AIによって強化されたSalesforceのデータ分析ツール

最終更新日: 2026年8月7日

Salesforceとは、株式会社セールスフォース・ジャパン(旧セールスフォース・ドットコム)が提供するクラウド型の営業支援ツールです。導入企業は中小から大企業まで15万社以上にもなり、近年はデータのビジュアル化を得意とするBIツールの大手「Tableau」を買収し、ツールのデータ分析力をさらに強化しました。本記事では、Salesforceでできるデータ分析の一部と、導入によって実績を上げた事例をご紹介いたします。

営業支援:Sales Cloud Einstein

まずは、Salesforceの主力である営業支援ツールについてご紹介いたします。

Sales Cloud Einsteinは、商談成功率を上げるための業務をAIによって自動化してくれるツールです。GmailやOutlookメール、カレンダーを連携設定することで自動同期を行い、AIによる文字分析で営業に関する活動のデータを収集します。収集するデータは商談日や内容から、取引先の責任者データまでにわたり、ツール内のダッシュボードに自動で記載がされるため、データを手入力する時間を削減することができます。

また、取引先に関する製品やニュースといったデータを自動で収集し、表示させる「取引先インサイト」という機能があります。これまでの商談などの営業活動データと取引先インサイトを分析し、商談成約率の高い新たな案件や適切なタイミングまで予測することが可能です。商談がどのフェーズまで進んでいるか、このフェーズにどれだけ滞留しているかや、金額の変更が好ましいものであるか、といった取引先との商談データを分析し表示させる機能もあるため、現状の把握にも役立つ機能です。

マーケティング:Audience Studio

収集されたデータを統合し、顧客の開拓や顧客のもつ潜在的な購買欲求を発見するためのツールをご紹介いたします。

Audience Studioは、自社が保有する顧客データと、外部から得られるデータを統合し、顧客との関係を強化することができるツールです。顧客の属性や行動をAIによって収集・分析を行い、顧客ひとりひとりに適切な内容と適切なタイミングでの広告の配信を自動で行うことができます。また、収集された大量のデータから、アプローチしていなかった顧客の層を見極め、新たな顧客を開拓することができるツールです。Audience Studioは電通をはじめとする他のマーケティングプラットフォームとのデータを連携させており、大量のデータから分析を行えることで、より詳細な顧客のニーズを捉えることもできます。

導入事例

RIZAPグループ株式会社

顧客それぞれの体質や生活習慣に合わせ、適切なトレーニングを提供することで有名なRIZAPグループ株式会社では、顧客情報の管理と新たな事業構築にSalesforceを活用しています。顧客サポートの窓口となるコールセンターと実際にトレーニングを行うトレーナー、食事内容を管理する栄養士やカウンセラーなど複数の担当にまたがって情報を共有する必要があり、Salesforceで一元化することで顧客への適切なサービスを提供できるようになりました。現在では約11万人の顧客データを保有し、蓄積した多種多様のデータを分析できる機能を活用して、ボディメイク以外にもゴルフトレーニング等の新たな事業も展開しています。移り変わる顧客のニーズに対応し、より良いサービスを提供するためにSalesforceのデータ分析機能が活用されています。

銀座美容外科クリニック

症例30万件を超え、医療事故0の実績を誇る銀座美容外科クリニックでは、受付業務の効率化とリピーターの獲得、顧客分析による新たなサービス提供にSalesforceを活用し、売上を前年比1.5倍に上げることができました。

従来はカルテの作成を手書きデータからExcelデータへの変換を行っていましたが、顧客が手書きで問診票を記入する際に記入ミスが多かったためデータ精度が低く、顧客が増加するにつれてExcelへの入力作業に負荷がかかるようになりました。そこで、タブレットでの入力に切り替え、Salesforceに連携することで受付業務の負荷を軽減しました。

