Pythonにおける機械学習ライブラリ「scikit-learn(サイキット・ラーン)」とは
最終更新日: 2026年8月7日
Pythonは少ないコードで処理を記述することが可能な言語です。そのため機械学習においても用いられることが多く、様々なオープンソースライブラリとそれらの活用が行われています。今回はその機械学習において使用されるオープンソースライブラリ「scikit-learn(サイキット・ラーン)」について簡単に解説していきましょう。
scikit-learn(サイキット・ラーン)とは
scikit-learnはPythonの機械学習用オープンソースライブラリです。そのため個人、商用かを問わず、誰でも無料で利用することができます。現在も開発も活発に行われており、多くの機械学習アルゴリズムが実装されましたが、基本的にどのアルゴリズムにおいても同じコード記述で利用することができます。またscikit-learnには、サンプルのデータセットが付属しているので、インストール後すぐ機械学習に用いることができます。
機械学習とは
機械学習は「コンピューターにデータを読み込ませ、アルゴリズムに基づいて分析させる」手法のことを指します。具体的には、データを反復的に学習させることで、データの特徴とパターン等を発見させて、発見した特徴を新規データに適用させることでデータの分析や予測を行うことを可能にします。
一見、人工知能(AI)と非常に似通った性質を持ちますが、「学習、推論、判断といった人間の知能のもつ機能を備えたコンピューターシステム」という定義(大辞林より抜粋)がされています。ただし、その定義は複数に及ぶため、現状では明確な定義というものは存在していません。というのも人工知能自体には漠然とした「人間のように考える機械」という定義付けしかなかったためです。現在でも人工知能の研究は行われていますが、その延長線上に機械学習と深層学習(ディープラーニング)※があります。
※人間の脳を模したニューラルネットワークの隠れ層を複数に増やしてデータの「特徴量」いわれる差異をコンピューターが判断する手法のこと。なおニューラルネットワークは入力層、出力層、隠れ層から構成される。
scikit-learnで何ができるか
scikit-learnは自分が行いたい機械学習(分類、回帰、クラスタリングなど)に対して、適切なモデルを選択する際の手助けとなるアルゴリズムチートシートと呼ばれるものがあります。まずはそれを参照してみましょう。
1.分類(classification)
与えられたデータに対してどのクラスに属するかを判別するのが分類です。教師あり学習の分類問題を解くアルゴリズムと表現されます。主にSGD(stochastic gradient descent)、カーネル近似、Linear SVC、k近傍法、ナイーブベイズとよばれる種類のアルゴリズムがあり、それぞれデータ量、線形か非線形かによって適したものがあります。
2.回帰(regression)
与えられたデータをもとにして、目的とする値を予測するのが回帰です。教師あり学習の回帰問題を解くアルゴリズムと表現されます。主にSGD(stochastic gradient descent)、LASSO、ElasticNet、Ridge、Liner SVR、SVR(ガウスカーネル)、Ensembleと呼ばれる種類のアルゴリズムがあり、こちらもデータ量、線形か非線形かによって適したものがあります。
3.クラスタリング(clustering)
与えられたデータを定義した規則によって分けるものです。教師なし学習のクラスタリング問題を解くアルゴリズムと表現されます。主にKMeans、スペクトラルクラスタリング、GMM、MeanShift、VBGMMと呼ばれる種類のアルゴリズムがあり、こちらもデータ量、線形か非線形かによって適したものがあります。
これら以外にも次元削減やハイパーパラメータの最適化とよばれる機能がありますが、今回は主に使う機能に絞るため詳細は割愛させていただきます。
scikit-learnを利用するには
scikit-learnを利用するには、開発環境のパッケージを使うのが簡単とされています。その中でもAnacondaは、データ分析、グラフ描画などでPythonでもよく利用されるライブラリを含んだ開発環境です。Anacondaにインストールされているかはメニュー画面の「Environments」から、「Installed」を選択し、検索BOXに「scikit-learn」と入力することで確認を行うことが可能です。
当然ですが開発環境を利用しない状態でscikit-learnをインストールすることも可能ですが、インストール前に特定のライブラリをインストールする必要があるなど、経験者でないと難しい部分があります。
Pythonの機械学習ライブラリ比較表
| ライブラリ | 主な用途 | 学習難易度 | GPU対応 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| scikit-learn | 分類・回帰・クラスタリング(古典的ML) | 低い(初心者向け) | ×(CPU中心) | 統一APIで扱いやすい・サンプルデータ付属・無料 |
| TensorFlow | 深層学習・大規模モデル・本番デプロイ | 高い | ○ | Google製・TFLiteでモバイル対応・本番環境に強い |
| PyTorch | 深層学習・研究・論文実装 | 中〜高 | ○ | Meta製・動的グラフで直感的・研究向けに最人気 |
| XGBoost / LightGBM | テーブルデータ・予測コンペ | 中程度 | △(部分対応) | 勾配ブースティング木・高精度・Kaggle等の競技でよく使われる |
よくある質問
まとめ
- scikit-learnはPythonの機械学習用オープンソースライブラリ。個人・商用問わず無料で利用可能で、現在も活発に開発が続いている
- サンプルのデータセットが付属しており、インストール後すぐ機械学習の実習に使える初心者向けの充実した構成
- 主な機能は「分類(Classification)」「回帰(Regression)」「クラスタリング(Clustering)」の3つ。どのアルゴリズムも統一された書き方で利用できる
- Anacondaを利用した開発環境のセットアップが最も手軽。開発環境を使わない場合は依存ライブラリの事前インストールが必要
- 深層学習にはTensorFlow/PyTorchが適しているが、テーブルデータの分類・予測にはscikit-learnが手軽で十分な精度を発揮する
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