データ分析力の基礎

最終更新日: 2026年8月7日

IT技術の向上に伴い、多くの情報を記録収集することが以前より容易になりました。物事に取組むにあたって、データを分析して、その結果から行動を決定するということが増えているのではないでしょうか。そして、より良い結果を得るためには、データ分析の力が必要となります。本記事では、データ分析力の基礎として「データの種類」「データの集め方」「グラフの活用と注意点」を解説します。正しくデータを知ることが、データ分析力を磨く第一歩です。

データ分析の基礎

データ分析をする時には、まずデータを集めます。集計したデータの使用方法として、データの共通点を探し出すことや、データの平均値を出すことがあげられます。しかし、データには種類があり、それに合った使用方法があります。また、目的を達成するためにデータを分析するのですから、分析するには目的に合ったデータが必要なはずです。データ分析の力をつけるためには、データを正しく知ることから始める必要があります。

データの種類

データにも種類があり、使える計算方法が異なります。実際にどんなデータがあるのか順にみていきましょう。

量的データ

量的データとは、数値で表されるデータのことを指し、いろいろな計算を使って分析することができます。量的データには比率データと間隔データの2種類があります。

比率データ

比率データとは、0を基準として数値の間隔・比率に意味がある尺度で測定されたデータのことを指します。長さや重さ、金額などが比率データにあたり、四則演算すべてに使用することができます。

間隔データ

間隔データとは、便宜的に基準を設けて、それを等分した尺度で測定されたデータのことを指します。摂氏や華氏で測定された温度がこれにあたり、分析に加算・減算は使えますが、乗算・除算は使用することができません。

質的データ

質的データとは、区別・分類のために数値が与えられたデータを指します。質的データには、順位データ・カテゴリーデータがあります。

順位データ

順位データとは、得られたデータの値の間に、大小関係与えられている質的データを指します。アンケート調査の満足度などがこれにあたります。値に大小関係はあるものの、その数値差に意味はありません。データの使用方法には、中央値や累積度数を求める方法があります。

カテゴリーデータ

カテゴリーデータとは、内容を区別するために数値を割振られたデータを指します。アンケート調査の血液型や電話番号などがこれにあたります。数値に大小関係もないので、度数や最頻値の計算にしか使用できません。

データの集め方

データを扱う前に

データ分析に取組むにあたって、分析するデータが目的に合ったデータでなければ意味がありません。どこから何のデータをどんな条件で集めるかをしっかりと考えなければなりません。このデータ集めで失敗すると、どれだけデータ分析を頑張っても、目的に合った分析結果は望めません。

データの集め方

データの集め方には、国や他社が公表したデータを集める方法と、自分で独自に集める方法(アンケート調査など)があります。独自にデータを集める場合は、回答の仕方が統一されるようにしっかりと条件を定めなければなりません。

データ分析とグラフ

グラフの種類

データを視覚的にわかりやすくまとめるために、グラフを利用することがあります。グラフには、いろいろな種類があるので、確認しておきましょう。

折れ線グラフ

時間の経過で値が変化する場合に使用。複数の折れ線を重ねることで、項目間での比較ができます。

棒グラフ

量や大きさを比較するときに有効。1項目の大小を比較するものを単純棒グラフと呼びます。

散布図

データを横軸と縦軸の2つの軸で表現しており、互いの相関関係を示す点グラフの一種です。

レーダーチャート

複数の項目のバランスを見るために用いるグラフです。比較の基準となるデータと重ね書きすることで、値の特徴を把握しやすくなります。

グラフの見え方と注意点

グラフは、表示する値の範囲を変えれば、視覚的な印象がガラッと変わることがあります。

例えば視覚情報の中で、0〜100の値の中で5の違いは小さな差かもしれませんが、80〜90の値の中で5の違いは、大きな差に見えてしまいます。また、3Dグラフを用いた場合も間違った印象を与える可能性があります。3Dグラフは、奥行きがあるため手前に表示されるデータのほうが大きく見えがちです。実際は、奥にあるデータの数値のほうが大きいけれど、人の目には、近くにあるデータのほうが大きく見えてしまうといったことが起こりえます。

特別な理由がない限り、誤解を与えるようなグラフの使い方はしないようにしましょう。

データの種類・グラフ比較表

データ種別 代表例 使える計算 適したグラフ
比率データ(量的) 長さ・重さ・金額 四則演算すべて 棒グラフ・折れ線グラフ
間隔データ(量的) 温度(摂氏・華氏) 加算・減算のみ 折れ線グラフ・散布図
順位データ(質的) 満足度アンケート(1〜5段階) 中央値・累積度数 棒グラフ・レーダーチャート
カテゴリーデータ(質的) 血液型・電話番号 度数・最頻値のみ 円グラフ・棒グラフ

よくある質問

Q. 比率データと間隔データの違いがわかりません。具体例で教えてください。
A. 最もわかりやすい例が温度です。「今日は昨日より5℃高い」(加算OK)「気温が2倍になった」(乗算NG:0℃は「熱さがゼロ」ではなく水の凍る温度)というように、間隔データは差には意味があっても比率に意味がありません。一方、売上金額は「0円 = 売上ゼロ」であり「昨月比2倍」も意味があるため比率データです。「ゼロが真のゼロを意味するか」が判断基準です。
Q. アンケートの5段階評価(1〜5点)を平均してよいですか?
A. 厳密には順位データ(質的データ)であり、「3と4の差」と「4と5の差」が等しいとは限らないため、平均値計算は統計的に正確ではありません。ただし実務では5段階評価の平均を「参考値」として活用することが一般的です。より正確に分析したい場合は、「5点の比率」「4点以上の比率」など度数・比率で比較するか、Net Promoter Score(NPS)のような設計を採用します。
Q. 散布図はどんな分析に使いますか?
A. 2つの変数間の相関関係(比例・反比例・無相関)を視覚的に確認するために使います。例えば「広告費と売上」「気温とアイスの販売数」「勉強時間と試験点数」など、一方が増えるともう一方も増える(正の相関)・減る(負の相関)・関係ない(無相関)かをプロットして判断します。相関係数(-1〜+1)と合わせて確認するとより定量的な分析ができます。
Q. データ分析初心者が最初に取り組むべきことは何ですか?
A. まず「目的を明確にすること」から始めましょう。「何を知りたいのか」「どんな意思決定に使うのか」を先に決めてからデータを集めます。次に、Excelのピボットテーブルで実際のデータを触り、集計・グラフ化の感覚を身につけます。知識を得るだけでなく「日々データに触れる」実践が最も重要です。身近な家計データや業務データで試してみるのが効果的です。

まとめ

  • データには「量的データ(比率データ・間隔データ)」と「質的データ(順位データ・カテゴリーデータ)」の種類があり、それぞれ使える計算方法が異なる。種類を誤ると分析結果が無意味になる
  • データ収集は分析の土台。「どこから・何のデータを・どんな条件で」集めるかを先に設計しないと、目的に合った分析結果は得られない
  • グラフの種類は目的で選ぶ(折れ線グラフ=時系列変化、棒グラフ=量の比較、散布図=相関関係、レーダーチャート=複数項目のバランス)
  • グラフの見せ方次第で印象は大きく変わる。縦軸の範囲変更や3Dグラフは誤解を招く可能性があるため、特別な理由がない限り使わない
  • データ分析の力は「知識だけ」では身につかない。日々データに触れながら分析を実践することが、自分の力に変えていく近道

▼ アクロビジョンについて

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