さらに、既存顧客に来院を促すためにDMを送付していましたが、Salesforceを活用することで過去の施術内容を分析して次におすすめの施術に関するメールの配信を自動化することができました。顧客に沿ったメールを配信することができた結果、メールの開封率は60%を超え、リピーターを増やすことに成功しています。また、Salesforceで売上の分析結果を確認したところ、売上の約半分は上位3%の顧客で占められていることがわかりました。そのVIP顧客へより手厚いサービスを提供し、分析結果によって適切なターゲティングが可能となりました。

Salesforce主要ツール比較

ツール 主な機能 対象業務 AI活用ポイント
Sales Cloud Einstein 商談データ自動収集・ダッシュボード・成約率予測 営業・SFA(営業支援) AIが商談フェーズと成約タイミングを予測
Audience Studio 顧客データ統合・ターゲティング広告自動配信・新規顧客開拓 マーケティング・DMP AIが顧客属性を分析し最適なタイミングで自動配信
Tableau(連携) データ可視化・BIダッシュボード 経営分析・レポーティング Salesforceデータをビジュアル化して意思決定を支援

よくある質問

Q. SalesforceはCRMとどう違うのですか?
A. SalesforceはCRM(顧客関係管理)の代表的なクラウドサービスです。従来のCRMはオンプレミス(自社サーバー設置)で導入コストが高く中小企業には難しいものでしたが、Salesforceは月額サブスクリプション型のクラウドサービスとして提供されており、中小企業でも導入しやすくなっています。さらにSalesforceはCRM機能に加え、AIによる予測分析・マーケティング自動化・カスタマーサービス支援まで一体化したプラットフォームに進化しています。
Q. Sales Cloud Einsteinの「Einstein」とは何を指しますか?
A. EinsteinはSalesforceが開発したAI機能の総称(プラットフォーム名)で、物理学者アインシュタインにちなんでいます。Einstein AIは、過去の商談データから「この案件は成約しやすい」「このタイミングで連絡すると効果的」といった予測を自動で行い、営業担当者の意思決定を支援します。Salesforce全体(Sales Cloud・Service Cloud・Marketing Cloud等)にEinsteinのAI機能が組み込まれており、ユーザーが特別なAI開発をしなくてもAIの恩恵を受けられる設計です。
Q. 銀座美容外科クリニックの事例で「VIP顧客が売上の50%を占めていた」という発見はどう活用されましたか?
A. これはABC分析(パレートの法則)をSalesforceのデータで実証した典型例です。上位3%の顧客が売上の50%を生み出していることが判明したため、このVIP層に対して専任カウンセラー配置・優先予約・特別な施術メニュー提案など手厚いサービスを集中投下しました。一般的な「均等に全顧客を大切にする」方針より、データに基づいた選択集中により顧客満足度と売上を同時に向上させることができた事例です。
Q. Salesforceの導入にはどのくらいの費用がかかりますか?
A. Sales Cloud(営業支援)はユーザーあたり月額約3,000円〜のプランから始められます。機能や規模によりEnterprise・Unlimitedプランに上がると数万円〜になります。導入時のカスタマイズ・移行費用(コンサルティング費用)が別途発生することが多く、中規模以上の導入では総コストが高くなる場合があります。ただし、銀座美容外科クリニックの事例のように売上前年比1.5倍などの成果が出れば、投資回収は比較的早いと言えます。

まとめ

  • SalesforceはCRMクラウドサービスの大手で15万社以上が導入。TableauのBIツール統合によりデータ分析力がさらに強化された
  • Sales Cloud Einsteinは営業活動データをAIが自動収集・分析し、商談成約率の高い案件と最適な接触タイミングを予測することで営業効率を大幅に向上させる
  • Audience Studioは自社データと外部データを統合し、AIが顧客属性を分析して個人最適化された広告・メールを自動配信。新規顧客の開拓にも活用できる
  • RIZAPでは11万件超の顧客データ分析で新規事業展開(ゴルフトレーニング等)を実現。銀座美容外科クリニックでは売上前年比1.5倍・メール開封率60%超を達成
  • データ収集の増大に伴い分析業務の負荷も増している企業には、Salesforceのような統合型AIプラットフォームの導入が業務効率化と成果向上の両立に有効

▼ アクロビジョンについて

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