MATLABとは~どのようなプログラミング言語なのか~
最終更新日: 2026年8月7日
現在、世界中でAI・機械学習開発に注目が高まっています。それらを開発する際に使用するプログラミング言語はPythonを用いられることが多いですが、「MATLAB」というプログラミング言語でも開発することができます。本記事ではMATLABについてご紹介します。
MATLABとは
MATLAB(マトラボ)は、MathWorks社が開発を行っている数値解析ソフトウェアで、その内部で使用するプログラミング言語の名称でもあります。日本には販売を行っている日本法人があるので、日本語の公式ページもあります。
MATLABはデータ解析が得意なプログラミング言語です。そのため、工学・理学・経済学などの分野で使用されており、世界でのユーザー数は300万人を超えていると言われています。人気のあるプログラミング言語のランキング(TIOBE指数)では2019年時点で14位にランクインしており、専門的な処理を行うためのプログラミング言語としてはかなり上位に位置していました。ただし近年はPythonをはじめとする汎用言語の伸びが著しく、MATLABの順位はやや低下する傾向にあります。とはいえ、工学・理学・経済学分野の専門解析ツールとしての需要は根強く、教育機関や研究機関を中心に利用され続けています。
MATLABには標準で分析用のツールがたくさん付属されています。後から機能を追加することができ、「Toolbox」と呼ばれる拡張パッケージが用意されています。これらは「MATLABプロダクトファミリー」と呼ばれており、幅広い分野の解析に対応可能なため、広く支持を得ています。
MATLABのライセンス・費用体系
MATLABは有償のソフトウェアで、契約形態によって価格帯が異なります。主な区分は以下の3つです。
| ライセンス種別 | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| 個人向け(Individual) | 研究者・技術者個人 | 年間契約・永久ライセンスから選択可能 |
| 学生向け(Student) | 大学等に所属する学生 | 割引価格。大学が包括ライセンスを導入している場合は無料〜低価格で利用できることもある |
| 企業・組織向け | 企業・研究機関 | 導入規模に応じたボリュームライセンス。Toolboxごとに追加費用が発生する |
※正確な価格は所属や用途によって変動するため、購入前にMathWorks社または国内代理店に直接見積もりを依頼することをお勧めします。
いきなり購入するのが不安な方向けに、30日間の無償体験版や、ブラウザからインストール不要で使える「MATLAB Online」の試用も用意されています。
MATLABにできること
幅広い分野で使用されているMATLABですが、具体的にはどのようなことができるプログラミング言語なのでしょうか。MATLABを使用して実現できることをご紹介します。
- ディープラーニング — 日本語では「深層学習」と呼ばれており、人間が自然に行っている動作や思考をコンピューターに学習させる機械学習の一種です。MATLABはディープラーニングを行えるため、人工知能の分野でとても注目されています。
- コンピューティングビジョン — 画像解析に関する分野です。コンピューターが画像に表示されているものを自動で解析できるようにするために行われており、自動車の自動運転技術の発展にも関係しています。
- ロボット工学 — センサー反応やカメラの映像でロボットの動きを制御するシステムをMATLABは開発することができます。
MATLABはデータ解析だけではなく、機械学習の分野でも使用されています。
Pythonと何が異なるのか
MATLABは似ているプログラミング言語のPythonとよく比較されます。Pythonと何が異なるのかご紹介します。
| 比較項目 | MATLAB | Python |
|---|---|---|
| 費用 | 有償(個人・学生・企業向けにライセンスあり) | 無償(オープンソース) |
| 環境構築 | パッケージ購入後すぐに専門計算へ着手可能 | インストール後、用途に応じてユーザー自身で環境を整備する必要あり |
| 得意分野 | 数値解析・信号処理・制御工学などの専門解析 | Web開発・データ分析・AI開発など汎用的に対応 |
| 情報量・コミュニティ | 専門分野中心でPythonよりやや少ない | 世界最大級。ライブラリ・学習リソースが豊富 |
実はMATLABはPythonと連携できるようになっています。どちらのプログラミング言語の知識も無駄にならないようになっているため、どちらを学習しようか迷っている方は、まずPythonから学習することをお勧めします。
用途別の選び方
「結局、自分はMATLABとPythonのどちらを学ぶべきなのか」と迷う方向けに、用途別のおすすめをまとめました。
| こんな人におすすめ | 選ぶべき言語 | 理由 |
|---|---|---|
| 大学の研究で数値解析・制御工学を専門的に扱いたい | MATLAB | 専用Toolboxが充実し、すぐに専門計算に着手できる |
| 個人でAI・機械学習の学習を始めたい | Python | 無償で始められ、学習リソース・コミュニティが豊富 |
| 企業でMATLABを導入済みの部署に配属された | MATLAB | 既存資産・Toolboxを活用できる |
| Web開発やスクレイピングなど汎用的な開発も行いたい | Python | 汎用言語のため用途の幅が広い |
よくある質問(FAQ)
まとめ
- MATLABはMathWorks社が開発する数値解析ソフトウェア兼プログラミング言語で、世界300万人以上のユーザーがいる
- 工学・理学・経済学分野のデータ解析や、ディープラーニング・コンピューティングビジョン・ロボット工学など幅広い分野で活用されている
- Pythonと異なり有償だが、環境構築不要ですぐに専門的な計算に着手できる
- 個人・学生・企業向けにライセンス体系が分かれており、無償体験版やMATLAB Onlineで事前に試すことも可能
- AI・機械学習をこれから学ぶなら、まずは無償のPythonから始め、必要に応じてMATLABを学習するのがおすすめ
- Pythonの特徴とは?Pythonを使いたくなる便利な特徴を簡単解説 — MATLABとよく比較されるPythonの特徴を解説
- 初心者向けの機械学習入門 — MATLABも活用される機械学習の基礎を紹介
- ディープラーニングに関するGPU — MATLABが得意とするディープラーニングの計算環境について
- 集計データの種類 ~クロスセクションデータについて~ — MATLABが得意とするデータ解析の基礎知識
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