azure | AWS | Google Cloud |
|---|---|---|---|
| シェア(国内) | 約30% | 約35% | 約15% |
| 強み | Microsoft製品連携 | サービス数・実績 | データ分析・AI |
| 無料枠 | 12ヶ月無料 | 12ヶ月無料 | 常時無料枠あり |
| 主な資格 | AZ-900 / AZ-104 | CLF / SAA | ACE / PCA |
Azureとは、「Microsoft Azure」としてマイクロソフト社が提供しているクラウド・コンピューティングサービスであり、世界の多数のリージョンに展開しているデータセンタと、強力なWANバックボーンを持っています(リージョン数は年々拡大しているため、最新の拠点数はAzure公式サイトでご確認ください)。
日本国内では東日本と西日本の2箇所に拠点を有し、国内の多くのユーザが利用しています。
Azureは、AWSやGCPと同様に、初期費用無しで使用した分のみを支払う「従量課金制」のサービスとなっています。
Azureのサービス形態
Azureが提供しているプラットフォームには、一般的に「IaaS」と「PaaS」と呼ばれる2種類があり、この2つはクラウドサービスの提供者(Microsoft社)と利用者(ユーザ)で管理する範囲が異なってきます。
IaaS
Infrastructure as a Service の略です。
クラウド上に仮想マシンをインターネット経由で作成し、利用するサービス
です。
物理環境、仮想環境はMicrosoft社が管理しますが、それよりも上位部分の管理はユーザが行わなければなりません。
今回扱うWindows10仮想マシンの導入もIaaSとして私達ユーザが利用します。
PaaS
Platform as a Service の略です。
アプリケーションが稼働するためのデータベースやプログラム実行環境などが提供されるサービス
のことです。
PaaSで構成できるシステムは、クラウドサービスの提供者が提供するPaaSの機能次第となります。
(Azure Virtual Machines)
Azure Virtual Machinesは、仮想マシンを提供するサービス
です。
OSはWindows10のみではなく、同社のWindows Serverに加えてUbuntu ServerやCentOSなどの、Microsoft社の製品ではないOSも対象となっています。
AzureへWindows10(仮想マシン)を導入するメリット
コスト
Azureの利用料金は、分単位の従量課金制を採用しており、長期契約の割引もあります。
企業利用を想定した料金体系もあり、エンタープライズ向けの割引も用意されています。最新料金はAzure公式サイトでご確認ください。
拡張性・柔軟性
Windows以外のOSであっても、オープンソースのDBが使えないような場合、Oracleのような商用DBが必要になります。
Azureでは、公式でOracleDBに対応しています。
データセンタ
Azureでは、世界各地の多数のリージョンにデータセンタが整備されています。
Azure Site Recoveryというクラウドで利用できる災害復旧サービスも提供しており、災害対策も万全です。
将来性
Azureは、Microsoft社による開発・投資が担保されており、多額の研究開発費を投じて、多数のサイバーセキュリティのエキスパートを採用しています(人数等の最新情報は公式サイトでご確認ください)。
AzureへのWindows10導入(Windows10 on クラウド)
2017年8月より、一定の条件を満たす場合にMicrosoft Azure および 認定を受けたマルチテナントホスティングパートナーで、Windows10の稼働が認められるようになりました。
ここでは、あらかじめWindows10のライセンスを取得しているものとして進めていきます。
Windows10をクラウドで利用する場合、Microsoft Entra ID(旧称:Azure AD)ベースのライセンス認証(Windows10 Subscription Activation)を行う必要があります。
Microsoft Entra ID 上のアカウントに対して、Windows10の利用権限を付与します。権限が付与されたユーザがログオンすると、自動的にライセンス認証が行われます。
ステップ1
適切なアドオンライセンスを取得すると、「サービスのライセンス認証メール(service activation email)」が届きます。
※Windows10 Enterprise E3 per Userなどの通常ライセンスに加えて、無料の下記アドオンライセンスの取得が必要です。
a. AAA-51069-Win10UsrOLSActv Alng MonthlySub Addon E3
b. AAA-51069-Win10UsrOLSActv Alng MonthlySub Addon E5
ステップ2
管理者がAzureポータルまたはMicrosoft 365管理センター(旧Office 365ポータル)にログオンし、Microsoft Entra ID アカウントに対してWindows10の利用権限を付与します。
ステップ3
権限を付与されたユーザがWindows10にログオンすると、自動的にライセンス認証が行われます。
その際、Windows10 Pro であってもEnterpriseにアップグレードされる点に注意してください。
また、開発・テストで少し使ってみたいという方向けに、MSDNサブスクリプション(現Visual Studioサブスクリプション)の登録者限定で、Windows のクライアントOSを開発・テスト目的で利用できる無料特典が、例外として提供されています。
基本的な流れは以上ですが、実際に必要な事前準備や構成等は、環境によって異なりますので、各環境での必要な事前準備をしっかりとやっておきましょう。
押さえておきたいポイント
- Windows10仮想マシンの導入はAzure Virtual Machinesを利用した「IaaS」の一形態であり、OS上位層の管理はユーザ側の責任となる。
- ライセンス認証にはMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)上のアカウントへの利用権限付与が必要であり、対応するアドオンライセンスの取得が前提条件となる。
- Windows 10は主要サポートが終了しているため、新規構築ではWindows 11やAzure Virtual Desktop/Windows 365への移行を優先的に検討する。
よくある質問
Azure上のWindows仮想マシンはIaaSとPaaSのどちらに該当しますか?
Azure Virtual Machinesを利用してクラウド上に仮想マシンを作成・利用する形態はIaaS(Infrastructure as a Service)に該当します。OSより上位のアプリケーションやミドルウェアの管理はユーザ側の責任範囲となります。
Azure ADという名称は現在も使われていますか?
いいえ。2023年にサービス名が「Microsoft Entra ID」へ改称されており、現在の管理画面やドキュメントでは基本的にMicrosoft Entra IDと表記されます。ただしライセンス認証の仕組み自体は同一のIDプラットフォームを利用しています。
今からWindows 10をAzure上に新規導入するのは推奨されますか?
Windows 10は2025年10月に主要サポートが終了しているため、新規に仮想デスクトップ環境を構築する場合はWindows 11の利用、またはAzure Virtual DesktopやWindows 365といったクラウドPCサービスの検討を推奨します。既存資産で継続利用が必要な場合は拡張セキュリティ更新プログラム(ESU)の適用をご検討ください。
▼ アクロビジョンについて


