販売業のデータ分析に活用できるPOSシステムとは

最終更新日: 2026年8月7日

コンビニエンスストア、スーパーマーケット、アパレルショップなどあらゆる販売業の店舗で導入されているデータ分析のためのシステムがPOSシステムです。本記事では、POSシステムとは何かといった概要と分析によって分かること、その種類と実用例をご紹介いたします。

POSシステムとは

POSとは、Point Of Salesの略で、直訳すると「販売時点」となります。POSシステムは、商品の販売時点のデータを収集・管理・分析するシステムのことを指します。販売時にPOSレジのスキャナーで商品のバーコードを読み取ることで売上情報を収集・蓄積していき、その大量のデータから売上の管理を行うことができます。POSレジとは、このPOSデータを収集できるレジを呼びます。POSレジには、カードリーダーがついており、ポイントカードや会員カードをリーダーでスキャンすることによって、商品情報のみならず、購入者の情報を収集することができます。当初のPOSシステムとはデータを収集・蓄積するのみのシステムでしたが、現在は分析までシステム上で行うことができるため、人為的なミスや負担を減らすことも可能です。購買行動を数値化し、客観的に分析することができるPOSシステムの利用は、今や販売業にとって身近なものとなっています。

POSデータからわかること

POSシステムからは、以下のようなデータが収集できます。

  • 販売年月日曜時間
  • 販売金額
  • 販売個数
  • 客層(年齢・性別等)
  • 販売者 等

これらのデータを組み合わせることによって、以下のような分析ができます。

  • いつ、いくら購入されているか
  • どの時間に来客が多いのか
  • どのカテゴリーの商品の売上が高いのか
  • どのメーカーが人気なのか
  • 女性に人気の商品 等

現在メーカーから提供されるPOSシステムでは、こういった分析結果を数値やグラフで表示まで行えるものが多いです。POSシステムで分析された結果を元に、「来客の多い時間は人員を増やして、品出しを重点的に行う」や「売れ筋の商品の発注を増やす」といった店舗や販売業務における販売戦略を立てることができます。

POSシステムの種類と比較

ターミナル型POSシステム

ターミナル型POSシステムとは、従来のレジにPOSシステムが搭載されている据え置き型のPOSレジによってデータを収集します。コンビニエンスストアやスーパーマーケットでよく利用されています。スマートフォンやタブレットといった液晶画面の操作に慣れていないスタッフが多い店舗でも、ボタンのみで操作ができる特徴があります。

パソコン型POSシステム

パソコン型POSシステムとは、パソコンにPOSシステムのプログラムをインストールし、そのパソコンにスキャナー等の周辺機器を接続することで、POSレジとして利用できるシステムです。レジとして使わない時は、パソコンとして使用することができること、POSシステムのアップグレード等の更新が発生した際も、本体を買い直すことなく、更新プログラムをインストールするのみで更新が可能なため、設備投資のコストダウンにも貢献できます。

タブレット・スマートフォン型POSシステム

タブレット・スマートフォン型POSシステムとは、iPadやiPhone、Androidといったタブレット・スマートフォンの端末に、アプリをダウンロードすることでPOSレジとして利用できるシステムです。日常生活で使い慣れた端末である為、操作を覚える時間を短縮することができ、持ち運びも楽な為、若年層が多く働く飲食店等で多く利用されています。

種類 特徴 向いている店舗 更新・コスト
ターミナル型 据え置き型・ボタン操作 コンビニ・スーパー・高齢スタッフが多い店舗 本体買い替えが必要・設備投資大
パソコン型 PCにアプリ+周辺機器接続 PC操作に慣れた環境・既存PCを転用したい場合 プログラム更新のみでOK・コストダウン可
タブレット型 iPad/Android+アプリ 飲食店・若年層スタッフが多い店舗・移動販売 端末代+アプリ利用料・初期費用低め

POSシステムの実用例

フードテーマパーク

全国各地の人気ラーメンを楽しむことができる新横浜ラーメン博物館では、館内のギフトショップや入場ゲートでタブレット型POSシステムを導入しています。タブレット型のPOSレジにしたことで、これまで事務所のパソコンでしか確認できなかった売上の管理画面を販売現場で確認できるようになり、実際の現場の状況とPOSシステムから得られた分析結果から、意思決定を行えるようになりました。

アパレル

グローバルに事業展開をしているアウトドア衣料品メーカーのパタゴニアの日本支社では、ターミナル型POSシステムを導入しています。導入したことで、どの商品がその店舗でどれだけ売れたかをリアルタイムで確認できるようになり、販売以外の管理業務が省力され、店舗でのレジ締めは従来の50%もの工数を削減することができました。また、販売実績と在庫を即時に確認することができるようになり、欠品やチャンスロスを減少させました。店舗のみならず、支社の企画部門でもデータ分析は活用されており、特にPOSシステムの属性の分析機能を活用して、購入者のニーズに沿った提案やイベントの企画を行っています。

よくある質問

Q. POSシステムのデータはどこに蓄積されますか?
A. 従来はターミナル本体やオンプレミスサーバーに蓄積されていましたが、現在はクラウド型POSが主流です。クラウド型は複数店舗のデータをリアルタイムで統合管理でき、スマートフォンやPCからどこでも確認できます。また、自動バックアップでデータ消失リスクが低く、初期導入コストも抑えられる利点があります。
Q. 小規模な店舗でもPOSシステムは必要ですか?
A. はい。タブレット型POS(Square、Airレジ等)は月額無料〜数千円から始められるため、個人経営の飲食店や小規模小売店でも導入のハードルが低くなっています。売上管理の手書き帳簿からの移行だけでも、集計ミスの削減・時間短縮・確定申告の帳票作成の自動化といった効果が期待できます。
Q. POSシステムの導入で実際に売上は上がりますか?
A. 直接売上が上がるわけではありませんが、「売れ筋商品の欠品防止」「閑散時間帯の人員削減でコスト削減」「顧客属性に合った品揃え最適化」といった間接的な効果があります。パタゴニア日本支社の事例では、レジ締め工数50%削減が実現しており、スタッフが接客・商品提案に注力できる時間が増えることで顧客満足度向上につながります。
Q. POSデータとビッグデータ分析はどう連携しますか?
A. POSデータ単独でも十分な分析ができますが、天候データ(雨の日は傘の売上が増える)・SNSトレンド(話題商品の先読み発注)・会員アプリの行動データと組み合わせることで、より精度の高い需要予測や個別レコメンドが可能になります。大手チェーンでは機械学習を用いた自動発注システムにPOSデータを活用する事例も増えています。

まとめ

  • POSシステムは販売時点データ(日時・金額・個数・客層)を自動収集・分析するシステムで、現在はリアルタイムの分析・グラフ表示まで対応するものが主流
  • POSデータを活用することで「ピーク時間帯の人員配置最適化」「売れ筋商品の欠品防止」「顧客属性に合った商品提案」など、データに基づく販売戦略立案が可能
  • POSシステムには「ターミナル型(据え置き・ボタン操作)」「パソコン型(PC転用でコスト削減)」「タブレット型(低コスト・持ち運び可)」の3種があり、店舗規模・業態に応じて選択する
  • 新横浜ラーメン博物館ではタブレット型導入で現場での即時意思決定を実現、パタゴニア日本支社ではターミナル型導入でレジ締め工数50%削減・欠品チャンスロス削減を達成
  • POSシステムは種類が多く汎用性が高いため、その店舗や業態に合わせて適切なシステムを選ぶことが導入成功のポイント

▼ アクロビジョンについて

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